平成 15 年− 17 年度
4.研究方法
(1) 研究プロジェクトの設置
関連分野の研究者および国立女性教育会館研究国際室研究員等による研究プロジェクトを設置 し、調査研究を行う。
① 文部科学省からの委託事業「女性の多様な生涯学習の調査研究」として、生涯学習との関わり を契機として、様々な分野で活躍している女性(団体)にインタビュー調査を実施し、事例集 を作成する(平成 15 年度)。
② NPO活動をキャリア形成に生かした女性にインタビュー調査を実施し、事例集を作成する。
各地の女性センターと女性のキャリア支援連携プログラム会議を設置する(平成 16 年度)。
③ 女性のキャリア形成を支援する講座を各地の女性センターと共催で実施し、プログラム案に ついての報告書を作成する(平成 17 年度)。
(2) 研究プロジェクトメンバー
プロジェクト委員 岡本 英雄(座長、上智大学教授)
国広 陽子(武蔵大学教授)
矢口 悦子(東洋大学教授)
渡辺三枝子(筑波大学教授)
酒井 計史(国立女性教育会館客員研究員)
堀内 康史(国立女性教育会館客員研究員)
大槻 奈巳(国立女性教育会館研究国際室研究員)
会館メンバー 岡野 啓子(国立女性教育会館事業課専門職員)
森 未知(国立女性教育会館情報課専門職員)
事務局 中野 洋恵(国立女性教育会館研究国際室長・主任研究員)
大槻 奈巳(国立女性教育会館研究国際室研究員)
渡辺 美穂(国立女性教育会館研究国際室研究補佐員)
堀内 康史(国立女性教育会館客員研究員)
Ⅲ 調 査 研 究 事 業
5.平成 16 年度の研究経過
(1) プロジェクト会議を行い、キャリア形成の支援となる生涯学習を考える調査内容および実施計 画等を策定し、事例集の内容等を検討した(プロジェクト会議6回実施)。
(2) NPO団体で活躍している女性にインタビュー調査を実施し、キャリア形成につながる学習や 教育訓練、資格、きっかけ等に関する事例を収集した。
(3) 21 名の女性へのインタビュー調査をもとに事例集を作成した。また、巻末に女性のキャリア 形成の支援に関連する生涯学習機関を紹介する情報のページを作成し、事例集におさめた。
(4) インタビュー調査をもとに、NPO活動をいかにキャリア形成にいかせるかという点から分析 し、報告書にまとめた。
(5) 女性のキャリア形成を支援する講座を各地の女性センターと共催で実施し、プログラム案につい ての報告書を作成することを目的として、NWECと次の女性関連施設が女性のキャリア形成連携 プログラム会議を設置し、NWECプロジェクトメンバーと女性施設担当者の合同会議(NWECで 1泊2日)を開催した。
福井県生活学習館(福井県)
福島県男女共生センター(福島県)
名古屋市男女平等参画センター、NPO法人ウィン女性企画(愛知県)
熊本県民交流館パレア(熊本県)
(6)各女性関連施設担当者と NWEC プロジェクトメンバーが共同で、女性のキャリア形成支援の ためのプログラム案を企画し、検討した。
6.今後の課題・展望
平成 17 年度は、各女性関連施設の担当者とNWECプロジェクトメンバーの協議により、各地 域の必要性をふまえ、各施設とNWECの共催で女性のキャリア形成の支援となる講座を実施する。
さらに、①各地で実施した講座の企画、講座案、評価について、②3年間の調査研究全体のまとめ について、報告書を作成する。
(研究国際室研究員 大槻 奈巳)
女性研究者ネットワーク支援のための調査研究
1.趣 旨
女性研究者の能力を十分に発揮できる場を広げようとする動きが、大学、学会、団体などで活発 化しつつあり、文部科学省の「多様なキャリアが社会を変える 第1次報告」でもこのような動きを ネットワーク化し、相互の交流や情報交換を促進することが提言されている。
男女共同参画社会の形成を目指して、女性研究者が能力を十分に発揮し、活躍できるようにする ために、様々な研究分野で活躍する研究者が情報交換を行うための懇談会を実施するとともに、女 性研究者のネットワークづくりを支援するための調査研究を行い、その成果を公開する。
2.研究目的
(1) 女性研究者の現状および業績を明らかにする。
(2) 女性研究者支援のための方策を考えるために、学会や大学における男女共同参画の取り組みに ついて情報収集を行う。
(3) 収集したデータにもとづいて、女性研究者の研究成果が社会的に活用されるための方策につい て検討する。
(4) 異分野間の女性研究者のネットワーク化促進に資するために、研究成果の公開を行い、様々な 研究者の交流の機会を設ける。
3.研究期間
平成 15 年度− 16 年度(2年計画)
4.研究方法
