第5章 付録
MoS 2 Device 8:2 端子試料で超伝導転移と見られる振る舞いを観測
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191 が大きく上昇する,絶縁体的な振る舞いを確認した.
◼ カリウムイオン電解質ゲーティングと電気抵抗温度特性測定(1回目)
次にT = 310 K,Bias = 30 mVでVG = 12 VまでGate電圧を印加した結果を示す(図 5-83).
図 5-83:カリウムイオン電解質ゲーティング(1回目)
カリウムイオンインターカレーションのようなDrain電流の急上昇は見られなかったが,
VG = 12 Vまで順調にDrain電流が増加している.この状態で電解質を凍らせ,電気抵抗
温度特性を測定した(図 5-84).
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図 5-84:VG = 0 V,VG = 12 Vの電気抵抗温度特性
VG = 0 Vの時と比較して,明らかに抵抗が減少している.またT = 100 ~ 300 K付近では
温度が低いほど抵抗も低くなっており,金属的な振る舞いと言える.
◼ カリウムイオン電解質ゲーティングと電気抵抗温度特性測定(2回目)
次にT = 310 K,Bias = 30 mVでVG = 25 VまでGate電圧を印加した結果を示す(図 5-85).
図 5-85:カリウムイオン電解質ゲーティング(2回目)
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VG = 20 Vでカリウムイオンインターカレーションと見られるDrain電流の急上昇が観測
された.またVG = 25 VまでDrain電流の増加が確認できた.この状態で電解質を凍ら せ,電気抵抗温度特性を測定した(図 5-86).
図 5-86:VG = 0 V,VG = 12 V,VG = 25 Vの電気抵抗温度特性
VG = 12 Vの時よりもさらに抵抗が減少している.また,温度が低いほど抵抗が低くなる
金属的な振る舞いもさらに顕著に見られている.したがってVG = 20 Vのカリウムイオン インターカレーションによってMoS2結晶薄膜はさらに高キャリア注入状態となり,金属 化が進行したと考えられる.
◼ 極低温領域の電気抵抗温度特性
Device 8においてさらに注目すべき結果は,VG = 25 Vにおける極低温領域の電気抵抗
温度特性の振る舞いである(図 3-23).
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(参考)図 3-23:VG = 25 Vにおける極低温領域の電気抵抗温度特性
グラフを見るとT = 2 ~ 4 Kにおいて,さらに抵抗が減少しているように見える.測定点 としては3点しかないが,降温過程・昇温過程の両方で同じ振る舞いをしており,これが 正しい測定値と考えれば,この結果はMoS2結晶薄膜が超伝導化した可能性を示唆してい る.
◼ Device 8のまとめ
Device 8では3回の電気抵抗温度特性測定を行っており,その途中で断線することはな
かった.したがって,カーボンペーストの導入などにより改良されたデバイス構造において は,カリウムイオン電解質ゲーティングと電気抵抗温度特性測定を繰り返し行ってもMoS2
結晶薄膜が断線する可能性はさらに低減されたと言える.これによって様々なGate電圧の 印加量での抵抗温度特性測定が可能となり,今回は絶縁体-金属転移,さらには超伝導転移 したかもしれない,という段階まで研究を進行させることができた.
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