4.2 Granger因 果 性 の 理 論 的 同 値 性
与 え ら れ た モ デ ル の 枠 組 み の 中 で , Granger因 果 性 , あ る い は 瞬 間 的 因 果 性 の 理 論 的 な 同 値 性 がGranger(1969),Sims(1972), Pierce=Haugh(1977)等 に よ り 研 究 さ れ た . 本 書 で は , 独 自 に 因 果 性 の 理 論 を 展 開 す る が , ,夜史的な研究の経過を ふ ま え , こ れ ま で の 研 究 結 果 を 紹 介 す る こ と に す る .
d1
=
d2=
1として 2変 量 の 弱 定 常 過 程X,Yを 考 え , 観 測 可 能 な 集 合 は X, Yか ら 構 成 さ れ る と も の と す る .~4.1 の仮定に加え,z ε
納品
︑ ︑
ta F/
π π X Y
d〆 ︐
'E E︑ ︑ ︑
Z π
一 一( 4.7) は , 平 均0で 決 定 的 な 部 分 を 持 た な い , 一 次 独 立 な 2次 元 の 弱 定 常 過 程 と す る . Woldの 定 理 か ら
Z (
π)は)
o oat
‑ ‑
︑
︑ ︑
︑
12 tF /
) ) π π ( ( α ' o
/︐
︐
EE
と 置 く . 次 の 定HH(Granger(1969))は よ く 知 ら れ て い る . GC
定 理4.2.1Y
許 →
X の 必 要 十 分 条 件 は , 以 下 の と れ か が 成 立 す る こ と で あ る .(1)争
u( B )
= O. (2)曽12(B)= O.次に, X,Y を そ れ ぞ れ 単 独 に Wold分 解 し
( 5 j ; J ) = ( ヤ ) J B ) ) ( 2 3 )
(4.15 )と置く.(4.8)と 同 じ よ う に ,F(z), G(z)は
z
ε Cの多項式で,I z l 壬
1でF(z)
#
0, G(z)チ
0としよう ま た,F‑1(z), G‑1(z),I z l : s
1がz
の 巾 級 数 に 展 開 さ れ る と す る . こ の 時と置けば,
( : ; : ( ; ; ; ; お ) = ( F l ( z ) Gh z ) )
×
( ; ; : j ; ; ; ; ; ( : ; ) ( 幻 ) = ( : ; : ( i J : ; ね) (~ロ)
GC
(4.16)
( 4.17) の 関 係 が 成 立 し て い る . 定 理4.2.1以 外 の Y f
→
Xの 必 要 十 分 条 件 を 求 め よ う . 包(π), πεZ の張る空間を M~∞(包)とする.この時PM二 川(π)
=乞
λiu(πj)} = 白3
=λ
( B ) u (
π) ( 4.18) であれば,旬(π)二 λ
( B )
也(η)+
f(π) (4.19)と 表 現 で き る . 定 義 か ら
f (
π)は包( m )
,mεz
と 直 交 す る . 同 様 に し て包(π)=ω(B)匂(π)十g(π). ( 4.20)
こ こ でg(π)はψ
( m )
,mεz
と 直 交 し て い る .(4.15), (4.19)からY(π) =G(B)旬(π)= G(B)λ(B)F‑1(B)X(n)
+
G(B)f(π)=V(B)X(n)
+
h(π). (4.21)f (
π)が包(m)
,mεz
と 直 交 す る こ と か ら ,h (
π)はX(m)
,mεz
と直交する.V(z)
= L V j
zi ( 4.22)} = 臼3
163
とおき,也(π),
n
εZとψ(m)
,εzの 交 差 相 関 関 数 をE(包π ‑(
k ) v (
π))ρ
( k )
=JEu(π)2E暫(π)2
と定義する.この時, Pierce二 Haugh(1977)は 次 の 定 理 を 得 て い る . GC
(4.23 )
定 煙4.2.2 Y
非→ x
の 必 要 十 分 条 件 は , 以 下 の ど れ か が 成 立 す る こ と で あ る .( 1 )
e12(B) = O.(2)
巧 =
0,
j<
O.( 3 ) p ( k )
= 0, k <
0(2)はSims(1972)によって示され, (2)が成り立つ時, (4.21)は 分 布 ラ グ モ デ ル と 呼 ば れ る .
