• 検索結果がありません。

4 .農業者向け融資へ取り組む地域金 融機関に求められる 地域貢献 の

ドキュメント内 ™…O瘻ムg X1 (ページ 54-57)

小松菜、枝豆、ブロッコリー、ささがきゴボ ウ、大和芋とろろ、の6種類については、イ ンターネットを通じた消費者への直販に加 え、香港やタイなどへの輸出も行っている。

 ちなみに当社では、04年に欧州方面への 輸出の際に必須条件となっている欧州小売業 組 合 の 適 正 規 範 で あ る「EUREP  GAP(現 グローバルGAP)」の認証を取得、当社農産 物の安全性を客観的に担保するとともに、国 内 の 他 の 有 力 農 業 者 等 と 連 携 し て「日 本 GAP協会」の発足・運営にも尽力している。

 また、当社では、千葉県が農薬や化学肥料 などの使用について基準を設けた「ちばエコ 農産物」の普及に積極的に取り組むととも に、千葉県農業総合研究センター等と連携し て野菜残渣の堆肥化を行うバイオマスの実証 実験にも協力するなど、安全・安心や環境問 題への取組みも、地域経済に根ざしながら継 続的に行っている。

【和郷園のURL:http://www.wagoen.com/main. 

html】

② 銚子信用金庫などの地元金融機関を積極的 に利用

 当社では、設備投資関連の長期資金では 日本政策金融公庫の制度資金などを主に利 用しているが、運転資金などの短期資金は、

農業者向け融資にも積極的に取り組んでいる 銚子信用金庫(本店:千葉県銚子市)など の地元金融機関の資金も積極的に利用して いる。

 わが国有数の農業地帯を営業地盤とする銚

子信用金庫は、旧・農林漁業金融公庫との

「業 務 協 力 」 を 信 用 金 庫 業 界 で 最 初 に 締 結

(04年7月)したことでも知られており、比較 的早い段階(04年11月)から農業者向けの 専用ローン商品「みのり」を投入するなど、

農業者向け金融に取り組んできた。最近で は、千葉県信用保証協会の信用保証のみな らず、千葉県農業信用基金協会の信用保証 も必要に応じて適宜活用しながら農業者向け 融資に対応している。「和郷園」のような、

雇用創造を通じて地元経済への貢献をも実 現している農業者に対しても、地域に根ざす 金融機関として、資金面から積極的に支援し ている。

 銚子信用金庫では、今後も地域の基幹産業 である農業を継続的に支援していくため、そ の資金ニーズへ的確に対応していくととも に、ビジネスマッチングの機会を提供するこ となどを通じて、地元農業者の経営支援など を検討している。

4 .農業者向け融資へ取り組む地域金

 しかし、今一度現実に目を移してみると、

わが国の農業マーケットは総産出額ベースで みて8兆円程度に過ぎないなど、それ自体は 決して 巨大マーケット といえる市場規模 を形成していないのも実情である。もちろ ん、すでに本稿でも述べてきたとおり、 農 業改革 の流れのなかで、右肩上がりの成長 拡大を遂げる気鋭の農業法人などが出現し、

地域経済活性化にも資する新たな優良企業と なる可能性が十分にあることは間違いない。

そして、地域の経済社会に立脚する信用金庫 などの地域金融機関においては、そのような 農業者のピンポイントな動きに着目するとと もに、ピンポイントな動きに必ず付随する加 工・流通などの広がりに着目することが大切 である。 究極の地域密着産業 である農業 が持つ面的な広がりの可能性にもこれまで以 上に目を向け、「農商工連携」に注目する食 品加工業や流通業、あるいは飲食業までも含 めた広い意味での農業関連産業全体を幅広く ターゲットと捉えていく必要があると考えら れる。

 例えば、農業者向け融資への先行的な取組 みで知られる鹿児島銀行では、地域特性を活 かした取組みとして、鹿児島県の基幹産業で ある農業(川上)と食品加工業(川中)に加 え、川下である流通業やその関連産業まで含 めた商流にかかる幅広い産業群を「アグリク ラスター」と捉え、単に農業者向け融資の拡 大を志向するばかりでなく、極めて幅広い概 念を設定しながら、積極的に農業分野への融 資推進に取り組んでいる。ちなみに同行で

は、農業を医業、環境と並ぶ「成長三分野」

のひとつと位置付けており、今後は改正食品 リサイクル法の施行(07年)などを受けた 循環型農業 の支援に注力していくことを 打ち出している。

 なお、前述したように、農業マーケット 自体がさほどの規模でないとすれば、当前 のことながら、地域金融機関にとって、そ れ だ け で は 大 き な 収 益 獲 得 は 期 待 し 難 い。

しかし、気鋭の農業者の活躍を核とした関 連産業の大きなうねりが地域経済全体にも 拡がっていけば、民間金融機関による農業者 向け融資が結果として地域経済活性化にも資 することとなる。究極の地場産業である農業 を金融面中心に多方面から支援していくこと は、仮にそれ自体が短期的な収益機会に直 結しなかったとしても、中長期的には関連 産業活性化の実現を通じて、低迷する地域経 済全体の底上げにも貢献していくものと思わ れる。

