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寛 か ら の 伝 承

第 一 項 第 十 九 願 に つ い て

「 十 七 条 御 法 語

」 第 十 四 条 一

、 内 容 と 問 題 点

「 十 七 条

」 に は 次 の よ う に 説 か れ て い る

。 又 云

、 第 十 九 ノ 願 ハ

、 諸 行 之 人 ヲ 引 入 シ テ

、 念 仏 之 願 ニ 帰 セ シ メ ム ト 也

1 1

こ こ で は 四 十 八 願 の な か

、第 十 九 願 に つ い て 説 か れ て い る

。第 十 九 願 は『 無 量 寿 経

』に

、 設

ン ニ レ仏

十 方

衆 生 発

シ 二菩 提 心

ヲ 一修

シ 二諸

功 徳

ヲ 一至 心

発 願

シ テ

ン ニ レ生

ン ト 二

ニ 一臨

ン テ 二寿 終

ニ 一仮

ン ハ 下与

ニ 二大 衆

ノ 一囲 遶

ラ レ テ

セ 中其

ニ 上者 不

レ取

二正 覚

ヲ 一1 1 8

と 説 か れ

、 十 方 世 界 に い る 人 々 が

、 菩 提 心 を お こ し て 多 く の 功 徳 の あ る 諸 善 根 を 修 し て

、 心 を こ め て 浄 土 に 往 生 し た い と 願 う な れ ば

、 そ の 人 の 命 終 わ る と き に あ た っ て

、 阿 弥 陀 仏 が 浄 土 の 菩 薩 聖 衆 に と り ま か れ て そ の 前 に 身 を あ ら わ し

、 浄 土 に 迎 え と る と い う 願 で あ る

1 1 9

「 。 十 七 条

」 で は

、 こ の 第 十 九 願 が

、 そ う し た さ ま ざ ま な 功 徳 を 修 め る 人 々 の 心 を ひ き つ け

、 念 仏 往 生 の 願 で あ る 第 十 八 願 に 帰 依 さ せ よ う と す る も の で あ る と 説 か れ て い る

。 こ の

「 十 七 条

」 は 短 い 詞 で あ る が

、 三 願 の な か の 一 つ と し て

「 十 七 条 御 法 語

」 全 体 の な か で も 重 要 な 詞 で あ る と 考 え ら れ る

。 こ の 条 に 関 し て は

、 以 下 の 様 な 問 題 点 が 挙 げ ら れ る

・ 第 十 九 願 に よ っ て 念 仏 に 帰 入 す る と い う 思 想 と 親 鸞 の 三 願 転 入 思 想 と の 類 似

→ 法 然 の 思 想 と し て 問 題 は な い か

・ 要 門

・ 弘 願 解 釈 や

、 念 仏 と 諸 行 論 と の 関 係

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、 法 然 教 学 と の 比 較

「 十 七 条

」 で は

、 法 然 教 義 書 に 第 二 十 願 に つ い て 説 か れ て い る も の が 少 な か っ た こ と が 問 題 と な っ た が

、 第 十 九 願 は

、 第 二 十 願 に 関 す る 説 示 に 比 べ る と 教 義 書 や 御 法 語 に 多 く の 説 示 が み ら れ る

。 こ こ で は

「 十 七 条

」 の 理 解 と 関 連 し て

、 法 然 の 第 十 九 願 理 解 に つ い て も 整 理 し た い

。 は じ め に

『 三 部 経 大 意

』 に は

三 輩 往 生 ノ 文 ア リ

、 是 ハ 第 十 九 ノ 臨 終 現 前 ノ 願 成 就 ノ 文 也

。 発 菩 提 心 等 ノ 業 ヲ シ テ 三 輩 ヲ ワ カ ツ ト 云 ト モ

、 往 生 ノ 業 ハ 通 シ テ 皆 一 向 専 念 無 量 寿 仏 ト 云 ヘ リ

1 2 0

と 説 か れ

、 ま た

臨 終 ノ 時 ニ ハ 仏 ケ 自 来 テ 迎 給 ニ

