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1)ICローン

 フランスでは、発電会社と送配電会社の企業内取引(資金調達以外)が市場の条件に合致しているか、CREが監視し ている。一方、ドイツでは、発電会社と送電会社間のみ、BNetzAが監視している。

発電会社と送配電会社におけるグループ内取引(資金調達以外)の状況(フランス、ドイツ)

■ 規制機関による規制(フランス)

1) RTEとEDFとの間で新しく商業的関係を締結する場合、契約ドラフト

の締結2ヶ月前に、CREに通知・承認を受ける必要がある*1

2) CREは、EDFとRTE・Enedisとの取引が、市場の条件に合致してい

るかについて、入札段階から取引の内容や財務状況を確認してい る。CREは、市場条件に合致していないと判断した場合、入札の再 実施を強制することができる*2

3) CREは、RTEとEnedisがEDFに取引を提供する際、公平性と透明

性が確保されているかについて、監視を行っている*2

■ 発電会社と送配電会社が行うその他取引の状況(フランス)

4) RTE・EnedisからEDFに対して、資金調達以外の取引(業務委託契

約・経営指導に関する契約等)が行われている*2

5) 一方で、EDFからRTE・Enedisに対する、その他取引は、送電網の

安全上、必要不可欠な取引を除き、禁止されている*2

■ 規制機関による規制(ドイツ)

6) BNetzAは、発電会社と送電会社間の取引が、市場の条件に合致し

ているかについて、監視している*3

配電会社

Enedis

−フランスにおける発電会社との取引の状況・内容−

発電会社

EDF

エネルギー規制委員会

(CRE)

2)、3)

4)

送電会社

RTE

4)

5) 5)

× ×

2)、3)

*1: RTE、Respect du code de bonne conduite et Independance de RTE、2015

*2: CRE(フランス)の担当者へのヒアリング

*3: BNetzA(ドイツ)の担当者へのヒアリング

1)

 フランスでは、発電会社と送配電会社の財務的関係が市場の条件に合致していることが求められており、保証・担保 提供は、CREの監視下にある。必要に応じて、CREは監査や勧告を実施することができる。

■ 規制機関による規制

1) CREは、EDFとRTE・Enedis間の財務的関係が、市場の

条件に合致していることを求めており、両社間の保証・担保 提供の監視を行っている。

2) CREは、必要に応じて、両社間の財務的取決めに対して監

査や勧告を実施することができる*1

■ 送配電会社の状況

3) 2005年に、RTEはEDFの完全子会社となり、EDFは送電

網への投資資金調達の役割をRTEに移管した。2012年に

CREは、このRTEへの投資資金調達の役割の移管は、市

場条件に適合していたと判断した*2。(107ページの再掲)

4) エネルギー法は、EDFとRTE・Enedis間の保証・担保提供

において、両社の財務的取引が市場の条件に合致してい ることを求めているが、規制は行っていない。

発電・小売部門と行う保証・担保提供に関する規制(フランス)

送電会社

RTE

−フランスにおける送配電会社の保証・担保提供の状況−

1)、2)

エネルギー規制委員会

(CRE)

保証・担保提供 保証・担保提供

1)、2)

配電会社

Enedis

発電会社

EDF

*1: CRE(フランス)の担当者へのヒアリング

*2: Journal officiel de la république francaise Délibération du 26 janvier 2012

portant décision de certification de la société RTE

 ドイツでは、法的分離(ITO)を実施した送電会社よる、親会社への保証・担保提供を実施するためには、BNetzAとの 事前協議が必要となっている。ただし、送電会社による、親会社への保証・担保提供の実施は、稀少である。

