第 6 章 継続的なまちづくり活動を行っている活動団体の傾向
第 2 節 調査結果の考察 1. 団体の運営方法
団体の組織運営の特徴を捉え、継続的な活動の背景と実態について検証する。
1. 1 団体の概要
第 3 部の調査対象としている団体の 9 割が、「地域づくり・まちづくりの推進を図る活動」
に取り組む団体であったが、半数が 20 年以上継続した取り組みを行っており、おおよそ 9 割の団体が 10 年以上活動を継続している。組織の形成においても、多くの団体で母体 となった組織はみられず、新たに形成された組織であったが、その多くが法人格を持たな い任意団体として活動を行っている。構成員の人数については 50 人以上の団体が多い状 況であった。
1. 2 団体の活動について
各団体の活動について、団体の所在地域で活動を行っている団体が9割を占めたが、活 動の対象範囲(図 6-10)をみると、「市区町村単位」の範囲が 5 割弱(44.6%)と最も多 く、次いで「町内会、自治会の範囲」、「近隣の地区町村にまたがった地域」が同数(28 件、
15.3%)となった。
活動内容やスタイルについて図 6-11 に示したが、「イベント開催」が 8 割弱(78.5%)
と最も多く、ついで「体験活動、ワークショップ等の開催」が 6 割弱(57.1%)となった。
「研修、講座、勉強会の開催」(54.2%)や「親睦、交流活動」(46.9%)、「シンポジウム、
講演等の開催」(35.5%)など集客や交流型のスタイルが多くみられる。
独立した事務所
(他団体との共同 事務所も含む)
(81) 45.8%
公民館など 公共施設内 (53) 29.9%
代表者もしくは 構成員の個人宅 (9) 5.1%
その他(27) 15.3%
特にない(5) 2.8% 無回答 (2) 1.1%
団体の主な活動拠点 n=177
図 6-9 活動拠点となる場所について(n=177)
ほぼ毎日 (64) 36.2%
週に1回以上 (21) 11.9%
月に1回以上 (37) 20.9%
2~3ヶ月に (16) 9.0%1回程度 年に1回以上 (10) 5.6%
その他 (23) 13.0%
無回答・
不明 (6) 3.4%
団体の活動頻度(n=177)
図 6-12 活動頻度について(n=177)
45.2%
15.8%
15.3%
8.5%
6.2%
9.6%
0.6%
地方公共団体である市区町村単位 近隣の市区町村にまたがった地域 町内会や自治会の範囲 他都道府県を含む地域 小学校等の学校区の範囲
その他 無回答
8028271511171
0% 20% 40% 60% 80% 100%
団体の活動範囲(n=177) ※複数回答可
図 6-10 活動範囲 (n=177 ※複数回答可)
件数
77.4%
55.9%
53.1%
45.8%
35.6%
34.5%
28.2%
25.4%
23.7%
23.2%
20.3%
20.3%
17.5%
16.4%
15.8%
15.3%
6.8%
0.6%
1.1%
イベント開催 体験活動、ワークショップ等の開催 研修、講座、勉強会の開催 親睦、交流活動 特産品の開発・生産・物販・流通 シンポジウム、講演等の開催 調査・研究活動 施設等の運営・管理 自然景観・生物の保全 情報誌の発行、ポータルサイト運営など情報発信 まち歩き、まちなみガイド その他 サポート、支援活動 歴史的建物、町並みの保存・活用 移住者促進・支援 空き家、空き店舗の活用 アーティスト・イン・レジデンス サテライトオフィスなど企業誘致 無回答
1379994816361504542413636312928271212
0% 20% 40% 60% 80% 100%
団体の活動の内容やスタイル n=177 (複数回答可)
図 6-11 活動の内容やスタイル (n=177 ※複数回答可)
件数
これらの活動の頻度について図 6-12 に示したが、「ほぼ毎日」が 4 割弱(36.2%)と最 も多く、次いで「月に 1 回以上」が 2 割程度(20.9%)となった。イベント等の活動を主 要な活動としている団体については、イベント開催前後の活動回数が増加し、それ以外の 期間については月1回程度としているとの記述回答が複数件あった。
1. 3 運営方法
