=
Volume ratio of binder % 図1‑9 混練トルクとバインダー体積比および執成の関係(耗Al)
1. 3. 3 射出成形工程
ペレット材の流動性は射出成形性にとって重要な要素である.前項により作成した
各条件のペレットを用いて射出成形を行った. 50mg精度の上皿電子天秤により引張 試験片のグリーン体の質量を測定した.その結果を表1‑6に示す.また,表1‑3で
示したグリーン体の体積で個々のグリーン体の質量を徐し,グリーン体の密度を求め た.さらに,使用したバインダーの密度と粉末密度から,それぞれのバインダー体積
比および組成比条件における計算上のペレット密度を示す.成形できなかったバイン ダー条件はバインダー体積比 粉末:バインダー=61:39,バインダー組成AP:PP:
WAX‑6:4:2である・これを除くほかの条件では, 1.2×1012kg前後の質量のグリ ーン体を得ることができた・密度の結果にばらつきはあるが, 200Okdm3前後であり, ペレットの理論密度とほぼ一致している.なお,ペレットの計算密度のほうがグリー
ン体密度より低い傾向にあるが,これは混練時のバインダーの流出や混練時および射 出成形時の熟によるバインダーの分解がわずかに生じていることが原因と考えられる.
また,成形可能であったすぺての成形体において,ショート現象や外観欠陥もなく,
ばりなどの発生も少なく,良好な成形が行われたと考えられる.さて,成形できなか った条件は,前述の混練トルク借が比較的高い条件である.しかし,最も高いトルク
‑ 29 ‑
値を示したバインダー体積比 粉末:バインダー‑61:39,バインダー組成AP:PP:
WAX‑6:2::4のペレットによる成形は可能であった.このように混練トルクと成形性 の結果が完全には一致していないが,バインダー体積比に関しては40%が限界のよ うである.また,バインダー組成に関してはWAXの流動性を含めた滑性や可塑性の 役割により, PPよりもWAXのほうが成形性に寄与したと考えられる.
射出成形速度や圧力による相違は質量の測定結果や外観検査からは認められず,本 実験内の射出速度および圧力で一部を除き十分な成形が可能であった.なお,威形で
きなかったバインダー条件において,射出成形条件をさらに変化させたが成形はでき なかった.このことから,射出成形工程では射出成形条件よりも,バインダー体積比 や組成比が成形性における重要な因子であるといえる.また,樹脂温度や金型温度は 流動性を向上させる効果があるが,予備実験において樹脂温度を180℃と高くしたと ころ,バインダーの分解が進むために,かえってバインダー体積比を低下させること になり,結果的に流動性に欠け成形が不可能となった.また,金型温度を50℃と高
くしたところ,十分な冷却がなされないために保形性および離塑性が悪くなり,取り 出し時にグリーン体が変形した.このように,射出成形工程では流動性のある混練材
料を得ることが重要であり,射出圧力や速度の射出条件はグリーン体寸法をさらに向 上させる最終的な調整因子として有効になると考えられる.
以上の検討から,ペレット材が十分な流動性を持つならば,いずれの射出成形条件 でも相違のないグリーン体を得ることができることが明らかとなった.
1. 3. 4 脱府工程
いずれの条件においてもふくれ,割れ等の外観上の欠陥の発生はなかったが,昇温 速度7℃Alの条件では,三次元形状のサンプルにおいて大きな変形が生じた.バイ
ンダーの分解速度が速いことによる形くずれと思われる.三次元形状部品の成形が可 能なことは射出成形のメリットであり,変形・形くずれは重大な問題であることから, 脱脂昇温速度にも限界があると考えられる.また,脱脂体の質量測定を行い,得られ た脱脂率を平均値で表1‑7に示す.脱脂率は,グリーン体質量から脱脂後のグレイ 体質量を減算した質量(脱脂減量)に対する各成形条件下で成形されたグリーン体に
→ 聖3:‑
表1‑6 バインダーと射出成形圧力および速度の関係(純Al)
Volume ratioof binder
%
Ⅰnjectionmolding Bindercomposition(AP:PP:WAX)
∩ Hu
sxToe95i
iPressurem3/siMPa
6:2:4 6:3:3 ー6:4:2
Green‑
rnaSS
×ー0‑2kg
至Green‑
H
Edensity
‖
rkg巾13
Pe皿et‑
density
kdm3
Green‑
rnaSS
×川‑2kg
iGreen‑ーpelleト
Fdensityldensity
!kg/m3貞kdm3
Ien‑.Green‑
mass㌻density
2kgkg/m3
ipellet‑
≡density
H∃kg血3
39
21120 n
H 1.210
.2040
29 川
‡29
Ll壬j2001
1.215 2050 2004u
E2002 I
*
37 44 1.200 1
】
∃*
40
21 29 1.220 2050
1990
‖‖ HFー
n
i1.2302070
29 1993
i
44 1.210 2040 1.230 2070
37 20 u 1.220 2050
】J
ii1.220:2050
41
21 44
1979
1.200 1.220.2050
29 1983
H
巨20
1.225 206037≡29u 1.230
ヲ2070 1.210
Hl
.2040
* : Greenbodycouldn'tbemolded.
含まれるバインダーの計算上の質量の比で算出している.国1‑10に脱脂率とバイン ダー体積比および組成の関係を示す.バインダー体積比の脱脂率に及ぼす明確な影響
は認められない.また,バインダー組成については, AP:PP:WAX=6:2:4と6:4:2を 比較すると, PPは脱脂性を考慮して選択したバインダーであるが,結果はWAXの
ほうがPPよりも脱脂性がよいようである.しかし, AP:PP:WAX=6:3:3の組成が最 も高い脱脂率を示している.このような結果となった理由は明らかではないが,これ
らのバインダー組成比での混合状態におけるバインダー間の相互作用が脱脂率に影響 を及ぼしていると考えられる.図ト11に脱脂率と脱脂昇温速度の関係を示す.脱胎 率は脱脂速度の上昇に伴い,わずかに低下する傾向を示すが,いずれの条件において
も脱脂率は一般に必要とされている80%以上の値を得ることができた.脱脂工程では, 前述したようにグレイ体の形くずれを起こさず,しかも焼結の際に残留バインダーが 欠陥を引き起こさない程度の高い脱脂率を求められるが,さらに脱脂時間の短縮を図 ることを求めるならば,脱脂昇温速度は5℃Alが妥当である.
表1‑7 脱脂速度と脱勝率の関係(鈍Al)
Temp.nslngSpeed Vo1umeratio Binder Debindingrate
indebindingoCA1 ofbinder% composition %
3
39 a
C
86.48
40 b
b
90.95 91.51
41 a
C
88.24 87.08
5
39 a
b
89.66 87.55
40 C
C
85.28 88.23
41 a
b
84.08 86.25
7
39 b
C
88.85
40 a
a
88.07 88.75
41 b
C
88.99 85.32
Bindercomposition a, 6:2:4 b, 6:3:3 c, 6:4:2 (AP:PP:WAX)
‑ 32 ‑
/一一CL‑㌔
Binder composi也on (AP:PP:WAX)
● 6:2:4 0 6:3:3
◇6:4:2
、■ー i=::ヨ
令‑I‑‑‑‑一‑‑‑I‑‑◇
39 40
Volume ratio of binder %
41
図1‑10 脱勝率とバインダー体積比および親戚の関係(鈍Al)
*
4)