• 検索結果がありません。

SliT128A TEG の内部構成

ドキュメント内 学位論文 Experimental Particle Physicsyushu University (ページ 63-68)

5.1 SliT128A とアナログ部 TEG

5.1.1 SliT128A TEG の内部構成

図5.1SliT128Aのアナログ部のブロック図を示す。アナログ部はプリアンプ部、ポー

ルゼロキャンセル(PZC)回路、シェイパー部、ボルテージフォロワー回路、コンパレータ で構成される。TEGはこのアナログ部を1チャンネルのみ実装した回路である。

54 5 新バージョンの読み出しASIC

Preamplifier PZC

Shaper

Input

TPIN

800 fF

70 fF 70 fF

100 fF 30 pF

1 pF

5 kΩ

DOUT AMON

AOUT

VREF DAC

5.1 SlT128Aのアナログ部ブロック図。

プリアンプ部とPZC回路

図5.2にプリアンプ部と PZC回路の簡略化した回路図を示す。プリアンプ部は入力電荷 を増幅し、電圧に変換するチャージアンプである。チャージアンプは2段のトランジスタで 構成される。初段トランジスタはソース接地増幅回路である。VHHpreASIC内でIPRE ピンに接続しており、初段トランジスタのバイアスを決める。ソースフォロワ回路は電圧レ ベルを変換する回路である。VHpreASIC内でIPRE2ピンに接続しており、プリアンプ のバイアス電流を決定する。図5.3に回路シミュレーションで得られた入力電荷に対するプ リアンプ出力電圧を示す。PZC回路は微分回路であり、プリアンプ出力信号の時定数を短く し、パイルアップの効果を抑制する。また、プリアンプ部とPZC回路の抵抗値や容量を調整 することで波形のアンダーシュートを抑制することができる。図5.2上部にあるNMOS PMOSVPREを印可することでソース・ドレイン間に電流が流れ、プリアンプの帰還抵 抗とPZC回路の抵抗としてそれぞれはたらく。Vpreの電圧値は評価基板上の可変抵抗で調 整することができる。また、VHpzcshASIC内でIRFピンに接続しており、PZC回路の バイアスを決定する。IRFピンの電流値をあげることで信号の時定数を短くすることができ る。図5.4に回路ミュレーションで得られた入力電荷に対するPZC出力電流を示す。

シェイパー部

シェイパー部は1次のローパスフィルタ(LPF: Low-pass filter)回路である。1次のLPF 回路は、PZC回路からの信号の高周波成分を落とし、ノイズを低減する。通常のRC回路と は違い、チャージアンプによる信号の増幅も同時に行う。シェイパー部にはISHVOFF

5.1 SliT128Aとアナログ部TEG 55

AIN Vpre

VHHpre

VHpre

Feedback Resister VHpzcsh Vdd

Vss

Preamp

PZC

OUT 70 fF

200 Ω

800 fF

Source Follower

5.2 プリアンプとPZC回路の簡略化した回路図。

! "# $%&' () %%

3.84 fC 7.68 fC 11.52 fC 15.36 fC 19.20 fC

5.3 回路シミュレーションで得られた入力電荷に対するプリアンプの出力電圧。

56 5 新バージョンの読み出しASIC

3.84 fC 7.68 fC 11.52 fC 15.36 fC 19.20 fC

!"# $%&' ( ) *%%

5.4 回路シミュレーションで得られた入力電荷に対するPZC回路の出力電流。

IRF4ピンが接続している。ISHはシェイパーの速度、ゲイン、ノイズを決める。VOFF シェイパーの直流電圧値であり、基板上の可変抵抗で調整することができる。IRF4はシェイ パーの直流電圧を安定化させ、トランジスタによるチャンネル間のオフセットのばらつきを 抑制する。図5.5に回路シミュレーションで得られたシェイパー出力電圧を示す。

3.84 fC 7.68 fC 11.52 fC 15.36 fC 19.20 fC

!"#$%&'( )*&&

5.5 回路シミュレーションで得られた入力電荷に対するシェイパーの出力電圧。

5.1 SliT128Aとアナログ部TEG 57

ボルテージフォロワー回路とアナログ出力

シェイパー出力電圧はボルテージフォロワー回路を通して外部に出力される。ボルテージ フォロワー回路はバッファー回路とも呼ばれ、入力電圧と出力電圧は等しく、インピーダン ス変換として用いられる。ボルテージフォロワー回路の入力インピーダンスは非常に高く、

出力インピーダンスは低い。入力インピーダンスが高いと電流の流れ込みを防ぐことができ、

前段の回路に影響を及ぼさない。また、出力インピーダンスが低いと後段の回路に安定して 電圧を伝えることができる。本実験では、真空中で読み出しASICを動作させるため、消費 電力を抑える必要がある。そのため、ボルテージフォロワー回路として低消費電力のオペア ンプを用いた。低消費電力のオペアンプの時定数は大きく、出力波形は入力波形に比べてな まってしまう。図5.6に回路シミュレーションで得られた入力電荷に対するアナログ出力波 形を示す。アナログモニター用のバイアス電流はIMONピンを通して与えられる。

3.84 fC 7.68 fC 11.52 fC 15.36 fC 19.20 fC

!"#$$

%& ' (&)$* +

5.6 回路シミュレーションで得られた入力電荷に対するアナログ出力波形。

コンパレータとデジタル出力

コンパレータはシェイパー出力電圧を基準電圧と比較し、デジタル信号として外部に出力 する。全チャンネルに与える参照用電圧をDACを通して調整し、基準電圧としてコンパレー タに入力する。各チャンネルには6 bit DAC2つ付いており、基準電圧を詳細に設定 することができる。VREFは全チャンネルに与える参照用電圧を決めるパラメータである。

VREFの電圧値は評価基板上の可変抵抗で調整することができる。IDACDAC 1 bit 当たりの電流値を決めるパラメータである。図5.7に回路シミュレーションで得られた入力

58 5 新バージョンの読み出しASIC

電荷に対するデジタル出力波形を示す。

3.84 fC 7.68 fC 11.52 fC 15.36 fC 19.20 fC

!"#$%&'( )*+&&

5.7 回路シミュレーションで得られた入力電荷に対するデジタル出力波形。

ドキュメント内 学位論文 Experimental Particle Physicsyushu University (ページ 63-68)