1. 5 全学メールサービス
全学メールサービスでは,京都大学が全学の教職員,学生等に,公式な情報伝達手段となることを目指して,メー ルシステムを提供するものであり,教職員用メールシステムと学生用メールシステムとからなる.これらは学術情 報基盤サービスとして提供されている汎用コンピュータシステムの上で動作してきた.
学生用メールについては,今年度,学生が利用するメールシステムをマイクロソフト社にアウトソーシングし新 しい「学生用メール」として2011年12月1日よりサービスを開始した.この変更により,学生用メールの利用者 は大容量でメンテナンスなどでサービス停止が基本的にない,可用性の高いサービスを利用できるようになった.
加えて本サービスは,KULASIS,MyKLINEなど学生が頻繁に利用する他のサービスとのシングルサインオン化が 図られ,アクセシビリティの向上を目指している.本サービスのプロモーションの一貫として,学生用メールの愛 称公募を予定している(教職員用メールには「KUMail」の愛称が既に付けられている).
このように全学メールサービスは,サービスの充実が図られ学内に広く受け入れられて来たものの,その位置付 けについては従来,情報環境機構の提供するサービスの一つに留まってきた.
ところが,近年の大学の構成員の多様化,複雑化の中で,様々な学内の情報通信基盤へのアクセスを制限する認 証機能に関して,シングルサインオンが実施されているものの,構成員の身分とシステムへのアクセス権限につい て,メールシステムとの関係で整理を行なう必要が生じてきたことや,従来からの掲示版や書面での周知,ホーム ページでの周知のみならず,電子メールの同報機能を使った周知機能を公式の周知手段として利用することへの要 望も高まってきたことから,京都大学のメールシステムのあり方について,機構内で検討を進めてきた.その過程 で,本年度の秋にはメールシステムを大学の公式な連絡手段とすることへの学内のコンセンサスを概ね得ることが 出来た.これに基づき,平成24年4月からの新入生・転入生及び新規採用教職員に対しては,全学メールシステ ムを用いるように周知している.(ただし,規定の整備に手間取ったことから,正式な施行は翌5月1日からとなっ ている).
1. 5. 1 サービス内容について
教職員用と学生用があり,それぞれ異なるサービスとして運営している.
教職員用メール 京都大学の全教職員の情報伝達を安全かつ効率的に行うインフラである.主に,次の3つの使い 方がある.
1.Webメールとして(メールアドレス確認に一度はログインが必要)
2.現在お使いのメールソフトで 3.現在お使いのアカウントへの転送 主な仕様は以下の通りである.
・受信箱(メールスプール)の容量:10GB
・メール自動削除設定:あり(初期設定は以下のとおり).
―受信トレイ:90日が経過したメールは「削除済み」へ移動 ―削除済み:120日が経過したメールは削除
―SPAM:30日が経過したメールは削除
・アドレスは「(姓).(名).(2文字の英数字)@kyoto-u.ac.jp」である.これは,自動的に付与される.
旧学生用メール 京都大学の全学生が利用可能なメールシステムであり,以下の用途に用いられている.
1.任意のインターネット環境からWebブラウザを通じ,Webメールとして利用する.
2.個人利用のパソコンからメールソフトを通じ,POP3サーバ・SMTPサーバとして利用する.
3.任意のメールアドレスへの転送を行う.
主な仕様は以下の通りである.本システムは2010年12月に,教育用コンピュータシステムの一部を汎用コン ピュータシステム内に移設して構築したシステムである.
・受信箱(メールスプール)の容量:200MB
・メール振り分け機能:あり(迷惑メール振り分け機能含む)
・ アドレスは,原則として@の前は姓と名の組み合わせ,@以降は「(3文字の英数字).ecs.kyoto-u.ac.jp」である.
アカウント取得時にある程度の選択肢の中から選ぶことができるようになっている.
新学生用メール 新学生用メールはマイクロソフト社へアウトソーシングしており,同社のクラウドサービス
Live@edu with Outlook Liveによるサービスを提供している.用途はこれまでの学生メールと同様であるが,仕様
は以下の通り大幅に強化されたものである.
・受信箱(メールスプール)の容量:10GB
・メール振り分け機能:あり(迷惑メール振り分け機能含む)
・アドレスは「(姓).(名).(3文字の英数字)@st.kyoto-u.ac.jp」であり,入学時に自動的に付与される. ・Messenger,Offi ce Web Apps,SkyDriveなど同社他サービスとの連携
両サービスの利用者は学生だけではなく,教育用コンピュータシステムの利用コードであるECS-IDの取得手続 きをした一部教職員も含まれている.しかし教職員用全学メールが稼働したことに伴い,そちらへのユーザ移行を 促している.
1. 5. 2 サービス提供の体制について
教職員用のシステムの業務は,問い合わせ窓口やマニュアル等の整備については情報環境機構学術情報基盤グ ループ櫻井恒正技術職員と電子事務局推進掛のスタッフが,技術的事項については情報環境部情報基盤課の学術情 報基盤グループが担当している.