GC
次 節 で 紹 介 す る が , Y
非→
X の検証法は, Granger自 身 に よ っ て 得 ら れ た 定 煙4.2.1(2)に関する検定が最有力で, X,Y が 多 変 重 の 場 合 も 容 易 に 拡 張 で き る . 即 ち dt, ゐ 三 1の時, (4.12)を( d
1+ ゐ ) 次 元 の 万 程 式 と 考 え る こ と が で き る . こ の 時 i,j二 1,2に 対 し て , 守ij( z )
は め xdj‑行 列 多 項 式 ,'l1( z )
は ブ ロ ソ ク 行 列 多 項 式 で あ る . こ の 時 2次 元 の 場 合 と 同 様 に , 次 の 定 理 が 成 り 立 つ .GC
定 理4.2.3 Y
井→
X の 必 要 十 分 条 件 は ,'l1n(B)
= 0である.さらに, d1
>
2の時, Xの 成 分 間 の 因 果 関 係 をXの 枠 組 み の 中 で 考 え る こ と が で き る .(4.12)と同じく雪
(B)X(
π)ニ α(π),
πεz ( 4.24) / ¥ /守l l ( B )
・・・ 曽ld,( B )¥
( X1(冗 ) ¥
I
,;r J.J.~:(. ; r . J
G1i : ( ¥
( " ' ¥ ' " ' ¥ I
'l121(B)
・・・ 曹 叫(B) I
X( π ) =
I 1,唾( B ) =
I (4.25 )¥X
¥ d, (
π) / / ¥ ¥ d.T. ,l
I( B
D ¥) .
・・ . T . ' 曽d,d,(
IB
D ¥) / J
と置く. ここで ,a(π), nεzはd1次 元 の ホ ワ イ ト ノ イ ス と す る .(4.14)と同 様 に 雪(0)= 電(z)lz=o= 1と 仮 定 し よ う . 次 の 定 理 を 得 る .
GC
定 理4.2.4 i, j二 1,・・., d1,子生jとする.XJ
件 → X
iの必要十分条件は,'l1ij
( B )
= 0 ( 4.26) である.さ て , 瞬 間 的 肉 果 性 の 同 値 条 件 を 示 そ う . 本 節 の 最 初 の 仮 定 に 戻 り , d1
=
d2=
1 の2変 量 の 場 合 を 考 え る . 簡 明 さ の た め に (4.13),(4.14)を 仮 定 し た が , 瞬 間 的 因 果 関 係 に つ い て は , そ れ ら の 仮 定 が 定 慢 の 成 立 条 件 に 直 接 絡 む の で , (4.13), (4.14) の 仮 定 を は ず し て い ま ま で の 議 論 を 展 開 す る . こ の 時 , Pierce=Haughに よ っ て 次 の 結 果 が 得 ら れ て い る .‑164 ‑
定 埋4.2.5 Yー→X または Xー→GIC Y で あ る 必 要 十 分 条 件 は , 以 下 の ど れ か が 成 立 す る こ と で あ る .
(1)ρ(0)
手O
.(2)λ(0) =λ(z)lz=o
手
O. (3)ω(0) =ω(z)lz=o#
O.(4)少 な く と も cov(α
( n )
,b (
π) ),世12(0)= 嘗12(z)lz=o, 'lt21(0)ニ 雪 2 l(z)lz=oの一 つは Oではない.4.3 Granger因 果 性 の 実 証 方 法
与 え ら れ た デ タから Granger因果性の有無を確認する方法は, Granger, Sims を は じ め こ れ ま で に 多 く の 研 究 が な さ れ て い る . そ れ ら の う ち の い く つ か は , 山 本(1987)に 詳 し く 紹 介 さ れ て い る . 本 節 で は 代 表 的 な 方 法 を 紹 介 す る こ と に す る . Caines=Keng=Sethi( 1981)の 方 法 以 外 は , い ず れ も
d
1=ゐ =
1の2変 量 を 対 象 と し て い る .[ Grangerの 方 法 1(4.12)で 電
( z )
がp次 の 行 列 多 項 式 と す る . 即 ち ,曽(z)
= L
'lt(j)zj ( 4.27)とする. この時 ,
Z (
η) ,πεz
はAR(p)モ デ ル で X(π)=乞叱
)X(π‑j )
j=l (4.28)
L 'lt~j2)Y(冗 -j)+ α(π)
G C
とおける そこで,
Y 手 → X
の検証のために,帰 無 仮 説
(H
o):任意のjε{1
,...,p}で''ltW = 0
(4.29)対 立 仮 説(H
r )
:ある jε{1
,... ,p}で 叱 ) 手o
(4.30)を 検 定 し な け れ ば な ら な い . そ の 方 法 と し て は , 計 量 経 済 学 で の 多 重 回 帰 モ デ ル 分 析 と お な じ よ う に F‑検 定 を 適 用 す る . 実 際 の 手 順 は 以 下 の 通 り で あ る .N+1個 のデ タ が 与 え ら れ た と し よ う まず帰無仮説のもとで, (4.28)の 係 数 叫1)(j=
