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研修員報告 〈テニス 土橋登志久〉

ドキュメント内 スポーツ指導者海外研修事業_27年度帰国者 (ページ 146-166)

ズン、シーズン最終戦)、団体戦(デビスカップ2014年決勝 フランスvsスイス、

2015年準々決勝 フランスvsイギリス)を視察。

4.ジュニアの世界大会(14歳以下世界ジュニア選手権、16歳以下ジュニアデビス カップ・ジュニアフェドカップ世界大会)を視察。

5.JOC指定研修(ICCE主催 GCC)に参加。(フィンランド・ビエルマキ)

6.元世界No.1R.ナダルの地元スペインでの練習を視察。(マヨルカ島)

特別研修視察一覧 2014年

10月31日 フランス

パリ

パリインドア視察

11月9日-16日 イギリス ロンドン

ATPツアーファイナル視察

11月21日-23日 フランス リール

デビスカップファイナル フランスvsスイス視察

12月4日 フランス

パリ

INSEP(国立スポーツ教育センター)視察 JOC荒木田理事、相馬氏、萩原氏に同行 2015年

1月12日-2月3日 オーストラリア メルボルン

全豪オープン視察 日本人選手サポート

ナショナルテニスセンター視察 3月2日-5日 フランス

パリ

INSEP(国立スポーツ教育センター)

16歳-18歳のフランストップジュニアの視察 3月16日-20日 フランス

ポワティエ

ポワティエ(CREPS)

13歳-15歳のフランス男子トップジュニアの視察 3月30日-4月3日 フランス

クロッシー

ITF女子50000ドル大会を視察 日本人選手サポート

4月11日-15日 モナコ モンテカルロ

ATP1000モンテカルロ大会視察

4月20日-26日 スペイン バルセロナ

ATP500バルセロナオープン視察 日本人選手サポート

5月4日-10日 スペイン マドリード

ATP1000マドリードオープン視察 日本人選手サポート

5月11日-16日 イタリア ローマ

ATP1000WTAローマオープン視察 日本人選手サポート

5月19日-6月7日 フランス パリ

全仏オープン予選本戦視察 日本人選手サポート 6月17日-21日 フランス

パリ

フランスジュニア選手権大会(13歳以下14歳以下)

視察 6月21日-7月13日 イギリス

ロンドン

ウィンブルドン予選本戦視察 日本人選手サポート

7月17日-20日 イギリス ロンドン

デビスカップ準々決勝フランスvsイギリス視察 ナショナルテニスセンター視察

平成   26 年度・短期派遣(テニス)

Ⅳ.研修概要

(1)研修題目の細目

1.フランステニス連盟の組織

2.フランスのトップジュニア選手の育成・強化システム 3.ジュニアからプロへの移行期にある若手選手強化の現状 4.トッププロ選手や代表チーム強化の取り組み

5.フランスのコーチ育成カリキュラム

6.他のグランドスラム開催国の育成・強化への取り組み 7.新ナショナルトレーニングセンターの機能と狙い

(2)研修方法

1.ローランギャロス内のNTCに通いトップ選手の練習やフィジカルトレーニング を視察すると同時に、定期的にBernardPestre氏をはじめとする主要関係者にイ ンタビュー行う。

2.コーチ育成カリキュラムの講義をオンコートと座学で視察し、詳細についてのイ ンタビューも行う。

3.ジュニア強化拠点(Poitiers、INSEP)に足を運び、オンコートでの練習やフィ ジカルトレーニング並びにそれらの行われる施設を視察。

(3)研修報告

◆はじめに

 プロテニスが、世界中を転戦して1年間のツアー形式で行われるようになって40 年あまり。男子近代テニスにおいて、過去にはオーストラリア、スウェーデン、ア メリカなどが有力選手を多数輩出、世界をリードして来た。近年では、世界No. 1 がスイスのフェデラー、スペインのナダル、セルビアのジョコビッチと移り変わり、

7月21日-25日 スペイン

マヨルカ島(マナコル)

