(2)再生刺激法調査
授業の中で重要だと考える4場面での生徒の認知面、情意面を分析した図を以下に載せ る。(※資料15)
①場面1
教師が清涼飲料水に入れる砂糖の量、13gを示した場面の生徒の考えである。
早く作りたい・飲みたい臼ア). 不安(1D
喉が渇いた
.お腹がすいた㈲
好ぎだから
楽しそうだから(1)
理由なし(ヨ}
雰
罐
鋭
ない段階でも視覚を通して、体に悪い物そうなものだという意識や感想を持っていた。中 には、【どんな味がするのか(4人)】という味に対して興味はあるが、色んな材料を目の 前にして不安が入り交じる生徒も数名いた。
数名ではあるが、【先生の説明が長い(2人)】と指摘する生徒もいた。しかし、つまら ないという意味ではなく、早く実験を自分たちでしたいとい・う感情によるものであると考
える。
分析結果から、この場面では、ほぼ全員の生徒が授業に興味関心を示していることが分 かる。「普段飲んでいる、自分で作った事がない、飲みたい」という身近ではあるが、経験 のない活動で、自分たちで作った物が飲めるという考えから、このような結果になったと
考える。
この場面のねらいは、授業への興味を高め、授業に主体的に参加させる事も1つである が、13gもの砂糖を入れることへの驚きやその量が多いと感じさせる事も大きなねらい である。普段飲んでいる清涼飲料水と同じ分量であるということを強調させ、普段の飲み 物の摂取の仕方を考え直すきっかけを作り出せるよう働きかける必要がある。
②場面2
場面2は、生徒が清涼飲料水作りにとりかかる場面である。
早く作りたい
早く飲みたいq4) 不安㈲
おもしろモう おいしモう(帥
待ちくたびれた から(1)
好きだから(D
理由むし(田
身体に悪く
巷いのか(3) 味(団
実験を見た感想〔跡
着 ク エオ 砂 無
輯うみ糖昇
酸 ンジ
ス
図3−4.場面2の分析結果
この場面は、大きく『早く作りたい・飲みたい(14人)』と思っている生徒と『不安(9 人)』を感じる生徒に分かれた。(図3−4)
『早く作りたい・飲みたい』と感じた生徒は、【おもしろそう、おいしそう(6人)】と 考えており、教師の模範を見て、できあがった清涼飲料水に対レて場面1に引き続き早く 作りたい・飲みたいと考えていた。また、模範が終わり、次は宕分たちが実際に作るとい
うことで、おもしろそうという感情が高まっているように思う。このことは、今から行う 実験に意欲的に参加していくきっかけになった。
一方、『不安』に思う生徒は、場面1に比べると増えており、この場面では、理由も具体 的になっている。着色料やクエン酸などが【身体に悪くないのか(3人)】と考えたり、砂 糖の多さなど材料から【味(6人)】に不安を持っていた。
分析結果から、この場面は、今から活動を始められるという場面であるため、教師の模 範によって、それぞれの生徒が様々な思いを持って活動に取り掛かろうとする姿が見られ
る。活動におもしろそうと興味を持っており、そこからも積極性が感じられる6また、こ の場面では、市販の清涼飲料水と変わらぬ出来上がりを目の前にして、模範を見ていたが、
どのような材料によって作られたかという記憶よりもおいしそうだから飲みたいという感 情が優先してしまう生徒もいた。
そして、場面1に比べると一通り模範を見て、不安を抱く生徒が増えていた。このこと は、この実験のねらい通りであり、摂取の仕方を見直すきっかけとして有効である。
しかし、食品添加物などに対して過剰に不安を抱くことは、活動に対する意欲や試飲の 際にも影響が出てくると考えられるため適度な安全性の説明を加えるなど教師の働きかけ が必要である。
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③場面3
場面3は、1日の糖分摂取量の目安が30gであることを説明した場面である。
場面:3−1
教師の話を 聞いている②
砂糖の摂取量について(16)
自分を
振り返る(5)
実験で飲んだ清 涼飲料水の糖
(3)
一日の摂取 量が少ない
(4)
清涼飲料水 の糖が争い
(4)
見ているだけだから 楽しくない
(1)
清涼飲料水がまずい (2)
無関係②
図3−5.三面3の分析結果
この場面では、『砂糖の摂取量について(16人)』考えている生徒がほとんどであった。
【自分の普段の摂取量を振り返る(5人)】【1日の摂取量が少ない(4人)】【ジュースの 糖が多い(4人)】など1日309という初めて得る知識と、この実験で試飲した清涼飲料 水の砂糖の量とを合わせて考えることができていた。また、そのことから、自分の普段の 摂取量を振り返る生徒もおり、実験の効果が感じられる。糖分量の目安を伝えることで、
生徒の中で基準ができ、実験で作った清涼飲料水の糖分が多いということが判断できた生 徒も多いように思う。