、 諸 ノ 邪 業 繋 ヨ ク 得 ル 者 ノ ナ シ

。 是 ハ 衆 生 ノ 命 チ 終 ル 時 ニ 臨 テ

、 百 苦 来 リ 逼 テ

、 身 心 ヤ ス キ 事 ナ ク

、 悪 縁 外 ニ ヒ キ

、 妄 念 内 ニ モ ヨ ヲ シ テ

、 境 界

、 自 体

、 当 生 ノ 三 種 ノ 愛 心 キ ヲ イ 起 リ

、 第 六 天 ノ 魔 王 此 時 ニ 当 リ テ

、 威 勢 ヲ 起 テ 妨 ヲ ナ ス

。 如 此 種 々 ノ 礙 ヲ 除 カ 為 ニ

、 シ カ シ 臨 終 ノ 時 ニ ミ ツ カ ラ 菩 薩 聖 衆 囲 繞 シ テ

、 其 人 ノ 前 ニ 現 セ ム ト 云 フ 願 ヲ 建 テ 給 ヘ リ

。 第 十 九 ノ 願 是 也

。 是 ニ ヨ リ テ 臨 終 ノ 時 ニ イ タ レ ハ

、 仏 来 迎 シ 給 フ

。 行 者 是 ヲ 見 テ

、 心 ニ 歓 喜 ヲ ナ シ テ

、 禅 定 ニ 入 カ 如 ク ニ シ テ

、 忽 ニ 観 音 ノ 蓮 台 ニ 乗 リ テ

、 安 養 ノ 宝 刹 ニ 至 ル ナ リ

。 此 等 ノ 益 ア ル カ 故 ニ

、 念 仏 衆 生 摂 取 不 捨 ト 云 ヘ リ

1 2 1

と 説 か れ て い る

。 こ こ で は

、 我 々 凡 夫 は 臨 終 の 時 に

、「 三 種 の 愛 心

」等 の

「 種 々 の 礙

」 が 起 こ る が

、 こ れ ら の

「 礙

」 を 除 く た め に 阿 弥 陀 仏 が 本 願 と し て 第 十 九 願 を 立 て た の で あ り

、 行 者 は こ の 願 に よ っ て 浄 土 に 往 生 す る こ と が で き る と 説 か れ て い る

。 ま た

、『 無 量 寿 経 釈

』 に は 次 の よ う に 説 か れ て い る

本 願

願 成 就

レ明

ス ト 二但 念 仏

ヲ 一、 上

来 迎

願 等

中 及

三 輩

文 明

二助 念

往 生

、 諸 行

往 生

ヲ 一。 依

テ レ之

往 生

行 者

、 於

二但 念 助 念 諸 行

ニ 一、 懐

テ 二疑 網

ヲ 一未

ダ レ

。 故

テ 二流 通

ニ 一、 初

ニ ハ

二助 念 諸 行

二 門

ヲ 一、 明

ス 二但 念 仏 往 生

ヲ 一。 謂

其 有

レ得

ク コ ト 二彼

名 号

ヲ 一。

{ 云 云

} 善 導

。 其 有

レ得

レ聞

二彼

弥 陀 仏

名 号

ヲ 一、 歓 喜

シ テ

二一 念

ニ 一皆

ニ 三得

二生

ニ 一。

{ 云 云

} 此 ノ 義 亦

ズ 二私

ニ 一、 即

善 導

御 意 也

。此

三 輩

キ 二助 念 及

諸 行

ヲ 一、 後

流 通

、廃

シ テ レ之

ス 二念 仏

ヲ 一。 其

次 第 似

タ リ 二と

ニ 一。 観 経

ニ ハ

、 先

シ テ 二機 縁

ニ 一、 説

テ 二十 三 定 善

、 三 福 九 品

之 業

ヲ 一明

ス 二諸 行 往 生

ヲ 一。 其

仏 以

二此

ヲ 一、 付 属

玉 フ

。仏 告

ハ ク 二阿 難

一、 汝

二是

ヲ 一等

{ 云 云

。 善 導

。 従

二仏 告 阿 難 汝 好 持 是 語

一已 下

、 正

ス 下付

二属 弥 陀

名 号

ヲ 一、 流

中通

ス ル コ ト ヲ

於 遐 代

ニ 上。 上 来 雖

レ説

ク ト

二散 両 門 之 益

ヲ 一、 望

レ バ 二仏

本 願

ニ 一、 意 在

リ 三衆 生

ヲ シ テ

一 向 専

シ ム ル ニ 二弥 陀 仏

ヲ 一。

{ 已 上

} 此

レ此

、 今 経 亦

レ此

。 上

ニ ハ

シ テ 二機 縁

ニ 一、 且

ト モ レ説

ク ト 二助 念 仏 往 生 及

諸 行 往 生 之 旨

ヲ 一、 准

ル 二仏

本 願

