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高等学校での実践と評価

1.授業実践

(1)研究対象校と対象者

 兵庫県立社高等学校の1年生で授業実践と調査を実施した。1年5組では、飲み物摂取 状況事前調査、清涼飲料水作り学習、再生刺激法による調査、飲み物摂取状況事後調査を

実施した。(表4−1)その他の1年2組、1年3組、1年4組、1年6組、1年7組は、再生

刺激法調査を除き、飲み物摂取状況事前調査、清涼飲料水作り学習、飲み物摂取状況事後 調査を実施した。授業および、調査は各クラスの家庭科担当教諭が行った。

表4−1.対象クラヌと人数

対象クラス 男子 女子 合計

1年2組(体育科)

39 39名

1年3組 17 23 40名

1年4組 17 23 40名

1年5組 19 21 40名

       、

P年6組 18 22 40名

1年7組(自然科学コース)

33

7

40名

(2)授業の概要

 この授業の内容は、高等学校学習指導要領、家庭編における「(2)家族の生活と健康」

の中の「ア 食生活の管理と健康」の「(ア)家族の栄養と食事」に相当する(文部科学省

、2002)。

 具体的な内容としては、家族の健康な食生活を営むための栄養的にバランスのとれた食 事の重要性、栄養素の種類と機能及び各ライフステージごとの栄養的な特徴について理解

させることである。また、各自の食生活を振り返る中で、現代の食生活の問題点について 考えさせ、食事が栄養的な充足とともに、家族や人々とのコミュニケ「ションの促進、精 神面の充足や安定に果たす役割が大きいことに気付かせることを目標としている。

 高等学校の教科書の中では、清涼飲料水の糖度を調べたりするような学習を取り上げた 項目はないが、栄養素の学習に入る前に現代の食生活の乱れによる影響を考え、食生活を 見直す学習の項目がある。そこで、本授業は「栄養と栄養素」という単元の導入部分に位 置づけ、普段の飲料水摂取による糖質の過剰摂取を見直し、これからの飲み物の摂取の仕 方を考えていくことにした。また、高等学校の教科書では、糖について糖質と記されてい

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るため、高等学校では糖質と呼ぶこととする。授業は、小学校、中学校と同様に糖質に重 点を置いたが、食品添加物についても説明を入れた。

 以下に高等学校で行った、家庭科の指導案を載せる。

学習内容 生徒の学習活動 教師の働きかけ

1.飲み物摂取状況の ○ 飲み物摂取状況調査を見 ○飲み物摂取状況調査の用紙を 振り返りをする。 て、摂取の仕方を振り返 出し、振り返させる。

る。

2.清涼飲料水にはど

○三時の目的を理解する。 ○清涼飲料水にはどんな物が入

んな物が入ってい っているか問題提起し、本下

るか考える。 の内容を知らせる。

3.清涼飲料水を作り、 ○教師の模範で作り方を理解 ○前で模範を見せ、説明する。

飲み比べる。 する。

○清涼飲料水を作っ.て、飲み ○それぞれを飲んで、感じた事

比べる。 をワークシートに記入するよ

う促す。

OAが飲みやすく感じた理由が

考えられるよう促す。

3.糖度測定を行う。 ○糖度計の使い方を知る。 ○前で糖度計の使い方を説明す

・100%オレンジジュ ○それぞれの糖度を知る。 る。

一ス ○糖度とは何か説明を加える。

・スポーツドリンク ○ワークシートに結果を書くよ

う促す。

4.清涼飲料水の中身

○体への影響をワークシート 0糖質の他に食品添加物の存在 をふまえて、体へ にまとめる。 にも触れる。

の影響を考えさせ ○体にどのような影響があるか

る。 考えさせ、ワークシートにま

とめさせる。

5.次時の予告をする。 ○今時の内容を知る。 ○糖質の種類について栄養素に つなげていけるよう予告をす

る。

飲み物摂取状況調査

①いっ、何の飲み物を、どれぐらい飲みましたか?

