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21 DFBと地域協会

ドキュメント内 スポーツ指導者海外研修事業_27年度帰国者 (ページ 117-126)

平成   26 年度・短期派遣(サッカー)

のコートには、鍵を掛けていない。

現在は、自動車の往来が激しく、道 路などでストリートサッカーができ ないので、その代わりとして、安 全にいつでも利用できるコートを DFBが設置した。

ⅲ)Leistungszentrenの設置

 Leistungszentrenは、Stützpunkt とは異なり、Bundesligaに所属して いるクラブと、DFBに認可された クラブが行っているユース育成アカ デミーのことである。

 Bundesligaに所属している1部リーグ18チーム、2部リーグ18チームと、他に 認可されたクラブ16チームの合計52箇所で行われている。

 また、Bundesligaの育成システムルールとして、Bundesligaに所属するクラブ は、以下の3つのルールを守らなければならない。

 ・12人以上のドイツ人選手を必ず保有すること。

 ・ドイツサッカー連盟管轄のユースアカデミー出身者を、8人以上保有するこ と。

 ・自クラブのユースアカデミー出身者を4人以上保有すること。

 このルールがあるため、トップチームだけに力を注ぐだけでは、チームの戦力 を上げることができない。そのために、チームの総合力を高めるには、各クラブ でしっかりと選手を育てることが必要になった。

 これらの改革の成果が現れて、2008年には、ドイツ代表U17、U19、U21のす べてのカテゴリーがヨーロッパチャンピオンになっている。そして、その若い選

StützPunkt Tünsdorf 3 Trainer 13 x U11 12 x U12 10 x U13 10 x U14

StützPunkt Riegeisberg 3 Trainer 13 x U11 12 x U12 10 x U13 10 x U14

StützPunkt Braunshausen 3 Trainer 13 x U11 12 x U12 10 x U13 10 x U14

StützPunkt Berschweiler 3 Trainer 13 x U11 12 x U12 10 x U13 10 x U14

StützPunkt Altenwald 3 Trainer 13 x U11 12 x U12 10 x U13 10 x U14

StützPunkt Limbach 3 Trainer 13 x U11 12 x U12 10 x U13 10 x U14

Saarland Fussballverband-Leistungsstützpunkt U15/16

30-40 Spieler U15(30 Feldsp.+6TW) ab September → Sichtung(6-8Einheiten) 36 Spieler U15(Top 20 + Nachsichtung) →4 Halleneinheiten

36 Spieler U15(30 Feldsp.+6TW) ab Anfang Februar

24 Spieler ab Übergang U16(20 Feldsp.+4TW) bis U16-Sichtungsturnier

Saarlandischer Fussballverband e.v.のStützpunktの詳細

1.FC Reimsbachに設置されているミニコート

手たちを、積極的に起用し、代表選手として国際試合の経験を積ませた。2014ブ ラジルワールドカップの優勝は、決して偶然ではなく、このような改革を計画的 に行って選手を育成した結果である。

2)Stützpunktのトレーニング見学

 実際に指導が行われているStützpunktを2回にわたり見学した。

ⅰ)日時

 2015年3月2日、3月9日 19:00 ~ 20:30

ⅱ)場所

 SaarlandTünsdorf(VFBTünsdorf施設)

ⅲ)トレーニングの様子

 参加選手をフィールドプレーヤー の2グループとゴールキーパーのグ ループに分け、3人のコーチがそれ ぞれのグループを指導していた。

 ゴールキーパーは、女子選手の 1名を含め4人召集されていた。ト レーニングメニューについては、以 下に示すが、パス&コントロール、

TR1、TR2、ゲームの流れで行われ た。ゴールキーパーは、ゴールキー パーコーチが、フィールドプレー

ヤーとは別れて、基本的なキャッチング、アングルプレー、パス&コントロール を行い、その後、フィールドプレーヤーと共にトレーニングを行っていた。

 よくオーガナイズされたトレーニングであった。印象的だったのは、選手が休 む時間が少なく、グループ分けなどにより一緒にプレーしていない場合も、2人 でパスの練習をして、常に動くことを要求されていた。コーチが、トレーニング をフリーズして、細かく指導しているというよりも、シンクロでコーチングしな がら、プレーの確保を心掛けていた。そういったコーチングにより、選手のモチ ベーションが高く保たれ、選手は終始、集中してトレーニングを行っていた。

 指導を行ったDFBのコーチに話を聞いたところ、トレーニングメニューは、

DFB指定のメニューであるということであった。実際のトレーニングを行う際 には、選手がボールを多く扱うこと、選手の休む時間が少なくなることを意識し ていると話してくれた。

Stützpunktのトレーニング風景

平成   26 年度・短期派遣(サッカー)

ⅳ)3月2日のトレーニングメニュー

ⅱ)3月9日のトレーニングメニュー

⑥ドイツ代表戦の試合視察 1)試合カード

 ・ドイツ代表 対 アイルランド代表 場所:VERTINSARINE   1対1(前半0対0)

  ユーロ選手権2016 予選グループリーグ 2)試合内容

 2014年FIFAワールドカップカップ 優勝国のドイツだが、ワールドカッ プ後は長年にわたり代表選手として 活躍してきた選手3名が代表を引退し た。キャプテンだったPhilippLahm、

FIFAワールドカップ最多得点記録を 更 新 し たMiroslavKloseと 守 備 の 要 だ っ たPerMertesackerの 3 名 で あ る。その影響もあるのか、FIFAワー ルドカップブラジル大会後からこの 試合まで結果は、3戦して1勝2敗で あった。

