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実変電所への適用結果

第 5 章 設備更新時の仕様最適化

5.3 線形計画法による変圧器騒音レベルの最適化

5.3.3 実変電所への適用結果

第5章 設備更新時の仕様最適化

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第5章 設備更新時の仕様最適化

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(2)従来手法との比較

図5-19、図5-20に示す実変電所に本手法を適用した結果は表5-12のとおりであり、

本手法による解は従来手法によるものよりも、より最適な(変圧器騒音値合計が最大とな る)解となっている。

表5-12 実変電所への適用結果 (単位:dB)

対策前 対策後

本手法 従来手法1 従来手法2

1B 79.5 62.2 59.9 57.4

2B 3B 4B 5B

73.5 74.5 79.5 74.5

56.0 56.1 56.0 58.0

53.9 54.9 59.9 54.9

57.6 57.7 55.8 52.5

Σ 381.5 288.3 283.5 281.0

1(45) 59.5 41.7 39.9 39.1

2(45) 56.0 38.1 36.4 35.5

3(45) 55.7 37.8 36.1 35.2

4(45) 60.2 42.4 40.6 39.7

5(40) 57.7 39.7 38.1 37.4

6(40) 58.3 40.0 38.7 38.1

7(40) 58.8 40.0 39.2 38.4

8(40) 56.7 37.6 37.1 36.1

9(40) 59.0 39.4 39.4 37.9

10(40) 59.5 39.6 39.9 37.8

11(40) 58.8 39.2 39.2 37.1

12(40) 57.7 38.1 38.1 36.2

13(40) 56.8 37.2 37.2 35.3

14(40) 59.8 40.0 40.0 38.0

15(40) 58.5 38.7 38.9 37.1

16(40) 57.5 37.9 37.9 36.3

17(40) 57.1 37.8 37.5 36.2

18(45) 56.2 37.1 36.6 35.5

19(45) 55.8 37.1 36.2 35.5

20(45) 56.1 37.5 36.5 35.8

第5章 設備更新時の仕様最適化

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(3) ケーススタディ結果

<技術的低減限界値(TLL:Technically Limited Level)を一律に変えた場合>

低減限界値を変えたケーススタディにより、以下が確認された。

- TLLを57dB以上とすると、解が得られなかった。

- 2Bと4Bは常にTLLの値に収束していた。また、それ以外の変圧器の解はTLL を変化させてもほとんど変わらなかった。

表5-13 低減限界値を一律に変化させた場合の収束解

限界値 1B 2B 3B 4B 5B

0 62.7 0 60.8 0 57.0

4.4 4.4 4.4

10 10 10

20 20 20

30 30 30

40 40 40

50 62.6 50 60.2 50 56.8

55 62.6 55 58.8 55 56.3

56 62.2 56 56.1 56 58.1

57 解なし 解なし 解なし 解なし 解なし

2Bと4Bの収束解が低減限界値に収束しているケースは、2バンクモデルにおける2次 元解析で確認したこと(解がXi軸上に収束する)が5次元空間でも起きているものと推 定される。

<限界値を変えた場合(1台は他の4台と異なる)・・ベースは50dB

次に、TLLを1台だけ他の4台とは異なる値にしてケーススタディを行った。

結果は表5-14のとおり、2B,4Bは限界値と一致する場合があるが他の3台は解がほとん ど変わらなかった。

<限界値を変えた場合(複数の変圧器が異なる)・・ ベースは55dB

本手法による更なる最適化の可能性を探るべく、限界値の組合せを試行錯誤(変化 量は5dBきざみ)した結果、限界値を一律にした場合よりも更に騒音合計値が大きい解が 求まることがわかった。

第5章 設備更新時の仕様最適化

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表5-14 低減限界値を1バンクだけ変えた場合の収束解 (単位:dB)

TLL 1B 2B 3B 4B 5B

ベ ー ス ケ ー ス 全て 50

62.6 50.0 60.2 50.0 56.8

1B 45

60

2B 45 62.7 45.0 60.4 50.0 56.8

55 62.2 55.0 59.8 50.0 56.8

60 60.6 60.0 58.2 50.0 57.0

3B 45 62.6 50.0 60.2 50.0 56.8

55

60

4B 45 62.5 50.0 60.5 45.0 56.9

55 62.7 50.0 59.3 55.0 56.3

60 63.0 50.0 52.7 60.0 54.0

5B 45 62.6 50.0 60.3 50.0 56.8

55

60 解なし 解なし 解なし 解なし 解なし

表5-15 低減限界値を変圧器毎に変えた場合の収束解 (単位:dB)

限界値 収束解

1B 2B 3B 4B 5B 1B 2B 3B 4B 5B 合計

55 55 55 55 55 62.3 55 58.8 55 56.3 287.4

50 55 50 55 50 62.3 55 58.8 55 56.3 287.4

50 55 50 55 55 62.3 55 58.8 55 56.3 287.4

50 55 50 55 50 解なし 解なし 解なし 解なし 解なし

50 55 50 60 50 62.5 55 50 60 54 281.6

50 60 50 55 50 60.8 60 56.5 55 56.5 288.9

50 60 50 60 50 59.8 60 50 60 53.9 283.7

50 60 55 60 50 58.4 60 55 60 53.6 287.0

55 60 55 60 50 58.4 60 55 60 53.56 287.0

60 60 55 60 50 解なし 解なし 解なし 解なし 解なし

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<部分取替えの計算>

本手法の実用的な機能である「部分取替え」(一部の変圧器のみを線形計画法の対象と する)のケースとして、敷地境界に近い1B,4B,5Bの3台の変圧器のみを対象にしたケー ススタディを行ったが、低減限界を低くして行っても収束解は得られなかった。

