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日本野外教育学会 第21回大会 傍聴記

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Academic year: 2021

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48

順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科 博士後 期課程 2 年

Graduate School of Health and Sports Science, Juntendo University 48 順天堂スポーツ健康科学研究 第10巻第 1 号(通巻75号),48 (2019)

〈学術研究集会傍聴記〉

日本野外教育学会

第21回大会

傍聴記

江川

潤

Jun EGAWA

2018年 6 月22日から24日まで,信州大学教育学 部で開催された日本野外教育学会 第21回大会に 参加した.野外教育学会は,野外教育を学際領域と して位置づけ「自然・人・体験」の 3 つのキーワー ドを柱とし,野外活動,自然体験,冒険教育,環境 教育等に携わる実践者・研究者で構成され,昨年に 20回記念大会を迎えた比較的若い学会である.そ こで第21回大会で小生が参加した各セッションを 抜粋しここに報告をしていく. 基調講演は信州大学の名誉教授である中村浩志氏 だった.中村氏はカッコウやライチョウにおける研 究の日本の第一人者であるのだが,中村氏によると 「海外のライチョウは人が近づくと,すぐに逃げて しまうのだが,日本のライチョウだけは人を全く恐 れない」とのことだった.それはどのようなことを 意味しているかというと,「日本においては昔から 野生動物と人間が里山や自然を通して共に暮らして いた,共生していたから」とのことだった.これは 農耕民族である日本と狩猟民族である海外地域によ る違いによるものではないか,とのことで海外の研 究者が日本のライチョウを見ると,とても驚かれる とのことだった. 口頭発表では,「我が国における教養教育として の野外教育プログラムの可能性―Self authorship の育成を促す大学体育授業の実践にむけて」と題し て佐藤冬果先生(筑波大学大学院)から発表があっ た.本研究はグローバル化が進んでいる現代世界に おいて,高等教育機関としてそれらに対応し得る知 識,知性,教養を身につけた人材の育成が求められ ているとし,Self-authorship(以下,SA)に関す る論考に着目し,SA と野外教育の特徴および指導 法との関連を検討することにより,教養教育として の再構築に向けた一つの方策としての野外教育プロ グラムの可能性を検討することであった.佐藤はこ れまでの大学体育の学びの構図を述べつつ,SA 獲 得を促す新たな授業展開の方法を提案していた.教 養教育としての体育に関する先行研究においては西 田ら(2015, 2016)が主観的恩恵の抽出をし,性及 び運動・スポーツ習慣の差異,大学適応感に及ぼす 影響を検討したことを報告しているが,佐藤先生, 西田先生らを始めとした研究で報告がされているよ うに,高等教育機関の教養教育としての大学体育の 今後の在り方,可能性が益々高まっていくことを表 していることを考えさせられる内容であった. 福岡大学の川畑先生は「大学生を対象とした短期 野外教育プログラムの教育効果に関する一考察」と 題し,野外教育プログラムの教育効果として,大学 生の登校回避感情とコミュニケーション力の変容か ら検討することを目的とした発表があった.内容と しては,「どのような要因が影響を及ぼしたか」と いう点においては今後検討しなければならないとし ていたが,プログラムが学校不適応問題を改善する 予防的手段となること,比較対象によってはコミュ ニケーション力の向上に効果的であることが示され た.口頭発表を聴講して感じたことは,社会人基礎 力の育成要因の検討や社会的スキルの変容といった 研究が増えてきていることから,今後も大学生を対 象とし,社会人育成や社会人に必要となる能力をキ ャンプや冒険教育などの野外教育による効果検討が 必要とされており,今後も取り組まれていくものと 改めて再認識したものである.小生も身を引き締め て,研究に取り組みたいと感じた学会大会であった.

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