第3章 研究■
第3節 結 果 1.分析I
描画分析得点と居場所感得点の関連を検討するため,居場所感尺度におけ る下位尺度得点を説明変数,描画の形式分析における各分析項目得点を従属 変数とした,重回帰分析の繰り返しによる,パス解析を行った(Fig.2・1〜
Fig.2・4)。各パス図における重決定係数は,r統合性」万2=.184,r筆圧」五・
=.202,r描線のとぎれ」〃=.396,「遠近感」炉=.393,r人物の向き」炉 =.261,r人間の簡略化」刀2=.228,r非現実的描写」〃=.159,r色相」万2 =.197,「顔の表情」児2=.182であった。
被受容感
、 I 、 I 、 / 、
I 1
/
、/一・391†.422+1一.389*
筆圧
、一@441* .389* .452**
人物の 向き
顔の 表情
Fig.3・1「被受容感」の描画分析項目への影響
32
充実感
.704去舳 .437* .39王* 、476舳
描線 の とぎれ
遠近感 の人間 簡略化
非現実 的描写
Fig.3・2「充実感」の描画分析項目への影響
自己肯定感
一1491舳 .318†
色相
Fig.3−3r自己肯定感」の描画分析項目への影響
安心感
、 、
統合性
.506* .401*
遠近感
、
、
、 、 一 、
、 、
、一.584州\一.382†
一 、 、 、
人物め 向き
顔の 表情
Fig.3・4 「安心感」の描画分析項目への影響
Fig.2−1にあるように「被受容感」は,『筆圧」や「人物の向いている方向」,
r顔の表情の親しさ」を促進しているが,r統合性」やr描線のとぎれ」,r遠 近感」を抑制していた。一方でFig.2 2にあるように「充実感」は,「描線の
とぎれ」,「遠近感」を促進しており,さらに「人物描写における人間の簡略 化」を促進していた。また「充実感」は,「非現実的描写」を抑制していた。
Fig.2・3にある通り,r自己肯定感」はr被受容感」同様にr描線のとぎれ」
を抑制しており,さらに「色相の暖かさ」を促進していた。またFig.2・4を 見ると,「安心感」は「被受容感」に反して「統合性」を促進し,「人物の向 き」,「顔の表情の親しさ」を抑制していた。また「充実感」同様に「遠近感」
を促進していた。
2.分析■
1)質問紙調査による実践効果の測定 (1)実践群と統制群の比較
まず居場所感得点および下位.尺度得点について,群(実験群・統制群)
と時期(pretest・posttgst)を独立変数とする亭要因の分散分析を行っ た。その結果,居場所感得点およびすべてg下位尺度得点において交互作 用は認められなかった。
34
主効果の検定では,「自己肯定感」で群における有意差がみられた(ア
(1.00) =4.72, ■ρ<.05)。
(2)pretestの得点を基にした実践群と統制群の比較
次に居場所感得点および各下位尺度得点について,平均値±SDを基準に 群分けを行った。その後それぞれのL群について,群2(実験群・統制群)
と時期(pretest・posttest)を独立変数とする2要因の分散分析を行った。
その結果,「充実感」得点において群と時期の交互作用がみられた(F(1,
10)=7.29,ρ<.05)。そこで単純主効果の検定を行ったところ,実践群に のみ,時期における有意な得点差(F(1,10):7.92,ρ<.05)が認めら れた,また実践後にのみ,有意な群間差(ア(1,20)=7.99,ρ<.05)が 認められた。
主効果の検定では,実践群と統制群における群間差に有意傾向(グ(1,
10)=3.52,ρ<.10)が認められた。r充実感」の平均値の推移をFigure3・1 に示す。
「居場所感」「被受容感」「自己肯定感」「安心感」では有意な交互作用は 認められなかった。主効果の検定では,「居場所感ジ被受容感」「安心感」
で時期に有意な得点差が認められた。
14
P3
P2
P1
ス均10値 9 8 7 6
□
■ . 一
。・
十実践群
E・■・一統制群pre teSt post test
Fig.3・5 『充実感」平均値の推移
(3)fo11ow・uptestによる実践効果の維持の検討
実践群における実践効果の維持を検討するため,居場所感得点および下 位尺度得点を従属変数とし,時期(pre・post・fo11ow・up)を被験者内要 因とする1要因分散分析を行った。
その結果r居場所感」において時期の主効果がみられた(F(2,70)=
