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師 か ら の 伝 承

本 節 で は

、 三 種 行 儀 に つ い て 説 か れ る

「 十 七 条

」 と

「 十 七 条

」 に つ い て 考 察 す る

。 伝 承 を み る こ と が で き る の は「 十 七 条

」で あ る が

、同 じ 三 種 行 儀 が 説 か れ る「 十 七 条

」 を 含 め て 進 め て い き た い

。 第 一 項 往 生 の 業 成 就

、 臨 終 と 平 生 に つ い て

「 十 七 条 御 法 語

」 第 十 条 一

、 内 容 に つ い て

「 十 七 条

」 に は 次 の よ う に 説 か れ て い る

。 又 云

、 往 生 ノ 業 成 就

、 臨 終 平 生 ニ ワ タ ル ヘ シ

。 本 願 ノ 文 ニ 別 ニ エ ラ ハ サ ル カ ユ ヘ ニ ト 云 リ

。 恵 心 ノ コ コ ロ 平 生 ノ 見 ニ ワ タ ル 也 ト 云 リ

2 7 5

こ こ で は

、 往 生 の 業 成 就 は

、 臨 終

・ 平 生 に 通 じ る こ と が 説 か れ て い る

。 そ の 理 由 と し て

『 無 量 寿 経

』 第 十 八 願 で は

、 臨 終 と 平 生 の 念 仏 が 分 け ら れ て い な い こ と を 指 摘 し て い る

。 そ し て 源 信 も

『 往 生 要 集

』 に お い て 平 生 の 念 仏 が 重 要 で あ る と 述 べ て い る と し て い る

。 二

、 法 然 教 学 と の 比 較 平 生 と 臨 終 の 念 仏 に つ い て

「 三 心 料 簡 お よ び 御 法 語

」 に は

、 於

二平 生 念 仏

ニ 一往 生 不 定

ヘ ハ

、臨 終

念 仏

又 以 不 定 也

。以

二平 生

念 仏

ヲ 一決 定

ヘ ハ

、 臨 終 又 以 決 定 也

{ 云 々

2 7 6

と あ り

、「 十 二 問 答

」 に は

、 問 曰

、 臨 終 の 一 念 は 百 年 の 業 に す く れ た り と 申 す は

、 平 生 の 念 仏 の な か に

、 臨 終 の 一 念 ほ と の 念 仏 を は 申 い た し 候 ま し く 候 や ら ん

。 答

、 三 心 具 足 の 念 仏 は お な し 事 也

。 そ の ゆ へ は

、 観 経 に い は く

、 具 三 心 者 必 生 彼 国 と い へ り

。 ひ つ の 文 字 あ る ゆ へ に 臨 終 の 一 念 と お な し 事 也

2 7 7

と あ る

。 こ れ ら の 御 法 語 に お い て 念 仏 は

、 平 生 と 臨 終 に 通 じ る も の で あ る こ と が 説 か れ て い る

。 ま た

、「 念 仏 往 生 要 義 抄

」 に は

、 問 て い は く

、 最 後 の 念 仏 と 平 生 の 念 仏 と

、 い づ れ か す ぐ れ た る や

。 答 て い は く

、 た ゞ お な じ 事 也

。 そ の ゆ へ は

、 平 生 の 念 仏

、 臨 終 の 念 仏 と て

、 な ん の か は り め か あ ら ん

。 平 生 の 念 仏 の

、 死 ぬ れ ば 臨 終 の 念 仏 と な り

、 臨 終 の 念 仏 の

、 の ぶ れ ば 平 生 の 念 仏 と な る な り

。( 中 略

) 問 て い は く

、 摂 取 の 益 を か う ぶ る 事 は

、平 生 か 臨 終 か

、 い か む

。 答 て い は く

、平 生 の 時 な り

。そ の ゆ へ は

、往 生 の 心 ま 事 に て

、わ が 身 を う た が ふ 事 な く て

、 来 迎 を ま つ 人 は

、 こ れ 三 心 具 足 の 念 仏 申 す 人 な り

。 こ の 三 心 具 足 し ぬ れ ば か な ら ず 極 楽 に う ま る と い ふ 事 は 観 経 の 説 な り