1,・・・ ,p)を 最 小 二 乗 法 に よ り 推 定 す る . こ れ よ り
X (
冗)の推定値を得る .X (
π)と推定値との差(推定誤差)の2乗 の 総 和 をLSEoと す る . 次 に , 対 立 仮 説 の も と で ,(4.28)の 係 数 叫i)ιii)(j=I,
J)
を 通 常 の 最 小 二 乗 法 に よ り 推 定 し ,X (
η)の 推 定 誤 差 の2乗 の 総 和 を LSS1とする.巴笠
ι
笠主i
F一 一
‑̲P‑LSS一
,一 一
(N+1‑2p)
‑165 ‑
(4.31 )
と 置 き , 自 由 度 (p,N+I‑2p)の
F ‑
検定を行う.この方法は, Sarjent( 1976)によ り , 失 業 率 と 通 貨 供 給 量 等 の 因 果 関 係 の 分 析 の た め に 導 入 さ れ た も の で あ る . 多 変 重 の 場 合 も 適 用 可 能 で , (4.29), (4.30)の 検 定 は Fの 臼 由 度 を 訂 正 す る だ け で 全 く お な じ 手 順 で で き る .F‑検 定 は , 多 重 回 帰 モ デ ル で の 目 的 関 数 ( こ こ で は X(π)) の 変 動 を 説 明 変 数 (ここでは
X(m)
,Y(m)
, m三世 1 )
の 変 動 で 説 明 が つ く か ど う か を 見 る た め に 導 入 さ れ た も の で , 帰 無 仮 説 の 棄 却 に 重 点 、 を お い て い る . 多 重 回 帰 モ デ ル 解 析 で は,fjf.定された回帰係数が t検 定 で 有 意 で な く て も ,F‑検 定 で は 有 意 で あ る 場 合 も 十 分 生 じ る こ と が 知 ら れ て い て , 実 際 的 な 適 用 の 観 点 か ら は , 回 帰 式 の 有 意 性 に関する F‑検 定 に は 限 界 が あ る こ と が 指 摘 さ れ て い る ( ピ ン デ イ yク=ルピンフェ ルド(1976,p. 70) .従って, Grangerの方法でも, (4.31)で 定 義 さ れ たFが,自 由度 (p,N+
1 ‑2p)のF分 布 に 従 う か ど う か の 問 題 も 含 め , 多 重 回 帰 モ デ ル 解 析 と同じ問題点、は残る.[ Simsの 方 法
l
定 理4.2.2(2)から, Y許
GC→
Xの 必 要 十 分 条 件 はY(π) =V(B)X(π)
+
h(π)=乞巧 X(
πーj ) + h ( 冗 )
( 4.32)と表現され,
E(X(
π) h ( m ) ) =
0, n ,
m εz ( 4.33) が 成 立 す る こ と で あ る .( 4.27)と 同 じ よ う に .V(z)がzに 関 す る 有 限 次 の 多 項 式 で あ る と 仮 定 し よ う .
R n
ち,n z n
十
π X
子 午
弘 ︐一 一
π
Y
( 4.34) i=O
と 置 く ー そ し て (4.34)が 成 立 し て い る か ど う か の 確 認 の た め に , 基 本 的 に は Grangerの 方 法 と 同 じ く , 回 帰 分 析 に 帰 着 さ せ る . す で に 指 摘 し た よ う に , 任 意 のη,m εzで .
h (
π)とX(m)
は 直 交 し て い る が .h (
π, ) n
εz自 身 は 系 列 相 関 の 可 能 性 が あ る .Simsは , 米 国 の マ ネ ー サ プ ラ イ と GNP(1947‑1969の 四 半 期 デ タ ) の 因 果 分 析 に あ た り , あ ら か じ め デ タ を 変 換 す る こ と に よ り こ の 問 題 を 処 理 し よ う と し た . 具 体 的 に はT(z)
=(1 ‑
0.75z)2 = 1 ‑L5z+
0.525z2,
(4.35)x ・
(n)=T(B)X(n),
(4.36)Y ・
(π)=T(B)Y(π (4.37)と 定 義 し , 変 換 さ れ たX
・ ( n )
,Y ・
(π),πεzが M1y
・
π)=(芝町 γ (n‑
j)+ h * ( n )
( 4.38)‑166 ‑
を 満 足 し , し か も
h . (
π)εZが ホ ワ イ ト ノ イ ズ に な る こ と を 主 張 し て い る . こ の 主 張 が 正 し け れ ば , Grangerの 方 法 と 基 本 的iこ は 同 じ よ う に 回 帰 分 析 に 帰 着 で き る . 即 ち , 適 当 なM
2>
0を選び,(4.39)
n
L叫十
. 僧
π ︐
X K ︐
肌 苧
γ ε
μ
品
JY.(π)=
( 4
. 4
0) (4. 4
1 ) を 帰 無 仮 説(Ho):任意のjε{1
, ・ .. ,M2}で 円 =0対 立 仮 説
(H
1):あるjε{1γ
・・,
M2}で巧 #0
と し て 検 定 す る .