ニ 一故

、 至

テ 二于 流 通

ニ 一、 廃

シ テ 二諸 行

ヲ 一帰

ス ル 二但 念 仏

ニ 一也

。 助 行 猶

ス レ之

、 況

但 諸 行

{ 云 云

1 2 2

こ こ で は

、 直 接 第 十 九 願 に 関 す る 説 明 が あ る わ け で は な い が

、 第 十 八 願 で は

「 但 念 仏

」 が 説 か れ て い る の に 対 し

、 第 十 九 願 や

『 無 量 寿 経

』 の 三 輩 の 文 に

「 助 念 往 生

」 や

「 諸 行 往 生

」 が 明 か さ れ て い る こ と に よ っ て

、 行 者 は

「 但 念 仏

」・

「 助 念 仏

」・

「 諸 行

」 と い う こ と に つ い て

「 疑 網

」 を 懐 い て し ま う と し て い る

。 こ の 問 題 を 解 決 す る た め に

『 無 量 寿 経

』 の 流 通 分 に 至 っ て

、は じ め に は 第 十 九 願 や 三 輩 の 文 に 説 か れ た「 助 念 諸 行 の 二 門

」を 廃 し

、「 但

138

念 仏 往 生

」 の み が 明 か さ れ て い る と い う こ と が 説 か れ て い る

。 こ れ は

「 十 七 条

」 で み た よ う な

『 観 経

』 の 次 第 に 似 て お り

、 こ の

『 無 量 寿 経 釈

』 の 説 示 は

、 第 十 九 願 が 本 来

「 助 念 往 生

」 や

「 諸 行 往 生

」 を 明 か す も の で は な い と い う こ と を 示 し て い る と も 理 解 す る こ と が で き る

。 次 に

、『 逆 修 説 法

』 で は 次 の よ う に 説 か れ て い る

来 迎 引 接 願 者 即 此

四 十 八 願 中

第 十 九 願 也 人 師 釈

ス ル ニ レ之 有

リ 二多 義

一先 為

二臨 終 正 念

ノ 一来 迎

ヘ リ

所 謂

疾 苦 逼

テ レ身

ヲ 一将 欲

レ死

ン ト

之 時 必

ナ リ 二境 界 自 体 当 生

三 種

愛 心

一也 而

阿 弥 陀 如 来 放

テ 二大 光 明

ヲ 一現

下 フ 二行 者

ニ 一時 未 曾 有

ナ ル

帰 敬

ニ ハ

シ 二他 念

一而

レ ハ

シ テ 二三 種 愛 心

ヲ 一更

シ レ起

一且

又 仏 近

下 テ 二行 者

ニ 一加 持 護 念

下 フ カ

故 也 称 讃 浄 土 経

ニ ハ

キ 下慈 悲 加 祐

シ テ

シ テ 二心

ヲ 一不

レ乱 既

テ レ命 已

即 得

テ 二往 生

ヲ 一住

ス ト 中不 退 転

ニ 上

阿 弥 陀 経

ニ ハ

ケ リ 下阿 弥 陀 仏 与

二諸

聖 衆

一現

ス 二其 前

ニ 一是

人 終 時 心 不

シ テ 二顛 倒

一即 得

レ往

中生

コ ト ヲ

阿 弥 陀 仏

極 楽 国 土

ニ 上令 心 不 乱

ト ハ 二心 不 顛 倒

一即 令

ル ノ レ住

二正 念

ニ 一之 義 也 然 者 非

二臨 終 正 念

ナ ル カ

来 迎

シ 下 ニ ハ 一々 々

下 カ

臨 終 正 念

ナ リ ト 云

之 義 明 也 在 生 之 間 往 生 行

成 就

セ ン

臨 終

レ得

二聖 衆

来 迎

一得

二来 迎

一時 忽

ナ リ レ住

二正 念

一也 然

今 時

行 者 多

シ テ レ弁

二其

ヲ 一捨

テ 二尋 常

ヲ 一生

シ テ 二怯 弱

ヲ 一遥

シ テ 二臨 終

ヲ 一祈

ル 二

正 念

ヲ 一最

ヒ カ

イ ン ナ リ

也 然 者 能

々 意

二此

ヲ 一於

テ 二尋 常

行 業

ニ 一不

レ起

二怯 弱

ヲ 一於

テ ハ 二臨 終 正 念

ニ 一可

