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解析で使用したモデル図を図1に示す

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Academic year: 2022

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分岐器全体PCまくらぎ化

JR西日本  正会員 ○吉田 裕 JR西日本  正会員  鈴木 喜也 JR西日本  正会員  塩見 環       JR西日本  正会員  海老田佳孝

        1.はじめに  

当社では、省力化分岐器の一環として、平成14年度より本格的に分岐器ポイント部のPCまくらぎ化に取 組み、現在までに約 70 組程の分岐器が施工を完了している。PCまくらぎ化の目的は、軌道弱点箇所の1つ である分岐器の保守周期延伸およびまくらぎの寿命延伸であり、軌道狂いが生じた場合でも、マルチプルタイ タンパー等で保守することが出来る。ポイント部以外の部位であるリード・クロッシング部についても、更な る保守周期延伸を図るためPCまくらぎ化を実施し、構造強化を図る必要があると考える。本論文では、平成 16年度当社で試験敷設を行なった分岐器全体に渡るPCまくらぎ化の施工とその効果について紹介する。 

 

2.分岐器用PCまくらぎの設計について  2.1  鋼線本数、配置の検討 

 分岐器用PCまくらぎの鋼線本数、配置を決定するため、有限要素法をベースとした限界状態設計法で解析  を行なった。解析で使用したモデル図を図1に示す。なお、設計条件を以下の通りとする。 

 

(設計条件) 

・ 荷重条件:EA17   

・ 通過速度:130km/h  (基準線側) 

・ まくらぎ断面は、ポイント部で実績 

のあるPCまくらぎと同様とする。        図1 解析で使用したモデル図   

  各まくらぎ毎に曲げモーメント図を求め、その中で最大曲げモーメントが発生した 4.0mPCまくらぎの 曲げモーメント図を図2に示す。また、解析で得られた最大曲げモーメント値 6.9(kNm)により決定したP Cまくらぎの鋼線本数、配置を図3に示す。 

             

        図2 4.0mPCまくらぎの曲げモーメント図        図3 PCまくらぎの鋼線本数、配置 

2.2 締結装置埋込位置の検討

 分岐器は、図4の通りまくらぎ1本毎に締結位置が異な ることから、PCまくらぎ化によりPCまくらぎが多品種 となり、材料コストが高くなることが懸念される。そこで、  

床板の削りをまくらぎ毎に変化させることにより、まくら  ぎの種類を極力統一させることとした。

              図4 床板とまくらぎ

キーワード  分岐器全体PCまくらぎ化、 省力化分岐器、 限界状態設計法 

連絡先 〒530‑8341 大阪市北区芝田二丁目 4 番 24 号  西日本旅客鉄道㈱ 鉄道本部技術部 TEL06‑6376‑8136  6.9(kNm)

土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月)

-255- 4-128

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2.3 性能確認試験 

2.1で決定したPCまくらぎの鋼線本数、配置で問題 ないことを確認するため、静的曲げ・疲労曲げ・破壊曲げ 試験を実施した。(図5)荷重条件は、2.1の解析で得

られた最大曲げモーメントの2倍(=ひび割れ耐力)を         図5 載荷方法 

供試体に発生させるため、P=35(kN)とした。静的曲げ・疲労曲げ試験では、PCまくらぎにひび割れは発生し なかった。また破壊曲げ試験では、PCまくらぎがひび割れ耐力、曲げ耐力の約2〜3倍の強度を有している ことが確認できた。 

 

3.現地試験敷設  3.1 実施箇所 

東海道本線 茨木構内 上外側線 44 号分岐器 (形式 T60 片 12‑351)  

・年間通トン:4,700 万トン ・施工間合:3 時間 57 分  ・PC 化を行なったまくらぎ本数:35 本  3.2 実施時期 

平成 16 年 11 月 21 日〜30 日 (うち施工実施日は7日間) 

3.3 施工方法 

軌陸バックホーを用い、まくらぎを1本毎に交換する部分交換方法を採用した。また、まくらぎ吊上げ治具

(図6)やローラー付きまくらぎキャッチャー(図7)を開発し、既存のトロ付き門型クレーンと併用するこ とにより、最大で長さ 4.0m 重量約 600kg の分岐器用PCまくらぎの交換を容易とした。 

図6 まくらぎ吊上げ治具      図7 ローラー付きまくらぎキャッチャー   

4.道床振動加速度の測定 

 PCまくらぎ化による効果を検証するため、道床振動加速度の測定をPCまくらぎ化施工前後で実施した。 

4.1 測定方法 

測定は、欠線部を有し、乗り移りの衝撃が大きい基準線側クロッシング交点付近で実施した。加速度計を埋  め込んだ砕石をまくらぎ下面より 100mm 位置に据置き、測定を行なった。(図8) 

4.2 測定結果 

測定結果を図9に示す。PCまくらぎ化により、貨物では平均で 4.2(dB)、電車では平均で 7.0(dB)の低減  効果が確認された。 

           

図8 加速度計の設置位置       図9 道床振動加速度の測定結果   

5.まとめ 

 今回の試験敷設より、分岐器用PCまくらぎの施工方法やPCまくらぎ化による効果を確認した。今後は、 

特殊分岐器や新幹線分岐器へのPCまくらぎ化拡大を図っていく。 

100 105 110 115 120 125 130

0 20 40 60 80 100 120 140

速度 (km/h)

道床振動加速度(dB) 貨物(施工前)

電車(施工前)

貨物(施工後)

電車(施工後)

土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月)

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参照

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