鳥海ゾーンは男鹿半島と同様に海岸背後近くまで山が迫り砂浜幅が狭い海岸が点在する。
このため、海岸林はなく砂丘植生も見られない。
z 小規模なポケットビーチが点在し海浜は安定している
z 海岸林はなく、砂丘植生は未発達
海岸の変化要因は、タイプ5「安定」であり、砂丘植生と海岸林はほぼ全域に発達している。
砂丘植生の被度は1970年代が2と3が多く、2000年代が3が多い。
① 象潟地区
象潟地区は延長約3.4kmの海岸である。海岸の変化要因はタイプ5に該当する。土地利用 の変化は少ない。砂丘植生と海岸林はほぼ全域に発達している。
1970年代(1976年)
0 100 200 300 400 500
0 300 600 900 1200 1500 1800 2100 2400 2700 3000 3300
沿岸方向距離(m)
占有延長(m)
1:砂浜 2:砂丘植生 3:海岸林 4:その他
2000年代(2000年)
0 100 200 300 400 500
0 300 600 900 1200 1500 1800 2100 2400 2700 3000 3300
沿岸方向距離(m)
占有延長(m)
図 3.7.28 土地利用の変化(象潟地区)
1970 年代汀線 象潟地区
象潟漁港
表 3.7.2 秋田県地区海岸一覧表
ゾーン ゾーン名 地区 地区名 タイプ 勾配1/n 原稿図 特性
Ⅰ 能代 1 八森 5 20 1 安定・離岸堤設置
Ⅰ 能代 2 能代 2 20 1~3 能代港建設により南部で侵食し植生が減少・北部では堆積し海岸林が増加
Ⅰ 能代 3 浅内 1 20 4~5 能代港建設により北部で侵食し、防波堤直近では堆積。全域で海岸林が増加し植生が減少
Ⅰ 能代 4 岩見 5 27 5~7 安定
Ⅱ 男鹿 5 戸賀 5 8 8 ポケットビーチ・安定・離岸堤設置・養浜・海岸林減少
Ⅱ 男鹿 6 加茂 5 8 9 ポケットビーチ・ 安定
Ⅱ 男鹿 7 台島 5 8 9 ポケットビーチ・ 安定
Ⅲ 秋田・船川 8 船越 5 18 10 安定・南部で海岸林が減少し植生とその他が増加
Ⅲ 秋田・船川 9 出戸浜 1 10~17 10~11秋田港建設により防波堤直近で堆積し植生増加
Ⅲ 秋田・船川 10 秋田港 4 20 12 埋立
Ⅲ 秋田・船川 11 向浜 1 20 12 秋田港建設により北部で侵食し砂浜が減少・防波堤直近で堆積しその他が増加
Ⅲ 秋田・船川 12 下浜 5 20~24 13~14安定・南部で漁港建設によりその他増加
Ⅳ 由利 13 松ヶ崎 5 21~24 14~16安定・南部で港建設により防波堤直近で砂浜増加・全域で海岸林減少
Ⅳ 由利 14 西目 5 9~15 16~17安定
Ⅴ 鳥海 15 象潟 5 15 18 安定
タイプ1:防波堤などの波の遮蔽域形成に伴って遮蔽域外から遮蔽域内へと砂が運ば れて周辺域で侵食が生じる。
タイプ2:一方向の沿岸漂砂の流れが防波堤などの構造物によって阻止され下手側で 侵食、上手側で堆積が進む。
タイプ3:河川や海食崖からの供給土砂の減少により侵食が進む。
タイプ4:港湾・漁港などの建設による埋立て。
タイプ5:安定(概ね変化なしを含む)。
図 3.7.29 Ⅰ.能代ゾーン
Ⅰ.能代ゾーン
1
2
3
4
能代港
米代川
男鹿半島 北浦
八森
浅内
水沢川 塙川 竹生川
岩見漁港
青森県
能代
岩見
図 3.7.30 Ⅱ.男鹿ゾーン
Ⅱ.男鹿ゾーン
5
男鹿半島 6
7
船川港 戸賀
加茂
台島
図 3.7.31 Ⅲ.秋田ゾーン
Ⅲ.秋田ゾーン
道川漁港 8
秋田港 9
10
11
12
雄物川 船越
松ヶ崎 下浜 旧雄物川 出戸浜
向浜
図 3.7.32 Ⅳ.由利ゾーン
図 3.7.33 Ⅴ.鳥海ゾーン
Ⅳ.由利ゾーン
道川漁港
13
14
子吉川 本荘港
西目
松ヶ崎
Ⅴ.鳥海ゾーン
山形県
15 象潟 芦田岬
(3) 山形県
山形県の海岸は日本海北区に属し、秋田県境周辺の岩礁地帯と吹浦漁港以南の岩礁地帯に挟 まれた、延長約33kmの長大な砂浜海岸が南北に直線上に続く。砂浜幅は吹浦付近で1.5km、鶴 岡へと南に行くにしたがって広く、最大幅は3.5kmとなる13。砂丘の陸側には最上川、赤川など の流出土砂が堆積して形成された庄内平野が広がる。南部は朝日山地から続く山が海岸近くま で迫り、両端を岬に囲まれた小規模なポケットビーチが点在する。
山形県の海岸は他の日本海側の海岸と同様に冬季を中心に国内や周辺国からの大量の流木や プラスチック類などの漂着物が押し寄せ、漁業や海洋生物への影響などの被害が生じている14。
沿岸部は、国定公園や県立自然公園に指定されているなど、海岸部には環境関連の法規制も 多い。環境省が選定した快水浴場百選では、西浜海水浴場(遊佐町)、由良海水浴場(鶴岡市)、
マリンパークねずがせき(鶴岡市)があり、また自然景観では日本の渚・百選として、由良海 岸(鶴岡市)が選定されており、更に白砂青松百選には、庄内海岸砂防林(遊佐町)が選定さ れている。
本調査で対象とする海岸は延長約 39kmの砂浜海岸である。対象海岸を図 3.7.34に示す3つ のゾーンに区分し、北から遊佐、酒田、温海の順とした。各ゾーンの海岸特性を以下に述べる。
13村井宏・石川政幸・遠藤治郎・只木良也:日本の海岸林,ソフトサイエンス社,p513,1992.
14山形県:山形県海岸漂着物対策推進地域計画(案),2011.
図 3.7.34 山形県海岸ゾーン区分
山形県
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
遊佐
酒田
温海
グラフ解説地区 比子・宮地
十里塚
由良北