学生用のシステムの業務は,問い合わせ窓口やマニュアル等の整備および技術的事項の対応については教育支援 グループが担当するほか,サーバを管理する情報環境支援グループの支援を受けている.
情報環境機構運営委員会の下,全学メールシステム運用委員会が設けられ,利用者対応から業務改善や今後の計 画についての意思決定を行っている.全学メールシステム運用委員会のメンバーは,学術情報メディアセンターの 複数の部門の教員や情報環境支援グループや教育支援グループおよび電子事務局推進掛のスタッフである.
1. 5. 3 サービスの利用状況について
1. 5. 3 .1 教職員用メールの利用状況2011年度の教職員用全学メールサービスの利用者数の推移を図1.5.1に示す.前述のように,様々な利用方法が あるので,正確な利用者数を計数することは容易ではない.ここでは,Webメールの利用者としてログインした
0 2000 4000 6000 8000 10000 12000
4݄ 5݄
6݄ 7݄
8݄ 9݄
10݄11݄
12݄ 1݄
2݄ 3݄ 図1.5.1:2011年度の教職員用メールの利用者数
53 1. 5 全学メールサービス
数と有効な転送設定を行っている利用者数の合計から,重複を除いて集計した結果を当該月の利用者数としている.
昨年度3月に5,000人を越えてから増加が続いているものの,増分は小さい.アカウント保持者数(日々変動する)
は約13,000人であり,部局として学外のメールサービスを利用している附属病院の構成員数である約3,100名を減
じると,本年度末には,附属病院を除く京都大学の構成員の半数超が利用しているといえる.
1. 5. 3. 2 学生用メールの利用状況
旧学生用メール 2011年度の学生用メールサービスにおける,送受信される電子メール数を図1.5.2,表1.5.1に,
またメールシステムへのログイン状況を図1.5.3に示す.
迷惑メールと呼ばれる大量の広告メールやコンピュータウィルスを含んだメールが非常に多いことが社会的な問 題となっているが,本システムでもこの影響を受け,月ごとに受信するメール数に大きなばらつきがあること,メー ルの受信数が送信数の5倍になっていることがわかる(表1.5.1および図1.5.2).
部局等でのメールサーバの運用が難しくなっている状況から,本システムの電子メールを緊急避難的に利用して いる教職員利用者が少なくない.電子メールは大学の業務を支える情報基盤となっており,教職員利用者について は本格的な環境整備が望まれていた.2010年度より運用を開始した全学メールはこの点に配慮したメールシステ ムを導入しており,教職員の電子メール環境を全学メールへ移していくことをお願いしている.2010年12月には,
教育用メールシステムのサーバ移転を行い,それに合わせて教職員の全学メール移行へのお願いをアナウンスした.
また,学生メールシステムは2011年12月より新しく「学生用メール」として,Microsoft社が運営するLive@
Eduを活用したメールサービスを開始し全学生に移行をアナウンスしている.
メールプロトコル別のメールログインユーザ数(1ヶ月で1度以上ログインしたユーザ数)を図1.5..3に示す.
利用者にはWebメールの利用を推奨しており,POP,IMAPによるメーラでの読み書きは多様なメーラへの対応が 困難なため利用者責任での利用としている.しかしながら,図1.5.3を見るとPOPやIMAPでのコンスタントな利 用があることがわかる.障害等の疑いのある利用者からの問い合わせに対して,利用者の使用環境により調査する 項目が異なるため,利用者から利用方法を聞きつつ問題を切り分ける必要がある.
新学生用メール 2011年度の学生用全学メールサービスの利用者数の推移を図1.5.4に示す.システムの構成上,
利用者全員にアカウントを発行しているが,アクティブなアカウントは5,000ていどにとどまっている.これは
ECS-ID保持者のうち約5人に1人にあたる.これは移行アナウンスがあるていど成功していることの表われであ
るとも考えられる.
1. 5. 4 システム運用状況等
システム停止などの運用状況に関しては,第1.2.3.2項の学術情報基盤サービスの汎用コンピュータシステム運 用状況等を参照のこと.
1. 5. 5 講習会の実施
全学メールサービスの利用者増加を目的として,情報環境機構が行う講習会・研修において全学メールの紹介と 利用方法を説明した.これらの日程を表1.5.2に示す.これらに加えて,グループウェア(ノーツ)の紹介を幾つ かの研究科で実施した際にも,全学メールの紹介を行った.
1. 5. 6 今後の業務改善の計画について
1. 5. 6. 1 規程の整備
全学メールシステムとしては,平成24年5月1日からの施行を目指し,以下の規定が整備される予定である.
・「京都大学全学メール基本要項」(IT戦略委員会決定)
・「京都大学全学メール運用方針」(機構長裁定)
・「京都大学全学メール利用規定」(機構長裁定)
なお,メールシステムの公式化の経緯としては,平成23年10月の「機構整備委員会」において,公式連絡手段