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MOBFV

ドキュメント内 nagano 2005 keiei (ページ 121-129)

    l

∠]刀vv、

    +β3

  ∠ハIL、

     +β4

  Bレ E

         BVE     COBArv

       ル㊨BIV7      +β8

 BVE,

        Bレ「E置

∠II)P㎜f      

+β5

+β9

   l

BVE

DPNM

   l    BVE、

∠L皿)、

    +β6

十εt・

BVE、 7

β

TA

(8)

㎜およ欄は,(6)式において用いた定義と同じである。∠は,公正価値とその簿 価との差額を表している。TRDFSはトレーディング目的の有価証券のことであり, INV は投資目的の有価証券,NL、は貸付金, DPWMは定期預金, LTDは長期負債, MOBFV は市場関連オフバランスシート項目の公正価値,COBNVは信用関連のオフバランスシー

ト項目の契約額,MOBNVは市場関連オフバランスシート項目の契約額である。また,

DPNM/TAは定期預金以外の預金を資産総額で除したものである。このモデル式におい て,ATRDFS,∠INV,∠NL, MOBFVの係数はそれぞれプラスの値を,∠」DPWMお よびALIIDはマイナスの値をとると予想される。

 この(8)式の結果[Eccher et al.(1996), pp.100・101, table 3]は, ATRDFS,∠

INV,∠NLおよびCOBNVは有意にプラスの値をとり,MOBNVおよびDPNM/TAは 有意にマイナスの値となった。なお,∠DPWMおよび∠」LTDについては株価簿価比率に たいして増分説明力があるという結果は示されていない9。

 このような結果を得たものの,Eccher et al.(1996)では,個々の資産・負債の公正価 値評価差額が株価簿価比率にたいして弱い関係であったことから,次にSFAS第107号に

より開示された公正価値情報と,原価主義会計のもとで入手可能な情報の関係について調 べている。このためにEccher et al.では,財務諸表において報告されている原価情報を用 いた18の財務比率を選出し,株価簿価比率を従属変数としてステップワイズ法による回 帰分析を行い,12の変数を選択させた。選択された12の変数は,企業規模を表す変数1 っ,収益性を示す変ta 4つ,貸付金の質を示す変数3つ,貸借対照表の構造を示す変数1 つ,そして成長性を示す変数3つである[Eccher et al.(1996), p.104]。そして,先の 公正価値情報に関する変数9つとともにモデルに投入し,原価情報を所与としてもなお公 正価値清報に増分情報内容があるのかを検証している[Eccher et al.(1996), p.106]。

 財務諸表上で報告されているデータを所与としても,(8)式の分析結果と同じことが言 えるのかを確認したところ,1992年と1993年の両年において株価簿価比率に有用な変数 は∠血RDFSとAINV, COBN▽, MOBNVの4変数であった[Eccher et al.(1996), p.

106,table 5]。トレーディング目的の有価証券と投資目的の有価証券の公正価値情報に ついては,原価情報による財務比率を統制したうえでもその有用性を確認できたものの,

貸付金の公正価値情報については株価簿価比率にたいする説明力を失ってしまったのであ

る。

 Eccher et al.(1996)の研究では,原価情報を用いた財務比率を統制したうえでSEAS

第107号により開示された公正価値情報の有用性を検証した。その結果,トレーディング 目的有価証券と投資目的有価証券の公正価値情報はともに,株価簿価比率たいして有用で あることが明らかにされた。このことは,SEAS ag 107号による情報の有用性を検証した Nelson(1996)の研究では検出されなかったという点で意義があるといえよう。しかしな がら,Eccher et al.の研究では,原価情報を統制した場合には,貸付金の公正価値情報の 有用性を確認することができなかった。

3.3 Barth, Beaver and Landsman(1996)

 っついて,Barth et al.(1996)の研究についてみてみることにする。 Barth et al.(1996)

の研究は,Nelson(1996)やEccher et al.(1996)と同様に, SEAS第107号により開 示された公正価値情報の有用性を検証するために行われた。しかしながら,Nelson(1996)

やEccher et al.(1996)とは検証に用いたモデルに大きな違いがある。 Nelson(1996)

やEccher et aL(1996)では,従属変数に株価簿価比率を用いていたが, Barth et al.(1996)

では,株主持分時価と簿価の差額を用いてSEAS第107号のもとで開示される公正価値情 報の有用性を確かめているのである。また,Nelson(1996)やEccher et al. (1996)で は各変数を株主持分簿価で除していたが,Barth et al.(1996)ではこのことが分析結果 を歪ませるとして,何らかの指標で除すことをしないモデルを用いている。このことも先 の研究との相違点としてあげることができる】°。

 Barth et a1.(1996)では株主持分の時価とその簿価の差額は, SFAS第107号の対象 となる資産や負債だけではなく,それ以外の情報によっても説明されるはずであるとして,

各銀行が保有するSEAS第107号以外の資産や負債のほか,不良債権の額などを統制変数 として加えた次のモデルにより分析している。

MVBV−APR=β。+卵EC+β,五1>rs+β、DEP+,B、LTDT      +β5TOBS+/76ハ乙P㎜+fi7 NOハIIO7AS

      (9)

