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○.
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固甘3・86 Sの介入前居場所イメージ 友人の二人だけの世界といった感じで,間に割り込む隙はないように感じられ た。この日1象から,Sにとっての「居場所」はこの友人であることは揺るぎな いものであるのではないかと推察された。人物の筆圧はしっかりとしているが,
周りにかすかに塗られピンク色はそれに比べ驚くほど薄い。以上のことから,S にとってこの友人は『屠場所』を獲得する上でなくてはならない存在であり,
それ以外の世界に同を向ける余裕はない可能性が推察される。しかしながら,
今側にいるこの友人を大切にしつつ,少し周りの世界にち目を向ける余裕がで きれば,より安定した『居場所』が得られる可能性があるのでは狂いかと感じ
られる。
第1回:作品の題名r緑と動物の森」
絵の内容について,r動物が森に集まっているところ。」としており,rうさぎ,
鳥,ちょうちょとか動物がいっぱいいるところが気に入っている。」と記述して いた。第1回のSの作品の特徴的な要素として,画面全体に塗られた深緑色 が挙げられる。全体の色彩数が少ないにも関わらず,深緑色が画面の2/3を
占めていることから,この深緑色が何 ■手一 ,9 らかの意思をもって使われているので
編 .・..一 妙 はないかと推測される。深緑色の意味
に一一で,榊川・…)は霧姦薫義藁
『肌の過程でみられるような・生命 ・ 泣二.、.二.二二一. ・一 ;ソ㌔ 一.の成長や更新。』としているが,本事例 ㍗二一・ 二 I一 ,...〆
ノ 〃 においてもSの内面の成長や,何らか
の気持ちの変化を示唆している可能性が Fi&3・87 Sの第1回のなぐり描き あるのかもしれない。S自身は動物がいっばいいるところが気に入っていると 記述しているが,動物は画面右増に集中しており,深緑の最も凄い森の中心部 分には描かれていない。また画面中央部に青と水色で画面を分断するように脈 が引かれており,そこから下は湖に映った森の影である。まるで線を境に別の 世界が存在しているようにも見える。そして,うさぎ,鳥,ちょう,魚,木,
花びらの全てが二つずつ描かれていることも印象的であり,二つずつであるこ とがSにとって何らかの意味を持つのではないかとも推測される。深緑の森か ら離れて一匹で右端にいるうさぎは,水面に映った自分の姿をみつめており,
その表情はやや叙しげに見える。この絵の中に自分を移してみた結果,深緑色 の森の中は,暗<て涼しく,楽しい場所ではないがほっと一息つけるような感 じを抱いた。そこでそのようにSにフィードバックしたところ,「動物もほっと するんだろうなあと書いていました。うれしかったです!」と記述していた。
第1回の介入終了後の振り返りでは,町森』っていう感じがすごく出ました。
絵にしか描けないものが描けた。jと記述していたことから,介入により内的世 界の投影が行われたことが予想される。
第2回:作品の題名「長〜い虹の橋」
第2回の作品は,画面の.真ん中に大きな虻が描かれており,これが作品の中 心である。絵の内容は「カラフルな空に虹がかかっている。」ところで,「画用 紙からとぎれるぐらい,まだまだ虹があるところが気に入っている。」と記述し ていることからも,虹はSの気持ちを表す重要なアイテムであることがうかが える。絵の雰囲気は柔らかく楽しげで,虹の橋の先には希望が溢れていそうな
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印象を受けた。虹はr画用級からとぎ れるぐらい,まだまだ」続いていると 記述されていることから,Sの心の中 に架かった虹の橋は,この先の世界へ どこまでもSを連れてい竹るように思 える。また周りの空は,ピンク,黄色,
青,黄緑色の4色が混ざり合うこと往く きっちりと,まるで陣地で分けられたよ
うに塗られていることもこの絵の特徴の Fi&3−88 Sの第2回のなぐり描き 一つであろう。この空がSの内的世界の表現であると解釈するならば,この世 界はSの中にある様々な部分や感情を表しているのではないかとも考えられる。
それぞれの部分はまだ混ざり合い統合されるには至っていないが,不自分の中に はこういう感情も存在する。こういう部分も存在する。」と自分を見つめ,向き 合った結果,このような表現に至ったのではないかとも推測できる。その上を 希望の虹の橋が架かっていることから,Sが虹の橋を渡ってこの先の世界に至 ったとき,何らかの成長があることが期待されるのではないかと考えられる。