R.ナダル練習視察

8月2日-9日 チェコ プロステヨフ

ワールドジュニア世界大会(14歳以下団体戦)視

8月17日-21日 フランス パリ

フランスジュニア選手権大会(15 / 16歳以下)

視察 8月22日-26日 フィンランド

ビエリマキ

JOC指定研修ICCEグローバルコーチカンファレ ンス研修

8月27日-9月15日 アメリカ ニューヨーク

全米オープン予選本戦視察 日本人選手サポート

ナショナルテニスセンター視察 9月21日-25日 フランス

パリ

INSEP(国立スポーツ教育センター)視察

9月28日-10月5日 スペイン マドリード

ジュニアデビスカップ、ジュニアフェドカップ(16 歳以下団体戦)視察

日本チームのサポート

ATPツ ア ー の 世 界 ラ ン キ ン グ ト ッ プ 100を見ても、欧州 の 選 手 が70人 を 占 め、現在世界のテニ ス は ヨ ー ロ ッ パ 勢 を 中 心 に 回 っ て い ると言える。その中 でも、トップ100の 中 に ス ペ イ ン が12 人、フランスが10人 と、 こ の 二 カ 国 が

質・量ともに世界のトップに君臨している。この二カ国にはそれぞれ、地域のアカ デミーごと独自での強化が主なスペインと、国をあげての育成システムを確立して いるフランスという特色がある。国という単位で組織・系統立った選手育成に成功 しているという点で、フランステニスは世界各国から注目を浴びており、日本テニ スを強化するにあたっても、フランス型の育成システムに学ぶことは多い。

 また、錦織選手のような世界のトップ選手たちは1月にオーストラリア、中東で シーズンをスタートし、南北アメリカ大陸、ヨーロッパなどを毎週の様に移動しな がら世界中を転戦している。錦織選手の1年間の移動距離は地球4周分(約16万キ ロ)以上とも言われ、競技で実力を発揮するためには、この過酷なツアー生活を送 りながら技術・体力を向上させていかなくてはいけない。日々進化するテニスの技 術・戦術と、それに対応するために世界のトップ選手たちはツアー生活の中でどの ように取り組んでいるのか、その取り組みを身近で見て吸収するためにも、欧州の 中心・フランスは好立地と言える。

 以上の2つの大きな理由から、研修の拠点にフランスを選んだ。

1.フランステニス連盟の組織について

 まずは、私の研修受け入れ先であるフランスのテニス事情と、フランステニス連 盟(TheFédérationFrançaisedeTennis以下FFT)とについて紹介したい。

◆フランスのテニス事情

 フランスには全国に大小8,000のテニスクラブが 存在する。そして、テニスの大会に出場するには必 ずFFTの会員に登録していなくてはならない。こ のFFTの会員数は110万人にのぼる。また、国内の クラブ対抗戦が行われ、トッププロ選手がクラブを 代表して出場する時もあり、一般・プロを問わずに テニスプレーヤーは各クラブに対する帰属意識が高 い。

70 14

8 7 1

欧州

70

南米

14

北米

8

アジア・オセアニア

7

アフリカ

1

トップ100地域別の選手数

男子世界ランキングトップ100の 国籍別人数         

スペイン 12人 欧州

フランス 10人 欧州

アルゼンチン 7人 南米

アメリカ 6人 北米

ドイツ 6人 欧州

オーストラリア 5人 オセアニア

日本 1人 アジア

チュニジア 1人 アフリカ

(2014年9月29日付)

パリのFFTオフィス

平成   26 年度・短期派遣(テニス)

◆FFTの成り立ちと組織

 1920年にスポーツ省の附属機関として設立され、国からの人材・資金のサポート を受けながら、国内テニスの普及・整備の為の規則・ルール作りを主な業務として いた。現在ではスポーツ省と提携しながら、ジュニア選手や指導者の育成、トップ プロ選手や国別対抗戦チームのサポート、グランドスラム大会フレンチオープン等 の大会運営など規模を拡大、年間予算は2,200万ユーロ(約31億円:2014年)以上 にものぼる。