この方法では, 3つ の 問 題 点 が あ る .
( 1 )
す で に 指 摘 し た よ う に ,(2) Ml, M2を ど う 選 ぶ か .Simsの 例 で はM1= 4, M2 = 8で あ っ た . (3)変 換
T(B)
に よ っ て 系 列 相 関 の 問 題 が 解 消 で き る か .以 上 で あ る . そ し て , Feige=Pearce(1979)を は じ め , 問 題 点(2),(3)を 指 摘 し た 論 文 は 多 い . 一 方 で は , こ れ ま で に 数 多 く の 類 似 し た 論 文 が 出 版 さ れ て い る .
回 帰 分 析 自 体 が 持 つ 問 題 .
こ の 方 法 は Grangerの 方 法 と Simsの 方 法 の 折 衷 案 と
Grangerの方法と同じく, (4.27)を 仮 定 し て 話 を 進 め る . + 4 ︒
仲T
h弘 一 ポ
分十要必
11・ る︐ 主 あ じ 一 如
T X
の⁝ い
ω h
h
きY
U即べ
ハ け 岬
も こ
( 4
. 4
2)( 4
. 4
3)X(
π)=‑L 略 ) X (
π‑j ) + a ( n )
Y(
π)=一乞雪釘 X(
π‑j)一乞古宮
Y(n‑j)+b(π)である.電
( z ) 手
0,I z l三1
で あ る こ と を 仮 定 す れ ば ,X( π )
,Y( π )
はa(m)
,b ( m )
, m壬 況 の 一 次 結 合 で 表 さ れ る の で ,b (
旬)はX(m)
,Y(m)
,壬π 1と直交するが,必 ず し も
X(m)
,m2 :
πと は 直 交 し な い . そ こ で , 一 般 に は Cov.(a(吋,b ( n ) )
= σ d手
Oであるから, Cov.(α(n )
,a ( n ) ) =
tTq.q.と し て , 直 交 行 列 Cを,ー ん ご
f' a' E1︑
C
( 4. 4
4)( 4
. 4
5)︑ l
l /
︑ . ︐ ︐
︑ . ︐ ︐
冗 句
︐s・ ・ ︑ ︐ ︐
. . ︑
X Y
/I 11 ︑C
‑167
と定義し, (4
. 4
2), (4必 ) か ら(4.46 ) 適 当 な 'Yj,j
=
0,・・・ ,pを丹j,、て,Y(
π)=一2 :
'YjX(
π←j )
‑ 2 : ' l ! 弘
ly(πj)+
bc(n, ) b c (
π)=主 土
α(η)+ b (
π)σaa を 求 め て 整 型 す る と ,
( 4.47) この時,
と 表 現 で き る .
(4.48 ) πヲi=m
E(b(π
) a ( m ) ) =
0,
(4.49 ) π
,
m εz.E(b
c (
π) a ( m ) )
= 0,
であるから,
( 4.50) 適 当 な M を 選 ひ
π
c
' o
+
J内HM九 円 九
X 町
小 リ
υ
没︑
dM叫
P E
7 Z
M
GC
結局, Y
升 →
Xの検証のために,Y ( n )
=(4.51 ) の モ デ ル に つ い て
帰 無 仮 説(Ho): 任 意 のjε{1γ・ .
,
p}で 'Yj = 0の 検 定 を 行 う . 後 の 手 順 は Grangerの 方 法 と お な じ で あ る .
こ の 方 法 で は 系 列 相 聞 の 問 題 は 生 じ な い が , Grangerや Simsの 方 法 と 同 じ よ う に , 回 帰 分 析 の 信 頼 性 ,M を ど の よ う に 選 択 す る か と い う 問 題 が 残 る .
[ Piarce=Haughの 方 法
1
X,Y聞 に 因 果 関 係 が な い の を 検 証 す る 検 定 で あ る .X
,Y
が , そ れ ぞ れ1
変 量 のARMA
モ デ ル に 従 う と 仮 定 し ,れ て
そ れ ら が 変 形 さ
( 4.52) (f(B
川 引
G
・ (B)Y(
π)=ψ(η)と 表 現 さ れ た と し よ う . こ こ で , 也
( n )
,πεz,旬π(, )
πεzは そ れ ぞ れ ホ ワ イ ト ノ イ ズ と す る . 次 にBox=Je此msの 方 法 に よ り (4.52)を 推 定 し ,F*( z )
, G皐( z )
を そ れ ぞ れ F
・ ( z )
,G・ ( z )
の 推 定 と す る . そ し て( 4.53)