王981年10月の予備的調査(真田による〉の結果をふまえて,具体的な調査 対象地点を,三重県北部の桑名市と桑名郡長島町(図1参照),そして名古屋 市と三河側の知立市の4地点と決定した。この4地点で,老年層,若年層各
8名ずつ,計64名の生え抜きのインフォーマントを選定して,それぞれの地 点に出向き,インフォーマントに面接した。調査期間は1981年11月24日〜28
日。調査者は,真田のほか,佐藤亮一,高田正治,沢木幹栄,白沢宏枝の5 名である。
インフォーマントの属性を,次に表1に示す。上の二段が老年層,下の二 段が若年層ということになる。
具体的地点について,「桑名」は桑名市街地,「長島」は大字長島,「名古屋」
は熱田区:と中区,「知立」は知立市街地をそれぞれ指す。
インフォーマントの選定に当っては,桑名布教育委三会,桑名市立光風中 学校・二三中学校,長島町教育委貫会,長島町立長島中学校,名古屋市熱田
老若
表1 インフォーマントの属性(生年・性別)
桑 名 長 島 名古崖 知 立 M291M291M29:M30
香pmlmlm
@ l : t一一早†一 列一一一鱒雪一一一騰
M381M411M44: :r7
高撃高券ョlm
@ l l l一一鱒轍トー一 十一一一幣1 『
M401M4σM411M4娃
高撃高撃香Fm
@ l : 1一一一嘱曹 一鷲一一一 トー一
M341M411M441M45
Qlmlml磁
@ l l l瞥 一十一一セー『† 一一
I I 霧 1 1 1 蔭 I l } 1 編
M341M36:T3:S3 T11:T121T12S3 T21T3:T4:T14
T2:T3:T51T8
mlfl斑lm
「 匡 瘤蛋:flf:{
l l 韮fl{:磁lf
華 陰 1m:ml田1鵬
「 l lS41:S411S421S42 S41:S411S411S42 S411S411S42:S42 S431S431S43:S43ml鵬lfl至 l l :一一一τ1…一『:幣曽一一1一一一一
mlf:f;m
@ l l :一一一噛 『マー一『ヒ胤『 @ : l l曹 一帰1幽一一博曽一 マ 一『
m;至lfl恥
@ l l l禰幽一一「謄 一1曹一一,一一一xn;董1憩;m
編 匿 }
r42:S421S431S43 「 「 1
r42【S431S43:S43 I I 駐
r421S42:S431S44 1 ε ε
r44:S441S44}S44
磁lflflm
1 1 霧flflmlη農 m:f【磁lf
1 影 「 「 l Iflmlflf
匹 1 監M:明治,T:大正, S:昭和/m:男性, f:女性
方言意識と方言使綱の動態 43 区:役所・中区役所,名古屋市立宮中学校,矢貝立市教育委貫会,知立市立竜北 中学校のご協力を仰いだ。
なお,本稿では,考察に際して,桑名市,長島町を含む愛知・岐阜・三重 県境での書語地理学的100地点調査のデータ(真田信治「愛獺・岐阜・三重県 境言語地図」)も参考として扱うことにする。このデータは真田が個人的に集 めたものである。調養は1978年10月〜1979年12月の閣に行なった。調査に当 っては,一部で椙山女学園大学文学部の教員,学生の助力を得ている。
3.方言意識の様相
3.1所属意識(「東」か「西」か)
最初に当該地域の人々の所属意識をたずねた結果のデータを掲げる。
設問は,次のようであった。
「U本を大きく東と西とに分けるとすれば,この土地はそのどちらに属 していると思いますか。」
表2での各欄は上の表1での各インフォーマントの位置に対応している。
全体的に,東西の緩衝地帯としてのこの地の特徴がよく現われているとい えよう。東日本に属していると考える人と西日本に属していると考える人と が拮抗して存在しているのである。しかし,詳しく見れば,老年層において は,桑名,長島では「西」と意識する人が多く,知立では「東」と意識する 人が多いことがわかる。その間には移行的状況が見える(表3参照)。なお,
特に桑名の若年層はすべてが「西」と圃答し,老年層ときわだった相違を示 していることが注冒される。また知立においても「西」とする人があるが,こ の人々に,「では陳』はどこからですか1とたずねた結果では,すべての人 が「浜名湖からむこう」と回答したことをつけくわえておきたい。
さて,三重側の桑名と長島のインフォーマントに,「あなたは関西の人です か」とたずねた結果は,表4のようであった。
「Yes」と「No」とが結抗しているが,どちらかといえば,桑名に「Yes」が 多く,長島に「NO」が多い傾向を見てとることができよう。
44
褒2 H本を大きく東と西とに分けるとすれば、この土地はそのどちらに属していると 思いますか。
桑 私 長 島 名霊∫屋 知 立 くi tw 一くi @i@<< ev@@@ tw l tw tw 〈@
老
①<]㊥<コ①㊥<<]く]くコ㊥⑬㊥㊥㊥⑱ <]<レぐくコ㊥㊥㊥㊥㊥〈㊥<コく1㊥㊥<1
若
くく<3<]<】〈㊨⑳㊥㊥<コ⑳①ぐく1㊥
<随 ①中間 ⑭東
袋3 衷2に同じ(老年層)
(入〉
sVf
束
…一一一一?間
西
襲4 あなたは「関西人Jですか。
桑 名 長 島
三士□NN□團□
老囲□二二囲田田囲
囲NN囲囲N□□
若三囲□N□□□N
圃Y・・ □N・ N?
劫→︵Rり
4 ㌧
一
illli E⁝桑名 長島 名古墜知立 桑 長 名 知 名 島 古 立 屋
この土地のことばは、関東、関函のどちらに近いと思いますか。
褒5 老年層 表6 若年層 (入>
8
團多古屋4
西特閲垂垂 や ゑ ㎜野臥團翅
方言意識と:方言使用の動態 45
3.2土地ことばについての意識
次に,現在の当該地のことばに関して,それが東西ことばのどちらに近い かを判断してもらった結果のデータを見よう(表5・6)。
設問は,次のようであった。
「この土地のことばは,関東,関西のどちらに近いと思いますか。」
表5は老年層における,また表6は若年層における実態である。
まず,老年層の場合について見ると,ほぼ東になるほど「関東」とする回 答が多く,西になるほど「関西」とする圃答が多くなる。ただし,獺立には
「関西」とするものはいないし,長島をのぞく地点には「どちらとも言えず中 間」とする回答も多い。なお,桑名には,「ここの言葉は独特」とする,まさ に独自の圏答が見られることが注囲される。この地の,自立心を培う風土性 といったものを改めてうかがうことができる。
若年層において指摘されることは,老年層では見られなかった回答形「名 古屋」が新たに各地で顕著に出現していることである。ヂ関東」と「関西」の みを指示したにもかかわらず,若年層が積極的に「名古屋」といった具体形 で圏止するのは,やはり.この地域で名古屋の影響が最近になってより強く なってきている,そしてそのことを若い人々が特に意識しているということ を示すものではないかと思う。
表7 この土地のことばは今どこのことばの影響を受けっっあると思いますか。
桑 名 長 島 名 占 屋 知 立
老若
舞○口
奄noi■ 噛 , 「 「 「 一 一 一 . 一 幽 幽 幽 , , 7 F ,⑧⑧ 縁¥
¥一・ 黶Zi
E01・
一㍉ρ○・}訴)1
口細I 血禔E
Q一一一騨 @ ⑧ 一一楠一