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体 験 に よ る感 覚 と感 情 の 関 係 か らみ た

ユ ー ザ の 満 足 度 向上 に寄 与 す る評 価 項 目の 把 握

本章 の一 部 は以 下 の論 文 に基 づ く.

土 井 彩 容 子,山 岡 俊 樹:UXに よ る感 覚 と感 情 の 関 係 性 か らみ た ユ ー ザ の 満 足 度 の 向 上 に 寄 与 す る評 価 項 目 の把 握.人 間 生 活 工 学,Vol.21No.1,pp33‑38,2020.

4.1.背

IoTの 技 術 が進化 す る と共 に,ユ ーザ ビ リテ ィチ ェ ック リス トやUIガ イ ドライ ンが整 備 され,近 年 で はUXデ ザ イ ンの た めの リサー チ手 法[1‑3]や デ ザイ ンプ ロセ ス[4‑7]も 開 発 され て い る.し か し,現 時 点 で公 開 され て い るUXガ イ ドライ ン[8‑16]はUIガ イ ドラ イ ンや グ ラフ ィ ック的 な視 点 で のデ ザイ ンル ール の記 述 が多 く"経 験"と い う視 点 で 見 る と,ユ ー ザ体 験 を想 定 した 注意 事項 が明記 され てい る程 度 で あ り,概 念 的 な記 述 で あ る こ とが 多い.ゆ えにユ ーザ が何 を感 じ,ど う思 うのか とい っ た感 性 庸報[17]は 含 まれ て いな い と考 え られ る.

2.3.節 で示 した 山岡[18‑20]の 研 究 は,人 と対 象(人,シ ステ ム,環 境)と のや りと り, UXに よる感 覚(以 下,UX感 覚 と明記す る),そ して感 情 の各 項 目か らな る関係 を図 で 示 してい る.こ の関係 図 は調査 協力 者51名 に対 して実施 した,感 動 した体 験 のエ ピ ソー ドについ て の ア ンケー ト調 査 か ら抽 出 され た.利 用 した製 品 ・サ ー ビス を 限定せ ず に調 査 してい るた め,汎 用性 の高 い項 目 とな ってい る.

ま た,近 年 で は この研 究 を発 展 させ て"物 語"に 注視 した構 造 につ い て も示 して い る (図2‑8).し か し,具 体 的 に どの よ うなや りと りが感 覚や感 情 を生 起 させ るのか,そ の 関係 は明 らか に は され て いな い.こ のUX感 覚 とい う観 点 はユー ザ調査 に基 づ い て抽 出 され た項 目で あ り,こ の既 存 の知見 を活 か してUXデ ザ イ ン時 の評 価 項 目を検 討す る と, 実務 視 点 での応 用研 究 として意 義 の あ る内容 にな る と考 えた.

4.2.目

本 調 査 の 目的 は,ユ ーザ が体 験(や りと り)に よ り生 まれ た感 覚 に関す る先 行研 究 に 基 づ き,ユ ー ザ の感 覚 と感 情 との関係 か ら,UXデ ザイ ン時 に参 照 で き る,ユ ーザ の満足 度 向上 に寄与す る評 価 項 目を検討 す る こ とで あ る.な お,調 査対 象 は3つ の製 品 ・サ ー

ビス カテ ゴ リと し,各 カテ ゴ リの評 価 項 目を検討 した.

4.3.調 査 方 法

4.3.1.ア ン ケ ー ト内 容

ア ンケ ー トで はユ ー ザが利 用 して満 足 した製 品 ・サ ー ビス につ い て,そ の時 ので き ご とを記 述 して も らった.フ ォ ーマ ッ トは第3章 で使 用 したア ンケ ー トフォー マ ッ トを元 に,時 間軸 上 に6マ スで構 成 し,起 こったで き ご とを上段 に,そ の時 の感情 を下段 に時

加 えて,利 用 を進 め るにあ た り発 生 した で き ご とに対す る各満 足度 を7段 階で評 価 し, 各 点 を直線 で結 ん だ視覚 化 した グ ラ フを作成 して も らっ た.発 生 したで き ご とがユ ー ザ に とっ てポ ジテ ィブ なで き ご とで あっ たの か,ネ ガ テ ィブな で き ご とで あ った の か,あ るい は 当た り前 ので き ご とで あ った のか が第三者 か ら見て判 断 で き る よ うに した.使 用

した フォ ーマ ッ トと回答 例 を図4‑1に 示す.

"+O

}

III

アプ リをダウンロー ド し,起 動.映 画の一 覧 示古れる.

見たい映画のタイトルを 入力して検索.候補の タイ トル臓 示ざれる.

すぐ睨る」ボタンを見 つけて押して昨る.

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本輻鵬 生ざれる.