 地域経済に立脚する信用金庫などの地域金 融機関が、今後の農業者向け融資の拡充へ取 り組んでいくに際しては、ビジネスマッチン グと絡めた販路拡大など、強い農業者作りへ つながる支援メニューを備えるとともに、リ レバンの原点でもある 地域貢献 の視点 が、これまで以上に求められていくことにな ると思われる。

おわりに

 信金中央金庫では、㈳全国信用金庫協会が 推進する「地域活性化しんきん運動」の一環

として、㈱ぐるなびと連携し、信用金庫取引 先に対する販路拡大支援を目的に、農業者な どの信用金庫取引先が生産・製造する食材等 をインターネット上のサイトでPRできる仕 組みを構築した。本サイトの名称は「日本全 国しんきん旨いもん地図」で、㈱ぐるなびが 信用金庫取引先に限定して商品掲載を行う

「食」に関するB  to  B(企業間取引)サイト として、09年6月1日、㈱ぐるなびのホーム ページにオープンし、全国約63,000店のぐる

なび会員の飲食店等とのマッチング機会を提 供している(図表12)。

 全国の信用金庫では、すでに地域単位で地 元の農業者も含めたビジネスマッチング大会 などを開催しているケースが増えているが、

上記のようなB to Bサイトの取組みは、これ を全国レベルで補完するものとして、信用金 庫における農業者との取引拡大に繋がってい くことが期待される。

〈参考文献〉

農林水産省「食料・農業・農村白書(平成20年版)」

㈶農林水産長期金融協会「農業法人向け融資における実態調査報告書」(08年3月)

ぐるなび運営

①信用金庫は、B to B サイトを信金取引先に紹介

②商品掲載を希望する信金取引先は、ぐるなびに申込みを行い、商品を掲載

③飲食店等は、サイトを閲覧

④掲載商品の詳細情報を知りたい場合、飲食店等はサイトの問合せ機能から信金取引先に照会

⑤商談を行い、成約すれば取引を開始

図表12 「日本全国しんきん旨いもん地図」のスキーム

(備考)1.信金中央金庫のニュースリリース資料(09年6月1日)より作成

2.「日本全国しんきん旨いもん地図」のURLはhttp://pr.gnavi.co.jp/shinkin/index.php

(キーワード)  三通、国民党、馬英九、総統選挙、戒厳令、中華民国、ミサイル演習

(視 点)

 2008年12月15日、台湾の高雄港より中国の天津に向け、台湾籍の貨物船「立敏輪」が出港 した。同船は途中、香港等の第三地を経由せず直接天津に寄港した。台湾では政治的な理由 で49年以来、中国との「三通」(通商、通航、通郵)を制限してきた。しかし08年3月、第12 回総統選挙で国民党が政権に復帰して以降、台湾と中国との対話が急速に進展した。対話進 展を反映し08年11月「四項協議」が署名され、三通の全面開放が実現した。

 本稿では、歴史的経緯から発生した台湾と中国の政治的対立、また政権交代を経て改善し た両岸の関係を、報道等の事例をもとに考察する。また併せて台湾と中国がそれぞれ「中国」

を主張した時代から、関係が大きく改善した背景を概観する。

(要 旨)

 1895年、日清戦争に敗れた清朝は日清講和条約(下関条約)により台湾、澎湖諸島を日本 に割譲した。以降、1945年に第2次世界大戦の終戦を迎えるまで、台湾は日本の植民地で あった。1949年、共産党との内戦に敗れた国民党は中華民国政府を台湾に移転した。

 蒋介石総統は戒厳令を敷き、台湾と中国大陸の往来を制限した。79年に中華人民共和国が 米国と国交を回復し、台湾に対し「三通」の開放を呼びかけた。しかし、当時の台湾は不 接触、不談判、不妥協の「三不政策」を理由に、その申し出を受け入れなかった。

 87年に戒厳令が解除され、中国大陸出身者の里帰りが認められた。両岸交流に伴い発生す る諸問題を解決するため、91年に民間団体の「海峡交流基金会(台湾)」と「海峡両岸関係 協会(中国)」が設立された。

 99年に李登輝総統が「二国論」を発表して以降、台湾と中国の政治的交流は停滞する。そ の後、中国と一定の距離を保つ民進党政権下でも交流低迷の状況は続いた。しかし08年に 国民党が政権に復帰後、台湾と中国の対話は活性化した。

「三通」が全面的に開放され、台湾のWHOオブザーバー参加も実現した。政治的な思惑が 

錯綜するなか、東アジアの平和維持を実現するため、台湾と中国の対話は引き続き前向き に進められるであろう。

調

改善が進む台湾と中国の関係について

−政権交代前後の両岸情勢−

信金中央金庫 総合研究所主任研究員

ドキュメント内 ™…O瘻ムg X1 (ページ 54-57)