また【ジュースがまずい(2人)】と実験の感想を持ち続けている生徒や授業に対して【見 ているだけだから楽しくない(1人)】と感じる生徒もいた。
分析結果から、この場面では、実験を終えた生徒たちに1日の糖分摂取の目安を伝える ことで、糖分に対する基準ができたように思う。清涼飲料水作りの模範を見ている場面で は、砂糖をたくさん入れてもおいしそう、飲みたいと感じていた生徒も1日の糖分量の目 安を知って、今自分たちが飲んだ清涼飲料水の中には多くの砂糖が入っていたのだという 考えに変化していた。そのごとから、摂取の仕方の振り返りに展開している生徒も現れた。
しかし、中には、実験で試飲した清涼飲料水がまずかったと実験の内容を引きずったま
まの生徒もおり、実験と説明の時間にメリハリが付けられるような授業展開が必要である。
また、実際に実験をし、本授業では試飲も行っているため、生徒に視覚の他に味覚にも訴 えることができる。このことは、生徒に大きな影響を与える。しかし、それとともに影響 を与える責任も重大となってくる。普段飲んでいる市販の清涼飲料水に近い見た目、味を どの班においても作ることができなければ乱実験で作った清涼飲料水と市販の清涼飲料水 は別物と考えられてしまい授業の効果の低下につながる。正しい知識を身を持って体験さ せるには、与える影響の大きさからもより慎重に注意して行う必要がある。
④場面4
場面4は、100%オレンジジュースにも多くの糖分(果糖)が含まれていることを教師が 説明した場面である。
場面4一で 目の前にある
100%オレンジジュ ースを飲みたい自)
糖について(14)
実験について(2)
清涼飲料水が あまり美味し くなかった (1)
1肥%ジュースにも 砂糖が入っている (7)
楽しい〔1}
砂糖の摂り過ぎは 丙にもつながる(1
普段の清涼飲料 水の砂糖の量 (5)
果糖について〔1)
話が長く
だるい(2)
くコ糊を聞いて②
無関係(4)図3−6.場面4の分析結果
ここでは、教師の説明を聞いて、『糖について(14人)』考える生徒と『話が長くだる い(2人)』と感じる生徒、『実験について(2人)』考える生徒に分かれた。(図3−6)
ほとんどの生徒は糖について考えており生徒は【普段の清涼飲料水の砂糖の量(5人)】
【砂糖の摂り過ぎは病にもつながる(1人)】など糖度測定の実験について考えていた。そ こから糖分の摂取の仕方を考えていたり、体への影響を考えるなど実験の効果は見られた。
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しかし、【100%のジュースにも砂糖が入っている(7人)】と果糖と砂糖の違いが分か らないまま、間違って理解している生徒もいた。
また、実験も終わり教師の説明になると【話が長くだるい(2人)】と感じる生徒もおり、
集中力の欠如が見られた。
そして、この場面においても、『実験について』引きずっている生徒がおり、【楽しい(1 人)】や【清涼飲料水があまり美味しくなかった(1人)】と考え続けていた。
分析結果から、この場面では、実験も終わり、教師が説明したり、生徒自身にこれから の飲み物の摂取の仕方について考えさせる場面である。
多くの生徒は、清涼飲料水作りや糖度測定を通して、糖について考えを深めており、目 的通りの結果となった。しかし、この調査によって教師の説明を正確に理解しきれていな い生徒がいることが分かった。その点においては、教師が重点をおいて説明する必要があ
る。
また、実験を終えても実験の感想を引きずっている生徒もいた。数名ではあるが、教師 の説明になると集中力が切れてしまっている生徒もいた。実験を含む授業は、生徒の思考 に直接訴える事ができ、効果が期待できるものではあるが、活動が楽しいという感想のみ で終わってしまってはいけない。実験の目的をまとめの部分では、生徒自身が考えられる よう問いかけ℃いく必要がある。
以上をまとめると、場面1、場面2では、教師のねらい通り、清涼飲料水作りに興味関 心を持って主体的に活動しようという姿勢が見られた。また、場面3、場面4で、大半の 生徒が自分の普段の砂糖摂取量を振り返ったり、1、日に摂れる糖分量が意外と少ないと感
じるなど飲み物の留り方について考えていた。
一方、教師が思っていた以上に不安を抱いて清涼飲料水作りに取り組む生徒がいた事が 分かった。また、場面4で、100%ジュースに果糖が入っているという説明に対し、果糖と 砂糖の違いが理解できておらず、100%ジュースにも砂糖が入みていると勘違いする生徒も 数名いた。教師は生徒の不安を取り除き、誤解のない説明の仕方を考える必要があると考
える。さらに、清涼飲料水作りの前後の教師の説明の場面では、つまらないと感じる生徒 もいたので、生徒の興味を継緯させる方法も検討する必要がある。