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これ ま で、 交 通 問題 に 関連 した行動 を応 用 行動 分析 学 に基 づ くア プ ロー チ に よつて変 容 させ た研 究 で は、先 行 事 象 で あ るプ ロンプ トが効果 を上 げて い る。 特 に、 シー トベ ル トの 着 用行 動 を標 的行 動 と した研 究 (Austin et al。

,1998;Clayton&Helms,2009;Engerman

et al。

,1997;Gras et ale,2003)で

は、 Please Buckle Up― I Care"と 書 かれ た視 覚 的 なサ イ ンや 、 Don't forget to buckle up"と い つた言語 的 な メ ッセ ー ジ を、 自動 車 の運 転 手 に対 して提 示 す る とい う方法 が用 い られ効果 が確 認 され てい る。また、Clayton&Helms

(2009)では、視 覚 的 なサイ ンに よるプ ロンプ トに運 転 手 が従 つた場合 に、そ のサイ ンを裏 返 して Thank You"と い う称 賛 の メ ッセー ジを提示す る手続 き も用 い られ 、効 果 を上 げて

H本

研 究 は以 下 の学術論 文 と して刊行 され てい る。

Okinaka, T. & Shimazaki, T. (2011). The effects of prompting and reinforcement on safe behavior of bicycle and motorcycle riders。   ノ

b″

∂ゴ  θ/` AppゴゴθどBeh∂/ゴοr И″∂ゴ/sゴ

 

4 671‑674.

い る。 これ らの方 法 は、交差 点 にお け る一 時停 止行 動 に対 して用 い られ 、効 果 を上 げ るな ど(Austin et al.,2006)、 他 の交通 問題 に関連 した行 動 に対 して も有効 で あ る こ とが確 認 され て い る。 研 究

6で

は、 この プ ロンプ トと称 賛 の メ ッセ ー ジの提 示 とい う手続 き を用 い て 、安 全 行 動 が増加 す るか否 か を検討 す る。 また、安 全行 動 を増加 させ る こ とも 目的 で あ る。

3‑1‑2。

  方 法

3‑1‑2‑1.研

究期 間、場 所及 び状況

本研 究 は、2010年4月 5日 か ら2010年 5月 19日 まで の間、土 日祝 日を除 く平 日に実施 した。 毎週 月 曜 日か ら水 曜 日の午前 10時 30分か ら

H時

の間 にデ ー タが計測 され た。 計測 時 間帯 に関 して は、本研 究 開始 前 に午前 (10時 30分か ら

H時 )と

午後 (昼休 み 中の 12時

45分

か ら13時 25分

;15時

00分か ら15時 10分

;16時

40分か ら16時 50分

)の

各授 業 時 間 帯 の合 間 で あ る休 憩 時 間 (授業 時 間帯 と比 較 して 自転 車及 びバ イ クが移 動 す る こ との多 い 時 間帯

)に

予備 観 察 を実施 した。 そ の結 果 、午後 の休 憩 時 間 は午 前 と比較 して短 時 間 で あ り通行 台数 自体 が少 な く、昼休 み は、研 究協力者 で あ る警備 員 の配 置 が行 われ ない セ ッ シ ョンが あ る可能性 が あつた。そ のた め、午前 10時 30分か ら

H時

の間 を計測 時 間帯 と し、

これ を1セッシ ョン と した。 なお 、介入 手続 きは計 測 時 間帯 を含 めて終 日実施 され た。 ま た 、 で き る限 り同 じ対 象者 を観 察す るた め に、各 条 件 に月 曜 日か ら水 曜 日の3日間 が 可能 な限 り含 まれ る よ うに した。

本研 究 は、大 学 キ ャ ンパ ス 内 の歩道 (幅 3m、 距離90mの直線

)に

お い て実施 した。 研 究 実施 場所 の詳 細 につ い て は

Fig.20に

示 した。 この場 所 にお い て、 自転 車及 びバ イ ク と歩 行 者 の間 で の事 故 は報 告 され てい ない が 、大学 の担 当部 局 は事 故 が生 じる リス クが あ る場 所 と考 えてお り、事 故 防止 の た め に未 然 に何 らか の対 策 を とる必 要 の あ る箇所 と認 識 して い た。

大 学 の担 当部 局 は 、事 故 防止 の た め に歩道 上 の走行 行 動 を抑 止 す る必 要 が あ る とい う認

識 を持 つていた こ とか ら、大学 内の歩道 にお ける 自転車及 びバイ クの走行 を禁止す る と同 時 に、走行 を抑止す るための施策 (警備員 の配置