■ 送電会社(ITO)の状況

1) 親会社である発電会社と、発電会社から法的分離(ITO)を実施し

た送電会社

(AmprionとTransnetBW)間の財務的関係は、市場

の条件に合致していることが求められており、両社間の保証・担 保提供は、BNetzAの監視下にある。ただし、保証・担保提供に関 するガイドラインは存在しない*1

2) 法的分離(ITO)を実施した送電会社による親会社への保証や担

保提供は極めて稀である。仮に、法的分離(ITO)を実施した送電 会社が親会社へ保証や担保提供を実施する場合は、BNetzAと の事前協議が必要となっている*1

3) 親会社である発電会社が、資金調達を行う際、法的分離(ITO)を

実施した送電会社が、親会社に対して連帯保証を提供することは、

BNetzAによる審査が必要となるが、国内法で規制されていない。

■ 送電会社(FOU)の状況

4) 所有権分離(FOU)を実施した送電会社(50Hertz、TenneT)は、

発電会社が親会社に該当しないことより、発電会社と行う保証・担 保提供に関する規制は存在しない。

発電・小売部門と行う保証・担保提供に関する規制(ドイツ)

ドイツ連邦ネットワーク規制庁

(BNetzA)

送電会社 発電会社

1)、2)、3)

−ドイツにおける送電会社の保証・担保提供の状況−

(法的分離(ITO)の例)

保証・担保提供

*1: KPMG、「電力システム改革に係る実務とファイナンスに関する実態調査」報告書、2014

 フランスでは、RTE・Enedisは第三者と取引を行うことができる。一方で、RTEは、CREへ送電に関する年間の事業 計画を報告しており、CREは遵守の状況について、監視している。

第三者との取引の状況(フランス)

送電会社

RTE

配電会社

Enedis

−送配電会社と第三者との取引の状況−

発電会社

EDF

エネルギー規制委員会

(CRE)

第三者

■ 規制機関による規制

1) CREは、RTE・Enedisが第三者と行う取引について、特別な規制を設けてい

ない。

2) CREは、RTEが報告した年間の事業計画を確認し、遵守の状況について監

視を行っている。

3) CREは過去に、ERDF(現Enedis)に対し、日常業務に関する契約(カタログ

の印刷等)について、EDFを通して締結するのではなく、自ら選定・締結する ことを求めた*1

■ 送電会社の状況

4) RTEは、第三者と取引を行うことができる。

5) RTEは、EDFから独立し、独自で資金調達することができる。

6) RTEは、CREに年間の事業計画を報告している。

■ 配電会社の状況

7) Enedisは、第三者と取引を行うことができる。

8) Enedisは、日常業務に関する契約(カタログの印刷等)を第三者と締結して

いる*1

*1: CRE、Respect des codes de bonne conduite et indépendance des gestionnaires de réseaux d’électricité et de gaz naturel、2013-2014

4)、5) 7)、8)

6)

2)

第三者との取引の状況(ドイツ)

第三者

ドイツ連邦ネットワーク規制庁

(BNetzA)

発電会社

EnBW

送電会社

TransnetBW

−送電会社と第三者との取引の状況−

(TransnetBWの例)

 ドイツでは、送電会社は第三者と取引を行うことができる。BNetzAは、取引の内容が法律に抵触していないかを監視 しており、必要に応じて勧告を行っている。

■ 規制機関による規制

1) 第三者との取引について、特別な規制は存在しない。

2) 送電会社と第三者の取引が、法律に抵触しているかどうかの、監視を

行っている*1

3) 送電会社と第三者との取引のうち、市場の条件と大きく乖離している価格

設定がある場合に、送電会社に勧告を行っている。

■ 送電会社の状況

4) 送電会社は、送配電料金を安くする目的のため、最適・公平・安価な方法

で、第三者からの資金調達を行っている*1

例)TransnetBWは、自由に取引先銀行を選定している。

5) 送電会社は、第三者との間で、資金調達以外の取引を自由に行うことが

できる*2

2)、3)

4) 5)

