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就職活動不安が就職活動に与える影響について The influence of anxiety on the job hunting process

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Academic year: 2022

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人間科学研究 Vol. 27, Supplement(2014)

修士論文要旨

【問題と目的】

 近年,学生の就職難が大きな社会問題となっている。企 業の求人数が少なくなる中,学生たちは就職に向けて激し い競争をしなければならないことが推察される。そのため に就職に関する不安が増大し,その結果,長期的には就職 活動自体に多大な悪影響を受ける可能性があると考えられ る。これらの問題を解決するために,学生の就職活動不安 を低減させる有効な方策を検討する必要がある。

 松田・永作・新井(2010)では,就職活動に対する不安 が高まると,就職活動が抑制されることが見出された。し かし,この研究では,就職活動を5つまでしか設定してお らず,十分な項目数とは言い難い。また,1年生や2年生 の状況については検討されていない。そのため,大学生の 学年の差異を考慮した,就職活動不安についての検討も必 要と思われる。

 そこで本研究は,就職活動における不安が,より細かい 就職活動のプロセスに与える影響,また,それらの影響性 の学年による差異を検討することを目的とした。

【方 法】

調査対象者:首都圏の私立大学に通う大学1~3年生の 116名(男性38名,女性78名;平均年齢20.2歳)を対象とした。

調査材料:(a)フェイスデータ(性別,年齢),(b)就職 活動不安尺度20項目(藤井,1999),(c)就職活動の活動 量12項目

【結果と考察】

 アピール不安,準備不足不安,試験不安,活動継続不安,

サポート不安をそれぞれ従属変数として,性別2(男性,女 性)×学年2(1年,2年,3年)の二要因分散分析を行っ た。その結果,活動継続不安において,学年の主効果が有 意であった(p<.01)。多重比較の結果,3年生は,1年生 と2年生とそれぞれ比較して,有意に活動継続不安が低い ことが明らかになった(p<.01)。それ以外の従属変数にお いては,有意な差は認められなかった(Figure)。次に,1 年生から3年生を対象にした各指標間の相関分析を行った。

その結果,アピール不安は,就職活動のどのプロセスにお いても,有意な相関は認められなかった。準備不足不安は,

セミナー参加,OBOG訪問,会社説明会,履歴書・エント リーシート対策との間に有意な負の相関が認められた。試

験不安においては,自己分析とのみ有意な負の相関が認め られた。活動継続不安においては,業界研究,企業研究,就 職サイト登録,セミナー参加,OBOG訪問,会社説明会と の間に有意な負の相関が認められた。サポート不安は,イ ンターンシップ,自己分析,セミナー参加,OBOG訪問,

履歴書・エントリーシート対策との間に有意な負の相関が 認められた。次に3年生のみを対象にした各指標間の相関 分析を行った。その結果,就職不安と就職活動のプロセス との間においては,ほとんど有意な相関が認められず,

OBOG訪問と活動継続不安,サポート不安の間においての み有意な負の相関が認められた。

 本研究では,大学生を対象として,5つの就職活動不安 と就職活動の詳細なプロセスとの関連性を検討することを 目的とした。その結果,学年が上がるにつれて,就職活動 不安は減少し,特に就職活動を始めている3年生において は,これらの不安がほとんど就職活動に影響しないことが 示唆された。これらのことから,特に就職活動不安を抱え やすい,1年生と2年生に対する心理臨床的支援を検討す る必要性といったものが考えられる。

 また,就職活動を始めている3年生においても,活動継 続に対する不安やサポート不安が就職活動の主たる情報源 であるOBOG訪問を抑制している可能性も考えられる。こ のことから,就職活動の見通しを持たせることやサポート 希求スキルやサポート知覚の向上などがOBOG訪問を促 進する可能性が考えられる。

就職活動不安が就職活動に与える影響について

The influence of anxiety on the job hunting process

角谷 陽介(Yosuke Kakutani)  指導:大月  友

Figure 学年・性別による活動継続不安の差異 0.00

1.00 2.00 3.00 4.00 5.00 6.00 7.00 8.00 9.00

1年 2年 3年

活 動 継 続 不 安

男性 女性

**p<.01

**

**

**

参照

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