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*1: ENTSO-E、ITC transit losses data report、2016、図はトーマツ作成

送電ロス填補電力の調達(フランス)

 フランスでは、エネルギー法L321-11にて透明・公平な市場での送電ロスの調達が規定された。

 送電会社RTEは、ロス全体の6〜7割を占める固定分を、長期市場にて事前に調達している。

■規定の歴史

• 2005年7月、エネルギー法(Article L321-11)において、透明・公平な市場での送電ロスの調達が規定された。

■送電ロスの調達実績*2

フランスの送電会社は1社(RTE)のみであり、RTEの送電ロス調達量とロス率は、下記の通りとなっている。

- 2013年・・・総延長: 104,557km、送電ロス量: 11.23TWh、送電ロス率: 2.15%

- 2014年・・・総延長: 104,908km、送電ロス量: 10.43TWh、送電ロス率: 2.05%

- 2015年・・・総延長: 105,023km、送電ロス量: 10.28TWh、送電ロス率: 2.01%

送電ロスの調達コストは、2015年時点で466 million €であり、RTEの全収入4,593 million €の約10%を占める。

■送電ロスの調達方法*1

• RTEでは、長期市場と短期市場にて、下記のように調達している。

*1: RTE(フランス)の担当者へのヒアリング

*2: RTE、Management report consolidated financial statements、2015

送電ロス

(MW)

1 6 12

固定分 変動分+α

短期( 1 日前、当日)

送電ロス全体の6〜7割については、事前に 予測可能なため、卸市場(EEX)の先物市場、

相対取引(OTC)、入札等にて調達している。

卸市場(EPEX)にて、予測手法を使用しながら 調達している。

長期

送電線の総延長は年々長くなっているものの、

送電ロス量及び送電ロス率は、年々減少している

送電ロスの予測方法(フランス) −RTEの事例* 1

 送電事業者RTEは、統計解析を取り入れた予測手法により、24時間分の送電ロスの予測値を遅くとも2日前までに公 表している。これにより、送電ロスを効率的に調達している。

−送電ロスの1日分の予測値*1

*1: RTEウェブサイト

■予測値の公表

• 1日分の予測値(右図参照):

24時間分の予測値を、遅くとも2日前までに公表している。

• 1週間分の予測値:

毎週木曜日に、次の土曜日からその次の金曜日までの1週間分の予 測値を公表する。

■予測方法

フランスでは、気温が下がると消費量が増え、それに伴って送電ロス 量も増大する。また、休止期間やメンテナンスも、発電所の発電計画 や送電経路に影響を与えるため、送電ロス量に影響する。

送電ロスの予測は、移動平均や一次回帰等の統計手法を使って、下 記①〜③の順番で行われる。

■予測方法の評価

現状の予測方法は、送電ロスの適切な調達という目的を満たすの に、十分なレベルである。

今後は、気温予測や電力消費パターン分析等の要素を取り入れるこ とを検討している。

1日24 時間分のロス分布曲線の作成

② 対象日の1日の送電ロス量を①の分布に応じて配分

1日24時間毎の送電ロス予測量を算定

送電ロス補填電力の調達に関する規定の歴史(ドイツ)

 ドイツでは、EU指令を受け、エネルギー事業法(EnWG)とグリッドアクセス規制(Strom NZV)により、透明性が高く 公平な市場を通して送電ロスを調達することを規定した。

■ドイツでの送電ロス補填電力の調達方法に関する規定の歴史は、下記の通り。

時期 法律名 内容

2005年7月

エネルギー事業法(EnWG)

§22(1)

系統運用者が、透明性が高く公平な市場を通して、送電ロスを調達すること。

2005年7月

グリッドアクセス規制(Strom NZV)

§10(1)

系統運用者が、透明性が高く公平な市場を通して、送電ロスを調達すること。

送電ロスは、大きな障壁がない限りにおいて、入札により調達すること。ただ し、顧客数10万人未満のDSOはこの限りではない。