地理的拡大の経緯
地理的拡大は、欧米⇒アジア⇒新興国の順となっており、市場規模の大きさ、 ZARA ブラ ンドの受容性の観点から検討されてきたものと推察される
~
80
年90
年代00
年代欧州進出
'~80年代(
欧州・アジア 展開
'90年代(
新興国展開
'00年代(
スペイン国内'1975~(
ポルトガル'1988~(
米国'1989~(
フランス'1990~(
英国'1998~(
独・カナダ'1999~(
イタリア'2001~(
メキシコ'1992~(
日本、UAE、クエート'1998~(
イスラエル'1997~(
サウジアラビア、ブラジル'1999~(
シンガポール'2002~(
マレーシア'2003~(
ロシア'2003~(
中国'2006~(
韓国(2008~(
フィリピン、タイ、インドネシア(2005~(
モロッコ(2004~(
地域 展開 (主要国)
地域別 売上構成
の変化
2000 48% 30% 2,615
Before 1988 100%
11,048
32% 46%
126
地理的拡大'展開国/出店場所の検討アプローチ( (1/2)
展開国の決定にあたり、経済の成長性、税制・規制等のマクロ面と、 ZARA のようなハイ センス・ファッションの受容性等のミクロ面を検討し、参入の可否/参入方式'独立現法、
合弁、フランチャイズ(を決定してきた模様
Source: Company Annual Report
参入対象国の選択
参入方式の選択
対象国のカントリーリスク、市場性、受容性により、3
つの参入方式から選択• 3
つの方式から対象国の参入方式を選択−
方式は、①「独立現法」、②「合弁」、③「フランチャイズ」•
方式は、大きく3つの評価基準により判断−
評価基準は、カントリーリスク'政治状況など(、市場性'規模/成長性(、受容性'潜在ニーズの有 無、競合状況など(−
①「直接投資」方式は、いずれの基準も高い場合に採用−
②「合弁」方式は、総合的に評価基準は満たしているが、エントリー時点で競争優位性を築けるか 不透明な場合に採用-
例(一号店が好ロケーションにとれない/地元の強い競合がいる、日本、ドイツなど−
③「フランチャイズ」方式は、市場規模が小さい/文化的な差異が大きい/政府の意向により規制 が変化しやすい、などの場合に採用-
例(中東諸国、キプロス、アンドラ、アイスランドなど
本社の特別チームが、まずは国単位で、マクロ、ミクロの両面から集中的に検討•
マクロ面は、対象国のマクロ経済の動向、今後の市場の成長性と、税制・規制等を調査・検討−
税制・規制は、具体的に、関税、法人税、平均労務費、店舗の賃貸料など•
ミクロ面は、ZARA
のハイセンスなファッションに対する受容性を検討− ZARA
のハイセンスなファッションに対するニーズを検証−
競合の展開状況を把握・分析'競争環境の分析とともに、同業態の成功/失敗の要因分析(−
衣料品の販売チャネルの状況/出店に際する好ロケーションの当たり付け 国国
検討単位
活動内容
地理的拡大'展開国/出店場所の検討アプローチ( (2/2)
各国での店舗展開にあたり、最もファッション性の高い地域に出店し、テストマーケティン グ'+期待感を醸成した(後に、他地域への展開を本格化' =Go slow Strategy (
Source: Company Annual Report
検討単位
活動内容
中心地に1
店舗だけ構え、消費者の購買行動や地理情報の実態・肌感覚を収集'Go slow strategy
(•
例えば、米国では89年にマンハッタンに進出し、03年から本格進出
具体的には、衣服/店舗のデザインに対する好みや価格に関する知識を蓄積、本格展開に向けた軌 道修正を行う•
例えば、メキシコでは、Go slow strategy
を通じて、欧州とターゲット層が大きく異なることが判明し、本格参入にあたり、ブランディング方法を変更
−
スペインでは、8
割の国民が所得的にZARA
の商品に手が届く一方で、しかし、メキシコは、平均所 得層が低いため、一部の上流層にしか手が届かないことが判明'出店前の予想に反して売れず(−
従って、ZARAは「made in Europe」を強く打ち出し、高級感あるブランドイメージに変更
さらに、対象国の他地域への展開可能性を考慮し、最終的に本格エントリーを行うかどうかを判断•
他の中心地、周辺地域のマーケティングを同時に行い、最終的に対象国へ本格エントリー するかどうかの判断を行うテスト マーケティング
各国地域
テストマーケティングの場所を含め、店舗の立地に対し厳格な基準で選別• Up-market, High traffic, Prestigious locationの三つの基準により店舗の立地を選別
− Up-market:店舗所在商業区域は高級所得層向けの市場であること
− High traffic:店舗周辺の日中人口は一定レベル以上であること
− Prestigious location
