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PIV による淀川洪水流の乱れ観測

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Academic year: 2022

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(1)Ⅱ-205. 土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月). PIV による淀川洪水流の乱れ観測. 1.. 大阪工業大学大学院. 学生員. ○柿木. 理史. (社)近畿建設協会. 正会員. 露口. 肇. 大阪工業大学工学部. 正会員. 綾. 史郎. 神戸大学都市安全研究センター. 正会員. 藤田. 一郎. はじめに PIV 計測法は,波紋やボイル等によって生じた水表面の凹凸による光の反射角の変化や気泡の存在などに. 起因した撮影画像上の表面輝度の濃淡分布を追跡することにより表面流速分布を得るものであり,河川の表 面流速分布の測定や流量計測などの現場計測に適用され,成果を上げてきた 1).本論文では,淀川下流域で の距離標杭 13.0km〜13.2km 付近における洪水流のビデオ画像を用いて,PIV 解析を行い,平均流速分布の 水表面分布を求め,乱れの特性について検討した. 2.. 対象出水と解析条件 今回の解析では淀川左岸 13km 付近の大阪工業大学屋上(カメラ高さ OP.+68.53m)より 13.0km〜13.2km. 付近の洪水時の淀川水表面をビデオ撮影した画像を処理した.解析対象出水は 1998 年 6 月 21〜23 日にかけ てのピーク流量 1500m3/s の小出水であり,流量ピークを過ぎた低減期の 6 月 22 日 18 時頃の流量 1350m3/s の時に撮影を行った.淀川 13km 付近では河川水面に濃淡分布がよく現れていて,解析を行うには好条件で あった.写真− 1 , 2 に元の斜め画像と 2 次射影変換を用いて変換された無歪画像を示す.. 写真− 1. 13.2km 付近での原ビデオ画像.. 写真− 2. 変換後の無歪画像.. 今回は左岸側越流水制付近に注目し,解析精度を高め,流速ベクトル間隔を細かくして行った.より細か な流れの様子を見るために,1 pixel の実長を 0.25m×0.25mとし,画像の取り込み間隔を2秒とし,120 枚の画像を処理・解析し,2.5m(10pixel)間隔で流速ベクトルを得た.解析精度は u = v = 0.025 m/s 程度 の値である. 3.. 結果と考察 左岸側の水深急変部を中心として,その周辺の流速分布の詳細を示したものが図−1 である.240m〜260. m付近の水深急変部を挟んで,速度分布も急変していること,左岸側の水制域内部では微小ではあるが,複 雑な流向の流れが存在していることが分かる.250m の流速を用いた移動座標系上で見た流速分布より,主 流域と水制域との境界付近には 2 つ程度の大きな渦を確認することができる. 図−2は I=50 における(a)は主流域中心付近の瞬間流速と(b)主流域と水制域の境界付近の時系列で ある。(a)の主流域中心付近ではどちらもきれいな乱れが現れていると思われる。( b)主流域と水制域の境 界付近では,主流域中心付近とは違って計測値である。前半部で計測値の棄却多いが,乱れの大きな値を取 ることも明らかである。 キーワード:野外観測,PIV ,河川流,乱れ,Reynolds 応力 〒535-8585 大阪市旭区大宮 5-16-1 大阪工業大学 工学部 土木工学科 (TEL 06-6954-4184 FAX 06-6957-2131).

