ール
7.2 今後の課題
は12.3 ± 0.3 nsであった。タイムウォーク以外で要求性能を満たしていることを確認した。
7.2 今後の課題
SliT128A の ア ナ ロ グ 部TEG の バ イ ア ス を 最 適 化 し 、性 能 評 価 の 最 終 結 果 を ま と め る 。 それと並行してSliT128A 単体の性能評価の準備を進める。SliT128Aの評価基板の製作は 完了しており、現在SliT128A の評価基板への25 µmアルミ細線WB 実装を行っている。
SliT128AのWB実装を完了し、アナログ部・デジタル部を含めた128チャンネルの性能評
価を行う。SliT128A単体の性能評価を行った後、テストセンサーを接続した検出器試作機の 性能評価を行う予定である。
82
付録 A
Beam Defining Counter の開発
Beam Defining Counter(BDC)は、ビーム試験に用いる汎用テレスコープとして開発し
た。COMET 実験グループが開発した汎用テレスコープ[33]を参考にして独自に設計した。
J-PARCのMLF D2-Lineで行われたビーム試験ではBDCのパフォーマンスを確認し、東 北大学電子光理学研究センターで行われたビーム試験では4台の BDCを用いて陽電子の飛 跡再構築を補助した。本章では東北大学のビーム試験で用いたBDCの開発について述べる。
BDC に対する要求
BDCを設計する上で、要求された項目を以下にまとめる。
• 水平方向と垂直方向にファイバーを並べて2次元通過位置を測定する。
• 4台のBDCで飛跡の再構築を補助する。
• 検出器試作機のストリップが水平方向に並んでいるため、水平方向に可能な限り高精 細なファイバーを並べる。
• シリコン暗箱のビーム窓の寸法から、有感面積は6 × 5 mm2である。
• 光検出器としてMPPCを用いる。
• MPPCへの電圧供給やデータ取得をEASIROCモジュールを用いて行う。
こ れ ら の 要 求 か ら 、水 平 方 向 の フ ァ イ バ ー と し て 0.5 mm角 シ ン チ レ ー シ ョ ン フ ァ イ バ ー
(Saint-Gobain Crystals, BCF-10)を10本、垂直方向のファイバーとして1.0 mm角シンチ レーションファイバー(Kuraray, SCSF-78)を6本並べた構造に決定した。水平方向のファ イバーの径は光量との兼ね合いから決定した。また、光検出器として表面実装型の 1.3 mm 角のMPPC(Hamamatsu, S12835-050P-01)を用いることにした。ファイバーの径に対し て受光面積を抑えることで、ノイズの低減を図った。
83
BDC のデザイン
!
図A.1 BDCのフレーム部分のデザイン。
図A.1にBDCのフレーム部分のデザインを示す。フレーム部分はファイバー埋め込み板、
ファイバー・MPPC固定治具とフレームで構成される。0.5 mm角ファイバー層と1.0 mm 角ファイバー層で1台のBDC である。そのため、同じフレームに2台のBDCを固定した 構造をしている。
ファイバー埋め込み板
ファイバー埋め込み板はファイバーの保護とファイバーの固定を目的とした厚さ5 mmの アクリル板である。図A.2にファイバー埋め込み板のデザインを示す。ファイバー埋め込み 板の中心付近に60 mm× 60 mmのビーム窓用の穴を空けた。また、ファイバー埋め込み板 の表面に1.0 mm角ファイバーを6本並べるための幅6.2 mm・深さ2.5 mmの溝を、裏面 に0.5 mm角ファイバーを10本並べるための幅5.2 mm・深さ2.5 mmの溝を掘った。ファ イバーをこの溝に並べることで、各ファイバーの層が接するように設計した。裏面にはそこ から5本ずつ上部にファイバーを引き出すための深さ 2.5 mm・幅 2.7 mmの溝を掘った。
ファイバーの最小曲げ直径が120 mmになるように溝の曲げを設計した。それぞれのファイ バーを溝に並べて治具で押さえてネジ留めし、上から1 mm厚のアクリル板で蓋をした。
84 付録A Beam Defining Counterの開発
図A.2 ファイバー埋め込み板のデザイン。表面には1.0 mm角ファイバー用の溝が裏面 には0.5 mm角ファイバー用の溝が掘られている。
