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図7.75加熱1時間後
23
図7.76加熱2時間後
142
図7.76の2時間後の温度分布から,ある一部の点では水の沸点を大きく超えて,140βC]以上まで温度 が上昇している.次に,図中で最高温度を記録した28番の熱電対番号位置の温度上昇特性を図7.77に 示す.なお,比較のため,図7.77中には断熱材使用時の実験2通りの温度上昇特性を示している.
160
140
120
9 一100
シーリングボックスを用いた実験のまとめ
以上,シーリングボックスを用いた実験をまとめる.
1)強度を保つため,金属板でシーリングボックスを構成する必要があるが,この場合,効果的に加熱 するには熱伝導性の良い金属板を断熱する必要がある.
2) シーリングボックスを断熱した場合にあっても,加熱面の最高温度は沸点以上には上昇しない.さ らに,断熱材は気泡を封じ込めて断熱性能を得るものであり,水中では大きな浮力が働くため,そ の設置には工夫が必要である
3)2)に関連して,加熱面温度を沸点以上まで上昇させるには,圧力鍋のようにシーリングボックス内 部と外部に差圧が必要である.
4)3)に関連して,シーリングボックスには比較的大きな圧力が加わるため,強度を上げる必要がある、
さらに,シーリングボックスと船体の接合に気を配る必要がある.
以上の結論より,シーリングボックスが有効に活用できると考えられる条件は,
1)座礁船の水面下での加熱やダイバーが潜水できる範囲での加熱時であること
2)シーリングボックスと船体を固定する際に圧に耐えられるくらいの強度で固定できること 3)加熱面温度を上げるためにシーリングボックス内部の圧を常圧以上に上げること
という条件が満たされる限定された加熱条件においてのみ有効であると考えられる.
7.3.3 ゴムシートで被覆した場合
本節では,加熱面積拡大のための方策のひとつとして,ワーキングコイルに対してさらに大きなシート で覆うことによって現在では対流によってそのまま逃がしてしまっていた(海)水を新たな熱源として できうる限り有効に利用することを企図している.
それを検証するため,311cm]四方のワーキングコイルを用い,シートの大きさをワーキングコイルと ほぼ同じ40[cm]四方から,50[cml四方,601cml四方,そして加熱面になる鋼板の大きさに等しい70[cml 四方の大きさのゴムシートを用いて同一入力電力で加熱実験を行って,その際の加熱面温度分布を計測 することによって被覆シートの効果を確認する.
実験は,ワーキングコイルと加熱面の間の水が確実に沸騰し,さらに,シーリングボックスを使用し た実験時と電力密度を等しくするため,投入電力3,5[kWl,電力密度36.4[kW/m21である.なお,シーリ ングボックス実験時の電力密度は50[cm】四方のワーキングコイルで投入電力9[kWlであったので,電力 密度は36[kW/m21である.また,加熱
時問はシーリングボックスの実験に合 わせ2時間である.
なお,実験装置の配置として,シー リングボックスを裏返し,シーリング ボックス実験時は加熱面の裏側になっ た側を加熱面,その逆を裏側としてい る.(図7.78)熱電対の配置,及びその 番号についてはシーリングボックス実 験時(図7.50の熱電対配置,および番 号)と全く同じである.
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図7.78 ワーキングコイルとシート(70[cmlシート実験時)
実験結果
ここでは,実験の結果についてまとめる.なお,実験は,
・通常のゴムシートを使用する
・ゴムシートに高透磁率フェライトゴムシートを貼り付ける
・ゴムシートの厚さを可変する
という3通りの実験を行っている.これらすべての実験についてまとめる.
実験結果その1(ゴムシートのみの場合)
本節においては,必要な大きさに切り揃えたゴムシートを用いてワーキングコイルを覆って加熱した 実験の結果にっいてまとめる。いずれの場合もゴムシートは3[㎜]厚のシートを用いている.
図7.79は実験終了時,すなわち加熱開始から2時間後の加熱面温度分布である.(a)はシート401cml 四方,(b)は50[cml四方,(c)は60[cml四方,(d)は70[㎝1四方の温度分布を示す.
27
(a)40[cml四方
102 27
(b)50[cm]四方 102
27 可02 27 102
(c)60[cm】四方 (d)70[cml四方 図7.79 シート可変実験終了時の温度分布
以上4枚の図から,明らかにシートの面積が拡大するにしたがって温度が上昇する範囲が拡大してい ることがわかる.また,図7.80に一番外側の列に設置した33番の熱電対で計測した温度上昇特性を示 す.なお,33番の位置については図7.50参照.
55
50
45