組織の運営方法について、全体の 9 割(89.8%)の団体で運営の際に役割分担がなされ ていたが、その内容は「会計」(86.2%)が最も多く、「企画」「広報」についても同程度み られた。その他「渉外」も半数の団体でみられた(図 6-13)。また組織内での情報共有と して定例会などの実施状況をみると、9 割強(159 件 ,92.1%)の団体で行われていた。
活動に必要な様々な情報については「貴団体の構成員から」が7割(129 件 ,72.9%)と 最も多い結果となったが、「行政」からの情報についてもがほぼ同数(128 件 ,72.3%)であっ た。次いで「関連する他の団体」が 97 件(54.8%)、「インターネット」が 93 件(53.7%)
83.0%
74.8%
67.9%
49.1%
17.0%
25.2%
3.1%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
会計 企画 広報 渉外 デザイナーもしくは デザイン作業担当
その他 無回答
1321191087827405
団体を運営する上での役割の種類n=159(複数回答可)
図 6-13 役割分担の種類 (n = 159 ※複数回答可)
件数
72.9%
72.3%
54.8%
52.5%
39.5%
39.5%
37.9%
19.2%
9.6%
1.1%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
貴団体の構成員から 行政 関連する他の団体 インターネット 勉強会や研修への参加 関連する活動をしている地域、
団体等への現地視察 新聞・情報誌 テレビ・ラジオ その他 無回答
129128979370706734172
団体の活動に必要な情報源は? n=177(複数回答可)
図 6-14 活動に必要な情報源について (n=177 ※複数回答可)
件数
となった(図 6-14)。組織内での情報共有や関連する団体との情報共有が主となっている 状況が窺えるが、行政から情報を得ている団体が多いことがわかった。内容については今 回の調査では特定できないが、行政からは補助金や活動に関連する制度などの情報、構成 員や他の団体からは取り組みの事例などの情報を得ているのではないかと推察される。
組織の運営費については、図 6-15 に示したが、「行政からの補助金・助成金」(110 件、
62.1%)が最も多かったが、同程度で「団体の活動による収益」(105 件、59.3%)であった。「構 成員による会費」は半数(89 件、50.3%)となった。主たるものについては、無回答が2 割(39 件 ,22.3%)となったが、「団体の活動による収益」が2割(39 件 ,22.3%)となり、
同程度で行政からの補助金・助成金(33 件 ,18.9%)となった。次いで構成員による会費(26 件 .14.9%)となった。
広報活動として情報発信の媒体注 8)は「ホームページ」が 8 割弱で 138 件(78.5%)と 最も多く、ネット利用としては次いで「Facebook」が 95 件(54.8%)となった。
パンフレット・チラシ」は 107 件(60.5%)と「ホームページ」に次いで多い。行政関 連では「行政の広報誌」が 66 件(37.3%)、「行政や観光協会等のホームページや SNS」が 57 件(32.2%)となった(図 6-16)。
情報発信の際、重要視している項目は、「更新頻度」が 75 件(44.9%)と最も多いが、
次いで「定期性」が 73 件(43.7%)、「コンテンツ(内容)の充実」が 72 件(43.1%)、「写 真や動画などイメージ素材の活用」が 68 件(40.7%)、「迅速さ」59 件(35.3%)の項目 についてもほぼ同程度であった(図 6-17)。情報発信において「写真や動画などイメージ 素材の活用」や「迅速さ」重要視しているが、これらには SNS の活用が効果的であると考 える。調査時、SNS の利用では Facebook が最も多かったが、現在は Instagram が多くなっ ていると推察されるが、媒体の変化は今後もみられると考える。
図 6-15 活動運営費について(n=177 ※複数回答可)
62.1%
59.3%
50.3%
34.5%
33.9%
23.2%
9.0%
6.8%
1.1%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
行政からの補助金・助成金 団体の活動による収益 構成員による会費 行政からの委託事業 寄付金・協賛金 民間団体、地域団体からの助成金 その他 企業からの委託事業 無回答
