• 検索結果がありません。

Cauchy-Hadamard の定理

ドキュメント内 , ( ) 2 (312), 3 (402) Cardano (ページ 168-172)

C 級数に関する補足

命題 C.1 (1) lim inf

n→∞ anlim sup

n→∞ an. (2) lim sup

n→∞ (−an) =lim inf

n→∞ an, lim inf

n→∞ (−an) = lim sup

n→∞ an. (3) an≤bn であればlim sup

n→∞ anlim sup

n→∞ bn, lim inf

n→∞ an lim inf

n→∞ bn.

実数列{an}n∈N と実数 a に対して、

lim sup

n→∞ an=a であるためには、

(a) (∀ε >0) (∃N N) (∀n∈N: n≥N) an< a+ε (b) (∀ε >0) (∀k N) (∃n N: n ≥k)an> a−ε

(言い換えると、任意の正数 ε に対して an > a−ε を満たす n が無限個存在する) が成り立つことが必要十分である。

nlim→∞an=a とは、

(∀ε >0)(∃N N)(∀n N:n ≥N) a−ε < an < a+ε

が成り立つことであるが、上の方から抑えられることはそのまま、下の方は少し弱めたわけで ある。「集積点」という言葉を知っていれば、{an} の上極限aとは {an}の集積点のうち最大 のものである、と言っても良い。

(まあ、でも、集積点(特に部分集合の集積点)という言葉はあまり使われなくなってきてい る気がする…)

定義 C.2 (集積点 上極限のことを手短に知るという目的からは余談に近くなるけど)

A を R の部分集合、a R とする。aA の集積点(an accumulation point) であると は、∀ε >0 (B(a;ε)∩A)\ {a} ̸= が成り立つことをいう。aA の孤立点であるとは、

aA の集積点ではなく、かつ a∈A であることをいう。

{an} を実数列、a R とするとき、a が数列 {an} の集積点 (a cluster point, an accu-mulation point)であるとは、∀ε >0 に対してan ∈B(a;ε)を満たす n が無限個存在する ことをいう。

任意の n N に対して an =a とおくとき、a は数列 {an} の集積点である。{an} の値域 {an |n∈N} は {a} であり、a は {a} の集積点ではないので、部分集合の集積点と数列の集 積点は混同しないよう区別が必要である。

C.1.2 正項級数に対する Cauchy-Hadamard の定理

補題 C.3 (正項級数に対する Cauchy-Hadamard の定理) 正項級数

n=1

an に対して、

λ:= lim sup

n→∞

n

an とおくとき、次が成り立つ。

(1) 0≤λ <1 ならば

n=1

an は収束する。

(2) λ >1 (λ= のときも含めて)ならば

n=1

an は発散する。

(λ= 1 の場合はケース・バイ・ケースである。) 証明

(1) 0 λ < 1 とする。λ < µ < 1 なる µ を任意に取ると、(∃N N) (∀n N: n N)

n

an< ρ. このとき an < ρn. N を1つ固定して、

bn:=

{

an (1≤n≤N 1) ρn (N ≤n≤N) とおくと、すべての n∈N に対して an≤bn で、

n=1

bn=

N1

k=1

ak+ ρN 1−ρ. 優級数の定理により、

n=1

an は収束する。

(2) λ > 1 とする。n

an > 1 を満たす n が無限にたくさん存在する。そういう n に対して an>1であるから、lim

n→∞an = 0 とはならない。ゆえに

n=1

an は発散する。

正項級数に対するd’Alembert の定理というものもある。

命題 C.4 (正項級数に対する d’Alembert の定理)

n=1

an は正項級数で、an ̸= 0を満た すとする。

λ := lim sup

n→∞

an+1

an , µ:= lim inf

n→∞

an+1 an とおくとき、次が成り立つ。

(1) 0≤λ <1 ならば

n=1

an は収束する。

(2) µ >1 ならば

n=1

an は発散する。

証明 (証明は上と同様に出来るので省略する。) 実は一般に

lim sup

n→∞

an+1

an lim sup

n→∞

n

an lim inf

n→∞

n

an lim inf

n→∞

an+1 an

が成り立つので、(lim sup, lim inf が具体的に計算できる限り) Cauchy-Hadamardの定理の方 が d’Alembert の定理よりも強いが、

{

lim sup lim inf

}

n

an の計算は {

lim sup lim inf

} an+1

an

の計算よ り難しいことが多く、応用上は d’Alembert の定理は便利である。

C.1.3 冪級数に対する Cauchy-Hadamard の定理

定理 C.5 (冪級数に対する Cauchy-Hadamard の定理)

n=0

an(z−c)n の収束半径を ρ とするとき、

lim sup

n→∞

n

|an|= 1 ρ.

証明 c= 0 の場合に証明すれば十分である。任意のz C に対して、

lim sup

n→∞

n

|anzn|= lim sup

n→∞

(|z|n

|an|)

= |z| ρ .

補題 C.3 によって、|z|/ρ <1 のとき収束、|z|/ρ > 1のとき発散する。ゆえに ρが収束半径 である。

C.1.4 lim supn

an の計算に便利な補題 例えば冪級数

n=0

anzn を項別微分して得られる

n=1

nanzn1 の収束半径が元の冪級数の収 束半径と同じであることを証明するには、lim

n→∞

n

n = 1 があると役に立つ。

補題 C.6 任意のk N に対して、lim

n→∞

n

nk= 1.

一般に証明する前に k = 1 の場合に書いてみよう。n

n > 1 であるから、δn := n

n−1 とお くと、δn >0. n

n = 1 +δn であるからn = (1 +δn)n = 1 +n+ n(n21)δn2 +· · · ≥ n(n21)δn2. 0< δn2 2

n−1. これから n → ∞ のときδ2n 0. ゆえに δn 0. これは lim

n→∞

n

n = 1 を意 味している。

証明 任意の n N に対して n

nk > 1 であるので、δn := n

nk 1 とおくと、δn > 0.

n

nk= 1 +δn. ゆえに n≥k+ 1 なる任意の n に対して、

nk = (1 +δn)n=

n r=0

(n r

) δnr

( n k+ 1

)

δnk+1 = n(n−1)· · ·(n−k) (k+ 1)! δk+1n . これから

0< δnk+1 1 n

(k+ 1)!

(1 1n) ( 1 n2)

· · ·(

1nk). n → ∞とするとき、右辺は 0に収束するので、lim

n→∞δn = 0. ゆえに lim

n→∞

n

nk = 1.

命題 C.7 {An}, {kn} は正項級数で lim

n→∞kn = k(> 0), lim sup

n→∞ An = A とするとき、

lim sup

n→∞ knAn =kA.

証明 (省略)

他にもあったはずだけど、すぐに思い出せない…

ドキュメント内 , ( ) 2 (312), 3 (402) Cardano (ページ 168-172)