84
85
図 4.12 1次振動モード
4.5.3. 応答変位性状
入力地震動
3
波のλ
E=1.0
に対するベースシアー(地震応答解析中の最大値),初期降 伏地震動強さλ
Ey,およびλ
E=5.0
における最大鉛直変位を表4.8
に示す。λEyは平均値で 見ればX
方向でλ
Ey=2.6
,XY
方向でλ
Ey=3.3
となり,断面算定時に考慮した地震荷重レ ベルλ
E=2.5
で弾性範囲にある自由曲面ラチスシェルが設計できたと判断できる。λ
E=5.0
において最も変位が大きいのは,Taft EW
波をX
方向に入力したときである。また図4.13
より,地震動強さと最大鉛直変位の関係は概ね線形であること,そして,XY
方向 にくらべ,X
方向に地震動を入力した解析ケースにおいて変位が大きくなり,早期に塑 性ヒンジが発生することがわかる。このため,後述の塑性回転角の分析はX
方向入力 の解析結果について行う。表 4.8 C0,λEyおよびδmax
Y Z X
X Y
El-Centro NS Taft EW Kobe NS 平均
C0 0.180 0.150 0.165 0.165
λEy
X方向 2.4 2.6 2.8 2.6
XY方向 2.9 3.3 3.6 3.3
δmax
(λE=5.0)
X方向 332mm 392mm 367mm 364mm
XY方向 290mm 301mm 270mm 287mm
86
図 4.13 地震動強さλEと最大鉛直変位の関係
図 4.14 変形図
λ
E=5.0,Taft EW
波における最大変位の発生時刻における変位図を図4.14
に示す。固有振動モードとよく似た,自由境界辺に半波数
2
の変位場が確認できる。自由境界辺ABC
(Y0
通り)とシェル中央のDEF
(Y10
通り)を通る節点の最大変位の絶対値を図4.15
に示す。図中の破線は断面算定時の地震荷重EQX1~EQX3(ただし大きさは λ
E=1.0
相当)と固定荷重DL
を作用させた時の最大変位である。本章で設定した静的地震荷重 はλ
E=1.0
の地震応答解析の変位モードとおおむね対応していることがわかる。最大鉛 直変位が発生する節点は地震動の入力方向,位相特性によって変化するものの,すべて の解析ケースに共通して自由境界辺上に発生する。そして,水平方向の変位よりも鉛直 方向の変位が大きくなる傾向がある。この傾向は図に示していないEl-Centro NS
,Kobe NS
波についても同様である。自由境界辺にくらべ中央の鉛直変位は小さいものの,一 点鎖線で示した中央線から部材1
本分離れた位置で比較的大きな鉛直変位が生じる。図4.15(a)
に示すJ
点はすべての節点において最も変位が大きくなる節点である。J
点の時刻歴変位を図
4.16
に示す。λE=5.0
において16s
近辺で最大変位の392mm
となり,そのZ X
Y A
D
G C
0 1 2 3 4 5 6 7
0 100 200 300 400 500 λE
δ[mm]
0 1 2 3 4 5 6
0 100 200 300 400
λE
δ[mm]
ElCentro Taft Kobe
87
後
20s
までの間に塑性化により残留鉛直変位が漸次増大する。392mm
は,スパンに対 し約130
分の1
となり,非常に大きな変位となるものの,地震動の入力終了後の変位は スパンの約600
分の1(80mm
程度)
に収束し,応答の多くが弾性成分で占められる。地 震動入力後の時刻80s
の変位図を図4.17
に示す。最大鉛直変位が発生するJ
点と,Y1
通りの格子部材の部材中央で残留変位が大きく見られる。図 4.15 時刻歴応答解析による変位(絶対値)
図 4.16 J点の時刻歴応答変位 X方向 λE=5.0
図 4.17 地震動入力後の変位(残留変位) λE=5.0
-400 -200 0 200 400 600
0 10 20 30 40 50 60 70 80
δ[mm]
固定荷重時変位-5.6mm [s]
最大変位 392mm
残留変位 80mm
-100 0 100
200 δ[mm] C.L.
J
Y0通り Y1通り 0
100 200 300
400 δ[mm]
A
B
C C.L. J
(b) Y10通りの変位 λE=5.0 Z方向 λE=5.0 X方向
λE=1.0 Z方向 λE=1.0 Z方向 ( 静的) 0
20 40 60 80 100 120 140
160 δ[mm]
D E
F C.L.
(a) Y0通りの変位