表5-16 部分取替え(1,4,5B)の計算結果 (単位:dB) 3の低減限界 1B 2B 3B 4B 5B

45 解なし 73.5 74.5 解なし 解なし

40 解なし 73.5 74.5 解なし 解なし

その原因を探るべく、取替え前の各変圧器による境界騒音を見てみると、下表のとおり、

いずれも規制値を超えている。つまり、変圧器が 1 台しか運転していなくても、規制値を 超えてしまうことがわかった。

表5-17 各変圧器単体による境界騒音への影響 (単位:dB)

音源騒音値

境界への影響最大値

45dBエリア 40dBエリア

1B 79.5 58.5 55.0

2B 73.5 50.3 49.0

3B 74.5 48.0 49.8

4B 79.5 53.0 57.0

5B 74.5 44.0 55.0

従って、1,4,5Bの3台を取替えても、あるいはこの3台を停止しても、残りの2台(2,3B)

が運転している限り、規制値以下とならない。つまり、解は得られない。

そこで2,3Bを停止することにして、1,4,5Bの3台の騒音値を求めると解が得られた。

すなわち、「部分取替え」機能を確認することができた。

表5-18 部分取替え(1,4,5B)の解 (単位:dB) 収束解

1B 63.2

2B 停止

3B 停止

4B 61.0

5B 51.4

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(4) 実対策の再現

T変電所の騒音対策の実際は、下記のとおりとなっていた。

1B ・・・取替え 79.5 dB ⇒ 60 dB

2B ・・・取替え 73.5 dB ⇒ 55 dB + 移設 3B ・・・改造 74.5 dB ⇒ 60 dB

4B ・・・取替え 79.5 dB ⇒ 60 dB 5B ・・・改造 74.5 dB ⇒ 60 dB

また、変圧器までの距離が近いことにより騒音レベルが大きくなっている測定点7~17 の対策として、3つの防音壁(A,B,C区間)が設置されている。

図5-21 T変電所における防音壁の設置及び変圧器の移設

上記実対策を本手法によって再現すべく、所与の条件として、取替えを行った 1B、2B,

4Bの3台は、それぞれ、60dB、55dB、60dBに取替えることとし、さらに2Bの移設も反 映した。加えて、3区間の防音壁の効果を

測定点 10,11,14,15・・・・・・・・3dBの低減効果 測定点 7,8,9,12,13,16,17・・・・・2dBの低減効果

と見込み、これらの点での規制値を2ないし3dB嵩上げして、改造した3Bと5Bの2台 の変圧器に逆問題を適用した。

その結果、残った3Bと5Bの騒音値は、下記のようになり、実際の値とほぼ一致した。

<計算結果> <実際の値>

3B 60.3 dB 60 dB 5B 59.7 dB 60 dB

第5章 設備更新時の仕様最適化

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表5-19は、それぞれの対策の効果を示しており、以下が読み取れる。

➤ 1,2,4B の取替(60dB,55dB,60dB)の効果は大きいが、まだ十分では無い。

(全域にわたって規制値超過)

➤ 2Bの移設による効果はほとんど無い

➤ 更に3,5Bを改造(60dB,60dB)することによって、一部を除き、規制値をほぼ満

足できるが、一部に2~3dB超過する点がある

➤ 変圧器との距離が近い点について、防音壁により個別対策(今回はA,B,Cの3区 画)をすることにより騒音対策を完了させた。

表5-19 各対策による境界騒音低減効果 (単位:dB)

測定点 規制値 対策前

取替

(1B,2B,4B)

+移設

(2B)

+改造

(3B,5B) +防音壁

* [低減効果]

1 45 59.5 50.2 同左 41.1 41.1

2 45 56.0 46.8 〃 37.4 37.4

3 45 55,7 46.5 〃 37.1 37.1

4 45 60.1 49.9 〃 41.3 41.3

5 40 57.7 49.4 〃 39.3 39.3

6 40 58.3 50.7 〃 40.0 40.0

7 40 58.8 52.1 〃 40.8 40.8 [▲2 dB]

8 40 56.7 50.7 〃 39.0 39.0 [▲2 dB]

9 40 59.0 53.2 53.1 41.3 41.3 [▲2 dB]

10 40 59.5 54.8 〃 42.4 42.4 [▲3 dB]

11 40 58.8 55.3 〃 42.2 42.2 [▲3 dB]

12 40 57.7 53.9 〃 41.0 41.0 [▲2 dB]

13 40 56.8 52.6 〃 39.9 39.9 [▲2 dB]

14 40 59.6 55.8 〃 42.9 42.9 [▲3 dB]

15 40 58.5 53.5 〃 41.3 41.3 [▲3 dB]

16 40 57.5 52.0 〃 40.1 40.1 [▲2 dB]

17 40 57.1 51.3 〃 39.7 39.7 [▲2 dB]

18 45 56.2 49.6 49.7 38.6 38.6

19 45 55.8 49.5 〃 38.3 38.3

20 45 56.1 49.1 49.2 38.5 38.5

第5章 設備更新時の仕様最適化

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