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級数の収束判定

ドキュメント内 , ( ) 2 (312), 3 (402) Cardano (ページ 40-43)

(まだ工事中。もう少しすっきり読み易くしたい。)

級数が与えられたとき、それが収束することを証明する必要がしばしば生じる。

入門段階の複素関数論では、次の2つの定理があれば、90% 程度は処理可能である。両者 は良く似ていて、覚えるときには一つの定理にまとめてしまうことも可能ではある。それで並 べて見せることにする。

定理 3.4 (Weierstrass M-test (M判定法)) (複素数値を取る)関数項級数∑

n

an(z) (z ∈K) に対して、次の2条件を満たす {bn} が存在すれば、∑

n

an(z) は K で一様に絶 対収束する。

(i) (∀n) (∀z ∈K) |an(z)| ≤bn. (ii) ∑

n

bn は収束する。

定理 3.5 (優級数の定理) 複素数の級数 ∑

n

an に対して、次の2条件を満たす {bn}が存 在すれば、∑

n

an は絶対収束する。

(i) (∀n) |an| ≤bn. (ii) ∑

n

bn は収束する。

この項では、定理 3.5 のみ証明する。まず定理に現れる「絶対収束」という言葉を定義し

よう。

定義 3.6 (絶対収束)

n

|an| が収束するとき、∑

n

an は絶対収束すると言う。

次の命題が基本的である。証明は無理に覚えなくても良いが、C が完備であることをどの ように使っているかを読み取ると良い(Cauchy列、完備性が自然に会得できるかも)。

命題 3.7 (絶対収束級数は収束する) 任意の複素級数は、絶対収束するならば収束する。

証明

n

an が絶対収束するとする。

sn:=

n k=1

ak, Sn:=

n k=1

|ak|

とおく。仮定から {Sn}は収束列であるから、命題 3.2 によってCauchy 列である。

n, m∈N とする。n > m の場合は 今日の式変形はこれ!

|sn−sm|=

n k=1

ak

m k=1

ak =

n k=m+1

ak

n k=m+1

|ak|=

n k=1

|ak| −

m k=1

|ak|=Sn−Sm.

同様に n < m の場合は |sn−sm|< Sm−Sn が得られるので、一般に

|sn−sm| ≤ |Sn−Sm|

が成り立つ。ゆえに {sn} は Cauchy 列である。定理3.3 より {sn} は収束列である。すなわ ち ∑

n

an は収束する。

絶対収束はしないが、収束はする級数は、条件収束するという。条件収束する級数には例え

n=1

(1)n−1

n = 1 1 2 +1

3 1

4 +· · · などがある。

34.

n=1

1

n = であることを示せ。

35.

n=1

(1)n1

n の部分和の作る数列を{sn}とするとき、{s2n}n∈N{s2n1}n∈N が、そ れぞれ上に有界な単調増加数列、下に有界な単調減少数列であることを確かめ、共通の極限に 収束することを示せ。

この2つの問に解答すれば、

n=1

(1)n1

n が条件収束することが証明できたことになる。

後でAbel の定理という定理を紹介するときに、この級数についてまとめて解説する予定で ある。実は極限は log 2 になることが分かる。

絶対収束は各項の大きささえ十分小さければ収束ということで、大きさの比較の話に持ち込 めて考えやすい。優級数の定理はそれが分かり易い形に現れている。

早速、優級数の定理の証明にとりかかる。優級数の定理は、定理3.7 の一般化のようなもの で、証明も上の定理と良く似ている。

優級数の定理の証明 Sn :=

n k=1

|ak|, Tn :=

n k=1

bk とおく。仮定から {Tn} は収束列であるか ら、命題 3.2 によって Cauchy 列である。

n, m∈N とする。n > m の場合は

|Sn−Sm|=

n k=m+1

|ak| ≤

n k=m+1

bk =Tn−Tm. 同様に n < m の場合は |Sn−Sm| ≤Tm−Tn が成り立つので、一般に

|Sn−Sm| ≤ |Tn−Tm|.

これから{Sn}はCauchy列であるから、定理3.3より {Sn}は収束列である。すなわち∑

n

an は絶対収束する。

優級数の定理を用いるには、与えられた∑

n

an に対して、適当な収束する級数 ∑

n

bn を見 つけることが必要になる。

{bn} としては、

bn =M rn (ここで 0≤r <1) や

bn = M

nα (ここでα >1)

などが良く使われる。冪級数の場合は前者 (等比級数) の使用頻度が高い。

次の定理も知っておくと良い(というか、

n=1

1

nα の収束を示すのにぴったり7)。

命題 3.8 (部分和が上に有界な正項級数は収束する) {bn}n∈N が以下の2条件を満たすな らば

n=1

bn は収束する。

(i) (∀n∈N) bn 0.

(ii) (∃M R) (∀n∈N)

n k=1

bk ≤M.

(条件(i)が成り立つとき、∑

n

bn は正項級数という。優級数定理を使おうとするとき|an| ≤bn という条件があるので、自動的に (?) 条件(i)が成り立つ。そこで条件 (ii) が要点となる条件 ということになる。)

7結局、授業中に書くことに。例のグラフを描いて、n 2 ならば 1 nα

n n1

dx

xα. それから

n k=2

1 kα

n

k=2

k k1

dx xα =

n 1

dx xα =

[x1α 1α

]n 1

1

1α. これ計算合っているのかな??

証明 条件 (i) より、部分和 Tn:=

n k=1

bk の作る数列{Tn} は単調増加数列である。条件(ii) は {Tn} が上に有界ということを意味しているので、「上に有界な単調増加数列は収束する」

という定理によって、{Tn}は収束する。すなわち ∑

n

bn は収束する。

3.9 (「画像処理とフーリエ変換」から) (唐突に別の講義で出て来たものにジャンプ)内積 空間 X の要素 f と正規直交系n}n∈N に対して、∀N N

N n=1

|(f, φn)|2 ≤ ∥f∥2

という不等式が証明できる。このとき

n=1

|(f, φn)|2 は収束する。bn = |(f, φn)|2, M = ∥f∥2 として命題 3.8 を適用するわけである。そして

n=1

|(f, φn)|2 ≤ ∥f∥2

が成り立つ (これは Besselの不等式と呼ばれる有名な不等式である)。

ドキュメント内 , ( ) 2 (312), 3 (402) Cardano (ページ 40-43)