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第 3 章 磁場を 用いたナビゲーショ ン 法 25

3.4 走行実験

3.4 走行実験

3.4.2 走行実験

本実験では, 実装し た磁気ナビゲーショ ン 法を 用いて , Fig. 3.7に示す経路を 連続で周回 走行さ せた. Fig. 3.9には, 周回走行し た際の4周分の走行軌跡を 示す. すべて の周回にお いて 同様の経路を 走行し , 安定し た自律走行が行える こ と が確認でき た. ま た自律走行中の 経路から 横方向のずれは, 目測ではある が約1 m以内であっ た. 道路幅4 mの本実験環境 において は, 十分な 位置精度で走行する こ と が可能であっ た.

Fig. 3.9: Trajectory by the magnetic navigation method [40]

位置修正(走行距離修正)の性能評価のために, Fig. 3.7に示すAから E地点において 修 正がう ま く 行われたか, ま た修正が行われた際には修正前の走行距離を 記録し , どの程度の 修正が可能である かを 検証し た. Table 3.1には, Aから E地点における 各周回での走行距 離修正の結果を ま と めた結果を 示す. 位置修正に失敗し た地点には「 × 」 を 記し て いる . 表 よ り , ま れに位置修正に失敗する も のの, 最大誤差1.7 mの走行距離修正が行え て いる こ と が確認でき る . ま た, 100 mに 1, 2ヶ 所の目印と な る 磁場の乱れが存在すれば, 磁気ナビ ゲーショ ン 法によ る 自律走行が可能である こ と も わかっ た.

Fig. 3.10には, 本実験で用いた磁場地図を グラ フ 化し た一部を 示す. こ れは, Fig. 3.7に 示すスタ ート 地点から αま でのも のである . A地点には特徴的な磁場の乱れが見ら れ, こ れ を 用いて 走行距離の修正を 行う こ と ができ た. ま た, こ の地点周辺の磁場方位は, 場所によ る 変化が大き かっ ため, 姿勢修正に利用する 重みwθを 他よ り 小さ く 設定し た. さ ら に, 付 加情報である sと wの各軸成分の積は, 横方向の誤差修正を 行う ための指標と な る . こ の 値が非零の地点では, 走行経路に対する 横方向の誤差修正が行われた.

3.4 走行実験

Table 3.1: Localization result in the navigation experiment Position A [m] B [m] C [m] D [m] E [m]

Magnetic field map 23.2 94.2 220.3 346.8 389.1

1st Run 23.3 94.9 221.2 347.8 ×

2nd Run 22.1 93.4 × 347.9 389.3

3th Run 21.5 93.8 221.1 347.4 389.6

4th Run 21.7 93.8 × 346.6 389.3

Max error 1.7 0.8 0.9 1.1 0.5

Fig. 3.10: Example of the magnetic map [40]

3.4 走行実験

3.4.3 考察

Table 3.1よ り , C, E地点では磁場の変動を 目印と し た走行距離修正に失敗する ケースが あっ た. Fig. 3.8から わかる よ う に, こ の地点の磁場の乱れは, A地点など と 比べる と わず かに小さ なも のである . そのため, 走行経路から 逸れる と , 磁場の乱れを 観測する こ と がで き ず, 距離修正に失敗し たと 考え ら れる . し かし , 他の地点で磁場の乱れが観測さ れた際に は距離修正を 行う こ と ができ , 結果と し て 周回走行を 達成でき た. こ のこ と から , 磁気ナビ ゲーショ ン 法によ る 自律走行では, 常に高い精度の位置推定を 必要と し ないと いう こ と がい え る . こ れは, 磁場地図を 利用し た姿勢修正の利点である . 磁場地図には走行経路周辺の磁 場の性質が記さ れて いる ため, 常に環境磁場を 有効利用し て 姿勢修正を 行う こ と ができ る . こ のため, 多少位置推定に失敗し たと し ても , こ れが直結し て 即座に自律走行に失敗する こ と はない. こ のこ と は, カメ ラ やLIDARを 用いた幾何ラ ン ド マ ーク ベースのナビゲーショ ン 法と 比べ, 磁気ナビゲーショ ン 法の大き な 利点である と いえ る .

ま た, 磁気ナビゲーショ ン 法は, 幾何ラ ン ド マ ーク を 用いた位置推定法と 比較する と , そ も そも 自己位置推定に利用する 情報が異なる ため, こ れら の手法によ り 走行でき ない区間で の走行も 行う こ と ができ る . 幾何ラ ン ド マーク を 用いて 位置推定を 行う 場合, 基本的にはオ ド メ ト リ によ り 位置推定を 行いながら , その累積誤差を 幾何ラ ン ド マーク を 使用する こ と で 補正する . そのため, 周囲に幾何ラ ン ド マ ーク が存在し ない場合には, オド メ ト リ によ る 位 置推定し か行えないため, 自己位置推定に失敗し やすい. 一方で磁気ナビゲーショ ン 法では,

環境中のあり と あら ゆる 場所に存在する 磁場を 利用し て 経路追従を 行う . こ れは, 磁場が時 間的に変化する 地点を 除いて , 磁場の乱れを 用いた位置補正や, 乱れのない磁場を 利用し て 姿勢修正が行え る ためである . こ の経路追従は, 周囲の磁場を 用いて 位置・ 姿勢修正を 行っ て いる ため, 自己位置推定に近い役割を 果たし て いる . そのため, ど のよ う な環境において も , 自己位置推定を 行いながら 経路追従を 行っ て いる よ う な効果があり , 結果と し て 様々 な 環境を 自律移動する こ と が可能と なる . し かし 先に挙げたよ う に, 自己位置推定の精度を 高 く 保つこ と は難し い. こ れら の結果は, Fig. 1.2に示し たよ う な, 磁気セン サを 用いた位置 推定の精度に対する 考え に対し て , 正し い見解である と 示す結果である と 考え る . こ のよ う に, 高い精度ではないが, 常にオド メ ト リ によ る 位置推定よ り も 正確な位置認識が行え る こ と が, 磁気ナビゲーショ ン 法の利点である .

その一方で磁気ナビゲーショ ン 法には, 磁場を 有効に利用する ために, 制御に用いる パラ メ ータ を 手動調整し なければなら ないと いう 問題が存在する . そのため, 磁気ナビゲーショ ン 法を 使用する ためには, 調整を 行う ための経験値が必要な欠点が存在する . ま た調整を 行 い, 自律移動が可能にな っ たと し て も , 常に高い位置推定精度(推定誤差20 cm以下)を 有 し ながら 自律移動を 行う こ と が困難である こ と も , 実験結果から 示さ れて いる . なお, こ の