 オフィスはフレンチオープンの会場でもあるパリ市のローランギャロス内にあ り、国からのマネージメントに関わる委託職員50人を含む有給常駐職員340人抱え、

人事部や法務部、マーケティング部や保険部門も備えた一大企業のような組織構成 となっている。理事会は無償で勤務する12人の理事と4年に一度選出される会長か ら構成されている。

◆FFTの運営費について

 年間予算の2,200万ユーロのうち、約80%は運営しているグランドスラム大会フ レンチオープンの収益から得ており、テレビ放映権料、チケット販売、グッズ販売、

飲食等の売上げからとなる。残りの20%は国内のテニス競技者からFFTへの会員 登録料の一部から得ている。大会などに出場するためにFFTに会員登録している 人数が110万人おり、その人々がFFTに26ユーロの年会費を払っている。その対価 として、様々なカテゴリーでのランキングシステムへの参加や、テニス保険へ加入 することができる。会員費の合計は2,860万ユーロ(約40億円)。その一部がFFTの 運営費となる。

 2,200万ユーロの使い途としては、ほぼ7割にあたる1,500万ユーロ(約21億円)

を強化費に充て、選手や指導者など人材の育成に力を入れている。例えば、16歳以 上の男子強化費が年間で100万ユーロ(約1.4億円)に上り、22人の選手、7人のコー

理事会

CEO

最高執行責任者

経営組織

および

情報システム

法人顧客サービス 法務

保険 マーケティング

最高執行責任者

強化部 ロジスティックおよび

セキュリティ

財務 代表チーム

人事 大会運営

副CEO 特別プロジェクト

個人顧客サービス

FFTの組織図

チ、4人のフィジカルコーチを抱え、その活動費に充てている。

2.フランスのトップジュニア選手の育成・強化システムについて

◆強化部の機能

 全職員340名のうち70名を占めるのが、選手や指導者の育成を担当する強化部に なる。2000年シドニーオリンピックのシングルス銅メダリストであるDiPasquale 氏をトップに、大きく分けてジュニアの強化と指導者の育成、このふたつに力を注 いでいる。

◆トップジュニアの育成の住み分け

 FFTのジュニア育成は10歳からスタート する。13歳までの間はフューチャープログ ラムという形で、5人のコーチが全国にあ るトレーニングセンターを巡回、有望選手 を集めて短期合宿などを行い、選手の成長 を見守る。

 13歳になると、NTCなどを使った育成に 移行していく。FFTが選抜した選手を集め、

男女それぞれに合わせた育成方法を採って いる。女子はツアーに出る年齢が早いため 細分化せず、低年齢層とそれ以上という二

段階に分けている。すごく早熟な選手もおり、個人差も大きい事も考慮して年齢で の住み分けはしていない。男子は13歳から15歳まで、16歳から18歳まで、そしてそ れ以上の三段階に分かれている。

 全国から選抜された13歳以上の選手を、男子は寮生活、女子は短期強化合宿体制 で強化していく。ヨーロッパの年度サイクル通りに強化スケジュールも9月始まり で、男子ジュニアは16歳、19歳に上がる時点で、女子も年度ごとに実力や潜在能力 を判断され、次の年代の強化指定選手に昇格できるかが決まる。その際に漏れた選 手は、地元のクラブに戻ることになるが、コーチなどが継続して連絡を取り合うな

ジュニア及び若手プロ選手の強化指定 人数(2014年)      

男子 女子

ポワティエ 13歳~15歳 11人 0人

ブロリス 6人 10人

INSEP 16歳~18歳 15人 10人 CNE 19歳~   15人 3人

※「 ポ ワ テ ィ エ 」、「 ブ ロ リ ス 」、「INSEP」

「CNE」は後述する強化拠点の呼称

※2015年の10月から男子低年齢層のブロリ

ス、女子低年齢層のINSEPが無くな

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