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4. 3. 2. 2 き裂進展における叙織の役割

図417における1400℃焼結材の2本の試験片の結果(○印および◇印)を比較す ると, ○印の試験片は射出成形材のなかで最も高いき裂進展抵抗を示すのに対して,

◇印の試験片は均質化処理材と同程度である.これらの組織写真を図ノ4‑10に示す.

両材は同一の条件下で成形されたにもかかわらず組織がやや異なっており, ◇印の試 験片の組織は均質化処理材とほぼ同様であるが, ○印はこれに比べてラメラ粒のコロ ニー寸法がやや小さく,その面積率は大きい.このように組織が異なった原因につい

ては明らかではない.一方,図中に示すように,両試験片の密度は同一である.これ らの結果は,疲労強度と同様に,射出成形材のき裂進展挙動に組織の影響が存在する ことを示唆している.

また, 1350℃焼結材は最もき裂進展抵抗が低い.図4‑10の写真から明らかなよう

に,この材料のラメラ組織の面積率は, 1400℃焼結材や均質化処理材に比べて小さ い.鋳造材の結果において,̲5メラ組織(鋳造のまま)のほうがラメラ組織とγ等軸

粒の混合組織(均質化処理)よりも高いき裂進展抵抗を示した(図4‑7) (198)I (199).これらのことから, 1350℃焼結材の低いき裂進展抵抗にも,こうした組織の

相違が関与していると考えられる.

‑ 103

国4‑10 CT試換片の軌点およびSEMによる破両様粕

一104 ‑

4. 3. 2. 3 弾性係数で基準化したき裂進展挙動

図4‑7から明らかなように,密度の小さい射出成形材の疲労き裂進展抵抗は鋳造 材よりも低い.また,射出成形材においては,最も密度が小さい1350℃焼結材のき 裂進展抵抗が最も低い.したがって,密度,すなわちポアの体積含有率も疲労き裂進 展の支配因子と考えられる.焼結材料では,密度は弾性係数Eと相関があることが

知られている(149).そこで,それぞれの試験片について, A K.t[をEで除してき 裂進展挙動を整理した.その結果を図4112に示す.ここで,各試験片のEを求める

ために,セラミックスで報告されている次式を用いた(199)

E‑Eoep (‑血P) (1)

ここで, Pは気孔率, Eoは気孔を含まない場合の弾性係数,およびbは定数である.

気孔率は(1一相対密度) , Eoは鋳造材の弾性係数(‑169GPa)とした.また, b を決定するために,引張試験により得られたEとpの関係を最小二乗法により近似し

た.その結果を図4‑11に示す.これによりb=1.43を得た.図4‑12から明らかなよ

うに, 1350℃焼結材と均質化処理材の結果はほぼ一致するが, 1400℃焼結材の結果 はこれらよりも右方に位置する.また,鋳造材の結果は,さらにその右方に位置して

いる.したがって,単にポアの存在が弾性係数に反映されるとした整理では,射出成 形材間,および射出成形材と鋳造材の間のき裂進展挙動の相違を説明できない.すな わち,詳細な機構は不明であるが,一般の粉末焼結材料において知られているように, 射出成形材においてもポアの存在がき裂進展を加速していると考えられる(150)‑(152)I

(1!I7)

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