*1: BNetzA(ドイツ)の担当者へのヒアリング

*2: BNetZA、EnBW(ドイツ)の担当者へのヒアリング

3.3

EU指令による規定の経緯

1) 第1次エネルギーパッケージ(1996年12月)により、送配電部門の会計分

離が求められた。

2) 第2次エネルギーパッケージ(2003年6月)により、送配電部門の最低限の

法的分離(別法人化だが、詳細な就任規則等は含まない)が求められた。

3) 第3次エネルギーパッケージ(2009年7月)により、送電部門の所有権分離

(FOU)、機能分離(ISO)又は厳格な法的分離(ITO)が求められた。

■ 送電会社の変遷の歴史

4) 2000年7月、EDFの送電部門が独立し、RTEが設立された*

1

5) 2005年9月、RTEがEDFの完全子会社となった*

1

■ 配電会社の変遷の歴史

6) 2004年8月、EU指令がフランス国内法に適用され、EDFは社内に独立し

た配電事業部門を設置した*2

7) 2008年1月、同部門がEDFの完全子会社となり、ERDFが設立された*

2

8) 2016年5月、ERDFは社名をEnedisに変更した。その背景として、CREが

「配電会社と発電会社が社会的アイデンティティ、コミュニケーション手法と ブランド戦略におけるあらゆる誤認を避けることを目的に、EDFとERDFに アクションプランの策定を要求した」ことが挙げられる*3。 この際、EDFと 類似していたロゴも変更した。

エネルギー規制委員会

(CRE)

EU指令をフランス国内法へ適

用し、旧垂直統合会社を分離

1)、2)、3)

−フランスにおける規制と送配電分離−

 フランスでは、送電会社と配電会社に対して、発電会社からの法的分離(ITO)を要求した。また、2016年には、第三 者の誤認を避けるために、配電会社ERDFの社名をEnedisに変更する等、配電会社へのブランド規制も行っている。

送配電会社の変遷の規定と歴史(フランス)

送電会社

RTE

4)、5)

配電会社

ERDF

配電会社

Enedis

8)

発電会社

EDF

7)

*1: RTEウェブサイト

*2: Enedisウェブサイト

*3: CRE、Respect des codes de bonne conduite et indépendance des

gestionnaires de réseaux d’électricité et de gaz naturel、2013-2014

ドイツ連邦ネットワーク規制庁

(BNetzA)

法令上の義務を 遵守するよう監視

送配電会社の変遷の規定と歴史(ドイツ)

−ドイツにおける規制と送配電分離−

 ドイツでは、送電会社に対して、法的分離(ITO)又は所有権分離(FOU)による発電会社からの分離を要求した。一方、配 電会社(約900社)は地方自治体の監視下にあり、送電会社程の規制が制定されていない。

EU指令による規定の経緯(前ページと同じ内容の再掲)

1) 第1次エネルギーパッケージ(1996年12月)により、送配電

部門の会計分離が求められた。

2) 第2次エネルギーパッケージ(2003年6月)により、送配電

部門の法的分離が求められた。

3) 第3次エネルギーパッケージ(2009年7月)により、送電部

門の所有権分離(FOU)、機能分離(ISO)又は厳格な法的 分離(ITO)が求められた。

■ 送電会社の変遷の歴史

4) 法的分離を実施した2社(Amprion、TransnetBW)と所有

権分離を実施した2社(TenneT、50Hertz)がある*1

■ 配電会社の変遷の概要

5) 配電会社については、大手電力会社グループの4社

を含め、約900社近くある*1

6) 配電会社の監視は、連邦ネットワーク規制庁BNetzA

ではなく、各地方自治体が実施している。その結果、

規制も送電会社程の規制が制定されていない*1

→ 送電会社の変遷と歴史は次ページ参照 1)、2)、3)

EU指令をドイツ国内法へ適用し、

旧垂直統合会社を分離

送電会社

TransnetBW

送電会社

TenneT

送電会社

50Hertz

送電会社

Amprion

発電会社

RWE

発電会社

EnBW

発電会社

E.ON

発電会社

Vattenfall

*1: BNetzA(ドイツ)の担当者へのヒアリング