)を

導入す るこ とを決 定 していた。 そ し て、施策 を導入す るに当た り、配置 され る警備員 による通行車両の利用者へ の声か けの実 施方法 な どに関 して、著者 が助言 をす るこ ととなつた。 なお、本研 究開始時 に、 自転 車及 びバイ クの歩道 上での走行禁止 の規則 が明示 され、警備員 の配置が行われ た。 歩道上の走 行行動 に対す る罰則 は規定 され ていなかつた。

Fig。 20。 研 究場所 の位置。赤色の長方形が研 究場所 を示 してい る。矢印は観 察地点

,そ

左側 にあ る長方形 と直線 が組合 わ さった図形 は歩道 上でバイ クを押 して歩 くよ うに促 す 看板 の位 置 を示す

.青

色 の矩形 は既 存 の駐 輪場 の位 置 を示 してい る。

茶色 の矩形 は授業棟 を示 し

,薄

茶色の矩形 はグラウン ドの位置 を示 してい る.

暉               旧 ・

:│.■

3‑1‑2‑2。

観 察対象者 、研 究協力者及び観察者

研 究場所 である歩道 を駐輪場 が多 く設置 されてい る方向 (Fig.20中 の研 究場所 の向かつ て右方向

)に

通行 した 自転車、バイ ク (50cc以下の原動機付 き 自転車

)の

利用者 を観 察対 象 とした。観 察 は全 18セ ッシ ョン実施 され、計 508台 の車両の利用者 が観 察対象 となった。

観 察 は、 自転車及びバイ ク利用者 か ら見 えない研 究場所 の中間地点 (Fig。 20中の矢印の地 点

)に

あた る生 け垣 の隙間 (およそ

lm)か

ら行い、 この中間地点 を通過す る 自転車 とバイ クについて、車両 を押 して歩いていたか否か及び車両の種類 を1台ずつ観察 して記録 した。

そ の際、運転者 の性別 もあわせ て記録 した。 なお、観察地点の性質上、観 察地点の前方か ら外れ る範 囲の 自転車及びバイ ク利用者 の行動 (観察地点の前方 に向か つて近づいて くる 自転 車 あ るい はバイ ク利用者 の行動

)に

ついては観 察が困難 であった。 また、利用者 が同 時 に複数通行す ることは稀 であつた。

本研 究では、警備員 の男性 7名 の協力 を得 た。 協力者 である警備員 は各セ ッシ ョンに1 名ず つが研 究場所 の歩道 に配置 され た。観 察 は著者 が行い、観 察者 間一致率 を算 出す るた

めのセ ッシ ョンでは、著者 に加 えて第

2観

察者 (心理学 を専攻す る大学院生

)が

独 立 して 観 察 を行 つた。 なお、警備員 の男性 に対 しては、研 究開始前 に研 究概 要 を説 明 し、警備員 の男性 7名 が所属す る会社 の担 当者及び大学の担 当部局の担 当者 に対 して研 究内容 を説 明

した上で、研 究への協力及びデー タの公開に同意 を得 た。

3‑1‑2‑3.研

究デザイ ン

介入条件

1(以

下、Prpt l条 件 とす る)、 ベースライ ン条件

1(以

下、BL l条 件 とす る)、

介入 条件

2(以

下、Prpt 2条 件)、 ベースライ ン条件

2(以

下、BL 2条 件 とす る)、 介入条 件

3(以

下、Prpt 3条 件 とす る

)か

らなるBABABデザイ ンを用いた。BL l条 件及び BL 2条 件 では、介入 を実施せず歩道 を通行す る自転車及びバイ クを観 察 した。

Prpt条

件 では、警 備員 に よるプ ロンプ トと称 賛 のメ ッセー ジを提示 し、歩道 を通行す る 自転 車及 びバイ クを 観 察 した。

3‑1‑2‑4。

手続 き

本研 究 の介入方法 であ るプ ロンプ ト及 び称賛の メ ッセー ジの手続 きにつ いては

,著

者 が

研 究実施 前 に研 究協力者 で あ る警備員 に対 してマニ ュアル の配布 を行 うとともに、簡 単な ロール プ レイ を実施 した。なお、介入条件 においては警備員 の位置 を統制 していないため、

セ ッシ ョンによつては観察地点 を過 ぎた場所 に警備員 が位置 してい るセ ッシ ョンもあつた。

ベ ー ス ライ ン

 

警備員 は、 自転車及 びバイ ク利用者 が通行す る歩道上 に配置 され ていた が、プ ロンプ ト及び称賛の手続 きは実施 されていなかつた。

プ ロンプ ト

 

