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−CenterPoint−

Oncor

−AEP(TCC)−

−TNMP−

 送電系統運用者(TSO)、配電系統運用者(DSO)、発電事業者によって捉え方が異なる

まとめ

 送電系統運用者(TSO)と配電系統運用者(DSO)は、潮流改善の義務を負う一方で、改善に対して経済的インセンテ ィブが付与される。ドイツでは、近年の再エネの普及拡大により、潮流改善に係る費用は増大している。

( )

: 参照先ページ数

政策的評価・

課題 潮流改善の

内容

潮流の課題

潮流改善対策

経済的 インセンティブ

有り

ドイツでは、レベニューキャップ制度を導入しているため、潮流改善対策によって 混雑管理費用を削減しないと、収益が低下する

有り

エネルギー事業法(EnWG)による電気事業者への規制の目的は、効率的かつ 信頼性の高い送配電系統を長期的視点で確保するため(EnWG§1(2))

法的義務

容量不足の系統では、潮流の大幅な 調整が必要。潮流が改善されない場 合は、設備の破損に繋がる

送電系統運用者(TSO) 配電系統運用者(DSO) 発電事業者

管轄区域の中・低圧配電系統にて、

再エネの普及拡大による混雑が生じ ている

電力需要地から離れた場所(例えば 北部の風力)で発電する場合、混雑 の原因となる

送電系統の増強

送電権の調達

再給電指令

配電系統の増強

回避された系統利用料

デマンドレスポンス

回避された系統利用料の適用によ る、より低い電圧レベルでの分散電 源の設置

無し

回避された系統利用料は、再エネ事 業者へは支払われない

無し

原則、潮流改善義務は、TSOとDSO にある

TSO

 北部での風力発電の普及に伴い、南北の送電系統の増強が喫緊の課題である

(59ページ)

 再給電指令に係る費用は、中・東側の TenneT と 50Hertz の管轄区域で大きいため、今後は、

西側の Amprion と TransnetBW の負担を増やす方針である

(60ページ)

DSO

 再エネの普及に伴い、配電系統の増強費用も上昇している

(61ページ)

 分散電源の普及促進のための回避された系統利用料のインセンティブは効果的に作用せ

ず、今後は、デマンドレスポンス等へのインセンティブを強める方針である

(61、63ページ)

送電事業者の潮流改善への取組み(1/3)

 現状のドイツでは、TenneTと50Hertzの管轄区域である中・東側で混雑が発生し易くなっている。この混雑への対処 方法として、送電事業者は、送電空き容量の確保と、再給電指令等を実施している。

■対策①: 送電空き容量の確保

送電空き容量の確保として、下記に示す2つの方法がある。

①-1: 送電系統の増強・・・送電線の増強工事を実施する。

→59ページ参照

①-2: 送電権の調達・・・潮流改善のための送電権調達は、透明性・公平性確保のために、公募、前日取引、直接競売方式(Explicit

Auction)で、Joint Allocation Office(JAO)にて実施している。特に国境設備の空き容量等に関しては、

German Electricity Grid Access Ordinance (StromNZV)の§15にて規定され、公平かつ透明性を確保した

公募調達が行われている。

■対策②: 再給電指令

→60ページ参照

混雑を解消するために、発電事業者に対して、再給電指令(Redispatch)

を行う。

中・東側(TenneT、50Hertzの管轄区域)では、風力発電が集中する北部 から、需要地が集中する南部への送電により、混雑が発生し易い。(右図 ハイライト部分)

西側(AmprionとTransnetBWの管轄区域)は、消費量は大きいものの、大 きな混雑は発生していない。

−再給電指令により影響を受けた送電系統*1

*1: BNetzA、Monitoring Report、2015

風力発電が集中する北部から、

需要地の南部へ送電するため、

北部から中央部にかけた送電系 統で混雑が発生しやすい

(ハイライト部分)

50Hertz TenneT

Amprion

TransnetBW

送電事業者の潮流改善への取組み(2/3)

50Hertzの事例として、需要地が集中する南部への送電による混雑を解消するために、隣国のポーランドやチェコを 経由する送電線の増強を行っている。

■対策①-1: 送電系統の増強 例)50Hertzによる送電線建設

• 50Hertzの管轄区域では、混雑解消のために、特に国境設備に

対する送電線建設プロジェクトが強化されている。(右表、下図 参照)

下図において、送電線建設が計画されている地域は、先述した 混雑が頻発する地域と一致している。これらの送電線建設によ り、需要が集中する南部(ミュンヘン等)への送電時の混雑を解 消する目的がある。

*1: 50Hertzウェブサイト

−50Hertzの混雑解消のための送電線建設プロジェクト*1

プロジェクト名 建設工事の内容 建設地域 試運転

開始予定

380 kV connection

between Halle and Schweinfurt (dena Grid Study)

380 kV 送電線建設(以下地域間)

Lauchstädt

Vieselbach, Vieselbach

Altenfeld, Altenfeld

Thuringia州/Bavaria

州境界 (+他工事)

ドイツ-チェコ

2016

380 kV Uckermark line

(dena Grid Study)

380 kV 送電線建設 Neuenhagen

Bertikow/Vierraden

ドイツ-ポーランド

2020

380 kV Vierraden (50Hertz) – Krajnik (PSE)