:店舗の立地自体はエリア内の一流ロケーションであること 各国地域本格進出
128
I. 世界のファッションブランド・食の市場規模/市場勢力 II. 世界のファッションブランドの展開チャネルの勢力図 III. ファッションブランドの展開国・都市トレンド伝播経路
IV. 世界の主要ファッション・食企業の事例研究
i. グローバル展開の変遷 i. Inditex(ZARA)
ii. LVMH(Louis Vuitton) iii. PPR(Gucci)
iv. Yum! Brands
ii. マーケティングミックスの動向
iii. 組織構造 / 責任と権限の持たせ方
iv. SCM体制
Louis Vuitton'中核ブランド(は創業126年で、58ヶ国、2,300店まで地理的拡大を果たし、
グループ全体では直近15年間において、売上・利益成長を実現
LVMH の概要
(1) Deutsche Bank Analyst Report (2008.12.31)
財務
ブランドの買収を活発化させた90年代後半以降、売上、利益ともに高い成長性を維持•
売上:246億ドル'09年度(、売上CAGR'1996~2009(:12%、売上構成:母国内14%・母国外86%'09年度(•
純利益:25億ドル'09年度(、純利益CAGR'1996~2009(:10%地理的拡大
中核ブランドであるLouis Vuittonは、世界58ヶ国・地域に約2,300店舗を展開• 1885年ロンドンにて海外展開を開始。欧米中心に展開する中、1981年日本進出を皮切りに90年代にかけてアジアに重点進
出。
2000
年以降、南米、中東、アフリカにも進出'2009
年末(
展開国・都市の決定にあたっては、都市の経済発展度合いに加え、当該地域における富裕層の人口、競合の進出状況、買収 したブランドの店舗における消費者の情報などを元に、候補先を選定している模様
また、各国での店舗展開にあたっては、傘下に抱える複数ブランドを同時展開することで、対デベロッパー、流通企業、広告代 理店・媒体社に対する交渉力向上に基づく、調達コストの低減を実現しているビジネス 概要
創業20~30年程度経過し弱体化し始めたブランドのうち、歴史・一貫性を有し、成長ポテンシャルがあるブランドの買収、マネジ メント機能の提供/人材・資本の注入を通じて再生・ストレッチする手法により、成長を実現•
ファッション分野では、Givenchy'1952年創業、1988年被子会社化(、Fendi'1925年創業、2001年被子会社化( 、Danna Karan
'1985
年創業、2001
年被子会社化( などが代表例‒
各ブランドの売上は非公開であるが、 上記のブランドはLVMH
に買収された後に、デザイナーを交代、世界展開を加速 させ、売上を倍増させた成功事例として公式に言及されている創設
1987
年にフランスにて創設された、高級ブランドのコングロマリット'持株会社(•
鞄ブランドのLouis Vuitton
'1884
年創業、アンリ・ラカミエ社長(と、酒類ブランドのMoët Hennessy
'アラン・シュバリエ社長(が 折半で出資、持ち株会社LVMH を創設
•
現在、5
つの事業分野'Fashion & Leather Goods
/Perfumes & Cosmetics
/Watches & Jewelry
/Wines & Spirits
/Selective Retailing(に、計65のブランドを抱えるコングロマリット。中でもLouis Vuittonが中心的なファッションブランド'2009
年度売上高は、LVMH
全体の約26%
、Fashin & Leather
部門全体の約70%
を計上(1)(130
売上・純利益の推移'全社(
90
年代前半
90
年代後半、00
年代売 上 高
(棒 グ ラフ
)
純 利 益
(折 れ 線 グ ラフ
) 12%
'単位
10億ドル( 売上高年平均成長率
Source:Bloomberg, OSIRIS
1996 年以降、年平均 12% の売上高成長を実現
Source: Company Annual Report
ブランドカテゴリー別の母国・母国外売上構成比
2009 年には、全社売上の約 37% を占める Fashion and Leather Goods 部門の母国外売 上比率は、約 92% を達成'=グローバルブランドの確立(
Sales of FY2009 in € mn (% of Brand Total Sales)
Legend
504 (8%) 1,323 (21%) 1,134 (18%) 1,134 (18%) 1,765 (28%) 441 (7%)
Other Europe
(21%)
192 (7%)
US (23%) Japan (10%) Other Asia
(23%) Others
(9%)
Selective Retailing (27%) 4,533
1,088 (24%) 453 (10%)
Watches and Jewelry
