第 2 章 既往の研究
3.3 試験方法
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3.3.2 締固め試験
締固め性試験は,JSCE-F 508「超硬練りコンクリートの締固め性試験方法」に 従った.この試験は,加速度5G,振動数 75Hzの振動台上で 3分間振動締固め を行い,締固めエネルギーと充填率の関係を近似式として得るものである.締固 め性試験で得られた近似式から初期充填率:Ci,締固め効率:Ce,達成可能充填 率:Cf,締固め完了エネルギー:E98を算出し,締固め性の評価を行った.
試験手順を以下に示す.
(ア) 実測空気量に基づいて再計算した配合から得られる単位容積質量に基づい
て,φ100×200mmの型枠に充填率100%に相当する量のコンクリートを計量
する.このとき,粒径に偏りが生じないように注意しながら採取する.
(イ) 型枠にホッパを取り付け,計量したコンクリートを3層に分けて投入し,各 層突き棒で 15 回突く.このときも,粒径に偏りが生じないように注意しな がら試料を投入する.
(ウ) コンクリートを投入した型枠を振動台に固定し,試料上面に上載板をセット して振動締固めを開始する.振動開始から終了までの 3分間,0.5秒ごとに コンクリートの沈下量をレーザ変位計で計測する.
(エ) 締固めエネルギーおよび充填率を式(3-3)および式(3-4)を用いて算出 する.
(オ) 締固めエネルギーと充填率の関係をグラフにプロットし,近似計算により締 固め曲線を得る.
(3-3)
(3-4)
Ei:時間tiにおける締固めエネルギー(J/L)
ρ:実測空気量での試料の単位容積質量(kg/L)
αmax:最大加速度(m/s2)=5G=5×9.80665 f:振動数(s-1)=75Hz
ti:締固め時間(s)
γi:時間tiにおける充填率(%)
H:型枠の高さ(mm)=200mm
h:型枠上面とコンクリート上面の高さの差 ここに,
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3.3.3 強度試験
(1) 測定方法(圧縮強度・静弾性係数・曲げ強度)
圧縮強度試験はJIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に,静弾性 係数試験はJIS A 1149「コンクリートの静弾性係数試験方法」に従って行った.
本実験では,3.2.4(1)に示した手順で作製したφ100×200mm の供試体を打 込み翌日に脱型し,28日間水中養生を行った後研磨し,各配合 3本ずつ試験 した.また,載荷時の縦ひずみの測定は,コンプレッソメータを用いて行った.
曲げ強度試験は,JIS A 1106「コンクリートの曲げ強度試験方法」に従って 行った.円柱供試体と同様に,打込み翌日に脱型した100×100×400mmの供試 体を,28日間水中養生を行った後に,各配合3本ずつ試験した.
(2) セメント空隙比による圧縮強度の整理
超硬練りコンクリートでは,締固め後に空隙が残る場合の充填率と強度に は相関がある3-3).すなわち,超硬練りコンクリートの圧縮強度は,セメント 水比ではなくセメント空隙比に支配されると考えられる.このため,セメント 空隙比説に基づく圧縮強度の整理を行った.セメント空隙比は,セメントの体 積を空隙と水の体積の和で除した値であり,空隙量の算出が必要である.
空隙量の算出において,本研究では締固め性試験の結果を利用した.これは,
供試体の締固め性試験の結果から,各々の振動締固め終了時の充填率を知る ことができるためである.なお,連行空気体積は空隙体積に含めて整理した.
また,3分間の振動締固めによって供試体の充填率が100%を超える場合,そ の供試体の充填率は100%とし,空隙率は0%として評価した.充填率が100%
を超える現象は,試験装置の上載板と型枠壁面との隙間からセメントペース トが滲み出ることがあるために起こるものである.
セメント空隙比の算出手順を以下に示す。
(ア) 締固め性試験によって得られた締固め曲線から,180秒間の振動エネルギ ーによって得られる充填率ߛଵ଼(%)を算出する【式(3-5)】.
(3-5)
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(イ) 充填率ߛଵ଼(%)を100%から減じたものを空隙率とし,空隙率からコンク リート1m3中の残存する空隙体積を算出する【式(3-6)】.また,実測空 気量からコンクリート 1m3中に含まれる連行空気体積を算出する【式(3
-7)】.
(ウ) 実測空気量に基づくコンクリートの配合の単位量から水およびセメント の単位体積を計算し,各配合のセメント空隙比を計算する【式(3-8)】.
(3-6)
(3-7)
(3-8)
γ180:180秒間の締固めエネルギーによって得られる充填率(%)
E180:180秒間の締固めエネルギー(J/L)
Vv:単位空隙体積(m3) Va:実測連行空気体積(m3) A:実測空気量(%)
CVR:セメント空隙体積(Cement Voids Ratio)
Vc:単位セメント体積(m3) Vw:単位水体積(m3) ここに,
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3.3.4 長さ変化試験
乾燥収縮特性を検討するため,長さ変化試験を実施した.長さ変化試験は,JIS
A 1129-2「モルタルおよびコンクリートの長さ変化測定方法」に規定のコンタク
トゲージ方法に従って行った.
乾燥収縮試験に用いる供試体は,100×100×400mmの角柱供試体とし,供試体 本数は1配合につき3本とした.供試体は,打込み翌日に脱型し,7日間水中養 生を行った.その後,周辺の温度20℃,湿度60%R.H.の恒温恒湿室に保管した.
供試体間には 25mm 以上間隔をあけ,かつ供試体下面からの乾燥を妨げないよ うに保管した.
恒温恒湿室にて乾燥させた期間3日,7日,14日,28日,56日,91日,280 日,365日における長さ変化,質量変化の計測を行った.
(1) 基長の設定
供試体の基長の設定は,7日間水中養生を行った後に行い,200mmとした.
ゲージプラグは,両側の中心線上で,それぞれの標点間の距離がほぼ 200mm となるように取り付けた.(図3-2)
(2) 測定方法
測定は,JIS A 1129-2に規定のコンタクトゲージ方法に従って試験した.コ ンタクトゲージ法のひずみの精度は,ダイヤルゲージの目量(0.001mm)と基
長(200mm)から,5×10-6となる.また,乾燥による試験体の質量損失を検
討するため,試験体の質量を測定した.
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100mm
100mm
打設面
図3-2 長さ変化試験用供試体の概要
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3.3.5 凍結融解試験
凍結融解試験は,JIS A 1148「コンクリートの凍結融解試験」における水中凍 結水中融解法(A法)を参考にして行い,材齢28日まで20℃の水中で養生を行
ったφ100×200mmの円柱供試体を用いた.試験溶液には,冬季における凍結防
止剤散布環境を想定して,NaCl3%溶液を用いた.ゴムスリーブ内には,写真 3
-1に示すように,ポリウレタン製の棒材を挿入し,試験溶液の体積増加によっ てスリーブ内の温度変化が緩慢とならないように留意した.
測定項目は相対動弾性係数および質量減少率とし,各配合 3 本ずつ,凍結と 融解の繰り返しを300サイクル実施し,得られた値を平均した.
写真3-1 凍結融解試験用ゴムスリーブ内
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3.4 結果および考察