本研究を実施するために、「男女共同参画実現をめざす女性研究者ネットワーク支援のためのプロ ジェクト」を以下のメンバーにより組織し、調査研究を実施した。
(1) プロジェクト委員
伊藤 セツ 経済学(昭和女子大学大学院生活機構研究科委員会委員長、女性科学研究 者の環境改善に関する懇談会メンバー)
座長 柏木 惠子 心理学(文京学院大学人間学部教授、日本学術会議第 19 期会員)
佐々木政子 工業物理化学・応用光化学・光生命科学
(東海大学総合科学技術研究所教授、日本女性科学者の会会長、男女共同 参画学協会連絡会委員)
辻村みよ子 法律学(東北大学法学研究科教授、日本学術会議第 19 期会員)
長野ひろ子 歴史学(中央大学経済学部教授、日本学術会議第 19 期会員)
橋本 葉子 生理学(日本女医会会長)
高橋 由紀 (国立女性教育会館研究国際室研究員)
(2)事務局
中野 洋恵(国立女性教育会館研究国際室長・主任研究員)
渡辺 美穂(国立女性教育会館研究国際室研究補佐員)
Ⅲ 調 査 研 究 事 業
5.平成 16 年度の実施経過
(1) プロジェクト委員会の実施:
合計4回目のプロジェクト委員会を実施し、調査内容、調査結果について協議した。また、委 員の所属する学会・大学・研究会における男女共同参画への取り組みについて情報交換を行った。
(2) 女性研究者の現状および業績を明らかにするための調査研究を実施した。
① 『ジェンダー問題と学術の再構築』で使われたデータに基づいて、日本学術会議の登録学会 における女性会員と女性役員の比率について詳細な集計を行った。
② 主要学術雑誌 82 誌について、過去5年間の女性執筆者割合を調査した。
(3) 研究成果の公開
研究成果を公開し、異分野の研究者間の交流を促進するために、会館主催事業である「女性学・
ジェンダー研究・交流フォーラム」の主催者提供プログラムとしてシンポジウムを実施した。
主 題:学術における男女共同参画−分野を越えて語り合おう 日 時:2004(平成 16)年 8 月 28 日(土) 13:00 − 15:00 場 所:国立女性教育会館研修棟2階大会議室
主 催:国立女性教育会館男女共同参画実現をめざす女性研究者ネットワーク支援のためのプロジェクト 共 催:日本学術会議ジェンダー学研究連絡委員会、日本学術会議 21 世紀の社会とジェンダー研究連絡委員会 後 援:社団法人日本女医会、日本女性科学者の会女性科学研究者の環境改善に関する懇談会(JAICOWS)
コーディネーター:柏木惠子(文京学院大学大学院人間学研究科委員会委員長、日本学術会議第 19 期会員)
報告者:橋本 葉子 社団法人日本女医会会長「女性医師の現状と今後の課題」
佐々木政子 東海大学総合科学技術研究所教授、日本女性科学者の会会長、男女共同参画学協会委員 「理・工学分野の女性研究者 現状と展望」
伊藤 セツ 昭和女子大学大学院生活機構研究科委員会委員長、JAICOWS 会員
「学会組織活動への男女共同参画の推進 社会政策学会を例に」
辻村みよ子 東北大学法学研究科教授、日本学術会議第 19 期会員
「法学分野における取り組み ジェンダー法学会、法科大学院、21 世紀 COE を中心に」
長野ひろ子 中央大学経済学部教授、日本学術会議第 19 期会員「学術における男女共同参画の伝統と変容」
(4) 女性研究者ロールモデル集の企画
自然科学・医学・人文科学・社会科学の各分野の女性研究者 26 名に、女性が研究を継続して いくための条件をテーマに執筆を依頼し、ロールモデル集の作成に着手した(平成 17 年 8 月に ドメス出版から刊行予定)。
(5) 2年間のまとめの作成
調査結果およびシンポジウムの記録として、報告書を作成した(2000 部)。
6.今後の課題・展望
本調査研究は、当初は異分野の女性研究者が集い、現状と支援方策について話し合うための1年 計画の懇談会として立ち上がったものであるが、協議だけでは女性研究者の状況を明らかにするた めには十分ではなく、平成 16 年度に調査研究事業として継続することになった。1年間という短 い調査期間ではあったが、女性研究者の業績とポストとの関連を探り、研究成果を公開して研究者 間の交流を促進し、報告書を作成し、さらに若手を励ますためのロールモデル集を作成するなど充 実した研究成果を生み出すことができた。
女性研究者が能力を十分に発揮し、活躍できるようにするためには、異なった分野の研究者間の 情報交換と連携が重要であるが、そのためには継続的な活動が必要とされる。今後は、ホームペー ジ上で情報提供を行ったり、若い女性を励ますための活動を行うなど、研究成果をさらに活用つつ、
さらなる女性研究者のネットワーク支援を行っていくことが課題である。
平成 16 年度 女性学・ジェンダー研究・交流フォーラム主催者提供シンポジウム