プ ロンプ トを実施す る介入条件 の手続 きは、警備員 が 学 内走行 はや めま しょ う

"と

書 かれ た タスキを肩 に着用 し (以下、視覚 プ ロンプ トとす る)、 「学内の安全の た めに 自転車/バイ クか ら降 りて駐輪場 まで押 して歩いて行 って下 さい」 とい う声かけを歩 道 上 を通行す る 自転車及びバイ ク利用者 に対 して実施す るこ と (以下、言語 プ ロンプ トと す る

)で

あつた。

称賛

 

称賛 の手続 きは、歩道上 を通行す る自転車及びバイ ク利用者 がプ ロンプ トに従い、

車両 を押 して歩 いた場合 に、

 

ご協力 あ りが と うございます

"と

い うメ ッセー ジを伝 える こ とであつた。

3‑1‑2‑5。

標 的行動

安全行動 、す なわ ち、 自転車及 びバイ クか ら降 りて車両 を押 して歩 く行動 を標 的行動 と した。バイ クの場合 は、エ ンジンを切 つていて も車両か ら降 りていなけれ ば、安全行動 の 生起 としては記録 しなかった。なお、観察は研究場所 の中間地点 (Fig。 20中の矢印の地点)

にあた る生 け垣 の隙間 (およそ

lm)か

ら行 つたため、観察地点の前方 を横切 つてい く自転 車及 びバイ ク利 用者 の観察地点前後 での行動 について、安全行動 を とつていたか否 か を観 察す るこ とがで きなか った。 したが って、観察地点 の前方 において 自転車 あ るいはバ イ ク か ら降 りていた場合 は、全 て安全行動 の生起 として記録 した。

3‑1‑2‑6.観

察者 間一致率

観 察者 間一致率 を算出す るためのセ ッシ ョンは、全セ ッシ ョンの50%である計9セ ッシ ョ ンで あ り、各条件 において必ず 1セ ッシ ョンが含 まれ るよ うに した。このセ ッシ ョンでは、

著者 と第

2観

察者 が独 立 して、安全行動 が生起 したか否か、性別及び車両の種類 について、

観察地点 の前方 を通過す る車両 を1台ずつ観察 した。 一致率 は、安全行動 が生起 したか否 か、性別及び車両の種類 について、各セ ッシ ョンで通過 した車両 を著者 と第

2観

察者 が1 台ず つ観 察 し記録 したデー タに基づいて算 出 された。 一致率 は、各セ ッシ ョンで観 察 され た車両 に関 して、

 1台

毎の安全行動 の生起非生起、性別及び車両の種類 につい て、著者 と 第

2観

察者 の記録 が一致 した場合 の数 を、一致 した場合 の数 と一致 しなか つた場合 の数 の 合計数 で割 った後、100を 掛 ける とい う方法 によ り算 出 した。その結果、9セ ッシ ョンの一 致率 の平均値 は、安全行動 で94%、 車両の種類 で96%、 性別 では 94%で あつた。

3‑1‑3。

結果

Fig。

21に

は、安全 行動 従 事 率 (%)の推 移 を示 した。 縦軸 は、安全行 動 従 事者 率 、す な わ ち観 察 対 象者 の うち安 全 行 動 を とつた利 用者 の割 合 を表 してい る。 横 軸 は 、セ ッシ ョン を表 してい る。Fig。

21を

見 る と、各介入 条件 で安全 行動従 事者 率 が顕 著 に増加 してお り、

BL l条件 及 び BL 2条件 で は急激 に減少 してい る こ とが分 か る。 各条 件 の安全 行 動従 事者 率 の平均値 は、Prpt l条件 で89%(範囲:73%か100%)、BL l条件 で21%(範囲:19%から25%)、

Prpt 2条件 で

87%(範

:79%か

97%)、 BL 2条件 で

23%(範

囲:12%か ら33%)、 Prpt 3条 件 で

87%(範

囲:78%か ら

95%)で

あつた。Prpt l条件 、Prpt 2条件 及 び Prpt 3条件 の平均 値 は88%、 BL l条件 及 びBL 2条件 の平均値 は22%であつた。

以 上 の結 果 よ り、 プ ロンプ トと称 賛 の メ ッセー ジ を提 示 す る こ とに よつて安 全 行 動 が増 加 し、ベ ー ス ライ ンに移 行 す る と、安全行 動従 事者 率 が急 激 に減 少 した こ とが分 か る。

車 両 の種類 別 及 び男 女別 の各 条件 にお け る安全 行動 従 事者 率 (%)を以 下 に示 す。Prpt l 条件 、Prpt 2条件 及 び Prpt 3条件 にお け る安全行動 従 事者 率 の平均値 は、 自転 車利 用者 が

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