第 2 章 まちづくりに対する地域住民の意識
第 1 節 参加店によるイベントの評価
し興味があった」との回答を合わせると 6 割強となった。参加を決めた理由として、商店 街やまちの活性化などイベントの趣旨に賛同したとの回答が約 7 割を占めている。参加以 前からイベントに対して興味をもち、イベントの趣旨を共有していたことが分かる。
2. イベントによる効果についての評価
イベントへの全体的な満足度について、インタビュー調査では、細かな点について様々 な意見があるものの、イベント自体への否定的な意見はなく、やりがいや満足度等に関し て高い評価が多く見られた。各店舗や個人にとって負担が少なく満足度が高いということ が継続して参加することの要因となっているという回答もあった。
アンケート調査からはイベントに対する満足度について「大変満足している」「満足して いる」との回答を合わせると、29 件(70.7%)となった。また、今後のイベントへの参加 について、32 件(78.0%)が「引き続き参加する」と回答していることから、全体的にイ ベントに対する満足度が高いといえる。
さらにインタビュー調査から、イベントをきっかけに、村上の魅力について再認識する ことができたと複数件の回答があった。その他、「様々な人とのコミュニケーションの機会 が増えた」、「参加店が新たな取り組みを始めた」という回答からも、いくつかの効果が生 まれていることが分かった。このような効果がどのように評価されているのかアンケート 調査から、特に以下の 4 点について検証した。
① 村上の魅力の再認識
村上の魅力の再認識について「とても感じる」25 件(61.0%)「やや感じる」12 件(29.3%)
を合わせると 9 割となった。村上のまちについて話をする機会について、「かなり増えた」
23 件(56.1%)「やや増えた」14 件(34.1%)を合わせると約 9 割となった。また、子 どもに村上の歴史や文化について話す機会については「かなり増えた」6 件(14.6%)「や や増えた」22 件(53.7%)を合わせると約7割が増加したと回答している。イベントに参 加したことをきっかけに村上の魅力を感じる機会が生まれ、また村上の歴史や文化を継承 する機会も増えている。
② 観光客とのコミュニケーション
インタビュー調査では、観光客との会話の内容は、展示している「人形さま」「屏風」や 展示空間である「町家」に関することであるとの回答が多かった。もともと各家独自の歴 史がある「人形さま」「屏風」に関することや実際に生活している町家の空間についての話 は説明しやすい。これまで眠っていた資産をきっかけにコミュニケーションをとる機会が 増え、またそれを楽しんでいるといえる。
アンケート調査では観光客とのコミュニケーションの機会について、「かなり増えた」
27 件(65.9%)と「やや増えた」11 件(26.8%)を合わせると 9 割強となり、観光客と 話をすることについて、「とても楽しい」23 件(56.1%)と「やや楽しい」13 件(31.7%)
を合わせると 9 割弱となった。
インタビュー調査でも観光客から人形や屏風について、その歴史や価値、町家の生活空 間の魅力について教わることがあるとの複数件の回答があり、観光客とのコミュニケー ションからも村上の文化や歴史について再認識する機会を得ていると推測される。
以上のように、参加店と観光客のコミュニケーションは活発かつ積極的に行われており、
参加店の負担となっているのではなく、イベントを継続させるためのモチベーションを上 げる要因になっていると考えられる。
③ 住民同士のコミュニケーション
コミュニケーションをとる機会やその範囲の増減について図 2-3 に示したが、コミュニ ケーションをとる機会は参加店同士で「かなり増えた」「やや増えた」との回答を合わせる と 75.6%、参加店以外の市民では 63.4%となった。また新たなメンバーが加わったかと いう問いに対し、参加店同士で 65.8%、市民では 61.0%が増えたと回答している。イン タビュー調査でも「イベントをきっかけに初めて店に行った」「初めて話をした」など、イ ベントを通して参加店同士の交流の機会を得たとの回答が複数得られた。また、図 2-3 の いずれの項目にも減少を示す「やや減った」「かなり減った」との回答が無かった。このこ とからもコミュニティの場が以前より活性化したと推測される。
④ 新たな取り組み
インタビュー調査では、販売方法の工夫や新商品の開発など、新たな取り組みを行った との回答が複数あった。また新規事業に取り組んだ参加店もあり、積極的な姿勢をみるこ
図 2-3 依頼されたときの気持ち
かなり増えた (5) 12.2%
やや増えた 63.4%(26) 変わらない (9) 22.0%
無回答 (1) 2.4%
コミュニケーションをとる機会は増えたか?
(n=41)
かなり増えた (3) 7.3%
やや増えた 58.5%(24) 変わらない
(8) 19.5%
無回答 (6) 14.6%
新たなメンバーは増えたか?
(n=41)
a) 参加店同士
かなり増えた (7) 17.1%
やや増えた 46.3%(19) 変わらない (14) 34.1%
無回答 (1) 2.4%
コミュニケーションをとる機会は増えたか?
(n=41)
かなり増えた (8) 19.5%
やや増えた (17) 41.5%
変わらない (13) 31.7%
無回答 (3) 7.3%
新たなメンバーは増えたか?
(n=41)
a) 参加店以外の市民
とができた。
アンケート調査では、各店舗の新たな取り組みについて約半数の 20 件から回答が得ら れた(回答率 77.3%)。回答が得られた 20 件について、「もてなし」3 件(15.0%)、「村上 の歴史文化の伝達」3 件(15.0%)や、「企画や新商品の開発」4 件(20.0%)などイベン ト参加をきっかけに積極的に新たな取り組みを行っていると推測できる。
本節ではイベントによる効果について分析を行ったが、いずれの結果を見てもイベント が参加店から好意を持って受け入れられ、またその結果、住民自体の意識の向上やコミュ ニケーションの活性化がみられるという結果が得られた。特に観光客との良好な関係が形 成されたことは、イベント継続のモチベーションに強く影響していると考えられる。
3. 参加店以外の協力
参加店が、参加店以外の市民や村上以外の人の協力の必要性についてどのように感じて いるかとの質問については図 2-4 のような結果となった。市民に対しては 70.7%が参加し てほしいと回答しているのに対し、他の地域に対しては 29.3%となった。
市民の協力は求めているが、現状としてイベントに対する満足度が高いため、協力の範 囲を他の地域まで拡げる必要性をあまり感じていないのではないかと考えられる。このこ とは、他地域に対する閉鎖性、消極性とも捉えられるが、イベントの継続性を確保するた めに対象地域の拡大やイベントの拡大をしないというイベントの趣旨を反映しているとも 考えられる。
以上、参加店によるイベントの評価を検討してきたが、概して参加店のイベントに対す る満足度が高いといえる。その中でも参加店同士や住民、特に観光客とのコミュニケーショ ンが活性化されたことと、イベントの規模の拡大は望んでおらず、他の地域からの協力等 についてはあまり必要性を感じていない点が特筆される。一方、インタビュー調査ではイ ベントに対する改善点などを挙げる回答も複数あったが、イベントやまちづくりに対する 関心の強さとも考えられる。
図 2-4 参加店以外の協力の必要性
参加して ほしい (29) 70.7%
参加してほ しくない(1) 2.4%
わからない (10) 24.4%
無回答 (1) 2.4%
市民に協力してほしいと思いますか?
(n-41)
参加してほしい (12) 29.3%
参加してほ しくない (6) 14.6%
わからない (22) 53.7%
(1) 2.4%無回答
県内の他の地域や他県などからの ボランティアの人たちに参加して ほしいですか? (n=41)