当社では,急曲線ロングレールの対座屈性能向上を
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(2) 土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月). Ⅵ‑509. 既存のPCまくらぎに廃用レールを設置するために,. 表-2. 解析結果(たわみ量比). 図-2に示すようにまくらぎ中央部にボルト穴を設け て,そこに締結する方法とした.. (3)解析結果の考察 表-2の結果をみると,レール設置本数が増えるとモ デル中央部のたわみ量が小さくなることがわかる.単 純梁に等分布荷重が作用する時のたわみ量は断面2次モ. 図-2 軌間内廃用レール設置状況. ーメントに反比例することから,本解析ではモデルを1. (1)最低座屈強度の算出式. Pt 3.63J 0.383g 0.535 N 0j .267. つの単純梁と仮定し,モデル中央部のたわみ量比は断 (1). 面2次モーメント比に等しいとした.また,断面2次モ ーメント比は軌きょう剛性比に等しいと考えられるの. 式(1)に最低座屈強度を求める算出式(略式)を示す. で,ケース0の最低座屈強度を1とするとき,ケース1は J :レールの横剛性,g:道床横抵抗力,Nj:軌きょう. 1.14,ケース2は1.24と計算される.浮まくらぎが発生. 剛性.. した場合の最低座屈強度の減少分は2割程度なので,ケ ース2では対策による最低座屈強度増加分が浮まくらぎ. (2)有限要素法を用いた解析. による減少分より大きくなる.. 本対策による軌きょう剛性の増加分を検討するため,. 次にコストに関して,構造物前後の2箇所に軌道延長. 有限要素法解析を行った.解析モデル(軌間内レール1. 約7m(まくらぎ本数10本分)施工する場合を考えてみ. 本設置用)は図-3に,解析物性値は表-1に示す.走行. ると,ケース1の場合は約68万円と試算され,改良型橋. 用レールと廃用レールはともに50Nレール,まくらぎ. 梁ガードの設置(約94万円)と比べると効果・コスト. は3号PCまくらぎとし,モデルの延長は9m,その間の. ともに優位となる.. まくらぎ本数は13本とした.荷重はレール側面からの 等分布荷重とし,拘束条件はレールとまくらぎの締結. (4)今後の取組み. 部は回転要素を拘束,レール端は完全拘束としている.. 本稿で述べたように有限要素法解析による本対策の. 軌間内のレール設置本数を0本,1本,2本とした3ケ. 効果は確認できたことから,実線路に敷設した場合の. ース(以下,それぞれをケース0,ケース1,ケース2と. 効果や挙動を継続して確認することとしたい.また,. する)でモデル中央部のたわみ量を比較した.結果を. 今回設計したのは,軌間内レール1本設置用であるが,. 表-2に示す.. 一層の効果を発揮できるようレール2本設置用について も設計し実用化を目指したいと考える.. 7.. おわりに 本稿では廃用レールを活用した軌きょう剛性増加に. 図-3. 解析モデル. よる対座屈性能向上策について紹介した.本対策によ. 表-1. 解析物性値. って最低座屈強度増加が安定的に期待でき,急曲線部 や構造物前後のレール張出しリスクを小さくできると 考える.今後,更なる検討を重ねて,より効率的かつ 効果的な手法を実現させたい.. ‑1018‑.
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