4%
1,677 (37%) 91 (2%)
317 (7%) 764
130 (17%)
130 (17%)
92 (12%)
138 (18%)
206 (27%)
69 (9%)
Wines and Spirits (16%)
907 (20%)
247 (9%)
685 (25%)
712 (26%)
164 (6%) 2,740
603 (22%)
329 (12%)
Perfumes and Cosmetics
(16%) 2,741
466 (17%) 1,069 (39%) 219 (8%)
France (14%)
439 (16%)
356 (13%)
Fashion and Leather Goods (37%)
6,302
(Group Total:17,053 € mn)
ファッション以外の領域
132
主要ブランドの国別店舗数ー Louis Vuitton
足元、 2010 年までの地理的拡大の結果、 Louis Vuitton は、欧米、アジアの新興国を含 めて、世界 63 ヶ国に 446 店舗を展開するに至っている
Japan
Louis Vuitton:57 China
Louis Vuitton:34 Russia
Louis Vuitton:4
Thailand Louis Vuitton :3
Singapore Louis Vuitton:4
Indonesia Louis Vuitton:4 Saudi Arabia
Louis Vuitton:2 Turkey
Louis Vuitton:3 United States
Louis Vuitton:127
Brazil
Louis Vuitton :6 Spain
Louis Vuitton:8 United Kingdom Louis Vuitton:12
Italy
Louis Vuitton:19 Germany Louis Vuitton:13 France
Louis Vuitton:17
South Korea Louis Vuitton:28
India
Louis Vuitton:4 Net Sales: N/A
EBIT: N/A EBIT margn: N/A
Louis Vuitton
South Africa Louis Vuitton :2
Hong Kong Louis Vuitton:7
(1) Number of stores at year end 2009 出所: Company Annual Report
I. 世界のファッションブランド・食の市場規模/市場勢力 II. 世界のファッションブランドの展開チャネルの勢力図 III. ファッションブランドの展開国・都市トレンド伝播経路
IV. 世界の主要ファッション・食企業の事例研究
i. グローバル展開の変遷 i. Inditex(ZARA)
ii. LVMH(Louis Vuitton) iii. PPR(Gucci)
iv. Yum! Brands
ii. マーケティングミックスの動向
iii. 組織構造 / 責任と権限の持たせ方
iv. SCM体制
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Gucci'中核ブランド(は創業87年で、52ヶ国、283店まで地理的拡大を果たし、グループ全 体では直近15年間において、売上は微増、利益成長を実現
PPR(Gucci) の概要
1963
年にフランスで創業された流通・小売コングロマリット。2001
年にGucci Group
、2007
年にPuma
を傘下に収め、LVMH
と 並ぶブランド・コングロマリットへ成長•
現在、5つの企業群'Gucci Group/Puma/Redcasts/Conforama/Fnac(を抱えるコングロマリット•
中でもGucci
'1923
年、イタリアで創業(は、Gucci Group
の中核ブランド'2009
年度売上高は、PPR
全体の14%
、Gucci Group全体の67%を計上(
財務
00年代後半、ブランド・ポートフォリオの整理によって、売上は微増ながら、利益を大きく拡大
•
売上:238
億ドル'09
年度(、売上CAGR
'1996
~2009
(:3%
(1)、売上構成:母国内43%
・母国外57%
'09
年度(•
純利益:14
億ドル'09
年度(、純利益CAGR
'1996
~2009
(:10%
地理的拡大
中核ブランドであるGucciは、世界52ヶ国・地域に約280店舗を展開•
創業者の死後、1953
年NY
に初進出。50
年代・60
年代は欧米を中心、70
年代より東京・香港を始めアジアへ展開。2000
年以 降、南米、中東、アフリカにも進出'2009年末(
展開国・都市の決定にあたっては、都市の経済発展度合いに加え、当該地域における富裕層の人口、競合の進出状況、買収 したブランドの店舗における消費者の情報などを元に、候補先を選定している模様ビジネス 概要