1101058961604116122
活動運営費はどこから得ているかn=177(複数回答可)
件数
1. 4 まとめ
調査結果から、多くの団体が「地域づくり・まちづくりの推進を図る活動」に取り組ん でおり、おおよそ 9 割が 10 年以上活動を継続している状況であったが、団体の取り組み 内容として、イベントやワークショップの運営など参加型による取り組みが多い。組織の
78.0%
60.5%
53.7%
37.3%
32.2%
26.6%
23.7%
16.4%
12.4%
7.9%
7.3%
6.2%
5.1%
5.1%
2.8%
0.6%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
ホームページ パンフレット・チラシ Facebook 行政の広報誌 行政や観光協会等の ホームページやSNS 定期刊行物 ブログ Twitter メーリングリスト マスメディア メールマガジン
(Ustream,YouTubeなど)動画配信 その他 特に発信はしていない Instagram 無回答
138107956657474229221413119951
活動の情報発信の媒体 n=177 (複数回答可)
図 6-16 情報発信の媒体について (n=177 ※複数回答可)
件数
44.9%
43.7%
43.1%
40.7%
35.3%
18.6%
17.4%
16.8%
10.8%
9.0%
3.0%
1.2%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
更新頻度 定期性 コンテンツ(内容)の充実 写真や動画などイメージ素材の活用 迅速さ より多くの情報発信媒体の活用 ターゲット デザイン性 情報受信者からのフィードバック 特にない その他 無回答
7573726859312928181552
情報発信を行う際、重要視している点 n=167 (複数回答可)
図 6-17 情報発信の際に重要視していること (n=167 ※複数回答可)
件数
運営ついては役割分担がされており、組織内での情報共有のため定期的に会合を開いてい る。運営費の捻出方法については行政からの補助金を得ている団体が6割を占めたが、団 体の活動による収益も同程度となった。
調査時の広報活動については団体のホームページによるものが多かったが、現在では最 新の情報の発信や情報の拡散を行うことができる SNS の活用が多いと推察されるが、今後 も媒体や発信方法が変化していくと考えられる。活動の情報発信は継続した取り組みを行 うための重要な要素であると考えるが、とくに情報の更新頻度やコンテンツの充実などを 重要視している結果となった。また数は少ないが、団体の活動について、ターゲットを定め、
デザイン性を重視した発信を行っている団体も 2 割弱みられた。組織内の役割としてデザ イナーが在籍する団体が 2 割ほどみられたが、情報発信や活動に関わるツールに明確なコ ンセプトのもとにデザインされた要素を意図的に取り入れていることでターゲットや活動 の趣旨が明確になり、活動への理解や集客効果の要因の一つとなっていると考える。
2. コアメンバーの状況
活動を牽引するコアメンバーの特徴を捉え、継続的な取り組みについて検証する。特に 地方においては高齢化や人口減少による活動の担い手不足が課題となっている地域が多い が、若者を中心に地域外の人材が地域に入って活動を行っている事例も見られ、まちづく りの担い手となることが期待されているが、各地域の現状について把握する。
2. 1 団体の構成員
現在の団体の構成員の人数については先に示したとおり、約 4 割(39.0%)が「50 人以上」
(図 6-7, 図 6-8)であるが、設立からの構成員数の増減については、減少を示す「かなり減っ ている」「やや減っている」を足した回答と、増加を示す「かなり増えている」「やや増え ている」を足した回答についてほぼ同じ割合となった(図 6-18)。
かなり増えて いる
(31) 17.5%
やや増えて いる (34) 19.2%
増減はない、もしくはほ とんど増減はない ( 36 ) 20.3%
やや減っている
(46) 26.0%
かなり減って いる
(25) 14.1%
無回答・不明 (5) 2.8%
設立時と比較した構成員の人数の増減
(n=177)
図 6-18 設立時と比較した構成員の人数の増減 (n=177)