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2.6 実験

2.6.3 速度信号の改善

31 2.6.実験

Table2.4:Gain5andparametersofthereferencemodel.

Parameter Symbol Vallユe

Feedbackgain(mechanicalsubsystem)

亀m 1.0

Feedbackgain(electricalsusbystem)

̲打de 5.0

Coilinductanceconstant Cl 10て5×10 5

[Ⅱm]

Gapconstant C2 2.00×10▼3

Coilresistance 月1 4.5

†り〕

Ballmass 63.7×10 3

[Kg]

Gravityconstant g 9.80665

[m/sec2]

2つ目と3つ目の特性はゲインを大きく設定できないことに起因すると考えられる.近似 微分器のカットオフ周波数を高くすると,ゲインをより高く設定できることを考慮すると, ゲインを大きく設定できない理由は,ゲインを大きくしたときに機械系の固有振動数が挿 入された近似微分器の折点よりも高周波側に移動し,速度信号の位相が遅れるためである と考えられる.ゲインを大きく設定できるようにカットオフ周波数を高く設定すると,速 度信号に現われる量子化誤差が十分に減衰できなくなることと,上述の結果を考慮すると, 速度信号を生成するために近似微分器を用いるよりも,後退差分を用いたほうが有利であ

るといえる.

[且已○雲岩d

0.0 2.0 4.O

Tlme[sec]

(a)Positiontr8jectoけ.

6.0

【00∽\且倉001むA

0.04 0.02 0.00

‑0.02

‑0.04 0.0 2.0 4.0 6.O

Time[sec】

(b)VelocitytraJeCtOry.

Figure2・8:Experimentalresultwithapproximatedderivationofcut‑0fffreq.at50[Hz].

【己】旨≡岩丸

12・㌔

0 2.0 4.O

T血e[sec]

(a)Positiontr如ectory.

6.0

【UUの\百]倉U〇一U>

0.04 0.02

0.00

‑0.02

‑0.04

0.0 2.0 4.0 (5.O

Time【sec】

(b)Velocitytrq)eCtOry.

Figure2・9=Experimentalresultwithapproximatedderivationofcut‑0fffreq・atlOO[Hzユ,

【且】○ヒリ告三SOd

5.0

0.0

‑5.0

‑10.0

‑15・%

0 2.0 4.0 6.O

Time[sec]

(a)Cuト0ぼ丘equency50[Hz].

[且hOヒリ口○州)叫岩d

5.0

0.0

‑5.0

‑10.0

‑15・%

x10

0 2.0 4.0 6.O

Time[sec]

(b)Cut‑Off丘equencylOO[Hz].

Figure2・10=Experimentalresultwithapproximatedderivation(positionerror),

2.7 まとめ

本章では剛体球磁気浮上系に対して,受動性にもとづくコントローラの導出を行った.

本章では磁気浮上系の支配方程式を一般化座標ベクトルと慣性行列,粘性行列を用いて表 し,慣性行列が正定対称性とカー2Cのひずみ対称性が剛体球磁気浮上系でも成り立つこ とを示した.さらに剛体球磁気浮上系が電磁石の印加電圧を入力とし,電磁石を流れる電

流を出力とする受動系であることを示した.これらの結果をもとに閉ループ系が受動系に なるようなコントローラを設計した.コントローラ設計では追従制御を考え,閉ループ系 のストレージ関数を構築するためにポテンシャルエネルギの整形とダンピングの挿入,お

33 2・7・まとめ

よび運動エネルギの整形を行った.得られたコントローラはプラントダイナミクスにもと

づくフィードフォワード部分と剛体球の位置,速度および電流のフィードバック部分から 構成される.また,得られたコントローラが与えられた目標軌道に漸近追従することを示

した.さらに,数値シミュレーションと実験を行った結果,非常に良い追従特性を得るこ とができ,その有効性を確認した.

剛体球磁気浮上系に対する電気系と機械系 を分離した制御

3.1 はじめに

第2章では系の全エネルギを整形して,閉ループ系が劣駆動系とならないようなコント ローラを設計した・一方,電磁石を流れる電流が目標電流に収束すると,剛体球の位置軌

道も目標軌道に収束するようなコントローラを設計するという考え方もある.これは,電 磁石を独立したアクチュエータと見なし,このアクチュエータに対して剛体球に目標とな

る運動を行わせるための力を発生させることで剛体球の運動を制御しようとする立場であ る・この場合,電磁石と剛体球に対してそれぞれ独立に安定なコントローラを設計するこ とで系全体を安定化できると期待できる.ただし,このようなコントローラを設計するた めには電磁石と剛体球のダイナミクスが独立した系でなければならない.

このような考えをもとに,本章では剛体球磁気浮上系を電気系サブシステムと機械系サ ブシステムに分割し,それぞれのサブシステムに対して独立にコントローラを設計する.こ のために,まず剛体球磁気浮上系の支配方程式を磁束を用いて記述し,電気系サブシステ

ムと機械系サブシステムのそれぞれについて受動性を解析し,それぞれのサブシステムに 対して独立にコントローラ設計ができることを示す.得られた結果をもとに,それぞれの

サブシステムに対して安定化を実現するコントローラを設計する.本章で得られるコント ローラは電気系サブシステムに対しては何らフィードバックを必要とせず,機械系サブシス テムに対しては剛体球の位置と速度のフィードバックからなるコントローラとなる.また, 数値シミュレーションと実験を行い,本章で得られたコントローラの有効性を検証する.

34

35 3.2.支配方程式の書き換えとサブシステムヘの分割