(2) Ⅱ-205. 340. 320. 300. 距離 (横断方向) (m). 土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月). 13.2km横断面. 280. 260. 240. 220. 200. 180 6. 4. EL. 2. 0. -2 - 4 -6. (O.P+m). (m). 図− 1 時間平均流速の水表面分布と横断図 0.0. 0.0. -0.2. -0.2. 瞬間値U. -0.6 -0.8 -1.0 -1.2. -0.6 -0.8 -1.0 -1.2. -1.4. -1.4. -1.6. -1.6 0. 20. 40. 瞬間値U. 60. 80. 100 時間[sec]. (流下方向,横断方向)=(331m,321m). 0.6. 120. 0. 20. 40. 60. 瞬間値U. 80. (流下方向,横断方向)=(331m,251m). 100 時間[sec]. 0.6. 瞬間値V. 0.4. 0.4. 0.2. 0.2. 流速[m/sec]. 流速[m/sec]. 瞬間値U. -0.4. 流速[m/sec]. 流速[m/sec]. -0.4. 0.0 -0.2 -0.4 -0.6. 120. 瞬間値V. 0.0 -0.2 -0.4 -0.6. -0.8. -0.8 0. 20. 40. 瞬間値V. 60. 80. 100 時間[sec]. (流下方向,横断方向)=(331m,321m). 120. 0. 20. 40. 瞬間値V. 60. 80. (流下方向,横断方向)=(331m,251m). 100 時間[sec]. 120. (a) (流下方向,横断方向)=(331m,321m)での瞬間値 U ,V .(b) (流下方向,横断方向)=(331m,251m)での瞬間値 U ,V .. 図− 2 計測された瞬間流速.. 1.5. -0.05. Reynolds応力(u'v'/u^2) 流速 u u'/u v'/u. 0.5. 標高 (O.P.+m). 200. 220. 240. 0.00. 1.5. -0.05. 1.0. -0.10. -0.15. 0.5. -0.20. 0.0. -0.10. 0.0 1 0 -1 -2 -3 -4. 2.0. 260. 280. 河床高 水路幅 (m). (a) I=25.. 200 標高 (O.P.+m). 1.0. 0.05. 1 0 -1 -2 -3 -4. 220. 240. 260. 280. 300. 320. 河床高. 水路幅 (m). 3.0. 0.10. 2.5. 0.05. 2.0. 0.00. 1.5. -0.05. 1.0. -0.10. -0.15. 0.5. -0.15. -0.20. 0.0. 340. 2. 0.00. 0.10. 2.5. 0.15 Reynolds応力(u'v'/u ). 2.0. 3.0. 0.20. Reynolds応力(u'v'/u^2) 流速 u u'/u v'/u. 3.5 流速 u (m/s), u'/u, v'/u. 0.05. 0.15. -0.20 260. 標高 (O.P.+m). 0.10. 2.5. I=75. 4.0. 2. 3.0. 0.20. Reynolds応力(u'v'/u^2) 流速 u' u'/u v'/u. 3.5 流速 u (m/s), u'/u, v'/u. 0.15 2. 3.5. I=50. 4.0. 0.20. R e y n o l d s 応 力 ( u ' v ' / u). 流速 u (m/s), u'/u, v'/u. 4.0. R e y n o l d s 応 力 ( u ' v ' / u). I=25. 280. 1 0 -1 -2 -3 -4. (b) I=50.. 300. 320. 340. 河床高. 水路幅 (m). (c) I=75.. 図−3 平均流速と乱れ強さ及び Reynolds 応力の横断方向分布.. 図−3(a),(b), (c)には主流方向流速と Reynolds 応力の横断方向分布を河床高さの横断方向分布と ともに示した.主流方向の流速成分はどの測線においても,河床高さの分布と極めてよく対応しており,水 深の浅い水制域である y < 240m の領域で小さく,水深が深くなる y >260m の主流域では 1.2〜1.4m/s の値 をとっていることが,これらの図にも明瞭に示されている.前述のように水制域内部での乱れ測定の信頼度 は低いので,Reynolds 応力の分布は限られた範囲でしか表示されていないが,流速分布が比較的一様な主流 部では小さな値を示し, y≅260m の水深急変部で大きな値をとる傾向を見ることができる. 4. 結論 数分程度の多量のビデオ画像の PIV 解析により得られた観測値に平均化操作を行うことにより,洪水時に おける河川の流れと乱れの特性を把握することができた. 参考文献 1) 綾. 史郎,露口. 肇,柿木理史,室田有紀,藤田一郎:淀川下流部における PIV を用いた洪水時の流速観測,第 44 回. 水工学論文集,pp.455-460,2000..

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