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実系統の一次変電所への適用結果

第 3 章 経年設備の健全度可視化

3.3 AHPによる一次変電所健全度評価手法

3.3.2 実系統の一次変電所への適用結果

第3章 経年設備の健全度可視化

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第3章 経年設備の健全度可視化

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0.0000 0.1000 0.2000 0.3000 0.4000 0.5000経年

稼働率

旧形機器数

不具合兆候機器数 同形対策機器数

騒音規制満足度 PCB混入絶縁油量

合成 A氏 B氏 C氏 D氏 E氏

図3-4 評価者による重み

その結果は下記のとおり、重みの大きい順に

① 同形対策機器数 :0.3270

② 不具合兆候機器数 :0.2248

③ 経年 :0.1516

④ 旧形機器数 :0.1047

⑤ 騒音規制満足度 :0.0867

⑥ 稼働率 :0.0526

⑦ PCB混入絶縁油量:0.0525 となった。

すなわち、①同形対策機器数、②不具合兆候機器数、④旧形機器数といった機器の不具 合に関する評価項目への重みが 65%ほどを占めていた。また、⑤騒音規制値満足度や

⑦PCB混入絶縁油量はいわゆるコンプライアンスに関する評価項目であるが、あまり大き な重みとなっていない。これは、現時点では規制に抵触しているといった実態が無い(将 来、対応が必要)ことによるものと考えられる。

*「幾何平均」による重みの求め方。(3人による一対比較の場合)

X氏、Y氏、Z氏がそれぞれ行った一対比較が下記のようになっていたとすると、

下線の部分の平均をとる必要が生ずる。

第3章 経年設備の健全度可視化

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X Y Z 1 2 5 3 1 2 3 3 1 2 6

1 2 3 1 2 3 1 2 3 3

1 2 1 2 1 2 1 1 1

図3-5 3人による一対比較

この場合、下線の部分の幾何平均は 3

5 × 3 × 6 = 4 . 48

となり、これらの逆数の幾何平均は

48 . 4

1 6 1 3 1 5

3

1 × × =

であるから、上記の逆数となる。もしも、幾何平均でなく、算術平均とすると、こ のような逆数関係は一般に成立しない。

(3) 個別変電所の健全度

今後5ヵ年の時系列推移を含む74箇所の一次変電所の健全度を本手法により評価した。

下表は、都区内のX変電所の健全度を評価した結果で、以下が読み取れる。

➤経年は年々増加しており、稼働率はおおむね横ばいである。

➤旧形機器は平成24年までに取替えが完了する。

➤それ以外の評価項目については、何も対策が講じられていない。

➤同形対策機器数の - は、この変電所には対象機器が無いことを示している

表3-14 X変電所(都区内)の健全度

H20 H21 H22 H23 H24

経年 0.0694 0.0712 0.0730 0.0749 0.0767

稼働率 0.0426 0.0424 0.0425 0.0416 0.0416

旧形機器数 0.0293 0.0293 0.0251 0.0083 0 不具合兆候機器数 0.1405 0.1405 0.1405 0.1405 0.1405 同形対策機器数 ― ― ― ― ― 騒音規制満足度 0.0650 0.0650 0.0650 0.0650 0.0650 PCB混入絶縁油量 0.0060 0.006 0.006 0.006 0.006

Σ 0.3524 0.3546 0.3523 0.3365 0.3300

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(4)支店内の変電所健全度順位とその推移

都区内支店 18 箇所の変電所別健全度を初年度の値が大きい(健全度が低い)順にその 経年を含めて、3次元表記すると図3-6のようになり、順位ならびに経年推移が「見える 化」できた。

S1 S3 S5 S7 S9 S11 S13 S15 S17

H20 H22

H24 0

0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 0.45

0.5

健全度

変電所 年度

H20 H21 H22 H23 H24

図3-6 都区内支店の変電所健全度順位とその推移

(5)支店別健全度

個別変電所の健全度評価結果を用い、支店ごとの統合化された健全度を評価した。

評価に際しては、個別変電所の健全度を単純平均するA案、ならびに変電所の認可出力 で重みづけ平均するB案の2種を適用した。

その結果、両方式による支店別順位は概ね変わらず、都区内の健全度が最も悪くなって いた。また、健全度の値は、都区内の支店のみが、A案>B案となっていた。これは、都 区内においては、旧形機器数が他店に比べて多いこと、ならびにこれらを保有する変電所 が古いため、その変圧器容量が比較的小さいことによるものと考えられる。

図3-7は都区内支店の健全度推移を示したもので、A案>B案となっている。

0.276 0.278 0.28 0.282 0.284 0.286 0.288 0.29 0.292

H20 H21 H22 H23 H24

年度

健全度

A案 B案

図3-7 都区内支店の健全度推移

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(6)エリア別健全度

都区内、周辺、外辺、ならびに全系の4つのエリアの健全度指標は、図3-8のように、

都区内 > 周辺> 外辺 の順になっていた。これは、都区内の変電所は総じて古い ものが多く、「旧形機器数」が多いこと、また周辺エリアでは変電所の「稼働率」が他の エリアに比べて高いことなどによるものである。

この結果について実務担当者の感覚との整合性を確認したところ、都区内の変電所で は以下の現場実態から古くて健全度の悪い設備の取替えが困難となっていることと整合 しているという評価を得た。

➤都区内は地下変電所が多く、上部建物に営業中の各種テナントが入っていることに よりマシンハッチを開けて行う古い設備の取替え工事に制約がかかりがち

➤都心部は二次側のお客さまが多く、取替え工事等の長期停止調整が困難

0.2 0.21 0.22 0.23 0.24 0.25 0.26 0.27 0.28 0.29 0.3

H20 H21 H22 H23 H24

年度

健全度

都区内 周辺 外辺 全体

図3-8 各エリアの健全度比較

(7)全系健全度の改良・修繕規模に対する感度解析

旧形機器および不具合兆候機器の取替え計画のある6支店について ケース1 :中期計画による取替え完了年度を2年前倒し

ケース2 :中期計画による取替え完了年度を2年繰り延べ のケーススタディを行った。

その結果は、図3-9に示すように、ベースケース(中期計画)に比べて加速(ケース1) あるいは減速(ケース2)の場合は、それぞれ、健全度の改善度合いが加速あるいは減 速するという変化が見えることから改良投資・修繕費の妥当性評価に使用することがで きると考えられる。

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0.265 0.27 0.275 0.28 0.285 0.29 0.295

H20 H21 H22 H23 H24

年度

健全度

減速時 加速時 通常時

図3-9 全系健全度の投資・修繕規模に対する感度

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