送電線増強工事

220 kV → 380 kV Vierraden

Krajnik

(ドイツ) (ポーランド)

ドイツ-ポーランド

2018

Kriegers Flak -Combined Grid Solution

(Energinet.dk – 50Hertz)

交流海底ケーブル ドイツ 〜デンマーク

Bentwisch開閉所 (50Hertz)

ドイツ-デンマーク

2018

−50Hertzの混雑解消のための送電線建設プロジェクトマップ*1

ポーランド、チェコ からの越境送電

0 100 200 300 400 500 600

Amprion TransnetBW Tennet 50 Hertz

(百万

−再給電指令に係る費用(2015年)*2

Countertrading Redispatching

送電事業者の潮流改善への取組み(3/3)

 混雑管理に係る費用は、中・東側のTenneTと50Hertzの管轄区域で大きい。ドイツ全体で本費用の分担を平均化す ることを目的として、今後は、西側のAmprionとTransnetBWの負担を高めることが検討されている。

■対策②: 再給電指令(Redispatch)

具体的には、下記のような指令を行う。

・風力発電に対して停止指令を出すことができる

・北部の従来型電源に対して抑制指令を出すことができる

・南部の従来型電源に対して発電力増加指令を出すことができる また、国際市場で再給電指令を行う場合は、Countertradingと呼ばれ る。Countertradingは、当日市場等で取引され、利用可能な容量とス ポット市場のスケジュールによって、取引の上限が決められている

■再給電指令に係る費用

ドイツでは、再給電指令に係る費用の増加が課題となっている。特 に、中・東側のTenneTと50Hertzの負担が大きい。

ドイツ全体での再給電指令に係る費用の負担を平均化する動きがあ り、今後のドイツ全体としての増加分については、Amprionと

TransnetBWの負担とすることが検討されている*

1。(右図参照)

*1: TransnetBW(ドイツ)の担当者へのヒアリング

*2: ENTSO-E、Transparency platform - Cost of congestion managementを基に、トーマツ作成

西側 中・東側

AmprionとTransnetBWの

負担増が検討されている*1

配電事業者の潮流改善への取組み(1/4)

 配電系統の設備投資を抑える効果的な方法の一つであるデマンドレスポンスは、費用対効果が小さいため、連邦ネッ トワーク規制庁(BNetzA)が、インセンティブを強める規制モデルを検討中である。

■配電事業者による潮流改善に対する取り組み

配電事業者は、再エネの普及による混雑を解消するために、配電系統 を増強しており、その投資金額は上昇傾向である。(下図参照)

送電系統の増強費用の低減につながる、配電系統への分散電源の導 入について、回避された系統利用料を支払う。

→次ページ参照

なお、ドイツの配電・小売事業者は細分化されており、1つの地域内でも 数十の小売事業者が様々なサービスを提供している。(右図参照)

0 1,000 2,000 3,000 4,000

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015

(百万€) −配電系統への設備投資総額*1

*1: BNetzA、Monitoring report、2015

*2: SEDC、Mapping demand response in Europe today、2015

*3: Stromvergleichウェブサイト

−(例)ミュンヘンで契約可能な電気事業者リストの一部*3

(デマンドレスポンスの検討)

費用対効果が小さいため、配電事業者のインセンティブになっていない。

配電事業者へのインセンティブを強めるための規制モデルを、連邦ネット ワーク規制庁(BNetzA)が検討中である*2

配電系統の設備投資増加への対策

配電事業者の潮流改善への取組み(2/4)

 回避された系統利用料は、DSOに接続する分散電源に対して支払われるが、需要地近接性のインセンティブが仕組 みとして考慮されていない。

■回避された系統利用料 (Avoided network charge:

ANC)*

1

目的:

分散電源の導入を促進すること。

導入トリガー:

2005年7月の電力ネットワーク料金規制(Strom NEV§18)における、

分散電源へのインセンティブ支払いに関する規定。

評価:

再エネ導入量の拡大により、DSOの回避された系統利用料の支払い負 担が増大した。結果として、本制度は2021年に廃止予定である。

考察:

潮流改善を目的とした制度にも関わらず、分散電源の設置場所と需要 地との近接性へのインセンティブがなかったため、潮流改善にはつなが らなかったと考えられる。

*1: VKU、zur Ermittlung des Entgeltes für dezentrale Einspeisung

*2: TransnetBW(ドイツ)の担当者へのヒアリング

−回避された系統利用料の概要−

−ANCの流れ*2

対象

DSOに接続する分散電源

算定方法

回避された系統利用料

= 回避された電力[kW] × 上位系統の送配電基本料金[円/kW]

+ 回避された電力量[kWh] × 上位系統の送配電従量料金[円/kWh]

制度内容

分散電源の設置場所と需要地との近接性は評価されない

再エネの場合、ANCは発電事業者には支払われない(右図参照)

① 再エネ、コージェネレーション(バイオマス)の 発電事業者の場合

② コージェネレーション(バイオマス以外)の 発電事業者の場合

TSO

DSO 発電事業者 ANC FIT

DSO ANC 発電事業者

需要家

再エネ 賦課金

ANCは、需要家の

再エネ賦課金の 減免に使われる

FIT