     +β8、〜り1?VI O7L1+fi,CORI)EI)+fii o NP」乙      +1β,IISAS+」β12∬乙1+μ,

この式において,従属変数であるMVBVは,普通株主持分の時価と簿価との差額を示し

ており,独立変数であるSECとはすべての有価証券の公正価値と簿価の差額, msは貸 付金の公正価値と簿価の差額,DEPは預金の公正価値と簿価の差額, LTDTは長期負債の 公正価値と簿価の差額,TOBSはオフバランスシートとなっているものの公正価値の合計 額のことである。また,NPENSとはSEAS第87号により開示されるようになった年金 資産の公正価値から年金債務を控除したもの,NON 107AS(NON 107LI)とは総資産(総 負債)の簿価からSEAS第107号の対象資産(負債)の簿価を控除したもの, CORDEP とは10万ドル以上の国内預け金から定期預け金を控除したものである。NPLは不良債権 の額を示し,ISASとは総資産からSFAS第107号の対象外の資産および1年以内に再評 価される利息獲得資産を控除したものを,またISLIは預金および長期負債の簿価から1 年以内に再評価される預金および長期負債の総額を控除したものを意味している。分析対 象としたのは1992年の銀行102行と,1993年の109行である。また,(9)式において,

SEC, INS, TOBS, NPENS, CORDEP, ISASの係数はプラスの値を, DEP, mT,

NPL, ISHの係数はマイナスの値を予想している[Barth et al.(1996), p.528]。

  (9)式の分析結果[Barth et al.(1996), p.528, table 3]によれば, LNSの係数は

1992年ならびに1993年の両年において有意にプラスの値となったものの,SECとLTDT はそれぞれ1993年においてのみ有意にプラスとマイナスとなった。それ以外のSEAS第 107号による公正価値情報の有用性は検出できていない。Barth et al.(1996)の研究では,

Nelson(1996)やEccher et al.(1996)の研究では明らかにできなかった貸付金の公正 価値情報の有用性11を検証できたという点が大きな特徴である。また,この分析以外にも Barth et al.(1996)は, SEAS第107号による公正価値情報の有用性をより多面的に調 べるために,各変数の前年度からの変動分をとったモデルの分析も行っている。その結果 は,(9)式の分析結果とそれほど異ならなかった[Barth et al.(1996), p.532, table 5]

120

 Barth et al.(1996)の研究は, SFAS第107号による公正価値情報のうち,有価証券,

貸付金,長期負債の3つの公正価値情報の有用性を明らかにした。Nelson(1996)やEccher et al.(1996)では明らかにされなかった貸付金についてもその有用性を検証したことは,

Barth et al.(1996)の研究の意義としてあげることができる。また,不良債権や金利感 応型資産・負債が銀行の株価と有意な関係にあることを明らかにしたものの,預託金やオ

フバランス項目の公正価値情報についてその有用性を確認することはできなかったことに ついては,Nelson(1996)やEccher et al.(1996)の結果と同じであった。

3.4 Venkatachalam(1996)による研究

 Barth et a1.(1996)では, SFAS第107号による情報だけではなく,これまでモデル に含められることのなかった不良債権の額などを統制したうえで公正価値情報の有用性を 検証した。しかしながら,Nelson(1996)やEccher et al.(1996)と同じく,オフバラ ンス項目の公正価値情報の有用性を検証することはできなかった。そこで,次にオフバラ ンス項目の公正価値情報に焦点をあて,その有用性を確かめたVenkatachalam(1996)

の研究をみていくことにする。この研究は,先の3つのものとは異なり,SFAS第119号 より開示されることになった銀行のデリバティブの公正価値情報の有用性を検証すること を目的として行われた。

 Venkatachalam(1996)の研究は,デリバティブに関する公正価値情報が,銀行の株価 と関係しているのかに焦点がある。彼が用いたサンプルは,1994年末時点で1億5000万 ドル以上の資産を有し,かつオフバランスの金融商品を有している銀行99行である。デ ータは1993年と1994年のものが使用されている。彼が用いたモデルは,株式時価総額を,

デリバティブを含む金融商品ごとに分解し,各変数の公正価値晴報により回帰させた以下 のモデルである。

MVE,=β・+fi, CSHEe,+β、INV,+β、NLN,+β、DEP,.+,B,DBT,

    +β・NETBV,+β,FD朋、+β,FOBS,+β,TABO、  (10)

    +β10ハ乙P.乙,+εt,

この式において,MVEとは期末の株主持分時価のことを表している。 CSHEQは現金お よび現金同等物の公正価値,INVはトレーディング目的のものを含む投資有価証券の公正 価値,NLNは貸付金の公正価値, DEPは預金の公正価値, DBTは総負債の公正価値,

NETBVは貸借対照表上にあるその他の資産簿価からその負債の簿価を控除したもの,

FDERは資産・負債の管理に用いられるデリバティブ商品の公正価値, FOBSはその他の オフバランス項目の公正価値,TABOは年金および退職給付債務の総額, NPLは不良債 権の簿価をそれぞれ示している。なお,負債や債務を表す変数(DEP, DBT, TABO)に ついては,マイナスのデータとして扱われており,各変数の係数の符号について,β1か

らβgはプラスとなり,β10はマイナスとなると予想している13。

ドキュメント内 nagano 2005 keiei (ページ 121-129)