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第 6 章 広域空間の磁場の地図化 70

6.8 自己位置推定実験

確率を , 時刻1から tま でのセン サ観測z1:tと 制御入力u1:tが与え ら れた下で求める こ と が 問題と なる . こ の確率は, 式(5.1)に示す漸化式で与え ら れる . セン サ観測には3軸磁気セ ン サを 用いる . 特に, 3軸の強度に分解し た磁場地図を 保有し て いる こ と から , セン サ観測 zを [mx, my, mz]T と する .

通常MCLでは, 観測モデルp(zt|xt)を セン サの性能に合わせて 設計する . 前章で述べた よ う に, 走行経路上の磁場のみし か地図化し て いない場合には, こ の観測モデルを 設計する こ と ができ ない. 一方で, 空間すべて の磁場を 地図化でき て いる 場合には, 観測モデルの設 計が可能と なる . 本研究では, ガウ ス過程回帰によ る 磁場分布推定を 行っ て いる ため, 各地 点の磁場強度の平均と 分散を 得る こ と ができ る . そこ で, 状態xに対する 3軸磁場強度の観 測値の平均ベク ト ルを µx, その分散共分散行列を Σxと し , 観測モデルを 以下のよ う に定 める .

p(zt|xt) = 1 (√

2π)3

x|exp (

−1

2(z−µx)TΣ−1x (z−µx) )

(6.17) 本研究では, 提案する 自己位置推定法を Fig. 6.4に示すロ ボッ ト に実装する . 本ロ ボッ ト の制御方式は, 前輪左右独立2輪駆動方式である ため, 動作モデルと し て は式(5.3)に示す を モデルを 使用する . ま た, 磁気セン サは3台搭載さ れて いる ため, 各セン サの状態を xi, 観測値を zi (i= 1,2,3)と し , 使用する 観測モデルを 以下のよ う 設定する .

p(zt|xt) =

3

i=1

p(zi,t|xi,t) (6.18)

ま た, パーティ ク ルのリ サン プリ ン グを 行う 際には, 式(4.11)に示すESSを 計算し , その 値がn/2を 下回る 場合にリ サン プリ ン グを 行う . こ こ で, nは使用する パーティ ク ル数を 表 し , 実装ではn= 1000と し た.

6.8 自己位置推定実験

Fig. 6.8に示す環境において , Fig. 6.4に示すロ ボッ ト を 移動さ せた際のセン サデータ を 記録し , こ れら のデータ と 構築し た2次元磁場地図を 使用し て 自己位置推定実験を 行っ た.

Fig. 6.15には, ロ ボッ ト の走行軌跡(赤線), 磁場地図を 用いた位置推定結果の軌跡(青線), およ びオド メ ト リ 軌跡(黒線)を 示す. なお, ロ ボッ ト の走行軌跡(真値)には, LIDARを 用 いたMCLによ っ て 推定さ れた値を 利用し て いる . オド メ ト リ 軌跡が累積誤差によ っ て 真値 から 逸れている のに対し て, 磁場地図を 用いた自己位置推定を 行う こ と で, 真値の追跡が実 現でき て いる . こ の結果から , 磁場地図を 用いた自己位置推定によ り , オド メ ト リ の累積誤 差を 修正でき る こ と が確認でき た. さ ら に Fig. 6.16には, 真値と 推定値の差分を 示す. 赤

6.8 自己位置推定実験

線は位置に対する 誤差(√

∆x2+ ∆y2), 青線は角度に対する 誤差(∆θ)を それぞれ表し て い る . こ の結果から , 位置誤差0.8-m以下, 角度誤差0.14 radの精度で自己位置推定が実現 でき る こ と が確認でき た.

Fig. 6.15: Trajectories obtained from the magnetic map-based localization (a) [39]

Fig. 6.9内に示すA地点は, Fig. 6.10から も 確認でき る よ う に, 磁場計測があま り 密に行 われて いな い地点である . 一方でFig. 6.13から わかる よ う に, こ の地点の磁場にも 磁場の 乱れが含ま れて いる こ と が確認でき る . こ の地点において , 同様の自己位置推定実験を 行っ た. Fig. 6.17には, 真値, 推定軌跡, およ びオド メ ト リ 軌跡, Fig. 6.18には位置と 角度に 対する 真値と 推定値の差分を それぞれ示す. 前述の実験と 同様に, オド メ ト リ の累積誤差を 磁場地図を 用いた自己位置推定によ り 修正でき て いる こ と が確認でき る . し かし ながら , 前 述の実験と 比較し て , 位置推定の誤差が増加し て いる こ と が確認でき る . 特に, 角度成分の 誤差が増加し て いる こ と が見て 取れる . こ れは, 前回の実験と 比較し て 旋回が多く なっ たた めである と いえ , 磁場地図を 用いた自己位置推定の精度は前述の実験と 同等である と いえ る . こ の結果から , MCLベースの磁場地図を 用いた位置推定が行え る こ と , およ び構築し た磁場地図が十分な精度で実際の磁場を 表現し ている こ と が確認でき た. ま た重要な結果と し て , Fig. 1.2に示すよ う に, 磁場地図を 用いる こ と でオド メ ト リ よ り も 高い精度で自己位 置推定を 行う こ と が確認でき た. すなわち , 本提案手法によ っ て 構築し た磁場地図, およ び 前章で述べた2次元幾何地図を 併用する こ と がで, よ り ロ バスト かつ精度の高い自己位置推 定を 行う こ と が可能と なる . さ ら に, 2次元の磁場地図を 用いる こ と で, 磁気セン サの計測 モデルに基づく 融合を 実現でき る .

6.8 自己位置推定実験

Fig. 6.16: Localization errors (a) [39]

Fig. 6.17: Trajectories obtained from the magnetic map-based localization (b) [39]