レ成

ス 二決 定

ヲ 一也 此

至 要

ナ リ

カ ン

人 可

シ レ留

レ心

ヲ 一此

二臨 終 正 念

ノ 一来 迎

ス ト

静 慮 院

静 照 法 橋

釈 也( 中 略

)弥 陀 如 来 与

二諸

聖 衆

一共

シ テ 二行 者

ニ 一来 迎 引 接 為

ト シ 三引

二道 路

ヲ 一之 義 誠

事 也 娑 婆 世 界

ニ ハ レ路

ヲ 一

必 具

ス ル 二先 達

ヲ 一事 也 依

テ レ之 御 廟

僧 正

来 迎

ヲ ハ

下 ヘ リ 二現 前 導 生

ト 一1

2 3

こ こ で は

、は じ め に 第 十 九 願 が「 来 迎 引 接 願

」で あ る こ と が 説 か れ

、『 称 讃 浄 土 経

』や

『 阿 弥 陀 経

』 の 説 示 を 基 に

、 臨 終 の 時 に 正 念 で あ る か ら 阿 弥 陀 仏 が 来 迎 す る の で は な く

、 往 生 行 を 成 就 し た 者 は 臨 終 の 時 に 必 ず 聖 衆 の 来 迎 が あ り

、 そ の 来 迎 に よ っ て 忽 ち に 正 念 に 住 す こ と が で き る と い う こ と が 説 か れ て い る

。 そ し て

、 近 時 の 行 者 が そ の こ と を 理 解 せ ず に

、 尋 常 の 行 を 捨 て て 臨 終 の 時 の た め に 正 念 を 求 め る の は 大 変 な

「 僻 胤

」 で あ る と し て い る

。 ま た

、 こ の 正 念 に 住 せ し む る 為 に 来 迎 し て 下 さ る と い う 義 は

、 静 照 法 橋 の 解 釈 を 基 と し て い る こ と が 示 さ れ て い る

1 2 4

。 ま た

、 阿 弥 陀 仏 が 聖 衆 と と も に 行 者 の 前 に 現 れ て

、 極 楽 へ の 路 を 示 し

、 引 接 し て い く こ と か ら

、良 源 は こ の 第 十 九 願 を「 現 前 導 生 願

」1 2 5

と 名 づ け た と い う こ と も 示 さ れ て い る

。 次 に 御 法 語 類 に お い て 第 十 九 願 に つ い て 説 か れ て い る も の と し て

、『 拾 遺 和 語 灯 録

』 に 所 収 さ れ て い る

「 法 性 寺 左 京 大 夫 の 伯 母 な り け る 女 房 に 遣 は す 御 返 事

」 に は

、 わ れ ら 戒 品 の ふ ね い か た も や ふ れ た れ は

、 生 死 の 大 海 お わ た る へ き 縁 も 候 は す

。 智 恵 の ひ か り も く も り て

、 生 死 の や み を て ら し か た け れ は

、 聖 道 の 得 道 に も も れ た る わ れ ら か た め に

、 ほ と こ し 給 他 力 と 申 候 は

、 第 十 九 の ら い か う の 願 に て 候 へ は

、 文 に 見 へ す 候 と も

、 か な ら す ら い か う は あ る へ き に て 候 な り

1 2 6

と あ り

、 こ こ で は

、「 戒 品 の 船

・ 筏

」 が 破 れ て

「 生 死 の 大 海 を わ た る

」 縁 が な く

、「 智 恵 の ひ か り も

」く も っ て

、「 生 死 の 闇 を 照 ら

」す こ と が で き な い よ う な

、聖 道 門 の 得 道 に 漏 れ て し ま う 我 々 で も

、 第 十 九 来 迎 の 願 に よ っ て 必 ず 来 迎 が あ る と い う こ と が 説 か れ て い る

。 ま た

、『 西 方 指 南 抄

』 所 収

「 正 如 房 に つ か は す 御 文

」 に は

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