第 5 章 設備更新時の仕様最適化
5.1 変電所の騒音対策
5.1.1 騒音に関する法規制
現在、我が国の騒音規制は、「騒音規制法 騒音規制施工令」により、以下のように定め られている、
➤ 発変電所等において、7.5kW以上の空気圧縮器および送風機を指定施設と定め、指定 区域毎の規制値以下としなければならない。
➤ 指定規制を有しない場合でも、騒音は規制値以下とすることが望ましい。
また、騒音規制法ならびに電気事業法(電気設備技術基準)に基づく民間規格である「発 変電所等における騒音振動防止対策指針(JEAG 5001-2005)には、「発変電所の騒音と は発変電所等に設置されている機器から平常運転状態において連続的に発生する音の敷地 境界における騒音レベルをいう。」とあり、発電機、変圧器、リアクトルなどのように平常 運転状態において連続的に発生する音を対象とし、遮断器など動作時に発生する騒音は除 外されている。
<関連法規>
1.騒音規制法関係法規
(1)騒音規制法(法律第98号 昭和43年)
(2)騒音規制法施行令(政令324号 昭和43年)
(3)騒音規制法施行規則(厚生,農林,通産,運輸,建設省令第1号 昭和46年)
2.その他関係法令等
(1)環境基本法(法律第91号 平成5年)
(2)環境影響評価法(法律第81号 平成9年)
(3)環境影響評価法施行令(政令第346号 平成9年)
(4)環境影響評価法施行規則(総理府令第37号 平成10年)
(5)電気事業法(法律第170号 昭和39年)
(6)電気事業法施行令(政令第206号 昭和40年)
(7)電気事業法施行規則(通商産業省令第77号 平成7年)
(8)電気設備に関する技術基準を定める省令(通商産業省令第52号 平成9年)
(9)電気関係報告規則(通商産業省令第54号 昭和40年)
騒音に係る環境基準について(環境庁告示第64号 平成10年)
第5章 設備更新時の仕様最適化
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<騒音規制区分>
表5-1は、用途地域区分に対応した時間帯別騒音規制値を示している。
用途地域では第1種、時間帯別では夜間の規制値が最も厳しくなっている。
表5-1 騒音規制区分 (単位:dB)
用途地域 昼 間 AM7,8~PM6,7,8
朝/夕 AM 5,6~7,8 PM 6,7,8~9,10,11
夜 間
PM9,10,11~AM5,6
第1種 45~50 40~45 40~50 第2種 50~60 45~50 40~50 第3種 60~65 55~65 50~55 第4種 65~75 60~70 55~65 第1種 :良好な住居の環境を保全するため特に静穏の保持が必要な区域 第2種 :住居の用に供されているため、静穏の保持が必要な区域
第3種 :住居の用にあわせて、商業・工業の用に供されている区域で、その区域内 の住民の生活環境を保全するため、騒音の発生を防止する必要がある区域 第4種 :主として工業等の用に供されている区域であって、その区域内の住民の生活
環境を悪化させないために著しい騒音の発生を防止する必要がある区域
<騒音規制法に関する届出>
騒音規制法第21条(電気工作物等に係る取扱い)で「電気事業法に規定する電気工作物 である特定施設を設置する者については特定施設の設置の届出などに関する規定を適用せ ず,電気事業法の相当規定の定めるところによる」としており,電気事業法第106条の規 定に基づき以下の内容について産業保安監督部長に届出を行わなければならない。なお,
騒音に関する定期的な報告の規定はない。
表5-2 指定区域内に設置される特定施設の届出事項
届出を要する事項 届出期限 届出事項 届出先 騒音規制法の特定施設に該当する電気
工作物を設置する場所が指定地域とな った場合又は指定地域内の電気工作物 が特定施設となった場合
30日以内
特定施設の種類,
容量及び個数並 びに騒音防止の 方法
特定施設の設置 する場所を所管 する産業保安監 督部長
騒音規制法の規定による指定地域内の 電気工作物で,特定施設に該当するも のを設置する者の氏名若しくは法人に あってはその代表者の氏名又は事業場 の名称若しくは所在地に変更があった 場合
変更又は廃 止の後遅延 なく
変更のあった事 項
特定施設の設置 する場所を所管 する産業保安監 督部長
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<騒音測定方法>
騒音の測定箇所数は、1)敷地境界に沿ってほぼ等間隔に測定、2)境界の延長距離に 応じた測定箇所数を設定することとされている。表5-3は、標準的な測定箇所数を示す。
表5-3 標準的な測定箇所数 境界の延長距離 測定箇所数
~300m 12
300~500m 16
500~1000m 20
1000~2000m 24
2000~3000m 32
3000m~ 40
測定位置は、原則として地表1.2~1.5mで、塀がある場合は、その上端から0.3mとされ ている。
<騒音値の補正>
発変電所等の騒音を決める際には,暗騒音の影響の補正を行う。特定の定常騒音の騒音 レベルを測定する場合,その騒音があるときとないときの騒音計の指示値の差が10dB以上 であれば、暗騒音の影響はほぼ無視できる。その差が10dB未満のときには、暗騒音が無視 できない。その場合には、表5-4によって指示値を補正することにより、対象とする特定の 騒音だけがあるときの騒音レベルを推定することができる。
表5-4 暗騒音の影響に対する騒音計の指示値の補正
敷地境界において測定された合成音と暗騒音の差 3 4 5 6 7 8 9 補 正 値 -3 -2 -1
〔備考〕指示値との差が3dBより小さい場合、暗騒音レベルが対象とする騒音レベル以上 であると考えられる。この場合,他の測定方法を使う等の考慮をはらうことが望ましい。
* 暗騒音の求め方
a.音源が停止できる場合
発変電所等の機器が平常運転されている場合の敷地境界線上の騒音レベルを測定し、対 象音源がある場合の騒音とする。
次に,音源を停止した状態における敷地境界線上の騒音レベルを測定し、対象音源がな い場合の騒音(暗騒音)とする。
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77 b.音源が停止できない場合
発変電所等の音源から敷地境界線上の測定箇所を結ぶ線上及びその延長線上の各点で対 象がある場合の騒音の測定を行い、音源からの距離による減衰曲線をえがき、次の方法に よって対象がない場合の騒音(暗騒音)を決める。
図5-3 音源からの距離減衰例
(a)合成音の距離減衰曲線の最低値が発変電所等の敷地の境界外にある場合は、その最低値 から3dBを減じた値を発変電所等の暗騒音とみなす。(図5-3(a))
(b)合成音の距離減衰曲線が外部方向に向って漸減する場合は、その収れん値を発変電所等 の暗騒音とみなす。(図5-3(b))
(c)合成音の距離減衰曲線の最低値が発変電所等の敷地境界内にある場合は、境界線上の測 定値を発変電所等の暗騒音とみなす。(図5-3(c))