9.70,ρ<.001)。下位検定の結果,pretestとfo11ow・uptest(ρ<.01)お よびposttestとfo11ow・uptest(ρ<.05)の間において有意に得点が増加
していた。同様に「被受容感」においても時期の主効果が認められ(ア(2,
70)=5.41,ρ<.001),下位検定の結果pretest・fo11ow・uptest間(p<.05)
およびposttest・fo11ow・uptest(ρ<.05)間において有意に得点が増加し ていた。また「自己肯定感」においても時期の主効果が認められ(ア(2,
72)=7.69,ρ<.01),下位検定の結果pretest・fo11ow・uptest間(p<.01)
およびposttest・fo11ow・uptest(ρ<.01)間において有意に得点が増加し ていた。「安心感」においても時期の主効果が認められ(ア(2,72)=5.50,
ρ<.01),下位検定の結果pretest・fonow・up test間で有意な得点差が認 められた(ρ<.05)。それぞれの得点の推移をFigure3・2〜3・5に示す。
52
@51
@50
@49 ス48
マ値47 46 45 44 43
pre test post test fo11◎w−up
@ teSt
Fig.3・6 「居場所感」平均値の推移
一36
19,0
@ 18,5
@ 18,0 ス均17.5
l 17,0 16,5 16.0
pre test post test fo11ow−up
@ teSt
Fig.3・7 「被受容感」平均値の推移
12,4
@ 12,2
@ 12,0
@ 11,8
@ 11.6 ス均11.4 l 11,2
@ 11,0
@ 10,8
@ 10,6
@ 10.4
pre test p◎st test follow−up
@ teSt
Fig.3・8 「自己肯定感」平均値の推移
8.8
@ 8.6
@ 8.4
@ 8.2
@ 8.O ス均7.8
l 7.6
@ 7.4
@ 7.2
@ 7,0
@ 6.8
pre test p◎st test fo11ow−up
@ teSt
Fig.3・9 「安心感」平均値の推移
2)描画による実践効果の測定
(1)実践群と統制群の比較
まず描画の形式分析における各分析項目得点について一,群(実験群・統制 群)と時期(pretest・posttes士)を独立変数とする2要因の分散分析を行っ た。その結果,r色彩数」(ア(1,70)=4.62,ρ<.05),r色の明度」(F(1,
70)=3.81,ρ<.05),r色の彩度」(∫(1,70)=4.59,ρ<.05),r色相」(ア
(1,70)=2.92,ρ<一.10),「遠近感」(ア(1,70)=4.47,ρ<.05),「奇妙 さ」(F(1,70)=6.59,ρ<,05),rカプセル化」(ア(1,70)=5.41,ρ<.05),
r地面の描写」(ア(1,70)=3.57,ρ<.10)において,有意な交互作用お よび交互作用に有意傾向が認められた。そこで,単純主効果の検討を行った ところ,r色彩数」(∫(1,34)=8.56,ρ<.01)で統制群のみに時期におけ る有意な得点差が,「明度」(ア(1,36)=8.74,ρ<.01),「彩度」(F(1,
36)=5.29,ρ<.05),「色相」(ア(1,36)=7.99,ρ<.01),「奇妙さ」(F
(1,36)=5.29,ρ<.05),「地面の描写」(F(1,36)=12.78,ρ<.O1)
で実践群のみに時期における有意な得点差が(固g.3・10〜Fig.3・54),「遠近感」
(ア(1,36)=3.08,ρ<110)およびrカプセル化」(ア(1,36)=3.11,ρ
38
<.10)において(Fig.3・55〜Fig.3・67)得点差に有意傾向が認められた。
主効果の検定では,「色彩数」(グ(1,70)=3.99,ρ<.05),r色の明度」
(F(1,70)=3.20,ρ<.10),「色相」(ア(1,70)=・3.74,ρ<.10),「地
面の描写」(ア(1,70)=6.57,ρ<.05)で,時期における有意差および有 意傾向がみられた。
。 ....・・●●・ ■一■・ .
3.4
@3.2
@3
スZ8
マ値Z6 2.4 2,2 2
・4・一実践群 黶。←一統制群 実践前 実践後
Fig.3−10 「色彩数」の平均値の推移
.一}u⊥一・1
3.7
@3.6
@3.5
ス34
マ値33 3.2 3.1 3
一■一一案践群 E・●・・統制群
実践前 一 実践後
Fig.3・11r色の明度」の平均値の推移
蛉
#山一 ■一
炉
〃・・