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不 連 続 体 解 析 モ デ ル 表‑1

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Academic year: 2022

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(1)III-B133. 等価連続モデルと不連続体モデルによる不連続性岩盤の変形挙動の比較検討 長崎大学工学部 長崎大学大学院. 正会員 学生員. 蒋 肖. 宇静 俊. 棚橋由彦 山口耕平 ○佐久間敦之. 1.は じ め に 岩盤構造物の力学的挙動を評価する解析手法として、連続体モデリングと不連続体モデリングがよく用いられている が、前者は岩盤内不連続面による影響を損傷テンソル法など等価連続体として取り扱う。しかしながら、不連続性岩盤 内空洞の変形挙動と安定性は既存の不連続面の分布特性に大いに支配されるため、等価連続体解析法が適用できるケー スとしては、構造物の規模に比較して微小な割れ目が空間的にランダムに存在する場合である。また、等価連続体解析 法では、不連続面の影響による局所的な挙動を把握することができない。そこで本研究では、不連続性岩盤内地下空洞 を対象とし、不連続面を忠実にモデル化した不連続体解析と等価連続体解析を用いる比較検討を行い、不連続面の影響 による岩盤の変形と不安定化挙動を明らかにし、支保工の合理的設計の提案を図ることを目的とする。. 2. 不 連 続 体 解 析 モ デ ル 表‑1. 不連続性岩盤を解析的に評価するために、まずは信頼性 のある不連続面の挙動モデルを構築することが重要な課題 である。ここでは室内せん断試験に基づいて提案した単一 不連続面の挙動特性の評価法を用いる。次に不連続面の分 布密度に関しては、2 次元不連続面ネットマップによるフ. Set1 Set2 Set3. 解析用岩盤不連続面群の統計データ. 角度(deg) 平均値 標準偏差 57 9 139 12 164 9. 間隔(m) 平均値 標準偏差 12 4 13 4 9 3. ラクタル次元の評価アプローチを用いる。さらに、不連続面の分布特性に対し ては、地下空洞の力学的挙動に大きく影響を及ぼす不連続面の長さ、傾斜角、 300(m). 間隔、ギャップ等について確率統計に基づく評価法を用いる。現場計測データ に基づけば、解析断面における不連続面の長さと傾斜角、間隔等の確率密度分 布を把握することができる。一例として、表 -1 は現場調査により求められた傾 斜角及び間隔幅の平均値と標準偏差を示す。また、平均トレース長は 40m、 ギャップは 30m とする。不連続体解析手法として個別要素解析法を用いるが、 ブロック部分を構成する既存不連続面しか解析に反映されないため、本解析で は、表 -1 に示した不連続面の端点を結ぶ潜在面を定義しておくことにより、既 存不連続面をすべて解析モデルに反映させる手法を用いた。その結果、図-1. 300(m) 図‑1. に示したモデルが作成された。. 3 セットの不連続面を有する 地盤モデル. 3. 等 価 連 続 体 解 析 モ デ ル 等価連続体解析に必要なパラメータは、基質部の材料の変形に関 する変形係数とポアソン比、基質部の材料の強度特性に関する粘着 力 c と内部摩擦角φである。従来、有限要素法などの連続体解析では、 不連続面の影響を考慮していない岩盤基質部の物性値をパラメータ として用いていたため、不連続体解析による力学的挙動との比較は 難しい。ここでは不連続面の影響を考慮した物性値を解析領域に平 均的に与えることにより、等価な破壊強度を持つ等価連続体モデル が作成できると考え、不連続体モデルを用いた二軸圧縮シミュレー ションにより得られるc’とφ’を等価連続体の解析パラメータとして. c、φ、μ、 E. c 、φ’ 、μ、 E. Kn 、Ks 、c j、φ j. (a) 不連続体モデル (b) 等価連続体モデル 図‑2. 等価連続体モデルの概念図. 用いる(図-2)。表-2 は図-1 のモデルに対して表-1 の入力データより キーワード:不連続性岩盤、等価連続体解析、不連続体解析、ベンチカット掘削、合理的支保設計 連絡先:〒852-8521 長崎市文教町 1 番 14 号 長崎大学工学部 TEL(095)847-1111 FAX(095)848-3624. -266-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