スマホで睨ているとやっ ぱリ画面押'」古いなと

距 思ってくる

1■■

わくわく あったと嬉しくなる こんなに簡単なの?とやや

興奮 本当瑚 ら概1と 蟷しく 少し加 かり、けど仕加

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図4‑1ア ン ケ ー トフ オ ー マ ッ トと 回 答 例

質 問内容 は 「最 近,あ なた が利用 して"満 足 した"製 品 ・サ ー ビス につ いて,そ の時 の 状 況 を下記 フォー マ ッ トに沿 って具 体 的 に記 述 して くだ さい.」 で あ る.対 象 製 品 ・サ ー

ビス は 日常生活 の 中で利 用 され て い る製 品 ・サ ー ビス と し,生 活 雑 貨,電 気機 器 やWeb サ イ ト・ア プ リケー シ ョン と多岐 にわた る分野 を範 囲 とした.物 を介 してい ない接 客(人 対 人)の サー ビス は含 ま ない もの とした.調 査会 場 にて ア ンケー ト用 紙 を配布 し,そ の 場 で 回答 して も らっ た.

4.3.2.調 査 協 力 者

調 査 協 力 者 は 社 会 人 の 男 女66名(平 均 年 齢:39歳,標 準 偏 差:12.9歳,男 性:35名, 女 性:31・ 名)に 対 し,紙 面 に よ る ア ン ケ ー ト調 査 を 実 施 し た.回 収 し た ア ン ケ ー ト内 容 で,不 満 な で き ご と を 記 述 し た 回 答,感 情 の 記 述 が 未 記 入 で あ っ た 回 答 は 無 効 と し た.

そ の 結 果,有 効 回 答 者 は19歳 か ら60歳 の 計50名(平 均 年 齢:38歳,標 準 偏 差:12.7 歳,男 性:24名,女 性:26名)と な っ た.

4.3.3.調 査 対 象 の 製 品 ・サ ー ビ ス

調 査 の対 象 は 日常 生 活 の 中 で 利 用 され て い る製 品 ・サ ー ビ ス と し,生 活 雑 貨,電 気 機 器やWebサ イ トや ス マー トフォ ンア プ リを範 囲 と した.物 を介 してい ない接 客(人 対人) のサ ー ビス は含 まない もの とした.

4.3.4.分 析 方 法

得 られ た 自由記述 の内容 につ い て,図4‑2で 示 した手順 で,ユ ーザ の気持 ちが ポ ジテ ィブ に変化 した で き ご と(最 高得点 ので き ご と,一 度 に値 が2以 上上昇 した で き ご と) を 山岡の6種 類 のUX感 覚[1]へ 当 ては め る コーデ ィ ング作業 を行 った.す べ ての記 述 を

コーデ ィ ン グ対 象 と しな か った理 由は,満 足 に寄与 す るよ り有 効 な事 象 につ い て分析 す るた めで あ る.同 様 に,感 情 も山岡 の10種 類 の感 情 田 へ 当て はめ る コー デ ィ ング作 業 を行 った.

シ ョ ー ル ー ム に 行 っ て,質

の 良 さ が 気 に 入 っ た. 壁 に塗 っ た

出来 上 が り

わ くわ く した ム ラ が な くな り安 心 自分 で 塗 っ て満 足

出・1謝 期待 1一 タス ク 上 手 くい 鞍 で き た こ と に よ る満 足

コー デ ィン グ

(対 の 乍 成) ② 獲 得 一9.期待

1一 ③タス椥 瀧 1‑1③ タスク後 朧 図4‑2コ ー デ ィ ン グ 作 業 の 流 れ

コー デ ィン グ作業 は,ま ず 図4‑2に 示す よ うに各 マ ス の記 載 内容 の要 点 を書 きだ した 後 に,6種 類 のUX感 覚 と10種 類 の感 情 に 当て は め る手順 を とった.

UX感 覚,及 び感 情へ の 当て は め作業 には,山 岡 の定義(表4‑1)に 沿 って,最 も関連 が強 い もの を一つ だ け選 択 す るルー ル を用 い た.関 連 した項 目を全 て選 択 して しま うと, 1つ の要点 に対 し多 くの項 目が選 択 され る こ とにな り,特 徴 が 出 な くな って しま うの を 防 ぐた め に上 述 の方 法 を とった.な お,対 象 の カテ ゴ リ分類,コ ーデ ィ ング作業 は全 て 筆者 が一人 で行 った.

本 研 究 で利 用 した6種 類 のUX感 覚 と10種 類 の感 情 につ い て,表4‑1に て説 明す る.

表4‑1UX感 覚 と 感 情[1]

■6種 類 のUX感 覚

① 非 日常性 の感 覚

日 常 生 活 で は あ ま り 体 験 し た こ と が な い よ う な 感 覚 を い う.例 と し て,旅 行, イ ベ ン ト,コ ン サ ー トな ど で 得 ら れ る 感 覚 で あ る.

② 獲 得 の感覚

有 益 な 情 報,知 識,モ ノや ス キ ル な どの 獲 得 や 商 品 を購 入 した り,贈 り物 を 受 け取 った と き に得 られ る感 覚 で あ る.

