SSDストレージプールにはさまざまな利点がありますが、SSDストレージプールと専用SSDのどち らを使用するかを決定する際には、考慮すべき制限事項がいくつかあります。
SSDストレージプールは、2つ以上のFlash Poolアグリゲートにキャッシュを提供する場合にのみ効 果を発揮します。SSDストレージプールには次の利点があります。
• Flash Poolアグリゲートで使用されるSSDのストレージ利用率の向上
SSDストレージ プールは、2つ以上のFlash PoolアグリゲートでパリティSSDを共有できるため、
パリティに必要なSSDの全体的な割合が下がります。
• HAパートナー間でのスペアの共有
ストレージ プールはHAペアによって所有されるため、HAパートナーのいずれかに所有される 1つのスペアが、必要に応じてSSDストレージプール全体のスペアとして機能します。
• SSDパフォーマンスの有効利用
SSDが提供するハイパフォーマンスによって、HAペアの両方のコントローラからのアクセスが サポートされます。
SSDストレージプールを使用する際のこのような利点について、以下の欠点も含めて、その利用コ ストと比較する必要があります。
• 障害の切り分けが困難
1つのSSDの損失が、そのパーティションに含まれるすべてのRAIDグループに影響します。こ の場合、影響を受けるSSDを含むSSDストレージ プールからキャッシュが割り当てられている
すべてのFlash Poolアグリゲートで、1つ以上のRAIDグループが再構築されます。
• パフォーマンスの分離が困難
Flash Poolキャッシュのサイジングが適切でないと、共有しているFlash Poolアグリゲート間のキ ャッシュで競合が発生する可能性があります。このリスクは、適切なサイジングとQoS管理によ って緩和できます。
• 管理の柔軟性の低下
ストレージをストレージプールに追加すると、そのストレージプールから容量が割り当てられて いるすべてのFlash Poolキャッシュのサイズが増大します。追加容量の配分方法は指定できま せん。
SSD ストレージ プールの使用方法
SSDを複数のFlash Poolアグリゲートで共有できるようにするには、ストレージ プールに配置しま す。ストレージプールに追加したSSDは、スタンドアロンでは管理できなくなります。そのSSDのスト レージは、ストレージプールから割り当てる必要があります。
特定のHAペア用にストレージ プールを作成できます。作成したら、そのストレージ プールから、同 じHAペアが所有する1つ以上のFlash Poolアグリゲートに割り当て単位を追加します。アグリゲート に割り当てるディスクがアグリゲートを所有するノードに所有されている必要があるのと同様に、ス トレージプールは、そのストレージプールが所属するいずれかのノードに所有されているFlash Poolアグリゲートにのみストレージを提供できます。
システムのFlash Poolキャッシュの量を拡張するには、ストレージ プールにSSDを追加します。SSD は、そのストレージプールを使用するFlash PoolキャッシュのRAIDタイプの最大RAIDグループサ イズまで追加できます。SSDを既存のストレージプールに追加すると、Flash Poolアグリゲートに割 り当て済みの割り当て単位も含めて、ストレージ プールの割り当て単位が拡張されます。
ストレージプール内のSSDに障害が発生した場合にData ONTAPがスペアSSDを使用して正常に 機能しないSSDのパーティションを再構築できるように、ストレージプールには1つ以上のスペア
SSDを用意する必要があります。割り当て単位をスペア容量として確保する必要はありません。
Data ONTAPは、ストレージプール内のパーティショニングされていない完全なSSDのみをSSDの
スぺアとして使用できます。
アグリゲートからディスクを削除できないのと同様に、いったんストレージ プールに追加したSSDは 削除できません。ストレージプール内のSSDを単独のドライブとして再度使用するには、ストレージ プールの割り当て単位が割り当てられているFlash Poolアグリゲートをすべて破棄してから、ストレ ージプールを破棄する必要があります。
SSD ストレージ プールを使用する際の要件およびベストプラクティス
一部のテクノロジは、SSDストレージプールを使用するFlash Poolアグリゲートと組み合わせること ができません。
下記のテクノロジは、SSDストレージ プールをキャッシュ ストレージに使用するFlash Poolアグリゲ ートでは使用できません。
• MetroCluster
• SyncMirror
ミラーされたアグリゲートとストレージプールを使用するFlash Poolアグリゲートは一緒に使用 できますが、Flash Poolアグリゲートはミラーできません。
• 物理SSD
Flash Poolアグリゲートでは、SSDストレージプールまたは物理SSDのいずれか一方を使用で
きますが、両方は使用できません。
SSDストレージ プールは次のルールに従う必要があります。
• SSDストレージプールにはSSDのみを含めることができます。HDDはSSDストレージプールに 追加できません。
• SSDストレージプールに含めることができるSSDの数は、3~28です。
RAID 4の最大RAIDグループ サイズを超えるSSDが含まれるSSDストレージ プールは、RAID 4タイプのキャッシュを使用するFlash Poolアグリゲートには使用できません。
• SSDストレージプール内のすべてのSSDは、同じHAペアに所有されている必要があります。
• ストレージ プール内でルートデータのパーティショニング用にパーティショニングされたSSDは 使用できません。
単一のストレージプールからRAIDタイプが異なる2つのキャッシュにストレージを提供し、ストレー ジプールのサイズをRAID 4の最大RAIDグループサイズよりも大きく拡張した場合、RAID 4割り 当て単位内の余分なパーティションは使われません。このため、ストレージ プール内のキャッシュ RAIDタイプは統一することを推奨します。
ストレージプールから割り当てられているキャッシュRAIDグループのRAIDタイプは変更できませ ん。最初の割り当て単位を追加する前にキャッシュのRAIDタイプを設定すると、あとから変更でき ません。
ストレージプールを作成したり、SSDを既存のストレージプールに追加するときは、同じサイズの SSDを使用する必要があります。障害発生時に適切なサイズのスペアがない場合、Data ONTAP では、より大きな容量のSSDを使用して障害の発生したSSDを交換できます。ただし、交換後の SSDはストレージプール内の他のSSDと同じサイズに調整されるため、SSDの容量が失われるこ とになります。
ストレージプールに使用できるスペアSSDは1本のみです。HAペアの両方のノードが所有する
Flash Poolアグリゲートにストレージプールが割り当て単位を提供する場合は、どちらのノードでも
スペアSSDを所有できます。ただし、HAペアの一方のノードが所有するFlash Poolアグリゲートに のみストレージプールが割り当て単位を提供する場合は、その同じノードがスペアSSDを所有する 必要があります。