。 か ゝ る 心 ざ し あ る 人 を

、 阿 弥 陀 仏 は 八 万 四 千 の 光 明 を は な ち て て ら し 給 ふ 也

。 平 生 の 時 て ら し は じ め て

、 最 後 ま で す て 給 は ぬ な り

。 か る が ゆ へ に 不 捨 の 誓 約 と 申 候 也

2 7 8

と あ る

。 こ れ に よ れ ば

、 臨 終 の 念 仏 と 平 生 の 念 仏 は 異 な る も の で は な く

、 平 生 の 念 仏 を 称

89

え て い て も そ の と き に 死 を 迎 え れ ば そ れ が 臨 終 の 念 仏 と な り

、臨 終 の 念 仏 を 称 え て い て も

、 そ の と き に 生 き な が ら え た な ら ば そ れ が 平 生 の 念 仏 と な る と い う こ と が 説 か れ て お り

「 十 七 条

」 の

「 臨 終 平 生 ニ ワ タ ル

」 と い う 内 容 に 通 じ る も の で あ る

。 ま た

、 こ の 内 容 は

「 つ ね に 仰 せ ら れ け る 御 詞

」( 以 下

、「 つ ね

」 と す る

) に も

、 又 云

。 往 生 の 業 成 就 は

、 臨 終 平 生 に わ た る べ し

。 本 願 の 文 簡 別 せ ざ る ゆ へ な り

。 恵 心 の 心 も

、 平 生 に わ た る と 見 え た り

2 7 9

と あ り

、こ れ は

、「 十 七 条

」と ほ ぼ 同 文 で あ り

、法 然 は 源 信 の 本 意 が 平 生 重 視 で あ る と し て い た こ と が う か が わ れ る

。 こ の

「 つ ね

」 に つ い て

『 翼 賛

』 に は 次 の よ う に 説 か れ て い る

● 簡 別 ハ エ ラ ヒ ワ カ ツ ナ リ 願 文 ハ 只 一 声 十 声 念 念 ミ ナ 決 定 ノ 業 ニ シ テ 往 生 ノ 果 ヲ 取 ラ シ メ ン ト 云 テ 平 生 ト モ 臨 終 ト モ カ タ ツ ケ テ ハ 説 レ ヌ ト ナ リ

● 観 経 等 ノ 説 臨 終 業 成 ハ 分 明 ナ リ 平 生 業 成 ハ イ マ タ 定 カ ナ ラ ス サ レ ト 要 集 ニ 臨 終 ノ 念 相 ヲ 明 ス ニ モ 平 生 ニ 渉 ル ト 見 エ タ リ

2 8 0

こ こ で は

、 願 文 に は た だ 一 声 十 声 念 念 皆 決 定 の 業 で あ る と あ っ て

、 臨 終 と も 平 生 と も 定 め て は い な い こ と

、『 往 生 要 集

』で は 臨 終 の 念 相 が 明 か さ れ て い る が

、そ れ は 平 生 に 通 じ る も の で あ る と 説 か れ て い る

。 平 生 の 念 仏 と 臨 終 の 念 仏 に つ い て 説 か れ た 法 然 の 御 法 語 は い く つ か あ る が

、「 十 七 条

」 に お い て 注 目 す べ き は

、 源 信 も 平 生 の 念 仏 を 重 視 し て い る と 説 か れ て い る 点 で あ る

。 し か し 実 際 に『 往 生 要 集

』で は

、平 生 の 念 仏 を 重 視 す る べ き と い う 記 述 は み ら れ な い ば か り か

、 大 文 第 六

「 別 時 念 仏

」 に は

「 尋 常 の 別 行

」と

「 臨 終 の 行 儀

」 と が 説 か れ て お り

、「 尋 常 の 別 行

」 で は 別 時 念 仏 が 中 心 に 説 か れ

、 尋 常 の 念 仏 に つ い て は ふ れ て い な い

。 さ ら に

「 臨 終 の 行 儀

」 で は

、 臨 終 行 儀 の 際 の 詳 細 な 作 法 が 説 か れ

、 臨 終 を 迎 え る 人 に 対 し て ど の よ う に 念 仏 を す す め て い く か と い う こ と が 詳 し く 述 べ ら れ て い る