ファイバー・ MPPC 固定治具
上部に取り付けたファイバー・MPPC固定治具はファイバーとMPPCの接触を補助する ための治具である。図A.4にファイバー・MPPC固定治具のデザインを示す。ファイバー・
MPPC固定治具はファイバー接着用パーツ(A) × 32個、固定用カバー(B)、基板マウン ト用(C)、基板カバー(D)で構成される。1.3 mm角MPPCを32個と温度センサーを1 個実装した基板を基板マウント用(C)に収納した。図A.4に基板の写真を示す。基板マウ ント用(C)の上部から各ファイバーを固定したファイバー接着用パーツ(A)を挿入する ことで、ファイバーとMPPCを接触させる。MPPCの受光面には光学グリスを塗った。図 A.5にファイバー接着用パーツ(A)の図面を、図A.6に基板マウント用(C)の図面を示す。
ファイバー接着用パーツの切れ込みと角ファイバーの辺が平行になるように接着することで、
1.3 mm角MPPCと角ファイバーの面を揃えた。
BDC の組み立て
各ファイバーは切断後に端面をヤスリで削り、MPPCと接触しない端面に反射材(Eljen Technology, EJ-510)を 塗 っ た 。続 い て 、切 断 し た フ ァ イ バ ー と フ ァ イ バ ー 接 着 用 パ ー ツ
(A)をRTV(信越シリコーン, KE45B)で接着した。RTVが乾いたら、ファイバーをファ イバー埋め込み板にはめ込み、1 mm 厚のアクリル板でカバーをした。最後に接着用パーツ
(A)を基板マウント用(C)の穴に差し込み、BDCのサポート部にファイバー埋め込み板 を固定した。図A.7に完成したBDCの写真を示す。1.0 mm角ファイバー層と0.5 mm角 ファイバー層が交互に交差していることが確認できる。基板に取り付けられたメスコネクタ
(ヒロセ電機, HIF3BA-34PA-2.54DS(71))にフラットケーブル(3M, 1700-34)を取り付け、
EASIROCモジュールと接続した。EASIROCモジュールでは EASIROCチップ内のプリ
85
図A.3 ファイバー・MPPC固定治具のデザイン。
図A.4 1.3 mm角MPPCを32個と温度センサーを実装した基板の写真。
アンプのゲインとシェイパーの時定数を調整することができる。東北大学のビーム試験では、
プリアンプのゲインを100 fF、シェイパーの時定数を25 nsに設定して測定した。
86 付録A Beam Defining Counterの開発
JIS-B0405-1991
を越え 以
6 30 0.2
基準寸法の基準
を越え 以 120 400 0.4
を越え 以
3 6 0.1
を越え 以 30 120 0.3
以 以 0.5 3 0.1
公差等級 m中級
± 面取部分を除く長さ寸法に対す 許容差
6 +0 -0.05 2-R1.5
A A
D
E
F C B A
3 2
1 4 5
株式会社
羽野製作所
機種 品名 品番 料
材
理 処
数 度
尺
計 設
図 製
認 検
認
記 変更日 変更内容 担 当
承
NJ ZD fiber接着用パーツ( )
S 黒
庭月 辻
:1
fiber固定用治具
第三角法 単位mm 客先品番
G
A4 × 97
+0 - 0.05
+0 - 0.05
断面図A-A スケール5 : 1
11.5
1.5
4.5
5.5
3
4
3
図A.5 ファイバー接着用パーツの図面。ファイバー接着用パーツの切れ込みと角ファイ バーの辺が平行になるように接着することで、1.3 mm角MPPCと角ファイバーの面を 揃えた。
87
面取部分を除く長さ寸法に対す 許容差
JIS-B0405-1991
公差等級 m中級
±
を越え 以
6 30 0.2
以 以 0.5 3 0.1
を越え 以 30 120 0.3
を越え 以 3 6 0.1
を越え 以 120 400 0.4 基準寸法の基準
5.5
タッピング 4-M3, タッピング
6-M3,
ボス 2- 3 部F
72
208
9
15
5 15
56 56
60 15.6
46.8 7
8
5 90
7
68
45 37.2
9 7
54 4-R1
80
32×
4-R1
6
190 11 8
26.7 12 12 12
27 11 11 11 16 11 8
11
60
4-R1
15
45
45
178
R3 B
B
C C
A
A