 食事の時以外に飲んだ楊会は、どんな時に鉄んだのか詳しく書いてくだ  さい蔭心高のヅ瓢一スで商晶名毒粉かるもの紘商贔名を審いてくだ毒  い

i鱗

朝食の時 餐食の時 タ食の時 獅活麟

[働レビを兇る時

〔寝る凱

 £

 〔:

 £

鷲 葺 萱

   お茶

オレンジジュ・一ス    お茶

アク瓢リアス ツァンタオレンジ    牛駐

3

3

2QO  m}

ゑ。{)  瓢簾

勲⇔o  鵜1 轟⑪o  瓢1

馨◎   拠三 碧。◎  撒1

*量の羅安

 ・雛ップ1杯 裂。⑪鵬1  , 缶ジ瓢一ス 3δ◎瓢1

 ・紙パックジ晶一ス(ジプトン紅茶など)5喬◎遊1  ・・ペットボトル 5◎o磁1

ξ

3月γ轟{金曜穀)

    一

〇弼の飲み物をどれぐらい歓みましたか?

朝食の時 昼食の時 訟訴の時

 〔  {

.[

3[

〕〔

)〔

.撒豊

螢奎

撒1

櫛.1

憩1 鵬1

嚥1蕪籏 匙_一

 〇締の飲み物をどれぐもい飲みましたか?

朝食の疇 二食の時 タ食の時

 £  [

 ご

頁 鷲 π

3 3 3

3 3

撫1

搬生 磁隻 鶏三

鱒1

簾玉

②鑑識の飲み物のとゆ方についてどう思いますか?

2.調査の概要

授業・調査の実施日は、飲み物摂取事前調査が全クラス2007年9,月7日(金)・8日

(土)、清涼飲料水作りの授業実践が2007年9月10日(火)から2007年9.月12

(水)の間にいずれのクラスも行った。1年5組のみ実施した再生刺激法調査は、200

7年9,月14日(金)に実施した。また、飲み物摂取事後調査は、2007年9月21日

(金)・22日(土)に行った。(図4−2)

〈1年5組〉

〈1年2,3,4,6,7組〉

飲み物摂取状況 :事前調査

(917,8)

飲み物摂取状況 事:前調査

授業(1時間) (9/10〜12) 授業(1時間)

再生刺激法による調査

(9/14)

飲み物摂取状況 事後調査 (9/21,22) 飲み物摂取状況 事後調査

図4−2.研究の流れ

①飲み物摂取状況調査

 飲み物摂取状況事前調査を行った2007年9月7日(金)・8日(土)の天気は、7日 が晴れ、最高気温33度、最低気温27度であった。8日の天気は、晴れ、最高気温32 度、最低気温26度であった。飲み物摂取状況事後調査を行った2007年9.月21日

(金:)・22日(土)は、21日の天気は、晴れ、最高気温31度、最低気温25度であっ

た。22日の天気は、晴れ、最高気温33度、最低気温25度であった。両調査日とも晴

れで同じ気温差もほぼ変わらないので、環境条件は事前事後とも結果に影響が出るもので はないと判断した。

②再生刺激法による調査

 高等学校では、1年5組(男19名、女21名、計40名)の生徒に清涼飲料水作り学

習の授業終了後、再生刺激法による事後調査を行った。授業日、再生刺激法調査日ともに 欠席者はなかったので、40名分を調査対象とした。

 抽出した場面は、以下の4場面である。(表4−2)1年5組の授業のプロトコル及び質問 用紙は資料として添付する。(※資料16・17)

表4−2.再生刺激法で抽出した場面 場面

場面1

場面2

場面3

場面4

時間 5 50〜10 14

(4分24秒)

12 13〜12 32

(19秒)

31 46〜34 35

(2分49秒)

46 32〜47 31

(59秒)

学習内容 抽出した場面

教師が、清涼飲料水の作り方を 実際に今から使用する材料や 用具を示しながら前で説明を

する。

教師の説明が終わり、生徒が清 涼飲料平作りに取り掛かるよ う声掛けをし、生徒たちが作業 に取り掛かろうとする。

教師が糖度計の使い方の説明 を終え、生徒が糖度計で糖度を 測り始める。

実験を終えて、引時の予告をす

る。

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③ワークシート調査

 ワークシート分析については、再生刺激法調査を行う1年5組のみ分析した。授業当日 の欠席者はなしで、40名分を分析対象とした。

3.結果および考察

(1)飲み物摂取状況調査

①清涼飲料水の摂取について

 飲み物摂取状況調査では、授業を行った全クラスで事前事後の摂取量を記述させた。(※

資料15)それらの調査結果を分析し、行動の変化を見た。(表4−3)

表4唱.飲み物摂取状況調査の結果  (糖質(g))

平日休日

性別 学科 事前 事後 定 事前 事後

63.3 37.0 97.6 64.2

体育科 **

(6L6)

(35.8) (74.4) (55.4)

50.8 29.7 77.8 53.0

普通科 **

n.S.