(2) III-B133. 求められた、等価連続体モデルの強度特性を示す。. 表‑2 等価連続体解析パラメータ. 3.全断面空洞掘削シミュレーションの比較と考察. 物性 γ c’ φ’. 単位体積重量 粘着力 内部摩擦角. 掘削に伴う周辺地山の変形挙動と破壊領域を把握する ために、上述した 2 つの解析モデルによる無補強全断面. 値 27 1.46 37. (KN/m3) (MPa) (deg.). 掘削解析を行い、比較検討を行う。岩盤基質部の破壊に はモール・クーロン破壊規準を、不連続面にはクーロン 滑りモデルを適用する。図‑3 は全断面掘削後の変位ベク トルの比較を示す。等価連続体解析(図‑3(a))では、空洞 周辺に対称的な変位ベクトルが形成され、最大内空変位 はアーチ部で約 2.3cm であった。一方、不連続体解析(図 ‑3(b))では、アーチ部のブロックが崩落している。側壁 ベクトル. 部でも不連続面に沿ってブロックの滑りが発生し、変位. ベクトル. 0 0.1 (m) (a) 等価連続体モデル. 量は左側壁部と比較して、右側壁部の変位量が大きくな っている。これ以降時間が経過した後も、ブロックの自. 20 (m). 0. (b) 不連続体モデル. 図‑3 解析モデルによる変位ベクトルの比較. 重によりさらに変位が増大することが予想される。以上 より、不連続性岩盤内空洞の設計を行 う際に、不連続面を幾何学的にモデル 化して不連続体解析法を 用いること で、不連続面が局所的な影響を及ぼす ことを明らかにすることができた。. 4.不連続体解析法によるベンチ カット掘削シミュレーション ここでは、不連続面の影響による岩. ベクトル 0. 盤の局所的挙動を考慮し、不連続体解 析法を用いた大規模地下空洞のベン. 5. (m). (a) Case1. ベクトル 0. 0.2. (m). (b) Case2. (m). ベクトル 0. 0.2. (c) Case3. 図‑4 空洞周辺の変位ベクトル. チカット掘削過程シミュレーション を行い、ロックボルトと PS アンカー、吹付けコンクリートを含めた補強効果の検討を行った。図-4 に 16 段ベンチ掘 削完了後の変位ベクトル図を示す。アーチ部では、無支保の Case1 において 16 段ベンチ掘削完了後にブロックの崩落 が確認されたが、ロックボルトと PS アンカーで補強を施した Case2 では約 6.5cm と抑制され、さらに Case2 に対し 吹付けコンクリートも施した Case3 では約 6.0cm とわずかではあるが変位がさらに抑制された。次に空洞側壁部の変 位を見ると、Case1 では、左側壁の変位量が最大約 20cm に対し、右側壁部では最大約 48cm であった。全断面掘削解 析同様に、補強対策を施さずに時間を経過させると、ブロックの自重によりさらに変位が増大することが予想される。 また、3 セット不連続面のうち、岩盤の変形挙動に大きく影響を及ぼすものは、高角度の不連続面であり、特に右側壁 部の不連続面の影響が顕著であった。よって右側壁部に左側壁部より 5m 長い 15m の PS アンカーを打設し変位抑制 を試みた。その結果、Case2 では空洞周辺のブロックの移動を抑制することにより、右側壁部では変位量約 4.1cm、左 側壁部では変位量約 4.5cm とほぼ同程度まで内空変位を抑制することができた。吹付けコンクリートを施した Case3 では、両側壁部で約 3.9cm の変位量が確認でき、わずかであるが吹付けコンクリートによる補強効果が確認された。. 5.結 論 連続体解析と不連続体解析との比較により不連続面の分布性状が塑性領域の広がりや局所的変形挙動に及ぼす影響 を明らかにすることができた。また、大規模地下空洞の掘削シミュレーションを行うことにより、不連続体解析による 合理的支保設計のアプローチを示すことができた。今後、現場計測との比較を通じて、不連続体解析モデリングを改良 し、その実用性を高めていく予定である。. -267-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

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