。 ま た

『 往 生 要 集

』 で は

、 問 為

モ シ

ン ハ 下臨 終

ル ニ 二仏 名

ヲ 一能 滅

カ 中八 十 億 劫

衆 罪

上尋 常

行 者

キ ヤ レ然

耶 答 臨 終

心 力

シ テ

能 滅

ス 二無 量 罪

一尋 常

称 名

レ応

レ如

ナ ル レ彼

ノ 2 8 1

と い う 一 節 や

、「 臨 終

一 念

百 年

2 8 2

と い う 一 節 か ら う か が わ れ る よ う に

、 源 信 は 尋 常 の 念 仏 と 比 べ て 臨 終 の 念 仏 を 重 視 し て い る

。 し か し そ の 一 方 で

、『 往 生 要 集

』 に

、 但 欲

ル 下今 生

日 夜 相 続

シ テ

弥 陀 仏

一専

二誦

弥 陀 経

一称

揚 礼

三讃

シ テ

浄 土

聖 衆 荘 厳

一願

ン ト 上 レ

生 者

テ レ入

ル ト キ ヲ 二三 昧 道 場

一日 別

コ ト 二弥 陀 仏

一一 万 畢

マ テ レ命 相 続

セ ハ

者 即 蒙

テ 二

弥 陀

加 念

一得

ン レ除

罪 障

一又 蒙

下仏

二聖 衆

一常 来

護 念

シ 玉 ヲ 上既 蒙

ハ 二

護 念

一2 8 3

と あ り

、 同 じ く

『 往 生 要 集

』 に

大 文 第 八

念 仏

証 拠

者( 中 略

)今 勧

ル ハ 二念 仏

ヲ 一非

ス 三是 遮

ル ニ 二余

種 種

妙 行

ヲ 一只 是 男 女 貴 賤 不

レ簡

ハ 二行 住 坐 臥

ヲ 一不

シ テ レ論

セ 二

時 処 諸 縁

ヲ 一修

ル ニ レ之 不

レ難

カ ラ

乃 至 臨 終

ス ル ニ

往 生

ヲ 一得

ル コ ト 二

便 宜

ヲ 一不

レ如

カ 二念 仏

ニ 一2 8 4

と あ り

、 ま た

『 阿 弥 陀 経 略 記

』 に

、 問

。 一 七 日 等

。 為

二是 尋 常

一。 為

二臨 終

一耶 答

。 由

二尋 常 所 行

一。 得

二臨 終 正 念

一也

。 然 義 記 云

。 心 不

二転 倒

一。 即 得

二往 生

一。 何 以 故

。 臨 終 一 念

。 用 心 懇 切

。 即 当

レ得

レ去

。 此 釈

二臨 終 正 念 之 用

一。 非

レ言

三七 日 必 近

二臨 終

一2 8 5

90

と あ る よ う に

、 尋 常 の 別 時 に つ い て は

、 一 生 涯 相 続 す る こ と

、 尋 常 の 行 が 臨 終 の 正 念 に つ な が る と も 説 い て い る

。 で は

、「 十 七 条

」 で 法 然 が

、「 恵 心 ノ コ コ ロ 平 生 ノ 見 ニ ワ タ ル 也 ト 云 リ

」 と し て い る こ と は ど の よ う に と ら え る べ き で あ ろ う か

。 法 然 は

、 源 信 の 説 示 と 善 導 の 説 示 を 示 し て

、 源 信 の 真 意 を 探 れ ば 善 導 と 合 致 す る と 示 し て い る

。し た が っ て

、「 十 七 条

」は 法 然 に よ る 源 信 像 が 含 ま れ た 説 示 で あ る と 考 え ら れ る

2 8 6

。 法 然 に よ る 源 信 の 説 示 の 引 用 態 度 は 本 章 第 二 節 で 整 理 し た と お り で あ る

。 福 原 隆 善 氏 の 研 究 に よ れ ば

、 法 然 は 源 信 を 肯 定 的 に と ら え る 傾 向 が あ る こ と が 指 摘 さ れ

、 筆 者 は そ の う え で

、 法 然 が 源 信 の 説 示 を 引 用 す る 理 由 は

、 他 宗

、 と く に 天 台 宗 へ の 説 得 力 を 増 す た め で あ る と 考 え た

。 次 項 の

「 十 七 条

」 で も 源 信 の 説 示 が 引 用 さ れ る た め

、 そ の 際 に 再 考 し た い

。 三

、 伝 承 法 語 の 特 徴

― 法 然 門 下 の 思 想 と の 比 較

「 十 七 条

」 の よ う に

、 臨 終 の 念 仏 と 平 生 の 念 仏 が 通 じ る も の で あ る と い う 内 容 は

、 門 下 を 通 し て 多 く み ら れ る が

、 こ こ で と く に 注 目 す べ き は