 しかし、この試合では、随所に技術 の高さ、チームとしての連動性を見せ て、一方的に攻撃をしていた。引いて 守るアイルランドの守備を崩しきるこ とはできなかったが、ボールを保持し、

試合の主導権を握りながら、試合を進 めていた。そして、引いている相手に 対して、後半にミドルシュートから得 点をあげることに成功した。その後も、

引き続き攻撃したが、追加点を奪うこ

とができないでいると、試合終了間際に、リスタートより失点して同点に追いつか れてしまった。

 ドイツのボールを保持し、主導権を握りながら、隙を突こうとする攻撃も目を引 いたが、その攻撃に対して90分間集中して守り、数少ないチャンスで得点を挙げる アイルランドの戦いぶりも素晴らしいものであった。ヨーロッパでは、このような 試合が常に行われていることを目の当たりにすると世界のサッカーのレベルの高さ を改めて感じることができた。

⑦UEFACampionsLeagueの視察 1)試合カード

 ・FCSchalke04対SportingLissabon 場所:VERTINSARINE

ドイツ代表 対 アイルランド代表戦 ①

ドイツ代表 対 アイルランド代表戦 ②

平成   26 年度・短期派遣(サッカー)

  4対3(前半1対1)

  予選グループリーグ

 ・Bayer04LeverkusenvsCulbAtleticodeMadrid 場所:BayARINE   1対0(前半0対0)

  決勝トーナメントベスト16  

2)試合内容

 UEFAChampionsLeagueは、ヨー ロッパのクラブにおける最も権威のあ る大会である。また、各国リーグ戦の 上位クラブしか出場することができな い大会であることから、出場すること 自体を、クラブの目標にしているクラ ブも多い大会である。世界トップクラ スの選手が、ヨーロッパに集中してい る現在のサッカーにおいて、この大会 はFIFAワールドカップと並び、世界 中から注目されている大会である。

 視察したのは、その予選グループ リーグの試合と、決勝トーナメントの 試合であった。数試合を戦い、グルー プリーグを突破すれば良い予選リーグ と、ホームアンドアウェイの2試合で 決着がつく決勝トーナメントでは、そ の試合にかける意気込みが多少異な る。しかしながら、どちらの試合も、

さすがにヨーロッパのトップクラスの チーム同士の試合でひと時も休む時間 のない、攻守の切り替えの早いスピー

ディーな展開の試合であった。攻撃側は、カウンター攻撃などで早く攻撃できる時 には、その一瞬を逃さない攻撃を仕掛け、また守備側は、その一瞬を作らせないよ うに、ボール保持者に素早くプレッシャーをかけ、攻撃側を自由にさせない激しい 攻防が行われた。

 特に、2013-2014スペインリーグを優勝、2014UEFAChampionsLeagueを準優 勝したClubAtleticodeMadridとホームチームのBayer04Leverkusenの試合は、

攻守の切り替えがとても早く、ボールを奪ってからの攻撃に移る速さは、まさに世 界のトップレベルのものであった。また特筆すべきは、そのスピーディーな展開の ままで、休むことなく試合を90分間継続して行った。

Leverkusenのホーム Bay Arena

Schalkeのホーム VERTINS ARENA

⑧Bundesligaの視察 1)試合カード

 ・FCSchalke04 対 HerthaBSCBerlin 場所:VERTINSARINE   2対0(前半1対0)

 ・Bayer04LeverkusenvsFCBayarnMünchen 場所:BayARINE   2対0(前半0対0)

 ・BVBDortmund 対 HerthaBSCBerlin 場所:SignalIdunaPark   2対0(前半1対0)

2)試合内容

 Bundesligaは、ドイツのプロリーグで、1部 リーグ18チーム、2部リーグ18チーム、3部リー グ20チームが参加している。今回、視察した のは、その最高峰の1部リーグである。

 スタジアムで観戦した際、初めにその観客の 多さに驚く。特にBVBDortmuntのホームスタ ジアムのSingnalIduanaParkで行われた試合 の観客動員数は、80,000人を超えていた。日本 の場合は、日本代表戦でもこんなに多くの観客 が、スタジアムを埋めることはない。ましてや、

リーグ戦ではあり得ない観客動員数である。

 どの試合も、両チームの選手が90分間ハー ドワークを行い、激しく戦いを繰り広げる引

き締まった試合であった。現代のサッカーにおいても、攻守の切り替えがとても早 く、お互いの隙を見逃さないことが当たり前になっている。攻守にわたり、相手よ り早く次のプレーの準備をして隙を突く、隙を作らせないことが徹底されている。

また、それができないときに、リスタートの優位性を生かしての攻撃も、重要なも のとなっていた。その際の、キッカーのキックの質や、ヘディングの技術の質は、

非常に高いものであった。

(4)研修成果の活用計画

 この研修にて、非常に多くの成果を得ることができた。その成果の中でも一番は、

常に隣国と切磋琢磨し世界のサッカーを牽引しているヨーロッパの中の国で、さらに その中でも強豪国であるドイツで、1年間にわたり研修をしたことで、現代のサッカー の世界基準を知れたことである。1年間、継続的に研修したことにより、世界の最先 端のサッカーをより深く見て、聞いて、感じることができたことは、今後の指導の大 きな糧となるだろう。

 世界のサッカーは、常に発展し進化し続けている。ヨーロッパのトップレベルのク ラブ、トップレベルの国が、その世界のサッカーのトレンドを作っているのである。

FC Bayern Münchenのサポーター

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