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回線速度
(Up/Down)FTTH= 100Mbps/100Mbps ADSL= 1Mbps/ 10Mbps
伝搬遅延時間
= D msec図4.6.実験環境構成図
図4.6に実験環境構成図を示す.BitTorrentクライアントソフトウェアをインストールし た48台のPCと,p-Trackerとn-Tracker およびオリジンサーバを実装したPCが1台存 在する.これらを,OLT(Optical Line Terminals) とONU(Optical Network Units)を接続 したGE-PON (Gigabit Ethernet-Passive Optical Network)システムを用いて模擬したア クセスネットワークに接続した.この構成で,各クライアントの両方向の回線速度を設定す ることが可能である.ADSLとFTTHの上り/下り回線速度をそれぞれ,1Mbps/10Mbps, 100Mbps/100Mbpsに設定した.L3SW(Layer 3 SWitch)とDUMMYNET [67]を起動した ネットワークエミュレータはネットワークパラメータを設定し,コアネットワークを模擬し た.L3SWを使用し,ネットワークセグメント毎に異なるネットワークプレフィックスを設定 した.セグメント間の伝搬遅延時間Dは,DUMMYNET上でipfwコマンドによって,特定 のプレフィックスを指定し変化させた.セグメント1からセグメント2への遅延時間Dの設 定例を,以下表4.1に示す.
表4.1.ipfwコマンド
#ipfw add pipe 1 from S-1 pref to S-2 prefout
#ipfw pipe 1 config delayD ms
S-i pref : prefix of Segment i
クライアントソフトウェアとして,最も人気のあるソフトウェアの一つAzureus (version 2.5.0.4) [66]を使用した.クライアントの1つをTrackerとし,DHTやLAN peer finder(所 望ピースを所持するローカルネットワーク上のピアを検出するAzureus独自の機能)を無効 とした.さらに,最大コネクション数を,オリジンサーバ=4,ピア=12とし,同時アップロー ドピア数(最大unchoke数)を,オリジンサーバ=2,ピア=4に設定した.コンテンツは1種
表4.2.実験諸元
項目 パラメータ
コンテンツファイルサイズ 18MByte
ピア数 合計48ピア
各セグメントのピア数 合計12ピア
(ADSL=6ピア,FTTH=6ピア) 同一セグメント選択率 (Sr) 0%, 25%, 50%, 75%, 100%
セグメント間の伝搬遅延時間 (D) 0msec
クライアント起動時間 全ピア同時起動
最大コネクション数 オリジンサーバ=4,ピア=12
最大unchoke数 オリジンサーバ=2,ピア=4
ソフトウェア Azureus2.5.0.4にn-Tracker機能追加
4.4 評価 57
類のみで,実際に配信を行い評価した.その他実験諸元を,表4.2に示す.断りが無い限り,
実験ではこの値を用いる.
クライアント起動動作を模擬するために,クライアント制御システムを用意した.このシス テムは,異なるタイミング(同時起動,一定時間間隔など)で,各PC上のクライアントソフ トウェアを起動し,コンテンツのダウンロードを開始させるものである.さらに,このシステ ムは,各クライアントからログファイルを収集できる.
P2Pシステムは確率過程を持つため,例え同じパラメータで実行しても結果が異なる.例
えば,BitTorretシステムはピアやピース選択戦略にランダムが組み込まれている.ゆえに,
実験は同じシナリオを4回実施し,統計結果を算出した.また,配信トラフィックが同一セグ メント内に局所化された割合を示す局所率Lrを定義した.セグメントjからiのトラフィッ ク量は,Tijで与えられ,Lrは次式で算出する.
Lr=
∑n
k=1
Tkk/
∑n i=1
n+1∑
j=1
Tij (4.1)
p-Trackerとn-Tracker間のコントロールメッセージはサイズが比較的小さいため,総トラ フィック量の計算に含めなかった.
4.4.2 実験結果
4.4.2.1 同一セグメントピア選択率の効果
まず初めに,4.3章で定義した同一セグメントピア選択率Srを0%から100%に変化させ,
セグメント間のトラフィック分布を評価する.
表4.3は,Sr=100%, 50%, 0%と変化させた時の各セグメントのトラフィック分布を示し たものである(Sr=0%は,ピア選択制御を行わない,オリジナルのBitTorrentに相当). 各セ ルの値は,当該セグメントの総受信トラフィック量に対する,送信元別受信トラフィック量の 割合を示している.送信元は,4つのセグメントおよびオリジンサーバである.表4.3(a)は,
Sr=100%の時を示し,局所化トラフィック量は他セグメントからのトラフィック量よりかな
り多く,局所率Lrは平均86.2%であった.また,他セグメントからのトラフィック量の割合 は,各セグメントにおいて0%から17%であった.表4.3(b)に示すSr=50%の時,局所化ト ラフィック量は,Sr=100%の時より低く,Lrは平均46.84%になった.一方,Sr=0%の場 合(表4.3(c)),Lrは平均20.10%でほぼ各セグメント間で均一に分布し,同一セグメント内に 局所化されなかった.
本実験結果より,同一ピア選択率Srが増加した時,同一セグメント内にトラフィックが十 分局所化されることが確認された.一方,オリジンサーバから各セグメントへ送信するトラ フィック分布は,最大でもSr=50%の時にセグメント4へ送信した9.80%であった.これは オリジンサーバの最大unchoke数を2と小さく設定することでサーバからの出力量を制御し
表4.3.セグメントのトラフィック分布