③ タ ス ク後 に得 る感 覚

モ ノ を 作 っ た 達 成 感,プ ロ ジ ェ ク トの 完 遂 の 充 実 感,仲 間 と一 緒 に作 業 した 一 体 感 な ど の タ ス ク を 実 行 した後 に得 られ る感 覚 で あ る.

④ 利 便性 の感覚

Webサ ー ビ ス,交 通ICカ ー ドの 相 互 利 用 な ど の 便 利 さ や 電 動 自転 車 の よ うに, 製 品 の 持 つ利 便 性 に 対 して 得 られ る 感 覚 で あ る.

⑤ 憧 れ の感覚

ブ ラ ン ド品,な か な か 手 に入 らな い 新 製 品,デ ィズ ニ ー ラ ン ドや 好 き な ア ー テ ィス トの 作 品 に 対 す る憧 れ の 感 覚 で あ る.

⑥ 五感 か ら得 る感覚

視 覚,聴 覚,嗅 覚,味 覚,触 覚 の 五 感 か ら得 る こ とが で き る感 覚 で あ る.例 え ば 暖 か い柔 らか い 布 団 で 寝 る,3D映 画 を 視 聴 す る,好 き な 音 楽 を聴 く,秘 湯 に っ か る,香 水 を嗅 い だ と き,な ど で あ る.

■10種 類 の 感 情

a,喜 ぶ,b,親 し み を 持 つ,c驚 く,d満 足 す る,e,愛 ら し い,f,憧 れ る,g,期 待 す る,h,心 地 よ さ,L面 白 い,j,感 動 す る

次 に,コ ーデ ィ ング され た6種 類 のUX感 覚 と10種 類 の感 情 の組 み合 わせ(対)の 度数 を基 に図4‑3に 示 す ク ロス集 計表 を作成 した.

ux感 覚/感 盾 a.昌'5、=」=、 b.親 しみを持 つ c.驚

①非 日常1生の感 覚 o 0 0

②獲得の感覚

11 1 0

③タスク後 に得 る感 覚 3 0 0

④利 便1生の感覚 1 0 1

⑤ 瞳れの感覚

2 0 0

⑥五感から得る感覚

0 0 0

j.感 動 す る 0 1 0 0 0 1

図4‑3作 成 し た ク ロ ス 集 計 表(一 部)

図4‑3は ネ ッ トワー クサ ー ビス カテ ゴ リの ク ロス集 計 表 の一部 で あ る.例 えば 「② 獲 得 の感 覚」 と 「a.喜ぶ 」 が交差 す るマ ス には 「11」とい う数 値 が記載 され てい る.こ の 値 は 「②獲 得 の感覚 」 を感 じた時 に,「a.喜 ぶ」感 情 が発 生 した組 み合 わせ(対)が11 個 あった とい うこ とを表 して い る.家 電製 品 カテ ゴ リと生活 用 品カ テ ゴ リも同様 の ク ロ ス集 計 表 を作成 した.

4.4.調 査 結 果

4.4.1.評 価 項 目 の 検 討 対 象 と な っ た 製 品 ・サ ー ビ ス の 結 果

製 品 ・サー ビスの特性 に よ る影 響 を考慮 す るた め に,有 効 回答 者50名 のア ンケ ー ト内 容 を類 似す るカテ ゴ リに分類 した.

本 調 査 の 目的 は製 品 ・サ ー ビス設 計 の ため の評 価 項 目を検 討 で あ るた め,第3章 にて サ ー ビス内容 の幅 が広 く,共 通 項 目が把握 しづ らい と考 察 した 「ア クテ ィ ビテ ィカ テ ゴ

リ」 と 「接 客 カテ ゴ リ」 は調査 の対 象外 と した.

そ の結果,分 析 対 象 となった 回答 は,ネ ッ トワー クサー ビスカ テ ゴ リが18件,家 電製 品カ テ ゴ リが14件,そ して生活 用 品 カテ ゴ リが18件 とな った.以 下 に各 カテ ゴ リの定 義 を明記す る.

① ネ ッ トワ ー ク サ ー ビ ス カ テ ゴ リ

ネ ッ ト ワ ー ク 上 で 利 用 す るWebサ イ トや タ ブ レ ッ トを!含む ス マ ー トフ ォ ン 等 で 利 用 す る ア プ リケ ー シ ョ ン を 指 す.

②家電製品カテ ゴ リ

体重 計や 電 気圧 力 鍋等 の 一般 的 な家 電製 品か らス マ ー トス ピー カー な どを指す.ネ ッ トワー ク には繋 が って い るが操 作 自体 は物 理 的 な物 を介 して行 われ る製 品 は家電 製 品 カ テ ゴ リと した.

③ 生 活用 品 カテ ゴ リ

眼鏡 や シ ャツ,絆 創 膏,物 干 し竿 等 のUI等 に よる操 作 を必 要 と しない製 品 を指す.

ドキュメント内 ユー ザ満 足度 の評価構 造 に関す る研 究 (ページ 62-77)

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