Flash PoolテクノロジとFlash Cacheファミリー(Flash CacheとFlash Cache 2)は、どちらも高性能なキ ャッシュを提供してストレージのパフォーマンスを向上させるモジュールです。ただし、これらの2つ のモジュールはそれぞれ特徴が異なるため、その違いを理解したうえで選択することが重要です。
同じシステムで両方のモジュールを使用することも可能です。ただし、Flash Poolアグリゲートに関 連付けられたボリュームに格納されたデータはFlash Cacheではキャッシュされません。
基準 Flash Poolアグリゲート Flash Cache
適用範囲 特定のアグリゲート ノードに割り当てられたすべて のアグリゲート
サポートされているキャッシュ タイプ
読み取りおよび書き込み 読み取り テイクオーバーの実行中およ
び実行後のキャッシュデータ の利用
利用可能。計画的テイクオー バーまたは計画外テイクオー バーによる影響はありませ ん。
テイクオーバーの実行中はキ ャッシュデータを利用できま せん。計画的テイクオーバー のギブバック後、以前のキャッ シュデータのうち引き続き有 効なデータは自動的に再度キ ャッシュされます。
ストレージコントローラにPCIe スロットが必要か
× ○
圧縮されたブロックがキャッシ ュされるか
○ ×
アレイLUNでサポートされる か
× ○
ストレージ暗号化でサポートさ れるか
○ はい。キャッシュ内のデータは
暗号化されません。
Flash Cacheの詳細については、『clustered Data ONTAP システム アドミニストレーション ガイド(ク ラスタ管理)』を参照してください。
使用可能な Flash Pool キャッシュ容量の計算方法
Flash Poolキャッシュ容量は、プラットフォームによって決まるノードまたはHA構成の上限を超える ことはできません。使用可能なキャッシュ容量がわかれば、その範囲内でFlash Poolアグリゲート に追加できるキャッシュ容量を特定することができます。
現在のFlash Poolキャッシュ容量は、(storage aggregate showコマンドで出力される)すべての
Flash Poolキャッシュの合計です。MetroCluster構成など、SyncMirrorを使用するノードの場合、一 方のプレックスのFlash Poolキャッシュだけがキャッシュ容量の対象となります。
Flash Cacheモジュールが搭載されたノードの場合、Flash Poolで利用できるキャッシュ容量は、
Flash Poolのキャッシュ容量の制限から、ノードにインストールされているFlash Cacheモジュールキ
ャッシュの合計サイズを引いた値になります(あまり一般的ではありませんが、HA構成の2つのノ ードでFlash Cacheモジュールのサイズが異なる場合は、大きいほうのFlash Cacheモジュールのサ イズを引いた値が使用可能なFlash Poolキャッシュ容量になります)。
HA構成のノードの場合、キャッシュサイズ制限はHA構成全体に適用されます。また、HA構成の 合計制限サイズを超えないかぎり、2つのノード間で任意にスプリットできます。
MetroCluster構成のノードの場合、キャッシュ サイズ制限は構成全体に適用されますが、HA構成 の場合のようにノード間で任意にスプリットすることはできません。つまり、MetroCluster構成の各ノ ードの制限は、キャッシュサイズ制限の合計の4分の1になります。Flash Cacheがいずれかのノー ドに存在する場合は、ノード単位の制限を計算する前に、最も大きいFlash Cacheモジュールのサ イズを全体の制限から差し引く必要があります。
Flash Cacheモジュールを搭載したシステムの計算
HA構成を構成している2つのストレージコントローラの最大キャッシュ容量が12TBで、各ノ ードに2TBのFlash Cacheがインストールされている場合、このHAペアに対するFlash Poolア グリゲートの最大キャッシュ容量は、12TBから2TBを引いた10TBになります。
Flash Cacheモジュールのサイズが異なる場合の計算
HA構成を構成している2つのストレージ コントローラの最大キャッシュ容量が12TBで、一方 のノードには2TB、もう一方のノードには3TBのFlash Cacheがインストールされている場合、
このHAペアに対するFlash Poolの最大キャッシュ容量は、12TBから3TBを引いた9TBになり ます。
MetroCluster構成の場合の計算
MetroCluster構成を構成している4つのストレージコントローラの最大キャッシュ容量が12TB
の場合、各ノードに対するFlash Poolの最大キャッシュ容量は、12TBを4で割った3TBになり ます。
Flash Cacheモジュールを搭載したMetroCluster構成の場合の計算
MetroClusterを構成している4つのストレージコントローラの最大キャッシュ容量が12TBで、
一方のノードに2TBのFlash Cacheがインストールされている場合、各ノードに対するFlash Poolの最大キャッシュ容量は、12TBから2TBを引いた値を4で割った2.5TBになります。
関連コンセプト
Flash Pool SSDパーティショニングでFlash Poolアグリゲートのキャッシュ割り当ての柔軟性を拡 張する方法(144ページ)
Flash Poolアグリゲートの機能(136ページ)
関連参照情報
アグリゲートの管理用コマンド(204ページ)
関連情報
NetApp Hardware Universe
Flash Pool アグリゲート内のボリュームでのキャッシング ポリシーの使用
volume createコマンドで-caching-policyパラメータを使用して、Flash Poolアグリゲートにあ るボリュームのキャッシングポリシーを変更できます。Flash Poolアグリゲート上にボリュームを作 成すると、デフォルトでは、autoキャッシング ポリシーがそのボリュームに割り当てられます。
