• 検索結果がありません。

3. 3. 1. 2 疲労過程

レプリカ法によりき裂発生および微小き裂成長挙動の観察を行った.鋳造材につい て得られた結果を国314に示す.後述するように,いずれの場合も疲労き裂は鋳造 欠陥から発生した.しかし,き裂発生は疲労寿命の90%を超えており,発生すると 急速に成長して破壊に至った.すなわち.本研究で用いたTiAlの疲労寿命はき裂発 生までの寿命で占められている.したがって,国3‑3の鋳造材と均質化処理材の疲 労強度の相違は,両組織の疲労き裂発生抵抗の相違に帰することになる.

両材料の疲労試験に用いたすぺての試験片の破面近傍を詳細に観察したが,すべり は認められなかった.代わりに,図3‑5に示すようなγ相の割れが観察された.こ の例は鋳造材に対するものである.鋳造材でも少量のγ相が存在する.この観察結果 から,木材料では巨視的にも,また微視的にも塑性変形は起き難く,疲労繰返しのあ

る時点で鋳造欠陥,またはγ相の粒内へき開割れによってき裂発生がもたらされると 考えられる.

3. 3. 1. 3 破両様相

上記のレプリカ法により確認できた鋳造材の疲労破面を図3‑6に示す.この試験 片の場合,疲労き裂は図3‑6(a)に示すような鋳造欠陥から発生したと考えられる・

疲労破壊領域(図3‑6(切)は筋状の平坦なぜい性的な破面となっている.この筋状 の模様は試験片軸方向に配列しているラメラ層を横切ってき裂が成長したことによっ て残された痕跡である.図3‑6(c)に急速破壊領域の破面を示す.疲労破壊部分と同 様にラメラ層を横切った筋状模様でぜい性的な様相を呈しているが,疲労破壊領域よ

りもやや凹凸が激しいようである.均質化処理材では疲労破壊領域が明瞭に確認でき なかった.このことは急速破壊領域と疲労破壊領域の破面様相に顕著な相違がなかっ

たことを示唆している.鋳造材と異なる点は図3‑7に示すようなγ相の粒内へき開

破壊が随所に観察されたことである.したがって,均質化処理材では,このようなγ 相のへき開破壊が疲労き裂発生挙動や進展挙動に重要な役割を演じていると考えられ

る.

‑ 73

‑i1.筆書短⊥

国3‑6 年造材の疲労破面

((a)き裂発生点近傍, 0)疲労破壊領域, (c)急速破壊顧域)

‥ hE!

国3‑7 均質化処理材の破面

3. 3. 2 疲労き裂進展特性

3. 3. 2. 1 き裂進展挙動の軌J&依存性

インゴットを輪切りにスライスした円盤状の板から切り出された試験片の場合,鋳 造材および均質化処理材とも疲労き裂は特異な進展挙動を示した.図3‑8に鋳造材

の場合の例を示す.図3一拍)に示すようにき裂は顕著な経路の偏向を示した.経路 と組織との関係を国3‑8O))に示す.図から明らかなように疲労き裂はラメラ層に沿 って進展している.こうしたラメラ層に沿う進展は,上述のように採取された試験片 で例外なく観察された.すなわち,ラメラ層に沿う方向,すなわちラメラ眉間のき裂 進展抵抗はきわめて低いことが理解できる.図3‑8(c)に破面の一例を示す.破面様 相はラメラ眉間の粒内へき開破壊が支配的である.

‑ 75

I

tlll

Cmck propagation direction

>

固318 ラメラ屑に沿うき裂進展挙動(韓造材)

((8)き裂進展経路の偏向, O))き裂連絡と親裁の関係, (c)破両種相)

一 76

上記の実験結果から,ラメラ層に垂直にき裂を進展させるように試験片を採取すれ ばき裂の偏向を生じることなく実験が可能であり,またその方向がラメラ組織に対し ては最大のき裂進展抵抗を示すことが考えられるので,インゴットを高さ方向にスラ

イスした板から試験片を採取し,実験を行った.すなわち,荷重方向がラメラ層に平 行になるように, CT試験片のノッチを入れている.予想どおり,き裂は荷重軸に対

して垂直に進展した.得られた結果をき裂進展速度由屈Ⅳと応力拡大係数範囲A Kの 関係として図3‑9に示す.鋳造材および均質化処理材ともに,由必Ⅳ」A K関係の 勾配は一般の金属材料よりもかなり大きい(1S5)I (lS9)・ (192).図から明らかなよう に,鋳造材の由必Ⅳは均質化処理材よりも低く,下限界値は高くなる傾向にある.

̲4)