『 授 手 印

』 に 説 か れ る 次 の 説 示 で あ る

一 正 行

事 心

ニ ハ

シ テ 二

三 心

ヲ 一口

ニ ハ

ス ル 二南 無 阿 弥 陀 仏

ト 一也 此

テ 二此

ヲ 一

ス 二第 一 之 行

ト 一善 導

御 意

テ 二釈 迦 弥 陀 之 御 意

ヲ 一於

テ 二種 種

往 生

行 之 中

ニ 一以

テ 二此

口 称

之 一 行

ヲ 一為

シ 玉 ヘ リ 二殊 勝 第 一 之 行

ト 一文

一 心

シ 二弥 陀

名 号

ヲ 一行 住 坐 臥

ス レ問

ハ 二時 節

久 近

ヲ 一念 念

ル レ捨

者 是

ク 二正 定

之 業

ト 一順

ス ル カ 二彼

ニ 一

{ 文

} 上 人

二得

ヲ 一之 後

テ テ 二年 来 所 修

之 雑 行

ヲ 一成

ル ナ リ 二一 向 専 修 之 身

ト 二

テ 二此

ニ 一有

リ 二種 種

之 義

一一

ニ ハ

者 観 経

三 心 之 中

深 心 是

( 中 略

) 四

ニ ハ

者 三 種

行 儀

モ レ通

ス ト 二何

レ ノ

行 儀

ニ モ 一只 是

尋 常 行 儀

之 意

2 8 7

『 授 手 印

』 に つ い て 林 田 康 順 氏 は

、 全 体 が

「 宗 義

」 と

「 行 相

」 に 分 け ら れ て い る こ と を 指 摘 し

、 そ の な か で

、 こ の 三 種 行 儀 は

『 授 手 印

』 に お い て 新 た に 創 設 さ れ た

「 行 相

」 で あ る が

、「 三 種 の 行 儀 の な か に 何 れ の 行 儀 に も 通 ず と 雖 も

、 只

、 是 れ 尋 常 行 儀 の 意 な り

」 と

、 別 時 行 儀 や 臨 終 行 儀 を 視 野 に 入 れ つ つ も

、 尋 常 行 儀 を 中 心 に 据 え た 聖 光 の 姿 勢 は

、 法 然 が

「 禅 勝 房 伝 説 の 詞

」に お い て「 現 世 を す ぐ べ き 様 は

、念 仏 の 申 さ れ ん 様 に す ぐ べ し

」2 8 8

と 述 べ ら れ た 日 々 の 念 仏 生 活 の 基 本 姿 勢 と 何 ら 異 な る こ と は な い と し て い る

。 ま た

、 聖 光 は 法 然 が 種 々 の 御 法 語 を 通 じ て 先 に 示 し た よ う な 三 種 行 儀 の と ら え 方

、す な わ ち

、尋 常 行 儀

・ 別 時 行 儀・ 臨 終 行 儀 の 一 々 の 位 置 づ け と そ の 関 係 性 を ふ ま え た う え で

『 授 手 印

』に お い て

、 三 心

・ 五 念 門

・ 四 修 と 並 列 し て

、三 種 行 儀 を も

「 行 相

」の 内 に 掲 げ

、「 三 種 行 儀 も 南 無 阿 弥 陀 仏

」 と 規 定 さ れ た と す る

。 念 仏 一 行 の 実 践 に 励 む 願 往 生 人 に と っ て

、 別 時 行 儀 の 実 践 は 尋 常 行 儀 の 策 励 で あ り

、 同 時 に そ れ は 尋 常 行 儀 の 実 践 に 他 な ら ず

、 あ る い は

、 臨 終 行 儀 の 実 践 は 臨 命 終 に あ た っ て の 行 儀 で あ り な が ら

、 そ れ は 尋 常 行 儀 の 延 長 に 他 な ら な い と い う 意 趣 で あ る と し て い る

2 8 9

。 次 に

、 門 下 の 説 示 の な か で と く に 臨 終 行 に 関 す る 源 信 の 説 示 に つ い て ふ れ て い る も の に 注 目 し た い

。 は じ め に

、 聖 光 は

『 西 宗 要

』 に お い て

、 難

シ テ

云 別 時

者 一 日 七 日 十 日 乃 至 九 十 日

尋 常

者 発 心 已 後 畢 命

ス ル レ期

也 若 爾

或 尽 一 生

者 只 可

二尋 常

念 仏

ナ ル 一若 夫

別 時

ス ト

ハ ヽ

者 尋 常

混 乱

ス ヘ シ

答 恵 心 先 徳

尋 常

別 時

一 生

ヘ リ

一 生

中 時

二 時 三 時 毎 日 用

ト 二別 時

ヲ 一

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