-0.1
□×の中心が異なるの 注意
+0
※
+0.05 -0
コネクタ逃げ穴形状深さ変更
10 12 13 14
第 角法 m m単位 11
9 8
7 6
5 4
3 2
1
A
B
D
E C
辻
羽野製作所 F
G
H
I
A 2 595×420 J
客先品番
:
株式会社
辻
機種 品名 品番 庭月
S 黒 fiber固定用治具 基板マウント用( )
NJ Z
尺 数
理 処 料
担 当 材
認 承 認 変更内容
検 図 製 計 変更日
設 度 記
断面図A-A
1.6 4
14.6
72 6 3
タッピング 8-M3
J 部 J
102 15
12
27.3 21.3 12
12
27 11 11 11 16 11 11 11
27.3 12 12 12
18 18 12
D
D
E
E
断面図C-C -0
+0.05
+0.05 -0
3
10.5
3
5.5
7 3 1.6
断面図B-B
7
1.6 6
断面図E-E 10 10.5
8
8
詳細図 F スケール 2 : 1
7 3.5 3
R1
3.7 8
詳細図 J スケール 2 : 1 2-R
1.5 6 +0.05
-0
断面図D-D 8 10.5
10 6
図A.6基板マウント用(C)の図面。基板マウント用(C)の下側からMPPCと温度セ
ンサー(AnalogDevices,AD592CNZ)を実装した基板をはめ込み、上側からファイバー
接着用パーツを挿入することでMPPCとファイバーを接触させた。
88 付録A Beam Defining Counterの開発
y z
x
図A.7 BDCの写真。
89
謝辞
本研究を行う上で多くの方々にお世話になりました。心より御礼申し上げます。
川越清以教授には学部時代からお世話になりました。研究に対する姿勢や実験の基礎を自 身の経験を踏まえてご指導頂きました。川越教授が日頃からおっしゃられている「実験屋は 段取り」という言葉を胸に、2年間の研究を通して自身を成長させることが出来ました。主 指導教員の吉岡瑞樹准教授は、研究内容から研究以外の些細なことまで優しく声を掛けてく ださり、研究生活を支えて頂きました。また、本論文執筆に際しても全体に目を通して下さ り、コメントを頂きました。東城順治准教授は研究方針を示して下さり、アルミ線WB実装 など新しいことに挑戦する機会を多々与えて下さいました。私が失敗を冒す中で、「失敗しな い者は信じられない」という言葉を掛けて下さり、失敗から多くを学ぶ術を教えて頂きまし た。末原大幹助教には研究に行き詰まった際に、様々な視点から助言を頂きました。学生目 線で真摯に解決策を考えて下さり、いくつかの選択肢を素早く提示して下さいました。織田 勧助教、音野瑛俊助教、須藤祐司特任助教、山口博史博士研究員にもミーティングの際にビー ム試験の解析に関して有益な助言を頂きました。研究室の先輩である大石航氏、中居勇樹氏、
富田龍彦氏、田中元気氏、調翔平氏にも大変お世話になりました。大石航氏には先輩として の模範を示して頂きました。また、ハードウェアに関することからソフトウェアに関するこ とまで幅広くご教授頂きました。中居勇樹氏は、些細な疑問にも耳を傾けて下さり、相談に 乗って下さいました。また、BDCの開発に際しては多大なるご助力を頂きました。富田龍彦 氏の研究に対するメリハリの付け方は非常に参考になりました。田中元気氏と調翔平氏には 親友として、また研究室の先輩として日頃から支えて頂きました。角直幸氏、住田寛樹氏、高 田秀佐氏、田中聡一氏、長島寛征氏、平井寛人氏、藤山翔乃氏、Mathieu Darnajou氏とは同 期として切磋琢磨しながら研究生活を送ることができました。修士1年の真玉将豊君、森下 彩さん、野口恭平君、学部4年の上野 和輝君、伊藤拓実君、古賀淳君、斉藤貴士君、白濱脩 太郎君、関谷泉さん、山城大知君の研究に対する真摯な姿勢には大変刺激を受けました。先 端素粒子物理学研究センターの重松さおりさんは柔軟かつスムーズに事務手続きを進めて下 さり、研究を円滑に行うことが出来ました。理学研究院附属工場の山之内真司技術専門職員 には治具の製作において大変お世話になりました。デザインに関して様々な提案をして頂き、
納期に関する無理な要求にも迅速に対応して下さいました。
九州大学以外の方々にも大変お世話になりました。高エネルギー加速器研究機構(KEK)