シェリングにおけるグループのメンバーからは,「虻もきれいだったけど,周り の赤,青,黄,緑の4色の色もとてもきれいでした。」「パステルカラーてきれ い。」といった,空の色遣いに関する肯定的なフィードバックが行われ,それに 対しSは,町パステルカラーがきれい』とか書いていてくれて,嬉しかったで す。』と答えていた。振り返りの自由記述では「もやもやした気持ちがすっきり しました。』と記述しており,自己の内面を表現することによるカタルシス効果 を実感していることが推察された。
第3回:作品の題名「カラフルな光」
絵の内容は「暗いところでもだんだん光が差していく。」と記述されており,
r色を重ね塗りしているところ。」としていた。この絵には形はいっさい描かれ ておらず,色を重ねぬ塗りすることだけで画面が埋められている。前回の絵と は違い,様々な色がすべて混ざり合っており,前回の絵と類似した虹色の絵に もかかわらず,雰囲気が異なる。筆者の第一印象は,ふわふわと軽く柔らかい
が,やや頼りなげな第2回の作品と 比べ,ずいぶんと安定し深く落ち着い た印象であるというものであった。
また筆者は,この作品は第2国の虹の 橋を渡った先の世界ではないかと感じ た。きっちりと区切られ分断されてい たSの感情や側面が,第3回の作品で 混ざり合い統合されたのではないかと
推察される。加えて前回は使われてい 肺8.3・89 Sの第3回のなぐり描き なかった「黒jという色が出現したことも注目すべき点であると考えられる。
自分の世界にr黒」の部分があることを認め,r暗いところでもだんだん光が 差していく。」と,その部分から前へ進む強さがあることを予感させる記述が あることから,Sの成長がうかがえる。振り返りではr優しい色の絵になって 良かったです。」と記述しており,この記述はSが自分の世界を受容すること ができたとも解釈し得るのではないかと考えられる。またシェアリングにおけ るグループのメンバーからは,r暗いところから明るいところへ変わっていく というのは(私には)全然思いつかなかったから,すごいと思いました。色も とてもきれいでした。』といった,色道いやテーマに関する肯定的なフィード バックが行われ,それに対しSは『『重ねぬりがキレイ(キラキラのマーク)』
とか,(キラキラのマーク)がついていたから,本当にキレイと思ってくれて いるんだなあ…と思うと壊しいです。jと記述していた。すべての介入を振り 返って,『曲を聴いて描くのは楽しかったし,描いた後友だちの絵を見るのも 楽しかった!』と記述しており,自己の内面を表現する体験がSにとって肯定 的に働いたことが推定される。
居場所イメージ(介入後)
介入後のr居場所イメージjは,Sと友人Yが歩きながら語をしている様子 であり,題名はr歩き佐がらおしゃぺり」であった。絵の説明にはrYさんと いつも歩きながらおしゃぺりするから。それが,ほっとできるし,元気になれ るから(描きました)。』と記述していた。介入前には白っぽかった画面も背景
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が描き込まれ,落ち着いた印象にな った。また介入前には人一人分空い ていた二人の距離もぐっと描まり,
表情も明るく楽しそうである。介入 前同様『二人の世界」であるが,こ れから歩いていく道もしっかり描か れており,周りの世界とも繋ってい けるのではないかという予感が持て る。以上のことから,Sは大切な友 人であるYとの関係を大事にしなが
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〆
Sの介入後居場所イメージ
らも,少しずつ周りの世界に踏み出していき,新しい居場所を見出していく強 さが育った可能性があるのではないかと考えられる。
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一◆・居場所産
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Fi8−3・91 事例㎜,S員人の「心理的居場所構」尺度得点の変化
ありふれた一 ぼやけた 暗い
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