(52.30) (27.71) (74.97) (47.31>

24.9 24.6 51.6 32.0

理数科 n.S. **

(26.42) (28.16) (42.13) (27.52)

30.2 25.6 38.2 39.7

普通科 n。S. n.S.

(27.33) (27.67> (38.93) (41.33)

9.6 17.5 . 38.0 23.7

理数科 n.S.

n.S.

(7.84) (20.85) (29.42) (28.27)

 **:p〈0。01       ()はS.D標準偏差   *:0.01≦p〈0.05

 n.s.:p≧0.05

 本校の場合、体育科や自然科学コース(理数コース)など、特殊な学科があり、運動量 の違いなどからくる飲料水の摂取量や摂取内容の差や平均値を求めるにあたっては、男女 比の差が分析結果の正確性に関わってくると考え、学科別に分析を行った。分析には、事 前事後とも調査用紙の提出がそろっているもののみ対象とした。対象とした人数は次の通 りである。1年2組(体育科(男子31名))、1年3組(男子16・名、女子20・名、計3

6名)、1年4組(男子13・名、女子20名、計33名)、1年5組(男子12名、女子17

名、計29名)、1年6組(男子15名、女子16名、計31名)の普通科の生徒、1年7

組(自然科学コース(男子25名、女子6名、計31名))191名分を対象として分析す

ることにした。

 普通科のみ平均すると、平日は、事前が39.04±41.24、事後が、27.26±27.65と減少し ており、休日も事前が55.09±4牛35、事後が、45.21±44.35と減少していることが分かる。

 しかし、平日休日ともに標準偏差が大きいことから個人によってばらつきがあることが

分かる。

 自然科学コースの女子については、平日が増加しているが、事前から1日の糖質摂取量 の目安である30g以下であり、その範囲内での増減であるため問題はないと考える。平

日においては、体育科以外は、30g以内におさまっており、休日についても大幅に減少 しており、飲み物の摂取の仕方を見直せたと言える。体育科については、普段から運動が 中心の生活であり・体日も部活髄の試合などで特にスポーツドリンクの摂取量炉多いため 事前事後とも他のクラスに堵べ、高い数字となった。しかし、運動量に合わせた摂取量な ので問題はないと考える。(※資糾20)

 事前調査と事後調査の結果を七十するため、ノンパラメトリック検定のWillcoxonの符号 付き順位検定を行った。検定の結果、P<0.01を有意差ありとして「**」を付け、 P〈

0・05のものには「*」を付けた・また・P≧0・05を有意差なしとレて「n…」を付けた・

 分析の結果、大いに有意差が見られたのは、平目は、体育科と普通科の男子であり、休 日は、理数科であった。いずれも女子では、有意差は見られなかったが、普段から清涼飲 料水の摂取量が比較的少なく、軟料水撃取に気をづけていると言える。

 次に30g以上摂取した生徒ゐ人数を事前事後で比較する。(表4−4)

表4−4.目に30g以上湯取している生徒の人数(人)と割倉(%)

平日 休日

事前 事後 =事前 事後

 94

i49.2%)

 78

i40.8%)

 124

i64.9%)

 104

i54.5%)

 309以上摂心した生徒は、平日は事前が94名(4P・2%)、事後が78名(40.8%)で、

休日は・事前が124名(解・9%)・事後が104名て545%)であった・顯基準に対す

る事前事後の比較も、「減少はしているが、全体に対する比率をみてみると半数、休目にお いては、事後でさえも半数以上が1日の摂取量の基準である30g以上を摂取しているこ

とが分かる。

 多くの生徒は、自分の普段の飲み物の摂取の仕方を振り返り、本授業によって、これか らの飲み物の摂取の仕方を考え、改善しようという意識が持てたと言える。休日について は、1日の糖質摂養量の目安を超えた結果ではあるが、事前に比べ、大幅に減少しており、

また、休日の部活動などでどうしても多量に摂取してしまうスポーツ飲料などは、水で薄

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