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教授  松 江 克 彦

な危険を回避できます。できれば指定のテキストでの確認が一番良いのです が……。是非実行してみてください。

◆ 3  課題の問いに対して自己の経験を重視する学生へ 

 通信教育の学生が社会で働いていて経験が豊かであったり,マスメディア の報道に対する関心の高い人が多いことは,レポート作成で自らの経験や見 聞からのエピソードや意見の記述が豊富であることからわかります。それは 生きた知識を身につけるうえで大切な要素だと思います。ただ,そのような 経験を重視するあまり,独断に陥ったり,自らの意見の信憑性を正確に位置 づける努力が希薄な例もしばしば見受けられます。

 そのような場合,通信で得た知識と自らの考えを充分擦り合わせる思考作 業を行うことは,より深い生きた知識や思考法を身につけるうえでとても重 要なことです。また社会的経験や意見が豊富であることは,高校から大学と 進学してきた学生たちより有利な点でもあると思うので,是非そのような作 業をすることで実りある学習態度を確立するようにしてください。

◆ 4  レポートの書式について 

 レポートに書かれている内容は素晴らしいのに,レポート作成上の書式に あまり気を使わないため損をしている人も多いと思います。たとえば,段落 の取り方,適切な句読点の付け方などは,素晴らしい内容を他の人に正確に 伝えるうえで必要なことです。是非意識的にそれらを考慮して作成するよう にしましょう。

 また,参考図書や引用文献などは,レポートの末尾に記述するようにして ください(指定のテキストも含めて)。その場合,それらの図書や文献に番 号を付けて,文中の引用した箇所にその番号を付けるようにすると一層わか りやすく,メリハリのあるレポートになるでしょう。これも是非実行してく ださい。

序章  ようこそ学びの世界へ

◆ 5  試験の時には学習内容を忘れてはいませんか? 

 これはかなりの学生に言えることです。特に課題の理解や構成の優れたレ ポートを提出した学生が,試験のときに同じような課題にうまく答えること ができないことに出くわしたときには,少なからずがっかりします。忘れる ことはよくあることですが,だからといって,受験のように試験のときまで は忘れないようにしよう,と努力している様子を想像するのも何か痛々しい 感じがします。

 問題は,活用されない知識は忘れやすいということです。そこで,学習し た知識や自らの意見を持って,周囲で起こる出来事や,新聞その他のメディ アの報道などに意識的に関心を持つようにし,それらについて自分はどのよ うに考えるかという習慣を身につけることが大切です。知識は考えるための 基礎的なものであり,知識自体は同じでも,それを活用することによってそ の人独自の考え方や視点を確立していくことになるのです。だから,忘れな いようにするのではなく,活用することで身に付けて欲しいものです。試験 はその結果と考えるようにしてください。

◆ 6  さ い ご に 

 前置きで,通信教育の学生諸君は頑張っている,と書きながら,注意事項 の張り紙みたいな内容になってしまったのではと,ちょっと心配になりまし た。そこで,前置きに戻って自分の感想を読み直してみたところ,レポート でお目にかかっている諸君の健闘ぶりがまた蘇ってきたところなので,「そ れでもやっぱり,諸君は頑張っている!」と声を大にして言いたいと思いま す。頑張ってください。