ほとんどの場合は、デフォルトのキャッシングポリシーが推奨されます。ボリュームのキャッシング ポリシーを変更する必要があるのは、別のポリシーを使用したほうがパフォーマンスが向上する場 合のみです。
ボリュームのキャッシングポリシーは、Flash Poolアグリゲート上にボリュームを作成する場合に設 定できます。volume modifyコマンドを使用すると、キャッシング ポリシーを変更できます。Flash Poolアグリゲートと非Flash Poolアグリゲート間でキャッシングポリシーを移動することもできます。
次の表は、キャッシング ポリシー、その説明、およびボリュームの使用状況に基づいて設定できる 読み取りキャッシングポリシーと書き込みキャッシングポリシーの組み合わせの一覧です。
ポリシー名 説明 読み取りキャ ッシングポリ シー
書き込みキ ャッシング ポリシー
権限
auto すべてのメタデータブロッ クとランダム リードのユー ザデータブロックの読み取 りキャッシュ、およびすべて のランダムオーバーライト のユーザ データ ブロックの 書き込みキャッシュを行い ます。
random_read random-write
admin
none ユーザ データ ブロックまた はメタデータブロックをキャ ッシュしません。
none none admin
random_read すべてのメタデータブロッ
クとランダムリードのユー ザ データ ブロックを読み取 りキャッシュします。
random_read none advanced
noread-random_write
すべてのランダム オーバ ーライトのユーザ データ ブ ロックを書き込みキャッシュ します。
none
random-write
advanced
meta メタデータブロックのみを 読み取りキャッシュします。
meta none advanced
meta-random_write
すべてのメタデータブロッ クを読み取りキャッシュし、
すべてのランダムオーバ ーライトのユーザ データ ブ ロックを書き込みキャッシュ します。
meta
random-write
advanced
random_read_
write
すべてのメタデータ ブロッ ク、ランダム リードのユー ザデータブロック、および ランダムライトのユーザデ ータ ブロックを読み取りキ ャッシュします。
random_read _write
none advanced
ポリシー名 説明 読み取りキャ ッシングポリ シー
書き込みキ ャッシング ポリシー
権限
random_read_
write-random-write
すべてのメタデータブロッ ク、ランダム リードのユー ザデータブロック、および ランダムライトのユーザデ ータ ブロックを読み取りキ ャッシュします。ランダム オ ーバーライトのユーザデー タブロックの書き込みキャ ッシュも行います。
random_read _write
random-write
advanced
関連タスク
Flash Poolアグリゲートでボリュームが書き込みキャッシュに対応しているかどうかの確認とその 有効化(188ページ)
関連情報
ネットアップ テクニカル レポート4070:『Flash Pool Design and Implementation Guide』
キャッシング ポリシーの変更
ボリュームのキャッシング ポリシーを変更する必要があるのは、別のポリシーを使用したほうがパ フォーマンスが向上すると予想される場合のみです。ボリュームがFlash Poolアグリゲート上に配 置されている必要があります。
手順
1. volume modifyコマンドを使用して、ボリュームのキャッシングポリシーを変更します。
このコマンドで使用できるパラメータについては、volume modifyのマニュアル ページを参照 してください。
例
次の例では、「vol2」という名前のボリュームのキャッシングポリシーをnoneに変更します。
volume modify -volume vol2 -caching-policy none
Flash Pool SSD パーティショニングで Flash Pool アグリゲートのキ ャッシュ割り当ての柔軟性を拡張する方法
Flash Pool SSDパーティショニングでは、複数のFlash Poolアグリゲートに割り当て可能なSSDスト
レージ プールに、SSDをグループ化することができます。これにより、より多くのアグリゲートにお けるパリティSSDのコストを抑え、SSD割り当ての柔軟性を増し、SSDのパフォーマンスを最大限に 高めます。
ストレージプールはHAペアに関連付けられており、HAペアのノードによって所有されるSSDで構 成できます。
SSDをストレージプールに追加すると共有SSDとなり、4つのパーティションに分割されます。
SSDストレージ プールからのストレージは割り当て単位に分割され、各割り当て単位はストレージ プールの合計容量の25%を表します。割り当て単位は、ストレージプール内の各SSDから1つのパ ーティションを含み、単一RAIDグループとしてFlash Poolキャッシュに追加されます。デフォルトで は、HAペアに関連付けられたストレージ プールについて、2つの割り当て単位が各HAパートナー に割り当てられますが、これらの割り当て単位は、必要に応じて、他のHAパートナーに再割り当て することができます(割り当て単位は、アグリゲートを所有するノードによって所有されている必要 があります)。
SSDストレージプールにはRAIDタイプはありません。割り当て単位をFlash Poolアグリゲートに追 加すると、適切な数のパーティションが、そのRAIDグループにパリティを提供するように指定され ます。
次の図は、Flash Pool SSDパーティショニングの例を示しています。この図のSSDストレージ プー
ルは、2つのFlash Poolアグリゲートにキャッシュを提供します。